マシュー・スタッフォード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
マシュー・スタッフォード

Matthew Stafford
デトロイト・ライオンズ No. 9

Matt Stafford 2009 cropped.jpg
クォーターバック
生年月日:1988年2月7日(26歳)
出身地:アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国フロリダ州タンパ
身長:6' 2" =約188cm 体重:225 lb =約102.1kg
NFLデビュー
2009年デトロイト・ライオンズ
経歴
大学ジョージア大学
NFLドラフト2009年 / 1巡目(全体の1番目)
 所属チーム:
通算成績
(2013年までの成績)
TD/INT     109回/73回
パスヤード     17,457ヤード
QB レーティング     83.1
NFL.comよりの成績
受賞歴・記録

マシュー・スタッフォードJohn Matthew Stafford , 1988年2月7日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州タンパ出身のプロアメリカンフットボール選手。ポジションはクオーターバック(QB)。現在はNFLデトロイト・ライオンズに所属している。

経歴[編集]

高校時代まで[編集]

1988年にフロリダ州タンパで生まれる。程なくして父がジョージア大学大学院に通い始めたため、家族でジョージア州へ移住。その後、テキサス州ダラスへ移り住む。ダラス市内にあるハイランド・パーク高校に進学し、ランディ・アレンコーチの指導の下でクオーターバック(QB)として頭角を現す。

1年目から3,161ヤードのパスを通し、38TD、6ITという好成績を残す。高校2年までは野球もプレーしており、高校の野球チームのチームメイトには、現在MLBロサンゼルス・ドジャースで活躍するクレイトン・カーショウがいた。しかし、2年目のシーズンは1,748ヤード、18TD、11INTと前年度から大きく成績を落としてしまった。そのため、スタッフォードはフットボールと野球の両立を断念し、以降はフットボールに専念する。2005年の夏に膝を痛めるアクシデントがあったが、怪我から復帰後は15試合で4,018ヤードを稼ぎ、38TD、6INTという好成績を収め、チームを全勝でチャンピオンシップ制覇に導いた。最終学年時の活躍により、スタッフォードは一躍全米最優秀QBとして脚光を浴びるようになった[1]

ジョージア大学[編集]

2006年1月に高校を早期卒業したスタッフォードは、父の母校であるジョージア大学カレッジフットボールの奨学生として進学。ジョージア大では、練習生を経ずに1年目の途中から先発QBの座を掴み取る[2]。1年目の成績は1,620ヤード、パス成功率53.6%(126/235)、7TD、13INTと、やや低調な数字に終わったが、チック・フィラ・ゲームでは、強豪バージニア工科大学の撃破に貢献し、MVPを受賞している[3]

2年目のシーズンでは、2,523ヤードのパスを通し、19TD、10INTをマーク。自身の成績を大幅に向上させると共に、チームを11勝2敗の好成績でシュガーボウル制覇に導いた。シーズン9戦目のフロリダ大学戦では、WRモハメド・マッサコイ(2009年ドラフト2順目でクリーブランド・ブラウンズに入団)に自己最長の84ヤードのTDパスを通している。

3年次には成績を更に向上させ、3,459ヤード、25TD、10INTをマーク。チームも順調に勝ち進み、キャピタルワンボウルを制覇。スタッフォードにとっては大学通算3つ目の主要タイトルとなった。大学3年間の通算成績は7,731ヤード、51TDであった。また、大学時代には故障で試合を欠場したことが一度も無く、自身が先発した試合では22勝5敗という高勝率を誇った。「勝てる」、「故障がない」という優秀なQBに求められる条件を満たしていたスタッフォードは、最終学年を待たずしてNFLドラフトの全体1位指名候補となった[3]

デトロイト・ライオンズ[編集]

2009年[編集]

2009年のNFLドラフトでは、前年に16戦全敗のデトロイト・ライオンズが全体1位でスタッフォードを指名された。この際、LBアーロン・カリーの指名を望んでいると見られるライオンズファンからのブーイングも起きた[4]。事前交渉によって前年のマット・ライアンアトランタ・ファルコンズ)の6年総額7,200万ドルを超える6年総額7,800万ドルという超大型契約[5]が成立していたため、ドラフト当日の全体1位指名発表の際には、興を削がれたファンからブーイングが沸き起こった[6]。またCMに有名人をあまり起用してこなかったユニリーバステイシー・キーブラー以来となるスポーツ選手として起用され、AxeのCMへの出演契約を結んだ[7]

37年間プロボウルでプレーしたQBを輩出していないライオンズにとってスタッフォードは待望のスターQB候補として期待された。当初エースQBにはベテランのダンテ・カルペッパーが起用されると見られていたが[8]>[9]、9月13日のシーズン開幕戦直前になってエースQBとして起用することがチームから発表された[10]

新人QBとしては1968年のグレッグ・ランドリー以来となる開幕戦先発を果たしたニューオーリンズ・セインツ戦ではパス37回中16回の成功で205ヤードを投げインターセプト3回と散々だったが1ヤードのTDランをあげた。第2週のミネソタ・バイキングス戦でカルビン・ジョンソンにプロ入り後初のタッチダウンパスを投げた。第3週のワシントン・レッドスキンズではパス36回中21回の成功で241ヤードを投げ1タッチダウンをあげる活躍を見せて、連敗を19でストップ、チームに2007年12月23日以来となる勝利をもたらした[11]。第4週のシカゴ・ベアーズ戦でサックされた際にひざを痛めて続く2試合に欠場した。

11月22日のクリーブランド・ブラウンズ戦では左肩を負傷しながら[12]、NFL新人記録となるパス422ヤードを獲得、NFLの新人史上ダン・マリーノに次いで2人目となる5TDパスを投げてチームに2勝目をもたらした[13]。この活躍でその週のNFC最優秀攻撃選手[14]、最優秀新人選手に選ばれた[15]。この年10試合に出場し、2,267ヤードを獲得、13TD、20INTの成績を残した。

2010年[編集]

2010年、開幕戦のシカゴ・ベアーズ戦で右肩を負傷退場[16]、第7週まで戦列を離脱した[17]、その後またも右肩を負傷し[18]、わずか3試合の出場に終わったが535ヤードを獲得、6TDに対して1INT、QBレイティングは91.3の数字を残した[19]

2011年[編集]

2011年1月に右肩の手術を行った[20]。3月24日には投球練習を開始した[21]。この年、開幕からカルビン・ジョンソンとの間でタッチダウンを量産した。第2週のカンザスシティ・チーフス戦では4TDパスを投げて48-3で圧勝した[22]。第3週のミネソタ・バイキングス戦では20点差から逆転勝利し[23]、敵地メトロドーム1997年以来14年ぶりに勝利した[24]。第4週のダラス・カウボーイズ戦では24点差からの逆転勝利にチームを導き[25]、第5週でも勝利し、1956年以来となる5連勝を果たした[26]。第16週のサンディエゴ・チャージャーズ戦で373ヤードを投げて3タッチダウン、シーズン通算獲得ヤードを4,518とし、スコット・ミッチェルの作ったチームのシーズン記録を更新[27]、チームを1999年以来となるプレーオフ出場へ導いた[28]。最終週のグリーンベイ・パッカーズ戦ではパス59回中36回成功、520ヤードを獲得し5TDをあげたが[29]、相手QBマット・フリンが480ヤードを獲得、6TDをあげる活躍を見せて41-45で敗れた[30]41-45で敗れた。ワイルドカードニューオーリンズ・セインツ戦ではカルビン・ジョンソンへの211ヤードなど、パスで380ヤードを獲得したがディフェンスが崩壊し28-45で敗れシーズンを終えた[31]。この年プロ入り後初めて全試合に先発出場し、5,038ヤードを獲得し41TDをあげた[32][33]。またカルビン・ジョンソンとのホットラインでは96回のパスで1,681ヤードを獲得、チーム記録となる16TDをあげた[34]

2012年[編集]

2012年、8月25日のプレシーズンゲームで左手の血管が破裂する負傷をした[35]。第3週のテネシー・タイタンズ戦では負傷し途中交代した[36]。第8週のシアトル・シーホークス戦ではパス49回中34回成功、3TDパス及び1TDラン、残り20秒に逆転TDパスを決めて28-24で勝利した[37]

第9週にはカート・ワーナーに次いでNFL史上2番目の速さとなる37試合目の先発出場でパス通算10,000ヤードを達成した[38]。この年、パス4,967ヤード、20TD、17INTの成績を残した。

2013年[編集]

2013年7月、ライオンズと3年5,300万ドルの契約延長を果たした[39]

選手としての特徴[編集]

強肩が最大の魅力で、密集地にも速いボールを投げる地肩を持つ。リリースも素早く、クイックリリースからも長距離パスを投げることが出来る[2]。体格こそプロのQBの中では平均的だが、優れた身体能力も兼ね備え、ジェイ・カトラーに似たタイプのQBだと評価されている[40]。40ヤード走4.8秒の脚力を持つ[3]。パスラッシュの交わし方、視野の広さ、冷静さ、リーダーシップも高く評価されている[2]。そして、“勝てるQB”であることや、大学時代に毎年成績を向上させた成長力もスタッフォードの評価を高めている[3]

高額での契約に対し「過大評価」とする意見もあったが、ライオンズのマーティン・メイヒューGMはスタッフォードの長所として、「強肩、オーソドックスなスタイル、ゲームに対するインテリジェンス、道徳観と情熱、練習熱心さ」を挙げた[6]

一方で、パスの精度[2]や状況判断[40]に課題があるとされる。

年度別成績[編集]

ジョージア大学[編集]

年度 チーム 試合 先発 パス ラン QB レート
Comp Att Pct Yds YPA TD Lng Int Att Yds Avg Lng TD
2006 ジョージア大学 13 6 135 256 52.7 1,749 6.8 7 53 13 47 191 4.1 39 3 108.99
2007 ジョージア大学 13 13 194 348 55.7 2,523 7.3 19 84 10 39 -18 -0.5 31 2 128.92
2008 ジョージア大学 13 13 235 383 61.4 3,459 9.0 25 78 10 55 40 0.7 30 1 153.54
39 32 564 987 57.1 7,731 7.8 51 84 33 141 213 1.5 39 6 133.3

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ Rivals.com Pro-style quarterbacks ranking of 2006
  2. ^ a b c d 生沢浩のNFLレポート Inside Britz Matthew Staffordプロフィール
  3. ^ a b c d 2009NFLドラフト|注目選手:マシュー・スタッフォード NFL JAPAN.COM
  4. ^ 全体1位のスタッフォード、ブーイングにも「実力を証明するだけ」”. NFL JAPAN (2009年4月27日). 2012年11月11日閲覧。
  5. ^ 全体1位はスタッフォード! ライオンズと6年75億円で契約合意”. NFL JAPAN (2009年4月25日). 2011年9月15日閲覧。
  6. ^ a b 宮脇直 「ROOKIES PROFILE #02 Matthew Stafforf」 『月刊タッチダウンPRO』2009年7月号、タッチダウン株式会社発行、2009年、雑誌15979-07、6-7頁。
  7. ^ 渡辺史敏 (2009年6月30日). ““74億円男”スタッフォード、広告契約も続々と”. NFL JAPAN. 2012年11月11日閲覧。
  8. ^ スタッフォード、カルペッパーとの先発QB争いに準備万端” (2009年4月28日). 2012年11月11日閲覧。
  9. ^ HCも太鼓判、ライオンズQB争いはカルペッパーがリードか?”. NFL JAPAN (2009年6月25日). 2012年11月11日閲覧。
  10. ^ 全体1位QBスタッフォード、ライオンズの開幕QBに抜てき”. NFL JAPAN (2009年9月8日). 2011年9月15日閲覧。
  11. ^ 2年ぶり勝利のライオンズ・オーナー、「やっと肩の荷が下りた」”. NFL JAPAN (2009年9月28日). 2012年11月11日閲覧。
  12. ^ 先週5TDのスタッフォード、感謝祭ゲーム欠場濃厚”. NFL JAPAN (2009年11月26日). 2012年11月11日閲覧。
  13. ^ Stafford's TD at :00 wins game after Browns called for interference on Hail Mary ESPN
  14. ^ 新人記録樹立のQBスタッフォードらが受賞 オフェンス部門”. NFL JAPAN (2009年11月26日). 2012年11月11日閲覧。
  15. ^ ライオンズQBスタッフォード、最優秀新人賞に初選出”. NFL JAPAN (2009年11月28日). 2012年11月11日閲覧。
  16. ^ ベアーズ、カトラーとフォルテのホットラインで逆転勝ち”. NFL JAPAN (2010年8月13日). 2012年11月11日閲覧。
  17. ^ 【第8週プレビュー】ライオンズ、スタッフォード復帰で勝利なるか”. NFL JAPAN (2010年10月29日). 2012年11月11日閲覧。
  18. ^ ライオンズQBスタッフォード、「肩の回復は順調」”. NFL JAPAN (2011年1月22日). 2012年11月11日閲覧。
  19. ^ 右肩手術のQBスタッフォードが投球練習を再開”. NFL JAPAN (2011年3月25日). 2012年11月11日閲覧。
  20. ^ ライオンズQBスタッフォードが右肩手術、来季開幕はOKか”. NFL JAPAN (2011年3月27日). 2012年11月11日閲覧。
  21. ^ 右肩手術のQBスタッフォードが投球練習を再開”. NFL JAPAN (2011年3月25日). 2012年11月11日閲覧。
  22. ^ 【第3週プレビュー】開幕2勝中のライオンズ、2連敗中のバイキングスと対戦”. NFL JAPAN (2011年9月22日). 2012年11月11日閲覧。
  23. ^ ライオンズが20点差を逆転、1980年以来の開幕3連勝”. NFL JAPAN (2011年9月26日). 2012年11月11日閲覧。
  24. ^ 近藤祐司 (2011年9月30日). “ドアマットからの躍進 ビルズとライオンズの強さの秘訣【前編】”. NFL JAPAN. 2012年11月11日閲覧。
  25. ^ ライオンズ開幕4連勝、24点差をひっくり返す大逆転”. NFL JAPAN (2011年10月3日). 2012年11月11日閲覧。
  26. ^ ライオンズ躍進止まらず、56年以来の開幕5連勝”. NFL JAPAN (2011年10月11日). 2012年11月11日閲覧。
  27. ^ 「ベテランのために」若手が奮起、歓喜に沸くライオンズ” (2011年12月25日). 2011年12月25日閲覧。
  28. ^ ライオンズ快勝、99年以来のプレイオフ進出決定”. NFL JAPAN (2011年12月25日). 2012年11月11日閲覧。
  29. ^ 1試合、パス500ヤード以上が記録された試合とは?”. NFL JAPAN (2012年5月28日). 2012年11月11日閲覧。
  30. ^ 控えQBフリンが6TDパス、主力温存のパッカーズ勝利”. NFL JAPAN (2012年1月2日). 2012年11月11日閲覧。
  31. ^ QBブリーズ躍動、攻撃爆発のセインツが逆転勝利”. NFL JAPAN (2012年1月8日). 2012年11月11日閲覧。
  32. ^ 41位:QBマシュー・スタッフォード”. NFL JAPAN (2012年5月31日). 2012年11月11日閲覧。
  33. ^ 【2012注目選手】QBマシュー・スタッフォード”. NFL JAPAN (2012年6月20日). 2012年11月11日閲覧。
  34. ^ わずか1TDで折り返し、予想外だったメガトロン”. NFL JAPAN (2012年11月7日). 2012年11月11日閲覧。
  35. ^ QBスタッフォード、左手が血管破裂も開幕戦は出場へ”. NFL JAPAN (2012年8月28日). 2012年11月11日閲覧。
  36. ^ タイタンズがビッグプレイ連発、OTでライオンズ撃破”. NFL JAPAN (2012年9月24日). 2012年11月11日閲覧。
  37. ^ スタッフォード4TDの奮闘、ライオンズ土壇場で逆転勝ち”. NFL JAPAN (2012年10月29日). 2012年11月11日閲覧。
  38. ^ Lions' Matthew Stafford is second-fastest to 10,000 yards passing”. デトロイト・ニュース (2012年11月4日). 2012年11月11日閲覧。
  39. ^ ライオンズ、QBスタッフォードと3年53億円で契約延長”. NFL JAPAN (2013年7月10日). 2013年8月18日閲覧。
  40. ^ a b 第2、第3のブレイディは? QBは下位指名にも隠れた逸材”. NFL JAPAN (2009年4月7日). 2011年9月15日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

先代:
ゴスダー・チェリラス
デトロイト・ライオンズ
ドラフト1巡指名
2009年
次代:
エンダムカン・スー