トッド・ヘインズ

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トッド・ヘインズ
Todd Haynes
Todd Haynes
生年月日 (1961-01-02) 1961年1月2日(63歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス
職業 映画監督脚本家映画プロデューサー
ジャンル 映画テレビドラマ
活動期間 1985年 -
主な作品
映画
ポイズン
ベルベット・ゴールドマイン
エデンより彼方に
アイム・ノット・ゼア
キャロル
ワンダーストラック
ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
テレビドラマ
ミルドレッド・ピアース 幸せの代償
 
受賞
カンヌ国際映画祭
芸術貢献賞
1998年ベルベット・ゴールドマイン
クィア・パルム
2015年キャロル
ヴェネツィア国際映画祭
審査員特別賞
2007年アイム・ノット・ゼア
ベルリン国際映画祭
テディ賞
1991年ポイズン
全米映画批評家協会賞
監督賞
2015年『キャロル』
ニューヨーク映画批評家協会賞
監督賞
2002年エデンより彼方に
2015年『キャロル』
その他の賞
ロカルノ国際映画祭
名誉金豹賞

2017年
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トッド・ヘインズTodd Haynes, 1961年1月2日 - )は、アメリカ合衆国映画監督脚本家

来歴[編集]

ロサンゼルス出身。母方がユダヤ[1]

10代で映画に関心を持ち、高校在学中の1978年に最初の短編『The Suicide』を製作。その後、ブラウン大学記号学を専攻し、在学中の1985年アルチュール・ランボーから着想を得た中編『Assassins: A Film Concerning Rimbaud』を製作。記号学と文学の学士を取得してブラウン大学を卒業後、ニューヨークに移住し、バード大学に入学。この頃からインディペンデント映画界に関わるようになり、1988年役者の代わりにバービー人形を使ってカレン・カーペンターの最期の日々を描いた中編『Superstar: The Karen Carpenter Story』を発表。しかし、音楽著作権を巡ってカレンの兄リチャードに訴えられた。

1991年ジャン・ジュネの『薔薇の奇跡』を基にした長編デビュー作『ポイズン』を発表。ポルノとの批判もされたが、サンダンス映画祭グランプリ、ベルリン国際映画祭テディ賞などを受賞。

1998年1970年代ロンドンを舞台に当時のグラム・ロック界を描いた『ベルベット・ゴールドマイン』を発表。第51回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、芸術貢献賞を受賞。

2002年ダグラス・サークの『天はすべて許し給う』にオマージュを捧げた『エデンより彼方に』を発表。1950年代アメリカを忠実に再現した映像や、人種問題、同性愛、ブルジョア家庭の描写が高く評価され、アカデミー脚本賞にノミネートされる。また、主演のジュリアン・ムーア第59回ヴェネツィア国際映画祭女優賞を受賞した。

2007年ボブ・ディランの半生を描いた『アイム・ノット・ゼア』を発表。クリスチャン・ベールヒース・レジャーリチャード・ギアなど6人の俳優にディランを演じさせて話題となり、第64回ヴェネツィア国際映画祭では審査員特別賞ケイト・ブランシェットが女優賞を受賞した。

2011年には『ミルドレッド・ピアース 幸せの代償』を手がけ、テレビドラマの演出にも進出。プライムタイム・エミー賞でも複数の部門にノミネートされた。

2015年パトリシア・ハイスミスの『The Price of Salt』を元にした『キャロル』が第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、高い評価を獲得。クィア・パルム賞を受賞し、また本作でルーニー・マーラ女優賞を受賞した。更にアカデミー賞でも6部門にノミネートされたが、作品賞や監督賞にノミネートされなかったことから批評家の間で議論となった。

私生活[編集]

ゲイであることを公表している[2]。現在はオレゴン州ポートランドで暮らしている。

フィルモグラフィ[編集]

長編映画[編集]

タイトル 役職 注記
監督 脚本
1991 ポイズン
Poison
Yes Yes 編集
1995 SAFE
Safe
Yes Yes
1998 ベルベット・ゴールドマイン
Velvet Goldmine
Yes Yes
2002 エデンより彼方に
Far from Heaven
Yes Yes
2007 アイム・ノット・ゼア
I'm Not There
Yes Yes
2015 キャロル
Carol
Yes
2017 ワンダーストラック
Wonderstruck
Yes
2019 ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男
Dark Waters
Yes
2021 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド
The Velvet Underground
Yes Yes 製作
2023 メイ・ディセンバー ゆれる真実
May December
Yes

製作総指揮

その他

短編映画[編集]

タイトル 役職 注記
監督 脚本 製作
1978 The Suicide Yes Yes
1985 Assassins: A Film Concerning Rimbaud Yes Yes 本人として出演
1987 Superstar: The Karen Carpenter Story Yes Yes Yes 出演
1989 La Divina Yes アシスタントディレクター
1989 He Was Once Yes 出演

テレビシリーズ[編集]

  • Dottie Gets Spanked(1993年)- 短編作品、監督・脚本
  • ミルドレッド・ピアース 幸せの代償 Mildred Pierce(2011年)- 監督・脚本・製作総指揮
  • Enlightened(2013年)- 監督
  • Six by Sondheim(2013年)- 監督

参考文献[編集]

  1. ^ Pfefferman, Naomi (2011年3月29日). “"Mildred Pierce," Todd Haynes and Me”. The Jewish Journal of Greater Los Angeles. 2015年7月11日閲覧。
  2. ^ Briefs, Barbecues and Beyond: An interview with writer/director Todd Haynes”. 2007年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年11月1日閲覧。

外部リンク[編集]