クリスマスプディング
クリスマスプディング (Christmas pudding)は、イギリスの伝統的なクリスマスケーキ。具材にプラムが使われることが多いため、プラム・プディング (plum pudding) とも呼ばれる[1]。
味や食感、外見は日本人が想像するケーキや一般に「プリン」と呼ばれるカスタードプディングとは大きく異なる[2]。味は濃厚で芳醇、ドライフルーツが舌に絡むような食感と言われる[3]。
目次 |
[編集] 歴史
中世のクリスマスに作られた濃厚なスープ、あるいは肉と果物が入ったポリッジがクリスマスプディングの起源とされている[1]。16世紀までにクリスマスのシンボルとしての地位を確立し、清教徒革命中のクリスマスでは、クリスマスプディングはミンスパイと共に製作を禁止された[1]。19世紀以前に材料に増粘剤が加えられて現在のような固形の料理になり、チャールズ・ディケンズが著した『クリスマス・キャロル』にも固形状のクリスマスプディングが登場する[1]。そしてヴィクトリア女王がクリスマスプディングを英国王室のデザートに採用して以降、イギリス国民のクリスマスに欠かせないデザートとして定着した[1]。
各家庭の味とレシピがあり、イギリス人にはこれについて一家言持つ人が多い(日本のお雑煮の例を想像すると理解しやすい)。今日では、手製のクリスマス・プディングの代わりに市販のものを購入する家庭が多くなっている[4]。
[編集] 製法
生パン粉と小麦粉、ミンスミートと呼ばれる牛脂(ケンネ脂、もしくはバター)、卵、砂糖、ブランデーなどにつけて柔らかくしたドライフルーツ、クルミなどのナッツ類、香辛料(ナツメグ、シナモン、クローブなど)、ラム酒などの材料を混ぜ合わせて[5]一晩寝かせる。伝統的な工程では、生地を加熱する前に家族全員で1回ずつ生地をかき回し[1]、かき回しの儀式を終えた後に型に流し込んで蒸しあげる。クリスマスプディングの材料についての迷信に、13種類の材料が使われていなければならないというものが存在する[1]。生地をオーブンで焼き上げると、イギリス風クリスマスケーキになる[6]。
蒸しあがったものは、おおむね1か月ほど冷所で熟成させられる[5][6]。この熟成期間が長いほどおいしいという俗信もあり[6]、「クリスマスプディングを食べ終わったらすぐに、来年のクリスマスプディングを作り始める。」と言われるほどである。
食べる前に再度蒸し、もしくは茹でて(あるいは湯煎をして)加熱し、ヒイラギの枝を飾り付けて熱くしたブランデーをかけてフランベし[7]、テーブルの周りを一回りしてから、切り分けてブランディーバターを添えていただくのが正式の食べ方である。好みでホイップクリームやカスタードクリームで食べる人もいる。
プディングを蒸し上げる前、願い事をしながら生地に指輪やコイン、指貫などの小物を混ぜ込む儀式が行われる場合もある[7]。この儀式は十二夜でケーキの中に護符を入れる習慣に由来しており[1]、切り分けられたときに当たった小物を見て将来の運勢を占う[7]。
[編集] 脚注
[編集] 参考文献
- 石井理恵子『英国フード記 AtoZ』(三修社, 2006年1月)
- 「クリスマスプディング」『図説クリスマス百科事典』、198-199頁(ジェリー・ボウラー, 柊風舎, 2007年12月)
- 「Christmas pudding」『新ラルース料理大事典』1巻、279-280頁(辻調理師専門学校 辻静雄料理教育研究所訳, 同朋舎メディアプラン, 1999年3月)