インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

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インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
Inside Llewyn Davis
劇場公開時のポスター
監督 ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
脚本 ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
製作 スコット・ルーディン
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
製作総指揮 オリヴィエ・クールソン
ロバート・グラフ
ロン・ハルパーン
出演者 オスカー・アイザック
キャリー・マリガン
ジョン・グッドマン
ギャレット・ヘドランド
ジャスティン・ティンバーレイク
撮影 ブリュノ・デルボネル
編集 ロデリック・ジェインズ
製作会社 マイク・ゾス・プロダクションズ
スコット・ルーディン・プロダクションズ
スタジオカナル英語版[1]
配給 アメリカ合衆国の旗 CBSフィルムズ英語版[2]
日本の旗 ロングライド
公開 フランスの旗 2013年5月19日CIFF
アメリカ合衆国の旗 2013年12月6日
日本の旗 2014年5月30日
上映時間 104分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
フランスの旗 フランス
言語 英語
製作費 $11,000,000[3]
興行収入 $32,560,319[4]
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インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(Inside Llewyn Davis)は、コーエン兄弟監督・脚本・編集による2013年のアメリカ合衆国のコメディ・ドラマ映画である。

出演はオスカー・アイザックキャリー・マリガンジョン・グッドマン、製作はコーエン兄弟とスコット・ルーディンである[5]。またT=ボーン・バーネット英語版がエグゼクティブ音楽プロデューサーを務めた。

1961年ニューヨーク・フォーク・シーンで活動していた歌手の生涯の一週間を扱う。フォーク歌手デイヴ・ヴァン・ロンクの自伝をヒントにしている。劇中歌は撮影中に生で録音された。

2013年5月19日に第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員特別グランプリを獲得した。第86回アカデミー賞には撮影賞録音賞にノミネートされた。また第71回ゴールデングローブ賞には作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を含む3部門にノミネートされた。

プロット[編集]

1961年、ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)はニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ で苦しい生活をしているフォーク歌手。音楽パートナーのマイク・ティムリンは自殺し、ソロアルバム『Inside Llewyn Davis』は売れず、金がなく、友人や知り合いの家のカウチで寝ている。

キャスト[編集]

公開[編集]

ワールドプレミアは2013年5月19日に第66回カンヌ国際映画祭で行われた[16][17]。その後、9月のニューヨーク映画祭、11月のAFI映画祭トリノ映画祭などで上映された[18][19]

北米では2013年12月6日にロサンゼルスとニューヨークなどで限定公開が始まった。12月20日には148劇場まで増加し、2014年1月10日には拡大公開された[20][21]

評価[編集]

批評家の反応[編集]

Rotten Tomatoesでは230件のレビューで支持率は94%、平均点は8.5/10となった[22]Metacriticでは47件のレビューで加重平均値は92/100となった[23]

  • ヴィレッジ・ヴォイス評「魅力的な演技は可笑しく生き生きしているが、今回の兄弟は暗いムードだ。妥協するには誠実すぎる芸術家にはほぼ避けようのない失望を描いている。その失望は、コーエン兄弟がこれまで誤魔化さずに向き合ってきたものだ。結果として『シリアスマン』以来最も魅惑的な映画となっている」[24]

また、ピーター・バラカンは自身のラジオ番組「ウィークエンドサンシャイン」(2014年5月3日)で、「非常に面白い映画です。コーエン兄弟が撮っているので伏線がいろいろあるんですが、ジョン・ハモンドやアルバート・グロスマン、劇中ではバッド・グロスマンも出てきます。音楽の部分もそうですが、人間模様も僕には非常に面白かった」とした。

いっぽう、フォーク歌手たちは「当時のフォークシーンの仲の良さを誤解している」として作品を批判。

  • デイヴ・ヴァン・ロンクの元妻テリー・サールは「1960年代初期のフォークの世界とまったくちがうものになるとは思わなかったわ」とした[26]
  • スザンヌ・ヴェガは「活気に満ちて火花の散る、競争的でロマンティックでコミューンっぽくていかれてて酔っぱらってて乱闘騒ぎのあったようなシーンを、ゆったりした茶色の悲しい映画に落とし込んじゃったように感じる」と発言[27]

受賞とノミネート[編集]

映画祭・賞 部門 候補 結果
カンヌ国際映画祭  パルム・ドール  ジョエル&イーサン・コーエン ノミネート
 審査員特別グランプリ  ジョエル&イーサン・コーエン 受賞
アカデミー賞  撮影賞  ブリュノ・デルボネル ノミネート
 録音賞  スキップ・リーヴセイ英語版グレッグ・オルロフピーター・カーランド英語版 ノミネート
ゴールデングローブ賞  作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) ノミネート
 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)  オスカー・アイザック ノミネート
 主題歌賞  エド・ラッシュ、 ジョージ・クロマティ、 T・ボーン・バーネット、
ジャスティン・ティンバーレイク、 ジョエル&イーサン・コーエン
ノミネート
ニューヨーク映画批評家協会賞  撮影賞  ブリュノ・デルボネル 受賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞  音楽賞  T・ボーン・バーネット 受賞
全米映画批評家協会賞  作品賞 受賞
 監督賞  ジョエル&イーサン・コーエン 受賞
 主演男優賞  オスカー・アイザック 受賞
 撮影賞  ブリュノ・デルボネル 受賞
放送映画批評家協会賞  作品賞 ノミネート
 脚本賞  ジョエル&イーサン・コーエン ノミネート
 撮影賞  ブリュノ・デルボネル ノミネート
 楽曲賞  エド・ラッシュ、 ジョージ・クロマティ、 T=ボーン・バーネット、
ジャスティン・ティンバーレイク、 ジョエル&イーサン・コーエン
ノミネート
インディペンデント・スピリット賞  作品賞  ジョエル&イーサン・コーエン、 スコット・ルーディン ノミネート
 主演男優賞  オスカー・アイザック ノミネート
 撮影賞  ブリュノ・デルボネル ノミネート
英国アカデミー賞  オリジナル脚本賞  ジョエル&イーサン・コーエン ノミネート
 撮影賞  ブリュノ・デルボネル ノミネート
 音響賞 ノミネート

サウンドトラック[編集]

曲目ほか[編集]

# タイトル 作詞・作曲 Artist 時間
1. 「Hang Me, Oh Hang Me」   民謡 オスカー・アイザック 3:26
2. 「Fare Thee Well (Dink's Song)」   民謡 オスカー・アイザック& Marcus Mumford 3:00
3. 「The Last Thing On My Mind」   トム・パクストン Stark Sands with Punch Brothers 3:35
4. 「Five Hundred Miles」   Hedy West ジャスティン・ティンバーレイク, Carey Mulligan & Stark Sands 3:26
5. 「Please Mr. Kennedy」   Ed Rush, George Cromarty, T Bone Burnett, ジャスティン・ティンバーレイク, Joel & Ethan Coen ジャスティン・ティンバーレイク, Oscar Isaac & Adam Driver 1:59
6. 「Green, Green Rocky Road」   Len Chandler & Robert Kaufman オスカー・アイザック 3:17
7. The Death of Queen Jane」   Music by Dáithí Sproule; Lyrics: Traditional オスカー・アイザック 3:58
8. 「The Roving Gambler」   Traditional The Down Hill Strugglers with John Cohen 3:05
9. The Shoals of Herring」   Ewan MacColl Oscar Isaac with Punch Brothers 1:41
10. The Auld Triangle」   Dominic Behan Chris Thile, Chris Eldridge, Marcus Mumford,ジャスティン・ティンバーレイク& Gabe Witcher 2:42
11. 「The Storms Are On the Ocean」   A.P. Carter Nancy Blake 3:16
12. 「Fare Thee Well (Dink's Song)」   Traditional オスカー・アイザック 2:46
13. 「Farewell」 (Unreleased Studio Version) ボブ・ディラン ボブ・ディラン 2:07
14. 「Green, Green Rocky Road」   Len Chandler & Robert Kaufman Dave Van Ronk 3:45
合計時間:
42:00

参考文献[編集]

  1. ^ StudioCanal to co-finance ‘Llewyn Davis’”. Variety. 2013年3月14日閲覧。
  2. ^ Fleming, Mike. “CBS Films Acquires Coen Brothers' 'Inside Llewyn Davis'”. Deadline.com. 2013年3月14日閲覧。
  3. ^ Michael Phillips (2013年10月24日). “When movies make the most of their budgets, it shows”. Chicago Tribune. Tribune Company. 2014年1月12日閲覧。
  4. ^ Inside Llewyn Davis”. Box Office Mojo. 2014年3月15日閲覧。
  5. ^ Filmmakers”. Inside Llewyn Davis (official site). CBS Films. 2013年10月8日閲覧。
  6. ^ Fleming, Mike (2011年10月13日). “Oscar Isaac Lands Lead In Coen Brothers 60s Folk Music Film”. Deadline.com. PMC. 2012年2月4日閲覧。
  7. ^ Gallagher, Brian (2011年10月20日). “Carey Mulligan Joins 'Inside Llewyn Davis'”. MovieWeb.com. MovieWeb™, Inc. 2012年2月4日閲覧。
  8. ^ John Goodman”. Cast. CBS Films. 2013年6月28日閲覧。
  9. ^ Newman, Nick (2011年10月31日). “John Goodman Joins Coens' 'Inside Llewyn Davis'”. TheFilmStage.com. 2012年2月4日閲覧。
  10. ^ Chitwood, Adam (2012年1月9日). “Garrett Hedlund Joins Coen Bros.’ INSIDE LLEWYN DAVIS”. Collider.com. 2012年2月4日閲覧。
  11. ^ Aaron (2011年11月1日). “John Goodman and Justin Timberlake Join the Coen Brothers' Inside Llewyn Davis”. FilmJunk.com. 2012年2月4日閲覧。
  12. ^ a b c Stark Sands Joins Coen Bros' Inside Llewyn Davis”. Cinemablend.com. 2012年2月11日閲覧。
  13. ^ Weiss, Keely (2012年4月13日). “Adam Driver, Boy Among Girls”. Interview. http://www.interviewmagazine.com/culture/adam-driver-girls 2012年6月17日閲覧。 
  14. ^ “NYCBM Guest, Ethan Phillips”. Mike Carbo's New York Comic Book Marketplace. http://www.nycbm.com/ethan-phillips 2012年6月17日閲覧。 
  15. ^ “Benjamin Pike plays young Bob Dylan in Coen Brothers movie "Inside Llewyn Davis "”. http://www.mojo4music.com/596/the-coen-brothers-do-bob-dylan/ 2013年6月9日閲覧。 
  16. ^ 2013 Official Selection”. Cannes (2013年4月18日). 2013年4月18日閲覧。
  17. ^ Knegt, Peter (2013年5月9日). “Here's The Screening Schedule For The 2013 Cannes Competition Lineup”. The Playlist. IndieWire. 2013年5月9日閲覧。
  18. ^ Inside Llewlyin Davis (program description)”. The 51st New York Film Festival. Film Society of Lincoln Center. 2014年4月1日閲覧。
  19. ^ Friedlander, Whitney (2013年11月15日). “‘Inside Llewyn Davis’ Star Oscar Isaac Compares Coens to Chekhov at AFI Fest Closing”. Variety. http://variety.com/2013/film/news/inside-llewyn-davis-oscar-isaac-coen-brothers-1200836570/ 
  20. ^ McNary, Dave (2013年5月3日). “Coen Brothers’ ‘Inside Llewyn Davis’ Dated For Dec. 6”. Variety. Reed Business Information. 2013年5月7日閲覧。
  21. ^ Brooks, Brian (2013年12月22日). “Specialty Box Office: ‘Her’ Nabs $42K Per-Screen; Bollywood’s ‘Dhoom 3′ Sizzles; ‘The Past’ Coasts In Opening; ‘Llewyn Davis’ Still Faring Well”. Deadline Hollywood. http://www.deadline.com/2013/12/specialty-box-office-bollywood-dhoom-the-past-inside-llewyn-davis-personal-trainer/ 
  22. ^ Inside Llewyn Davis (2013)”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2013年11月4日閲覧。
  23. ^ Inside Llewyn Davis Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2013年11月4日閲覧。
  24. ^ "Inside Llewyn Davis: The Coen Brothers' Most Moving Film Since A Serious Man". The Village Voice, September 27, 2013. Retrieved on September 27, 2013.
  25. ^ McCarthy, Todd (2013年5月18日). “Inside Llewyn Davis Inside Llewyn Davis: Cannes Review”. The Hollywood Reporter. Prometheus Global Media. 2013年11月11日閲覧。
  26. ^ Terri Thal Dave Van Ronk's Ex-Wife Takes Us Inside Inside Llewyn Davis, Village Voice, Dec. 13 2013
  27. ^ Aimee Levitt, The folk-song army's attack on Inside Llewyn Davis, Chicago Reader, January 17, 2014 (accessed Jan 19 2014)

外部リンク[編集]