アクロイド殺し

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アクロイド殺し』(アクロイドごろし、原題:The Murder of Roger Ackroyd)は、アガサ・クリスティによって1926年に発表された長編推理小説である。著者の長編としては6作目にあたりエルキュール・ポアロシリーズの3作目にあたる。

その作品内容はフェア・アンフェア論争を引き起こすこととなったが、現在でも古典推理小説の名著と名高く、クリスティの代表作の1つに挙げられている(詳しくは#作品解説を参照)。

目次

[編集] あらすじ

キングズ・アボット村の医師ジェイムズ・シェパードは、地元の名士ロジャー・アクロイドから夕食の誘いを受けた。アクロイドはそこでシェパードに、ある深刻な問題を打ち明けるが、その後、自室で刺殺されてしまう。警察は、事件直後から行方不明になっている義子のラルフ・ペイトンを犯人と睨む。

しかし、ロジャーの姪フロラ・アクロイドは婚約者であるラルフの無実を信じ、隣家「からまつ荘」に引っ越してきたポアロに助けを求める。既に探偵を引退していたポアロだが、フロラの依頼を引き受け、ジェイムズを助手役に捜査を開始した。

[編集] 登場人物

エルキュール・ポアロ
私立探偵。引退し、からまつ荘でカボチャ(正確には冬瓜)作りに勤しむ。
ロジャー・アクロイド
大富豪の地主。
ラルフ・ペイトン
ロジャーの義子。
セシル・アクロイド夫人
ロジャーの義妹。
フロラ・アクロイド
セシルの娘。
ジェフリー・レイモンド
ロジャーの秘書。
ジョン・パーカ
ロジャーの執事。
エリザベス・ラッセル
アクロイド家の家政婦。
アーシュラ・ボーン
アクロイド家の小間使い。
エクトル・ブラント少佐
ロジャーの旧友。狩猟家。
ファラーズ夫人
キングズ・バドック荘の未亡人。
ジェイムズ・シェパード
医師。作品の語り手である。
キャロライン・シェパード
ジェイムズの姉。
チャールズ・ケント
事件当日、屋敷を訪ねてきた正体不明の男。アメリカ訛りがある。
ラグラン
警部。

[編集] 作品解説


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


当時の推理小説は、エドガー・アラン・ポーデュパン作品やコナン・ドイルシャーロック・ホームズシリーズに代表されるように、「主人公である探偵役の活躍を別の登場人物が書いたもの」という形式が主流であった。クリテスティのポアロ作品もまた、探偵役のポアロに対し、ヘイスティングズ大尉が記述者という形を取っていた。

この作品も同様にして登場人物の1人であるシェパード医師の手記という形式の小説であったが、シェパード医師自らが犯人であるということを、ポアロだけに対してではなく読者に対して隠して騙すという、設定を逆手に取ったプロット、トリックを用いた。これが今日に言う叙述トリック及び信頼できない語り手であったために、フェア・アンフェア論争を引き起こすこととなる。さらに同年にはクリスティの失踪事件も起き、話題が大きくなった。

しかしながら、この作品によってクリスティはベストセラー作家の仲間入りを果たすこととなり、彼女の知名度を大きく広める結果ともなった。先述のように現在でも古典推理小説の名著と名高く、クリスティの代表作の1つに挙げられる。

また、アンフェア派の筆頭であったヴァン・ダインは、この後、1928年ヴァン・ダインの二十則を発表し、その第2項にて叙述トリックを否定している。

なお、本作に登場するキャロラインは、クリスティがのちに執筆する作品の探偵ミス・マープルの原型となっている。

[編集] 邦訳

[編集] 映像化

  • テレビ作品
    • 名探偵ポワロ』「アクロイド殺人事件」 - 2000年、イギリス。
      ただし、このトリックはその性質上映像では上手く表現できていない。
    • Neudacha poirot - 2002年、ロシア。

[編集] 関連書籍

『アクロイドを殺したのはだれか』 Qui a tue Roger Ackroyd? (著:ピエール・バイヤール(Pierre Bayard)、訳:大浦康介、筑摩書房
フランスの文学理論家である著者がポアロの推理における疑問点を追求し、(十分に合理的な)真犯人を明らかにした論考。 ISBN 978-4480837110

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク