魔術の殺人

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魔術の殺人』(まじゅつのさつじん、原題:They Do It with Mirrors、米題:Murder with Mirrors)は、1954年に刊行されたアガサ・クリスティ推理小説マープルシリーズの長編第5作目にあたる。

日本語訳の題名『魔術の殺人』は、マープルが事件現場を「マジックショーの舞台」になぞらえて説明するシーンに由来する。原題(They Do It with Mirrors)も劇中のマープルの台詞である「彼ら(マジシャン)のトリックは大抵は鏡(要約)」からきている。

あらすじ[編集]

ミス・マープルはロンドンに出かけて、旧友のルースと親交を温めていた。ルースとキャロラインの姉妹は、ミス・マープルの女学校時代の親友である。ルースは最近会った妹のことをひどく心配していた。はっきりとした根拠は分からないが、何か嫌な雰囲気だったと。そしてマープルに、彼女の所へ行って調べてほしいと依頼する。そのため、あらかじめキャロラインに「マープルが零落して、三度の食事にも事欠く有様なので助けてやってほしい」と言っておいたというルースに苦笑しつつも、マープルはキャロラインの住むストニゲイト荘に招かれ、潜入捜査を開始する。

極端な理想主義者で体のひ弱なキャロラインは、未成年犯罪者の救済に尽力するルイス・セルコールドと結婚して、少年院の隣で暮らしている。そこには彼女の家族と親戚、たくさんの非行少年たち、医師や研究者、精神病患者の青年がいる。その中にルースを不安にさせた何かがあったのだとマープルも思う。そして数日後、訪れたキャロラインの義理の息子クリスチャン・グルブランドセンが射殺された。

登場人物[編集]

ミス・マープル
探偵趣味の老婦人。
キャロライン(キャリイ)・ルイズ・セロコールド
富豪。かなり浮世離れした人物で、殺人事件の渦中にあって上の空。
ルイス・セロコールド
慈善活動家。キャロラインの(3番目の)夫。
ルース・ヴァン・ライドック
キャロラインの姉。マープルに潜入捜査を依頼。
エリック・グルブランドセン
キャロラインの最初の夫。故人。
クリスチャン・グルブランドセン
エリックの息子(連れ子、キャロラインの義理の息子)。射殺される。
ジーナ・ハッド
キャロラインの孫娘(養女の子)。イタリア人との混血で快活な女性。
ウォルター・ハッド
ジーナの夫でアメリカ人。
ミルドレッド・ストレット
キャロラインとエリックの娘(つまり唯一の実子)。
ジョニィ・リスタリック
キャロラインの2番目の夫。故人。
アレックス・リスタリック
ジョニィの息子(連れ子)
スティーブン・リスタリック
ジョニィの息子(連れ子)。アレックスの弟。
エドガー・ローソン
セロコールド家の使用人。精神分裂症気味で虚言癖がある。
ジュリエット・ベルエヴァー
キャロラインのコンパニオン
Dr.マヴェリック
精神分析医。少年院で非行少年の感化に当たっていた。
カリィ
警部。事件の捜査責任者。
レイク
部長刑事。カリィの部下。