髭
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髭(ひげ)とは、人間の顔から顎の下にかけて生える毛のこと。髯、鬚とも書き、くちひげ(髭)、あごひげ(鬚)、ほおひげ(髯)で漢字を使い分ける。また、英語においても同様に使い分けられている。
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[編集] 概説
男性ホルモンによって発毛が促されるため、思春期以降の男性に濃く生えるが人種、個人により濃さにかなりの差がある。また、女性でも民族によりひげが比較的濃い場合がある。体毛と比べると大変硬く、同じ太さの銅線に匹敵すると言われる。そのため髭を剃るときには蒸しタオルや湯で髭を柔らかくしておかなければならない。一人当たり6,000から25,000本程度の髭があり、平均すると一日当たり0.4mm程度伸びるとされている。新モンゴロイドは髭が薄く、これは寒冷気候(冬期は髭を延ばしていると、吐息で凍結して顔が凍傷になる)への適応と考えられている。
髭の有無やその容態はその人の印象に大きな影響を与える。そのため近代以降のヨーロッパやその文化的影響を強く受けた文化を持つ殆どの成人男子はカミソリ、電気カミソリ等を用いて、髭の手入れを日常的に行う。アレキサンダー大王が若く見られたいという理由から史上初めて髭をそったとする伝説もあるが、実際にはそれ以前から人間は貝殻等を用いて髭の手入れをしていたとされる。 紀元前3000年頃には銅製のカミソリを用いていたともされている。
成年男子のシンボルとしてみられることもあり、イスラム教圏では鬚を生やしていない男性は一人前と見られない(髭のない成人男性は同性愛者と異教徒だけである)。またユダヤ教徒、アーミッシュ、インドのシク教徒やアフガニスタンの最大民族であるパシュトゥーン人は戒律により一生髭を剃らない。アメリカのアフガニスタン侵攻が始まった時、日本人ジャーナリストが髭を生やし現地の人々の装束で入国しようとしたが、髭が短くてパシュトゥーン人らしくないからという理由で国境で見破られて拘束された[要出典]。
日本でも、中世の武士は髭を蓄えることは当然とされ、髭のない顔は嘲笑された。そのため、髭の薄い者(豊臣秀吉が有名)には付け髭をつけることが行われた。その後、髭を生やす習慣は江戸時代初期に流行したが、「風紀を乱す」として禁止された。すぐに習慣は衰え、多くの武士も髭をそるようになった。西洋では18世紀頃から、特にヴィクトリア朝イギリスで髭を蓄えることが流行し、日本でも明治時代にはその影響から地位の高い男性の間では髭を蓄えることが流行した。
しかし現代においては、髭を生やす者よりも剃る者の方が圧倒的に多く、大多数の企業(特に接客業など)や高等学校までの学校では髭をはやすことを禁止していること、髭自体を嫌っている者も多く、特に中途半端な髭の生やし方が「無精髭」という俗称で呼ばれ、不衛生だと感じる人もいること、また、髭を生やすことを理由に解雇される、人事評価などの対象になる(脚注 1)ことがあるなど、諸外国と比較して日本における髭に対するイメージは非常に悪く、髭を生やすことはあまり普及していない。他方、アメリカで生活する日本人男性はそのままでは子供と間違われてしまうことがあるために髭を生やすこともある(イチローはマリナーズでプレーを始めて以来、無精髭風の髭が生えたままである)。
[編集] ヒト以外に使われる例
髭はヒトにおいて顔面の体毛が退化した後に、二次的に発達したものと考えられる。思春期以降に発達が始まることもこれを裏付ける。したがって、これにあたるものは他の動物にはない。しかし、顔に生える目立つ毛状のものをこう呼ぶ例はある。
逆にイヌやネコなどでは口を中心とする頭部に特に長く突き出したまばらな毛が発達しており、鋭敏な触覚器として機能すると言われる。これを洞毛というが、ヒトにはこれは全くないものである。この洞毛のことをヒゲと言うことも多い。
毛でないヒゲの例としては、脊椎動物において、頭部近くに生える毛状のあるいは細長い突起物を指してヒゲということもある。この場合のヒゲは感覚器として役立っている場合が多い。(ナマズ、ドジョウ、ライギョなど)。オジサンは髭の生えた魚である。ヒゲクジラの場合、先端がすだれ状になった歯を鬚と呼んでいる。
無脊椎動物では、バッタなどの昆虫の触角を髭ということがある。クシヒゲムシ・ヒゲナガゾウムシ・ヒゲナガカワトビケラ・ヒゲナガガ・ジュズヒゲムシ・ヒゲナガハナノミ・ヒゲコメツキなど、いずれも触角の特徴で名付けられたものである。触手を髭という例もある。有鬚動物の和名はヒゲムシである。
また、植物のごく細い根などもヒゲ(ひげ根)と呼ばれることがある。
[編集] 髭の種類
[編集] くちひげ(ムスタッシュ)
口髭は鼻の下、上唇の上の部分に生えるヒゲを長く伸ばしたものである。鼻からの呼気が直接触れるので、気温が低い冬季には呼気に含まれる水蒸気が凝結してじっとりと濡れるため、始終ハンカチ等で拭く必要がある。また気温がもっと低くなると水蒸気が凍って白くなる。口髭を蝋で固めていた時代には、湯気で形が崩れないようムスタッシュカップのような専用の喫茶道具が使用された。
[編集] あごひげ(ビアード)
- フジ
- やぎ髭
- アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの肖像画や彫刻は見事なあごひげを蓄えている。彼は大統領選挙に勝つためにひげを蓄えることを薦めた小学生少女からの投書に従った。一説に拠ればひげの大統領はリンカーンが最初である。
[編集] ほおひげ(サイドバーン)
もみあげとの線引きが難しい場所。“長いもみあげ”などと呼ばれる事もある。エルヴィス・プレスリーやルパン三世等を想像すると判りやすい。
[編集] ラウンド髭
口の周りを囲むように生やしているもの。または、顔の周りを囲むように生やしているものを言う。
[編集] フルフェイス
顔の大部分を覆うような髭の意。「Full Beard(完全な髭)」という言い方もする。フィデル・カストロにちなんで「カストロひげ」と呼ばれる事もある。
[編集] その他
- 普段ひげを剃っている人のひげが、剃られずに伸びたままになっているもの。部位は問わない。また、剃り残しが多かったり、伸びすぎてスタイルが崩れていたり、といった手入れ不足のひげを指すこともある。
[編集] 髭に関する事柄
- 一般
- 1879年、官員に髭が流行した。
- 青髭:シャルル・ペロー執筆の童話、ジル・ド・レイがモデルと言われている。
- 黒髭:玩具「黒ひげ危機一発」ゲーム等に見られる、その後の海賊のイメージの原型となった有名な海賊。
- ヒゲ税:ロシアのピョートル1世が制定。ヒゲにたいして課税(課税率は身分によって異なった)。ピョートルはロシアを欧州列強のような先進的国家にすることを目指しており、まずは国民・貴族の意識を変えるために、ロシアの風習の象徴である髭をなくそうと考えた。考え方としては、日本の断髪令と似ている。
- 人物
- 関羽:中国・後漢末期の武将。「美髯公」と呼ばれた。
- フリードリヒ1世 : 12世紀の神聖ローマ皇帝、赤髭王(バルバロッサ)と呼ばれた。
- 長岡外史:陸軍中将、政治家。「プロペラ髭」と呼ばれる横に長い髭(最長で70cm)を蓄えていた。
- 式守伊之助 (19代):白く長いあごひげが特徴で「ひげの伊之助」と呼ばれた。
- サルバドール・ダリ : スペインの画家。両端をはね上げた特徴的な口ひげをしていた。
- 坂口博信:ゲーム・ファイナルファンタジーシリーズ開発ディレクター。その特徴的な口ひげから「ヒゲ」と呼ばれる。
- 浜村弘一:ゲーム雑誌週刊ファミ通を擁するエンターブレイン代表取締役。同じくゲーム業界で「ヒゲ」と呼ばれる人物。
- 内田智之:音楽ゲームBEMANIシリーズの作曲家。ニックネームに「ヒゲの人」が用いられる。
- 藤村忠寿:「水曜どうでしょう」チーフディレクター。愛称(?)のひとつに「ヒゲ」がある。
- 寛仁親王:「ヒゲの殿下」と呼ばれている。
- ランディ・バース:阪神タイガースの助っ人外人。フルフェイスひげがトレードマークで、シーズンオフ時にジレットの広告で「ひげ有り」「ひげ無し」の姿を見せて驚かせた。ひげを剃るギャラは1億円だった。
- 辻佳紀:阪神タイガースの元捕手。同姓の辻恭彦(ダンプ辻)と区別するため「ヒゲ辻」と呼ばれた。
- 佐藤正久:参議院議員。自衛隊イラク派遣第一次復興業務支援隊長。中東と言う土地柄、ヒゲがある佐藤が最初の隊長に選ばれた経緯があり、このエピソードから「ヒゲの隊長」と呼ばれる。
- フランソワ・"ザ・ホワイトバッファロー"・ボタ:元ボクシングIBFスーパーヘビー級チャンピオン。K-1時代は髭のみを真っ白に染め上げたその格好から「ホワイトバッファロー」と呼ばれた。
- 今村繁三:世界一(横に)長いの髭の持ち主と言われた。
- サッダーム・フセイン:元イラク大統領。元々口ヒゲを蓄えていたが、イラク戦争後の8ヶ月以上にも及ぶ逃亡生活のためか、発見されたときには口ヒゲにあごヒゲが伸び放題となっており、事実上フルフェイスに近い形となっており、その変わり果てた写真は衝撃を与えた。直後、米軍によって元のヒゲの形に剃られたが、その後あごヒゲも伸ばし始めた。
- アドルフ・ヒトラー:ちょび髭を蓄えている。七三分けのちょび髭というイメージが大衆化している。
- 漫画
- ヒゲオヤジ:手塚治虫の創り出したキャラクターの一人。
- 週刊少年ジャンプ・週刊少年チャンピオン:両方ともヒゲ帽子のイメージキャラクターが特徴。“売れるヒゲ”と“売れないヒゲ”と言われている。
- セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん:漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」に連載されていた漫画。ヒゲのありがたみをおしゃれヒゲブーム前に取り上げた。ヒゲ部が登場。
- アニメ
- ∀ガンダム:その頭部形状から、作中の登場人物によって「ひげガンダム」と呼ばれた。
- 映画
[編集] 脚注
1 口ひげで評価減は「人権侵害」郵便事業会社に改善勧告

