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2018年10月24日 (水) 20:11時点における版
ダンボ | |
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Dumbo | |
ダンボ(オリジナル予告編動画より) | |
監督 | ベン・シャープスティーン |
脚本 |
ジョー・グラント ディック・ヒューマー ビル・ピート オーリー・バタグリア ジョー・リナルディ ジョージ・スターリング ウェッブ・スミス オットー・イングランダー |
製作 | ウォルト・ディズニー |
出演者 |
エド・ブロフィ ハーマン・ビング |
音楽 |
オリバー・ウォレス フランク・チャーチル |
撮影 | ボブ・ブロートン |
配給 |
RKO 大映 |
公開 |
1941年10月23日 1954年3月12日 |
上映時間 | 64分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | 81万ドル |
前作 | ファンタジア |
次作 | バンビ |
『ダンボ』(原題:Dumbo)は、1941年、ディズニー制作のアニメーション長編映画作品。またその主人公である子象の名前。アメリカでは1941年10月23日に公開している。日本では『空飛ぶゾウ ダンボ』という題名で1954年3月12日に公開された。
ストーリー
サーカスの象のジャンボのもとに、コウノトリが一匹の赤ちゃん象を届ける。その子象はとても可愛らしかったが、唯一耳が大きいことが他の象との違いであった。ジャンボはその子象にジャンボ・ジュニアと名づけたが、他の象達に耳のことを笑われ、ダンボとあだ名されてしまう。
それでもジャンボは愛情をたっぷり注ぎ、可愛い我が子ダンボを大切に育てた。ある日、サーカスを見に来た子供にダンボがイタズラされているのを見て、ジャンボはたまらずその子供をお仕置きする。サーカス団員がそれを止めに来るが、興奮したジャンボは思わず団長を投げ飛ばしてしまい、凶暴な象として檻に入れられてしまう。
耳が大きいだけで化け物扱いされたダンボは誰にも慰めてもらえず、生まれた直後から母親から引き離されるという苦しさの中から、悲しみのどん底に落ちる。これを放っておけなかったサーカス団員のネズミ、ティモシー(チモシーマウス)はダンボを助けるため、ダンボをサーカスのスターにすることを提案する。象のピラミッドの頂上へジャンプさせるショーを思いつくが耳を踏んで突撃し失敗。テントはずたずたに壊れたことで、ダンボはピエロにされてしまう。
失意の中、お酒が入った水をダンボとティモシーは誤って飲んでしまい、酔っ払って踊るピンクの象の夢を見る。そして、翌朝。目が覚めると2人は木の上で眠りこけていた。それがきっかけで、ティモシーはダンボが耳を翼代りにして空を飛べることに気がつき、ダンボを空から飛び立たせようとするが、木の上に住むカラス達からも嘲笑われる。ダンボの哀れな身の上を激白してカラスの浅はかな行いに憤るティモシーの言葉に胸打たれたカラス達は改心し「空を飛べるようになれる魔法の羽」をダンボに授けた。魔法の羽を鼻先で握り締めたダンボは、促されるまま崖から飛び降り見事大空へと飛び立つ。
そして、サーカスのピエロショーの舞台に再び立ったダンボは飛び降りる最中に魔法の羽を飛ばしてしまうも、それは実はただの羽でカラス達がダンボを励ますためのおまじないであった。本当に空を飛べたダンボは大勢の観客やサーカスの面々の前で華麗な飛行を披露した。無事ショーを成功させたダンボはサーカスの花形スターとなり、母親とも再会を果たし、カラス達に別れを告げてサーカスの向かう次の街に旅立つのだった。
キャラクター
- ダンボ(Dumbo)
- 大きな耳を持つ象の赤ちゃん。性別はオス。劇中では言葉は発しない。サーカスでは耳を馬鹿にされ、母親と離ればなれになったうえピエロにされ笑いものになるなど辛い日々を送るが、耳を翼のように活かし空を飛べるようになり、サーカスのスターになって活躍する事となった。耳には100万ドルの保険が懸けられた。
- ジャンボ(Mrs. Jumbo)
- ダンボの母親。ダンボのことで周囲から嘲笑を受けつつも母親として愛情いっぱいに育てることを決意する。サーカスに遊びに来たいたずらっ子がダンボをいじめたため、懲らしめようとするもの結果的に暴れてしまい檻に入れられてしまう。その後、ダンボがショーを成功させてスターとなったことで檻から出され、無事ダンボと再会する。
- ティモシー(Timothy Q. Mouse)
- 鼓笛隊の格好をしたネズミ。帽子の中に好物のピーナッツを携帯している。ダンボを馬鹿にした象たちをびびらせた後にダンボを励ましたことでダンボの親友となり、彼を勇気付けスターにするために奔走する。ダンボと共にお酒に酔っ払ったうちに、いつの間にか木の上で寝ていたことから、ダンボが空を飛べることに気付く。終盤ではダンボのマネージャーとしてハリウッドとも契約した。
- メイトリアーク、キャティ、ギグルズ、プリシー(Matriarch、Catty、Giddy、Prissy)
- ジャンボのサーカス仲間であるおばさん象たち。全員嫁入り前。耳が大きいだけでダンボを化け物扱いして毛嫌いし、仲間外れにする。ダンボのせいでサーカスで失敗して大怪我をする事も。ネズミが苦手な模様(欧米では、鼠が象の鼻に入って窒息させるという話がある)でティモシーに驚いていた。何かと不平不満が多く、自分達をこき使う団長を嫌っている。その後、スターとして成功したダンボを認めるようになる。
- サーカス団長(Ringmaster)
- サーカスのリーダーで、サーカス列車では常に車掌車に乗っている。小太りの中年男性。口ひげをはやしている。サーカスを大きくするために色々考えるが、ティモシーいわく当たった試しがない。
- ケイシー・ジュニア(Casey Junior)
- 元はリラクタント・ドラゴンのキャラとして出演した蒸気機関車だが、今作ではサーカスで使用する列車として、テーマソング(Casey Junior)と共に走る。ダンボが人気者になったお祝いに専用車両が作られる。
- コウノトリ(stork)
- 赤ちゃんを運ぶコウノトリ。序盤で登場。
キャスト
キャラクター名 | 原語版声優 | 日本語吹き替え | |||
---|---|---|---|---|---|
1954年初公開版[1] | 1983年再公開版[2] | ポニー・バンダイ版 | TBS放送版 | ||
ティモシー・マウス | エドワード・ブロフィ | 坊屋三郎 | 三田松五郎 | 牛山茂 | 井上順 |
ジャンボ | ヴェルナ・フェルトン | 丘さとみ | 眞理ヨシコ | 磯辺万沙子 | 松田敏江 |
メイトリアーク | 大坪日出代 | 瀬能礼子 | 久保田民絵 | 丹下キヨ子 | |
団長 | ハーマン・ビング | 古川緑波 | 阪脩 | 内田稔 | 森山周一郎 |
コウノトリ | スターリング・ホロウェイ | 三木鶏郎 | はせさん治 | 関時男 | 熊倉一雄 |
キャティ | ノリーン・ガミル | 七尾伶子 | 牧野和子 | 北城真記子 | 清川虹子 |
ギグルズ | ドロシー・スコット | 田村淑子 | 太田淑子 | 一柳みる | 小原乃梨子 |
プリシー | サラ・セルビー | 安双三枝 | 小宮和枝 | 土井美加 | 麻生美代子 |
ジム・クロウ(リーダーカラス) | クリフ・エドワーズ | ? | 安西正弘 | 吉田幸紘 | ? |
牧師カラス | ホール・ジョンソン | ? | 伊沢弘 | 中村雄一 | 大竹宏 |
眼鏡カラス | ジム・カーマイケル | ? | 山崎哲也 | 橋本友之 | ? |
帽子カラス | ? | 島田敏 | 吉水慶 | ? | |
デブカラス | ジェームズ・バスケット | ? | 永井寛孝 | 片岡弘鳳 | 滝口順平 |
スミッティー(いたずら少年) | マルコム・ハットン | ? | ? | 後藤真寿美 | ? |
ジョー(道化師) | ビリー・ブレッチャー | ? | 槐柳二 | 西本裕行 | ? |
ケイシー・ジュニア | マーガレット・ライト | ? | ? | ? | 具志堅用高 |
ダンボ | - | - | - | - | 大場久美子 |
ナレーター | ジョン・マクリーシュ | 竹脇昌作 | 村越伊知郎 | 小山武宏 | 黒柳徹子 |
- 1954年版による公開:1954年 (大映)、1967年 (ウォルト・ディズニー)、1974年 (ブエナ・ビスタ)
- 1983年版による公開:1983年 (東宝)
- TBS版による放送:1978年10月6日19:30-20:55「ディズニースペシャル」
スタッフ
映像制作
製作 | ウォルト・ディズニー | |
原作 | ヘレン・アバーソン、ハロルド・パール | |
脚本 | ジョー・グラント、ディック・ヒューマー、ビル・ピート、オーリー・バタグリア、ジョー・リナルディ、ジョージ・スターリング、ウェッブ・スミス | |
脚本監修 | オットー・イングランダー | |
音楽 | オリヴァー・ウォーレス、フランク・チャーチル | |
オーケストレーション | エドワード・プラム | |
キャラクター・デザイン | ジョン・P・ミラー、マーティン・プロヴェンセン、ジョン・ウォルブリッジ、ジェームズ・ボドレロ、モーリス・ノーブル、エルマー・プラマー | |
作画監督 | ダンボ | ウォード・キンボール、ジョン・ラウンズベリー、ビル・ティトラ |
ケイシージュニア | ウォード・キンボール | |
ティモシー | フレッド・ムーア、ウォルフガング・ライザーマン | |
コウノトリ | アート・バビット | |
フランク・トーマス | ||
レイアウトチェック | ドン・ダグラディ、アル・ジンネン | |
原画 | エリック・ラーソン、ヒュー・フレイザー、ハワード・スウィフト、ハーヴィー・トゥームズ、ドン・タウスリー、ミルト・ニール、レス・クラーク、ヒックス・ローキー、クロード・スミス、バーニー・ウルフ レイ・パターソン、ジャック・キャンベル、グラント・シモンズ、ウォルト・ケリー、ジョシュア・メダー、ドン・パターソン、ビル・シャル、サイ・ヤング、アート・パーマー | |
美術監督 | ハーブ・ライマン、ケン・オコーナー、テレル・スタップ、アーネスト・ノードリ、ディック・ケルシー、チャールズ・ペイザント | |
背景 | クロード・コーツ、アル・デンプスター、ジョン・ヘンチ、ジェラルド・ネヴィアス、レイ・ロックレム、ジョー・スターリー | |
撮影 | ボブ・ブロートン | |
録音 | ウィリアム・E・ギャリティ | |
音響効果 | ジム・マクドナルド | |
特殊音響効果 | Sonovox | |
編集 | ロイド・L・リチャードソン | |
助監督 | リチャード・ライフォード、ラリー・ランズバーグ | |
演出 | ノーム・ファーガソン、ウィルフレッド・ジャクソン、ビル・ロバーツ、ジャック・キニー、サム・アームストロング | |
監督 | ベン・シャープスティーン | |
制作 | ウォルト・ディズニー・プロダクション |
日本語吹き替え制作
≪1954年版≫
総指揮 | ジャック・カッティング |
製作 | 田村幸彦 |
監督・脚本 | 高瀬鎮夫 |
音楽監督 | 三木鶏郎 |
録音 | 日本ビクター |
≪1983年版≫
総指揮 | ブレーク・トッド |
翻訳・演出 | 金田文夫 |
訳詞 | 海野洋司 |
録音 | 東亜映像録音株式会社 |
コーラス | ミュージック・クリエイション |
≪ポニー版・バンダイ版≫
脚本翻訳 | トランスグローバル |
演出 | 山田悦司 |
音楽演出 | 近衛秀健 |
整音 | 杉原日出弥 |
録音スタジオ | 紀尾井町スタジオ |
録音制作 | トランスグローバル |
プロデューサー | 岡本企美子 |
日本語版制作 | DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL, INC. |
挿入歌
曲名 | 作詞 | 作曲 |
---|---|---|
コウノトリにご用心 Look Out for Mr. Stork |
ネッド・ワシントン | オリヴァー・ウォーレス フランク・チャーチル |
ケイシー・ジュニア Casey Junior | ||
テント張りのうた Roustabouts | ||
私の赤ちゃん Baby Mine | ||
ピンク・エレファンツ・オン・パレード Pink Elephants on Parade | ||
道化の歌 Hit the Big Boss (For a Raise) | ||
もし象が空を飛べたら When I See an Elephant Fly | ||
さあ、またサーカスの日がやってきた It's Circus Day Again! |
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メモ
- ダンボが公開された1941年10月の時点で、既に欧州で第二次世界大戦が始まっており、日米間の緊張がピークに達し太平洋戦争の勃発が間近に迫っていた時期でもあった。真珠湾攻撃直後のアメリカを舞台にしたスティーヴン・スピルバーグのコメディ映画『1941』(1979年)では、米陸軍のジョセフ・スティルウェル将軍が劇場で公開中のダンボを鑑賞し、母子の愛情に涙するシーンがある。
- MGMカートゥーンの『トムとジェリー』に、本作のパロディである「ジェリーとジャンボ(Jerry and Jumbo)」という短編作品が存在する。なお、同作では子象が「ジャンボ」を名乗っている。
- 1970年代中頃に、富士フイルムと東宝の提携により8ミリ映写機を対象とした本作のフィルムソフトが市販されたことがある。但し20分弱に再編集したものであり、本来ならストーリーの途中となる場面でエンドクレジットが表示された。
- 1978年10月6日にはTBS系列で本作がノーカット放送された。その際の日本語吹き替えはダンボを当時トップアイドルだった大場久美子が担当し、他にも当時新自由クラブ代表の河野洋平[3] 、ニュースキャスターだった古谷綱正、具志堅用高などが出演した。その後、1988年5月5日にNHK総合[4]、1991年12月26日にフジテレビ系列、1994年1月1日にNHK教育[5] でテレビ放送された[6]。また、ディズニーチャンネル等でも放送されている。
- 耳の大きな人物に対し揶揄する意味で「ダンボ」という言葉が用いられることもある(例として元巨人選手の江川卓など)。
- マンガなどで聞き耳を立てている状態を表現するとき、耳を大きく描くことがある。このことから、聞き耳を立てることを「耳をダンボにする」などと表現することがある。
- 日本では、公開当時1954年3月12日から約5ヵ月後の同年8月9日に「ファン・アンド・ファンシーフリー」が公開されている(世界各国の公開年については、シンプル英文版「Dumbo」も参照)。
- 日本での公開は、1941年公開から約13年後の1954年と非常に遅い公開であったが、一方では、本作品と同じく1941年に公開された中国制作のアニメ映画『西遊記 鉄扇公主の巻』が、日本ではこの翌年の1942年と異例の速さで公開された。
- 2010年に発売されたスペシャルエディションでは、未公開シーン[7]が収録された。
脚注
- ^ ディズニー・アニメーション初の日本語版として公開された。
- ^ 1994年にWOWOWで放送され、その後は音楽ビデオ集『シング アロング ソング』に一部収録されている場面以外、ソフト版として見ることができない。
- ^ “河野外相、声優に挑戦も…「おやじに謝らなきゃ」”. 朝日新聞デジタル. 2018年9月28日閲覧。
- ^ “アーカイブス放送履歴”. NHK. 2018年9月28日閲覧。
- ^ “アーカイブス放送履歴”. NHK. 2018年9月29日閲覧。
- ^ フジテレビとNHK教育の放送にはポニー・バンダイ版の吹き替えが使用されている。
- ^ ゾウがネズミを怖がる理由と、名曲「are you a man or a mouse?」である。
関連項目
外部リンク
- ダンボ - allcinema
- ダンボ - KINENOTE
- Dumbo - オールムービー(英語)
- Dumbo - IMDb(英語)
- Dumbo - The Big Cartoon DataBase(英語)
- ダンボ - Movie Walker
- ダンボ - 東宝WEB SITE
- ウィキメディア・コモンズには、ダンボに関するカテゴリがあります。