「三角錐」の版間の差分

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== 多面体分割 ==
== 多面体分割 ==
[[面積]]の等しい三角形と[[四角形]]は、適当に多角形に有限回[[分割]]することによって[[合同]]にすることができるが、三角錐と四角錐は、たとえ体積が等しくとも多面体に分割して合同にすることは無理である。これは、[[ボヤイの定理]]が 3 次元空間では一般に成立しないことを示す。こうして 3 次元空間に於けるボヤイの定理(それは[[ヒルベルトの23の問題|ヒルベルトの第三の問題]]でもあった)が否定的に解かれた。ただし、分割の仕方を多面体に限らなければ体積が等しくなくても有界な図形は合同にすることができる([[バナッハ=タルスキーのパラドックス]])。
[[面積]]の等しい三角形と[[四角形]]は、適当に多角形に有限回[[分割]]することによって[[合同]]にすることができるが、三角錐と四角錐は、たとえ体積が等しくとも多面体に分割して合同にすることは無理である。これは、[[ボヤイの定理]]が 3 次元空間では一般に成立しないことを示す。こうして 3 次元空間に於けるボヤイの定理(それは[[ヒルベルトの23の問題|ヒルベルトの第三の問題]]でもあった)が容易に否定的に解かれた。ただし、分割の仕方を多面体に限らなければ体積が等しくなくても有界な図形は合同にすることができる([[バナッハ=タルスキーのパラドックス]])。


== 一般次元への拡張 ==
== 一般次元への拡張 ==

2013年11月23日 (土) 17:34時点における版

三角錐(さんかくすい、triangular pyramid, trigonal pyramid)とは、垂直断面に三角形を持つ錐体のことである。6本、頂点4つからなる。さらに、面の数は立体に於ける最小限界の 4 つである。このことからまた、四面体(しめんたい、tetrahedron)とも呼ぶ。三角錐は、最小の頂点数で構成することができる立体であると表現することもできる。

垂直断面が正三角形である場合、特に正三角錐(せいさんかくすい、regular triangular pyramid)という。幾何学に於いて、角錐の側面は全て三角形であるが、この場合は底面も三角形であるから、三角錐は全ての面が三角形である立体である。

正四面体

正四面体
正四面体

全ての面が正三角形であるような三角錐を、正四面体(せいしめんたい、regular tetrahedron)という。正四面体は、デルタ多面体の一種である。

多面体分割

面積の等しい三角形と四角形は、適当に多角形に有限回分割することによって合同にすることができるが、三角錐と四角錐は、たとえ体積が等しくとも多面体に分割して合同にすることは無理である。これは、ボヤイの定理が 3 次元空間では一般に成立しないことを示す。こうして 3 次元空間に於けるボヤイの定理(それはヒルベルトの第三の問題でもあった)が容易に否定的に解かれた。ただし、分割の仕方を多面体に限らなければ体積が等しくなくても有界な図形は合同にすることができる(バナッハ=タルスキーのパラドックス)。

一般次元への拡張

一般次元ユークリッド空間 Rn にも、当然、最小の頂点で構成できる立体は存在する。そのような立体を総称して単体あるいは三角錐と言うことがある。一般に、空間の次元が n であるとき、その空間内に存在する三角錐は n+1 個の頂点を持つ。

また、三角錐は、“空間上にある基準点 O を取ったとき、O からの位置ベクトルが互いに一次独立な関係にあるような n+1 個の点 P1,…,Pn+1 を頂点にもつ多面体。” と定義することもできる。このとき、vecOPi=(x1i,…,xni) とすれば、この三角錐の表面積 S は、

と表すことができる。特に、Pn+1=O であるとき、

である。

関連項目