1996年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

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1996年ナショナルリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
アトランタ・ブレーブス 4
セントルイス・カージナルス 3
シリーズ情報
試合日程 10月9日–17日
観客動員 7試合合計:37万5202人
1試合平均:05万3600人
MVP ハビー・ロペス(ATL)
NLDS ATL 3–0 LAD
STL 3–0 SD
殿堂表彰者 ジョン・シャーホルツ(ATL GM)
ボビー・コックス(ATL監督)
トム・グラビン(ATL投手)
チッパー・ジョーンズ(ATL内野手)
グレッグ・マダックス(ATL投手)
フレッド・マグリフ(ATL内野手)
ジョン・スモルツ(ATL投手)
トニー・ラルーサ(STL監督)
デニス・エカーズリー(STL投手)
オジー・スミス(STL内野手)
チーム情報
アトランタ・ブレーブス(ATL)
シリーズ出場 2年(5大会)連続7回目
GM ジョン・シャーホルツ
監督 ボビー・コックス
シーズン成績 96勝66敗・勝率.593
東地区優勝

セントルイス・カージナルス(STL)
シリーズ出場 9年ぶり4回目
GM ウォルト・ジョケッティ
監督 トニー・ラルーサ
シーズン成績 88勝74敗・勝率.543
中地区優勝

 < 1995
NLCS
1996

1997 > 

 < 1995
ALCS
1996

1997 > 
ワールドシリーズ

1996年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月1日に開幕した。ナショナルリーグの第27回リーグチャンピオンシップシリーズ英語: 27th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、9日から17日にかけて計7試合が開催された。その結果、アトランタ・ブレーブス東地区)がセントルイス・カージナルス中地区)を4勝3敗で下し、2年連続16回目のリーグ優勝および8回目のワールドシリーズ進出を果たした。

両球団がポストシーズンで対戦するのは、1982年のリーグ優勝決定戦以来14年ぶり2度目。この年のレギュラーシーズンでは両球団は13試合対戦し、ブレーブスが9勝4敗と勝ち越していた[1]。ポストシーズンの7戦4勝制シリーズにおいて1勝3敗から逆転優勝したのは、今回のブレーブスが1986年アメリカンリーグ優勝決定戦ボストン・レッドソックス以来10年ぶり、延べ8球団目である[2]。ブレーブスは第5戦に14-0で勝利しポストシーズン史上最大点差記録に並ぶと、3日後の第7戦では15-0の大勝を収めて記録を更新した[注 1][3]シリーズMVPには、第1戦の8回裏に勝ち越し・決勝の2点適時打を放つなど、7試合で打率.542・2本塁打・6打点OPS 1.607という成績を残したブレーブスのハビー・ロペスが選出された。しかしブレーブスは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者ニューヨーク・ヤンキースに2勝4敗で敗れ、2年連続4度目の優勝を逃した。

試合結果[編集]

1996年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月9日に開幕し、途中に移動日を挟んで9日間で7試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月09日(水) 第1戦 セントルイス・カージナルス 2-4 アトランタ・ブレーブス アトランタ・フルトン・
カウンティ・スタジアム
10月10日(木) 第2戦 セントルイス・カージナルス 8-3 アトランタ・ブレーブス
10月11日(金) 移動日
10月12日(土) 第3戦 アトランタ・ブレーブス 2-3 セントルイス・カージナルス ブッシュ・スタジアム
10月13日(日) 第4戦 アトランタ・ブレーブス 3-4 セントルイス・カージナルス
10月14日(月) 第5戦 アトランタ・ブレーブス 14-0 セントルイス・カージナルス
10月15日(火) 移動日
10月16日(水) 第6戦 セントルイス・カージナルス 1-3 アトランタ・ブレーブス アトランタ・フルトン・
カウンティ・スタジアム
10月17日(木) 第7戦 セントルイス・カージナルス 0-15 アトランタ・ブレーブス
優勝:アトランタ・ブレーブス(4勝3敗 / 2年連続16度目)

第1戦 10月9日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 0 1 0 0 0 0 1 0 0 2 5 0
アトランタ・ブレーブス 0 0 0 0 2 0 0 2 X 4 9 0
  1. ジョン・スモルツ(1勝)  マーク・ペトカイゼク(1敗)  Sマーク・ウォーラーズ(1S)  
  2. 審判
    [球審]ポール・ランギー
    [塁審]一塁: マーク・ハーシュベック、二塁: ボブ・デービッドソン、三塁: ジョー・ウェスト
    [外審]左翼: ジェリー・クロフォード、右翼: エド・モンタギュー
  3. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時7分 試合時間: 2時間35分 観客: 4万8686人 気温: 66°F(18.9°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス アトランタ・ブレーブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 O・スミス 1 M・グリッソム
2 R・ランクフォード 2 M・レムキー
3 R・ガント 3 C・ジョーンズ
4 B・ジョーダン 4 F・マグリフ
5 G・ガイエティ 5 R・クレスコ
6 J・メイブリー 6 J・ロペス
7 T・パグノッツィ 7 J・ダイ
8 L・アリセア 8 J・ブラウザー
9 An・ベネス 9 J・スモルツ
先発投手 投球 先発投手 投球
An・ベネス J・スモルツ

第2戦 10月10日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
7回表、ゲイリー・ガイエティがグレッグ・マダックスから満塁本塁打を放ち、カージナルスのリードが5点に広がる(1分19秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 1 0 2 0 0 0 5 0 0 8 11 2
アトランタ・ブレーブス 0 0 2 0 0 1 0 0 0 3 5 2
  1. トッド・ストットルマイヤー(1勝)  グレッグ・マダックス(1敗)  
  2. 本塁打
    STL:ゲイリー・ガイエティ1号満塁
    ATL:マーキス・グリッソム1号2ラン
  3. 審判
    [球審]マーク・ハーシュベック
    [塁審]一塁: ボブ・デービッドソン、二塁: ジョー・ウェスト、三塁: ジェリー・クロフォード
    [外審]左翼: エド・モンタギュー、右翼: ポール・ランギー
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時7分 試合時間: 2時間53分 観客: 5万2067人 気温: 56°F(13.3°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス アトランタ・ブレーブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 R・クレイトン 1 M・グリッソム
2 R・ランクフォード 2 M・レムキー
3 R・ガント 3 C・ジョーンズ
4 B・ジョーダン 4 F・マグリフ
5 G・ガイエティ 5 R・クレスコ
6 J・メイブリー 6 J・ダイ
7 T・パグノッツィ 7 E・ペレス
8 M・ガイエゴ 8 J・ブラウザー
9 T・ストットルマイヤー 9 G・マダックス
先発投手 投球 先発投手 投球
T・ストットルマイヤー G・マダックス

第3戦 10月12日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
カージナルスのロン・ガントが初回裏に逆転2点本塁打、6回裏にソロ本塁打を放ち3打点を挙げる(1分16秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
アトランタ・ブレーブス 1 0 0 0 0 0 0 1 0 2 8 1
セントルイス・カージナルス 2 0 0 0 0 1 0 0 X 3 7 0
  1. ドノバン・オズボーン(1勝)  トム・グラビン(1敗)  Sデニス・エカーズリー(1S)  
  2. 本塁打
    STL:ロン・ガント1号2ラン・2号ソロ
  3. 審判
    [球審]ボブ・デービッドソン
    [塁審]一塁: ジョー・ウェスト、二塁: ジェリー・クロフォード、三塁: エド・モンタギュー
    [外審]左翼: ポール・ランギー、右翼: マーク・ハーシュベック
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後3時17分 試合時間: 2時間46分 観客: 5万6769人 気温: 72°F(22.2°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アトランタ・ブレーブス セントルイス・カージナルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 M・グリッソム 1 R・クレイトン
2 M・レムキー 2 R・ランクフォード
3 C・ジョーンズ 3 R・ガント
4 F・マグリフ 4 B・ジョーダン
5 J・ロペス 5 G・ガイエティ
6 J・ダイ 6 J・メイブリー
7 A・ジョーンズ 7 T・パグノッツィ
8 J・ブラウザー 8 M・ガイエゴ
9 T・グラビン 9 D・オズボーン
先発投手 投球 先発投手 投球
T・グラビン D・オズボーン

第4戦 10月13日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
7回裏、代打ドミトリー・ヤングの2点三塁打でカージナルスが1点差に迫る(1分8秒)
8回裏、ブライアン・ジョーダンのソロ本塁打でカージナルスが勝ち越し(1分20秒)
9回表、デニス・エカーズリーがマーキス・グリッソムを空振り三振に仕留めて試合終了、カージナルスがリーグ優勝に王手をかける(39秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
アトランタ・ブレーブス 0 1 0 0 0 2 0 0 0 3 9 1
セントルイス・カージナルス 0 0 0 0 0 0 3 1 X 4 5 0
  1. デニス・エカーズリー(1勝1S)  グレッグ・マクマイケル(1敗)  
  2. 本塁打
    ATL:ライアン・クレスコ1号ソロ、マーク・レムキー1号ソロ
    STL:ブライアン・ジョーダン1号ソロ
  3. 審判
    [球審]ジョー・ウェスト
    [塁審]一塁: ジェリー・クロフォード、二塁: エド・モンタギュー、三塁: ポール・ランギー
    [外審]左翼: マーク・ハーシュベック、右翼: ボブ・デービッドソン
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時30分 試合時間: 3時間17分 観客: 5万6764人 気温: 78°F(25.6°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アトランタ・ブレーブス セントルイス・カージナルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 M・グリッソム 1 R・クレイトン
2 M・レムキー 2 W・マギー
3 C・ジョーンズ 3 R・ガント
4 F・マグリフ 4 B・ジョーダン
5 R・クレスコ 5 G・ガイエティ
6 J・ロペス 6 J・メイブリー
7 J・ダイ 7 T・パグノッツィ
8 J・ブラウザー 8 M・ガイエゴ
9 D・ネーグル 9 An・ベネス
先発投手 投球 先発投手 投球
D・ネーグル An・ベネス

第5戦 10月14日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
初回表、チッパー・ジョーンズの2点二塁打でブレーブスが先制(53秒)
1点を追加したあと二死一・三塁でジェフ・ブラウザーが2点三塁打を放ち、ブレーブスがこの回5点目を奪う(1分8秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
アトランタ・ブレーブス 5 2 0 3 1 0 0 1 2 14 22 0
セントルイス・カージナルス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 0
  1. ジョン・スモルツ(2勝)  トッド・ストットルマイヤー(1勝1敗)  
  2. 本塁打
    ATL:ハビー・ロペス1号ソロ、フレッド・マグリフ1号2ラン
  3. 審判
    [球審]ジェリー・クロフォード
    [塁審]一塁: エド・モンタギュー、二塁: ポール・ランギー、三塁: マーク・ハーシュベック
    [外審]左翼: ボブ・デービッドソン、右翼: ジョー・ウェスト
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後6時12分 試合時間: 2時間57分 観客: 5万6782人 気温: 82°F(27.8°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
アトランタ・ブレーブス セントルイス・カージナルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 M・グリッソム 1 O・スミス
2 M・レムキー 2 W・マギー
3 C・ジョーンズ 3 R・ガント
4 F・マグリフ 4 B・ジョーダン
5 R・クレスコ 5 G・ガイエティ
6 J・ロペス 6 J・メイブリー
7 J・ダイ 7 T・パグノッツィ
8 J・ブラウザー 8 L・アリセア
9 J・スモルツ 9 T・ストットルマイヤー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・スモルツ T・ストットルマイヤー

第6戦 10月16日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回表、マーク・ウォーラーズがジョン・メイブリーを見逃し三振に仕留めて試合終了、シリーズの行方は最終第7戦へ(55秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 6 1
アトランタ・ブレーブス 0 1 0 0 1 0 0 1 X 3 7 0
  1. グレッグ・マダックス(1勝1敗)  アラン・ベネス(1敗)  Sマーク・ウォーラーズ(2S)  
  2. 審判
    [球審]エド・モンタギュー
    [塁審]一塁: ポール・ランギー、二塁: マーク・ハーシュベック、三塁: ボブ・デービッドソン
    [外審]左翼: ジョー・ウェスト、右翼: ジェリー・クロフォード
  3. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時12分 試合時間: 2時間41分 観客: 5万2067人 気温: 72°F(22.2°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス アトランタ・ブレーブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 R・クレイトン 1 M・グリッソム
2 W・マギー 2 M・レムキー
3 R・ガント 3 C・ジョーンズ
4 B・ジョーダン 4 F・マグリフ
5 G・ガイエティ 5 R・クレスコ
6 J・メイブリー 6 J・ロペス
7 T・パグノッツィ 7 J・ダイ
8 M・ガイエゴ 8 J・ブラウザー
9 Al・ベネス 9 G・マダックス
先発投手 投球 先発投手 投球
Al・ベネス G・マダックス

第7戦 10月17日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
初回裏二死満塁、ブレーブス先発投手トム・グラビンが自らのバットで走者一掃の三塁打を放ち援護点を加える(1分8秒)
6回表、この年限りでの引退を表明しているカージナルスのオジー・スミスが代打で登場。現役最終打席に敵地アトランタのファンからスタンディングオベーションが贈られる(1分21秒)
6回裏、アンドリュー・ジョーンズの2点本塁打でブレーブスが13点目を挙げる(1分17秒)
7回裏、フレッド・マグリフの2点本塁打でカージナルスが15点目を奪う(45秒)
9回表、スティーブ・エイベリーがロイス・クレイトンを中飛に打ち取り試合終了、ブレーブスのリーグ優勝が決定(1分5秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 2
アトランタ・ブレーブス 6 0 0 4 0 3 2 0 X 15 17 0
  1. トム・グラビン(1勝1敗)  ドノバン・オズボーン(1勝1敗)  
  2. 本塁打
    ATL:ハビー・ロペス2号2ラン、アンドリュー・ジョーンズ1号2ラン、フレッド・マグリフ2号2ラン
  3. 審判
    [球審]ポール・ランギー
    [塁審]一塁: マーク・ハーシュベック、二塁: ボブ・デービッドソン、三塁: ジョー・ウェスト
    [外審]左翼: ジェリー・クロフォード、右翼: エド・モンタギュー
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時7分 試合時間: 2時間25分 観客: 5万2067人 気温: 71°F(21.7°C)
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス アトランタ・ブレーブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 R・クレイトン 1 M・グリッソム
2 W・マギー 2 M・レムキー
3 R・ガント 3 C・ジョーンズ
4 B・ジョーダン 4 F・マグリフ
5 G・ガイエティ 5 J・ロペス
6 D・ヤング 6 J・ダイ
7 T・パグノッツィ 7 A・ジョーンズ
8 M・ガイエゴ 8 J・ブラウザー
9 D・オズボーン 9 T・グラビン
先発投手 投球 先発投手 投球
D・オズボーン T・グラビン

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ "Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2021年5月3日閲覧。
  2. ^ Matt Kelly, "These teams came back from 3-1 deficits," MLB.com, October 19, 2020. 2021年5月3日閲覧。
  3. ^ Ben Walker, "Braves 15, Cardinals 0," Associated Press News, October 18, 1996. 2021年5月3日閲覧。

外部リンク[編集]