1984年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

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1984年ナショナルリーグ
チャンピオンシップシリーズ
Cub busters.jpg
当時のヒット映画ゴーストバスターズ』のパロディで制作された "カブバスターズ" Tシャツ。パドレスファンの人気を博し、シリーズ開幕を前に25,000枚ほど売れたというが、考案者はカリフォルニア州サンディエゴ在住のカブスファンである[1]
チーム 勝数
サンディエゴ・パドレス 3
シカゴ・カブス 2
シリーズ情報
試合日程 10月2日–7日
観客動員 5試合合計:24万7623人
1試合平均:04万9525人
MVP スティーブ・ガービー(SD)
殿堂表彰者 ディック・ウィリアムズ(SD監督)
リッチ・ゴセージ(SD投手)
トニー・グウィン(SD外野手)
デニス・エカーズリー(CHC投手)
ライン・サンドバーグ(CHC内野手)
リー・スミス(CHC投手)
ダグ・ハーヴェイ(審判員)
チーム情報
サンディエゴ・パドレス(SD)
シリーズ出場 シリーズ開始16年目で初
GM ジャック・マキーオン
監督 ディック・ウィリアムズ
シーズン成績 92勝70敗・勝率.568
西地区優勝

シカゴ・カブス(CHC)
シリーズ出場 シリーズ開始16年目で初
GM ダラス・グリーン
監督 ジム・フライ
シーズン成績 96勝65敗・勝率.596
東地区優勝

 < 1983
NLCS
1984

1985 > 

 < 1983
ALCS
1984

1985 > 
ワールドシリーズ

1984年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月2日に開幕した。ナショナルリーグの第16回リーグチャンピオンシップシリーズ(16th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から7日にかけて計5試合が開催された。その結果、サンディエゴ・パドレス西地区)がシカゴ・カブス東地区)を3勝2敗で下し、球団創設16年目で初のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、6勝6敗の五分だった[2]。今シリーズ最初の2試合はカブスにとって、1945年のワールドシリーズ最終第7戦で敗れて以来39年ぶりの、本拠地球場リグレー・フィールドで戦うポストシーズン試合だった[3]。カブスは初戦でリーグ優勝決定戦史上最大となる13点差の大勝を収め[4]、翌日の第2戦にも勝利してリーグ優勝に王手をかけた。しかし舞台がパドレスの本拠地球場ジャック・マーフィー・スタジアムへ移ると、一転してパドレスが3連勝し、逆転でリーグ初優勝を決めた。5戦3勝制のシリーズにおいて初戦から2連敗のあと3連勝で逆転したのは、リーグ優勝決定戦では1982年アメリカンリーグミルウォーキー・ブルワーズ以来2年ぶり2球団目、ポストシーズン全体でも3球団目である[注 1][5]シリーズMVPには、第4戦で同点適時打・勝ち越し適時打・サヨナラ本塁打の3殊勲打を放つなど、5試合で打率.400・1本塁打・7打点OPS 1.029という成績を残したパドレスのスティーブ・ガービーが選出された。しかしパドレスは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者デトロイト・タイガースに1勝4敗で敗れ、初優勝を逃した。

今シリーズでは、MLB審判員労働組合がポストシーズン出場給の分配条件変更を求めてストライキを決行したため、アマチュア野球の審判員らが代わりに出場した。労使交渉は今シリーズ最終戦当日の7日までに妥結され、その日の試合には開催地カリフォルニア州サンディエゴ在住の正規審判が緊急招集された[6]

試合結果[編集]

1984年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月2日に開幕し、途中に雨天順延を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月02日(火) 第1戦 サンディエゴ・パドレス 0-13 シカゴ・カブス リグレー・フィールド
10月03日(水) 第2戦 サンディエゴ・パドレス 2-4 シカゴ・カブス
10月04日(木) 第3戦 シカゴ・カブス 2-4 サンディエゴ・パドレス ジャック・マーフィー・
スタジアム
10月05日(金) 第4戦 雨天順延
10月06日(土) 第4戦 シカゴ・カブス 5-7x サンディエゴ・パドレス
10月07日(日) 第5戦 シカゴ・カブス 3-6 サンディエゴ・パドレス
優勝:サンディエゴ・パドレス(3勝2敗 / 球団創設16年目で初)

第1戦 10月2日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ジミー・バフェットによる試合前のアメリカ合衆国国歌『星条旗』独唱(1分54秒)
カブスOBアーニー・バンクスによる始球式(1分30秒)
初回裏、ボブ・ダーニアーの先頭打者本塁打でカブスが先制(42秒)
カブスのゲイリー・マシューズが初回裏と5回裏に本塁打を放ち計4打点を挙げる(1分48秒)
3回裏、カブス先発投手リック・サトクリフがソロ本塁打を放ち自らを援護(42秒)
9回表、ウォーレン・ブラスターがアラン・ウィギンスを遊飛に打ち取り試合終了、カブスが先勝(49秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
サンディエゴ・パドレス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 1
シカゴ・カブス 2 0 3 0 6 2 0 0 X 13 16 0
  1. : リック・サトクリフ(1勝)  : エリック・ショー(1敗)  
  2. 本塁打:  CHC – ボブ・ダーニアー1号ソロ、ゲイリー・マシューズ1号ソロ・2号3ラン、リック・サトクリフ1号ソロ、ロン・セイ1号ソロ
  3. 審判:球審…ディック・カベノー、塁審…一塁: デーブ・スリッケンメイヤー、二塁: ジョー・ポンポーニ、三塁: ジョー・マー
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後1時26分 試合時間: 2時間49分 観客: 3万6282人 気温: 63°F(17.2°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
サンディエゴ・パドレス シカゴ・カブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 A・ウィギンス 1 B・ダーニアー
2 T・グウィン 2 R・サンドバーグ
3 S・ガービー 3 G・マシューズ
4 G・ネトルズ 4 L・ダーラム
5 T・ケネディ 5 K・モアランド
6 K・マクレイノルズ 6 R・セイ
7 C・マルティネス 7 J・デービス
8 G・テンプルトン 8 L・ボーワ
9 E・ショー 9 R・サトクリフ
先発投手 投球 先発投手 投球
E・ショー R・サトクリフ

第2戦 10月3日[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
サンディエゴ・パドレス 0 0 0 1 0 1 0 0 0 2 5 0
シカゴ・カブス 1 0 2 1 0 0 0 0 X 4 8 1
  1. : スティーブ・トラウト(1勝)  : マーク・サーモンド(1敗)  S: リー・スミス(1S)  
  2. 審判:球審…デーブ・スリッケンメイヤー、塁審…一塁: ジョー・ポンポーニ、二塁: ジョー・マー、三塁: ディック・カベノー
  3. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後1時23分 試合時間: 2時間18分 観客: 3万6282人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
サンディエゴ・パドレス シカゴ・カブス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 A・ウィギンス 1 B・ダーニアー
2 T・グウィン 2 R・サンドバーグ
3 S・ガービー 3 G・マシューズ
4 K・マクレイノルズ 4 K・モアランド
5 C・マルティネス 5 R・セイ
6 T・ケネディ 6 J・デービス
7 L・サラザー 7 L・ダーラム
8 G・テンプルトン 8 L・ボーワ
9 M・サーモンド 9 S・トラウト
先発投手 投球 先発投手 投球
M・サーモンド S・トラウト

第3戦 10月4日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
6回裏、グレイグ・ネトルズの適時打でパドレスが4点目を挙げる(24秒)
その後ケビン・マクレイノルズが3点本塁打を放ち、パドレスのリードは6点に広がる(1分9秒)
9回表、リッチ・ゴセージがロン・セイを空振り三振に仕留めて試合終了、パドレスがシリーズ初勝利(47秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シカゴ・カブス 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 5 0
サンディエゴ・パドレス 0 0 0 0 3 4 0 0 X 7 11 0
  1. : エド・ウィットソン(1勝)  : デニス・エカーズリー(1敗)  
  2. 本塁打:  SD – ケビン・マクレイノルズ1号3ラン
  3. 審判:球審…テリー・ボビー、塁審…一塁: フランク・カンパーナ、二塁: フランク・フィッシャー、三塁: ジョン・スチュワート
  4. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後5時33分 試合時間: 2時間19分 観客: 5万8346人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シカゴ・カブス サンディエゴ・パドレス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ダーニアー 1 A・ウィギンス
2 R・サンドバーグ 2 T・グウィン
3 G・マシューズ 3 S・ガービー
4 L・ダーラム 4 G・ネトルズ
5 K・モアランド 5 T・ケネディ
6 R・セイ 6 K・マクレイノルズ
7 J・デービス 7 C・マルティネス
8 L・ボーワ 8 G・テンプルトン
9 D・エカーズリー 9 E・ウィットソン
先発投手 投球 先発投手 投球
D・エカーズリー E・ウィットソン

第4戦 10月6日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回裏、スティーブ・ガービーの2点本塁打でパドレスがサヨナラ勝利(53秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シカゴ・カブス 0 0 0 3 0 0 0 2 0 5 8 1
サンディエゴ・パドレス 0 0 2 0 1 0 2 0 2x 7 11 0
  1. : クレイグ・レファーツ(1勝)  : リー・スミス(1敗1S)  
  2. 本塁打:  CHC – ジョディ・デービス1号2ラン、レオン・ダーラム1号ソロ  SD – スティーブ・ガービー1号2ラン
  3. 審判:球審…フランク・カンパーナ、塁審…一塁: フランク・フィッシャー、二塁: ジョン・スチュワート、三塁: テリー・ボビー
  4. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後5時27分 試合時間: 3時間13分 観客: 5万8354人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シカゴ・カブス サンディエゴ・パドレス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ダーニアー 1 A・ウィギンス
2 R・サンドバーグ 2 T・グウィン
3 G・マシューズ 3 S・ガービー
4 K・モアランド 4 G・ネトルズ
5 R・セイ 5 T・ケネディ
6 J・デービス 6 K・マクレイノルズ
7 L・ダーラム 7 C・マルティネス
8 L・ボーワ 8 G・テンプルトン
9 S・サンダーソン 9 T・ローラー
先発投手 投球 先発投手 投球
S・サンダーソン T・ローラー

第5戦 10月7日[編集]

映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
7回裏一死二塁、ティム・フラネリーの打球を一塁手レオン・ダーラムがトンネルし、二塁走者カルメロ・マルティネスが生還してパドレスが同点に追いつく(41秒)
さらに一死一・二塁から、トニー・グウィンの適時二塁打でパドレスが2点を勝ち越し(1分21秒)
次打者スティーブ・ガービーも適時打で続き、パドレスのリードが3点に広がる(36秒)
9回表、先頭打者ダーラムの右翼ポール手前への飛球をグウィンがランニングキャッチ(54秒)
その後リッチ・ゴセージがジョディ・デービスを三ゴロに打ち取り試合終了、パドレスのリーグ優勝が決定(21秒)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シカゴ・カブス 2 1 0 0 0 0 0 0 0 3 5 1
サンディエゴ・パドレス 0 0 0 0 0 2 4 0 X 6 8 0
  1. : クレイグ・レファーツ(2勝)  : リック・サトクリフ(1勝1敗)  S: リッチ・ゴセージ(1S)  
  2. 本塁打:  CHC – レオン・ダーラム2号2ラン、ジョディ・デービス2号ソロ
  3. 審判:球審…ジョン・キブラー、塁審…一塁: ポール・ランギー、二塁: ジョン・マクシェリー、三塁: ダグ・ハーヴェイ
  4. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後1時23分 試合時間: 2時間41分 観客: 5万8359人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シカゴ・カブス サンディエゴ・パドレス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ダーニアー 1 A・ウィギンス
2 R・サンドバーグ 2 T・グウィン
3 G・マシューズ 3 S・ガービー
4 L・ダーラム 4 G・ネトルズ
5 K・モアランド 5 T・ケネディ
6 R・セイ 6 B・ブラウン
7 J・デービス 7 C・マルティネス
8 L・ボーワ 8 G・テンプルトン
9 R・サトクリフ 9 E・ショー
先発投手 投球 先発投手 投球
R・サトクリフ E・ショー

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1981年は、選手会が6月12日から7月31日にかけてストライキを実施したため、レギュラーシーズンがスト前・スト後の2シーズン制となり、東西両地区で前期・後期優勝球団による年間王者決定戦(地区シリーズ)が組まれた。ナショナルリーグ西地区年間王者決定戦において、ロサンゼルス・ドジャースヒューストン・アストロズに対し、2連敗からの3連勝を達成している。

出典[編集]

  1. ^ "Craig Logan, a 26-year-old accountant who moved from Aurora,...," UPI Archives, October 2, 1984. 2021年2月23日閲覧。
  2. ^ "1984 San Diego Padres Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年2月23日閲覧。
  3. ^ Joseph Durso, "PLAYOFFS OPEN WITH ROUTS BY CUBS AND TIGERS," The New York Times, October 3, 1984. 2021年2月23日閲覧。
  4. ^ Steve Wulf, "YOU'VE GOT TO HAND IT TO THE PADRES," Sports Illustrated Vault, October 15, 1984. 2021年2月23日閲覧。
  5. ^ "The 9 Times MLB Teams Came Back From 0-2 Deficits In Best-Of-5 Series," CBS New York, October 11, 2017. 2021年2月23日閲覧。
  6. ^ "UMPIRES AGREE TO UEBERROTH ARBITRATION," The New York Times, October 8, 1984. 2021年2月23日閲覧。

外部リンク[編集]