1969年NFLチャンピオンシップゲーム

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1969年NFLチャンピオンシップゲーム
1 2 3 4

CLE 0 0 0 7

7
MIN 14 10 3 0

27
開催日 1970年1月4日
スタジアム メトロポリタン・スタジアム
開催地 ミネソタ州ブルーミントン
優勝予想 Vikings by 8 points [1]
審判 Tommy Bell
入場者数 46,503
1969年NFLチャンピオンシップゲームの位置(アメリカ合衆国内)
バイキングス (開催地)
バイキングス
(開催地)
ブラウンズ
ブラウンズ
ネットワーク CBS
実況と解説 レイ・スコットポール・クリストマン
ブルース・ロバーツ
タイムライン
前シーズン 翌シーズン
1968 1970

1969年NFLチャンピオンシップゲーム(1969 NFL Championship Game)は、1970年1月4日にアメリカ合衆国ミネソタ州ブルーミントンメトロポリタン・スタジアムで開催された試合。 1969年シーズンのNFLチャンピオンの座をかけて、東カンファレンスのクリーブランド・ブラウンズと西カンファレンスのミネソタ・バイキングスが対戦した。AFLNFLの統合が行われる前に行われた最後のNFLチャンピオンシップゲームである[2]。ブラウンズは2年連続の出場で、1960年代4回目の出場であった。試合はバイキングスがブラウンズを27-7で破り第4回スーパーボウルに出場した。エクスパンションチームがスーパーボウルに出場するのは初めてであった[2]

アイスボウルと呼ばれた1967年NFLチャンピオンシップゲーム、ほどではなかったが、-13℃[3]体感温度-21℃ のコンディションで行われ、ブラウンズのLBジム・ヒューストンは試合中凍傷となり、入院した。

ブラウンズは前年のNFLチャンピオンシップゲームで、ボルチモア・コルツに0-34で敗れた。バイキングスはこの試合ターンオーバーでボールを失うことなく、381ヤードを獲得した。ブラウンズは268ヤードの獲得で3回ターンオーバーでボールを失った。

ミネソタ・バイキングス[編集]

バイキングスは12勝2敗でレギュラーシーズンを終えた。ニューヨーク・ジャイアンツとのシーズン開幕戦で1点差で敗れた後、12連勝し、アトランタ・ファルコンズとの最終戦で7点差で敗れた。敗れた2試合ではエースQBキャップではなく、ゲイリー・コゾーが先発した[2]。レギュラーシーズン11月9日の試合でブラウンズを51-3で破っており[2][4]、ウェスタンカンファレンス・チャンピオンシップでロサンゼルス・ラムズを23-20で破ってNFLチャンピオンシップゲームに進出した。バド・グラントヘッドコーチの率いるチームはQBジョー・キャップWRジーン・ワシントンがオフェンスを牽引した。パープル・ピープル・イーターズとして知られた4人のディフェンスラインを擁したディフェンスはレギュラーシーズンでわずか133失点(平均9.5点)しか許さず、失点、喪失ヤード、与えたファーストダウンでNFLトップ、ターンオーバー奪取回数もNFL2位であった[2]。オフェンスはNFLトップの379点をあげた。3試合で50得点差以上をつけて勝った[2]

ディフェンスラインのカール・エラーゲイリー・ラーセンアラン・ペイジジム・マーシャルプロボウルに選ばれた。

クリーブランド・ブラウンズ[編集]

ブラウンズは10勝3敗1分でレギュラーシーズンを終えた。イースタンカンファレンス・チャンピオンシップでダラス・カウボーイズを38-14で破ってNFLチャンピオンシップゲームに出場した[4]ブラントン・コリアーヘッドコーチの率いるチームは[3]QBゲイリー・コリンズ、WRポール・ウォーフィールドなどがオフェンスの中心であった。

試合経過[編集]

キックオフ直後のドライブでバイキングスは8プレー70ヤードを前進し、第1Q開始4分でバイキングスは7-0と先制した。このドライブでのキープレーは、ファーストダウンまで残り5ヤード地点でボールをキャッチしたワシントンが、ランアフターキャッチで33ヤードを獲得し、敵陣24ヤード地点までボールを進めたプレーである。4プレー後に、デイブ・オズボーンが11ヤードを走り、7ヤード地点まで前進、次のプレーでオズボーンはハンドオフを受けようとした際、足を滑らせて、キャップとぶつかったが、キャップがそのままボールを持って7ヤードを走りTDをあげた。

バイキングスは次の攻撃でワシントンを1対1でカバーしていたブラウンズのDBエリック・バーンズが足を滑らせたプレーで、ワシントンへの75ヤードのTDパスを決めた[4]

第1Q終盤、ブラウンズのRBリロイ・ケリーがファンブルしたボールをバイキングスのLBウォリー・ヒルゲンバーグがリカバーし[4]、敵陣43ヤード地点で攻撃権を得た。キャップからワシントンへの25ヤードのパスが成功し、フレッド・コックスが30ヤードのFGを成功し、17-0となった。

第2Q終盤、ヒルゲンバーグがビル・ネルセンのパスを自陣33ヤード地点でインターセプトした。バイキングスはここからジョン・ヘンダーソンへの2本のパスで17ヤードを獲得、オズボーンの16ヤードのラン、オズボーンの20ヤードのTDランなど、8プレーで67ヤードを前進し、前半残り4分46秒で24-0とリードを広げた。ブラウンズは敵陣17ヤード地点まで前進したが、第4ダウン残り3ヤードでネルセンがゲイリー・コリンズに投げたパスがオーバースローとなり、得点をあげることができなかった。

第3Q、コックスが32ヤードのFGを成功させて27-0となった。このドライブの途中、ブラウンズのLBジム・ヒューストンはキャップに強く当たられてノックアウトされた。

第4Q、ポール・ウォーフィールドへの18ヤードのパスに続いて、コリンズへの3ヤードのTDパスが決まり、ブラウンズはようやく7点を返した[3]。試合時間は残り13分あったが、その後両チームとも得点をあげることなく、試合は終了した。バイキングスは敵陣2ヤード地点まで前進したが、得点をあげようとせず、時間を費やす選択をした。

キャップはパス13回中7回成功、169ヤード、1TDをあげるとともに、ランで57ヤードを獲得した。オズボーンは18回のランで108ヤード、1TD、ワシントンは3回のレシーブで125ヤード、1TDをあげた。

ネルセンはパス33回中17回成功、1TD、2INT、ケリーは80ヤードを走るとともに2回のレシーブで17ヤードを獲得した。

その後[編集]

第4回スーパーボウルでバイキングスはカンザスシティ・チーフスに7-23で敗れた[2]NFLフィルムズは、1969年のバイキングスをスーパーボウルで優勝できなかったチームのベスト5にあげている[2][5]

脚注[編集]

  1. ^ [1]
  2. ^ a b c d e f g h Kevin Seifert (2010年7月1日). “Best Vikings Team Ever: 1969”. ESPN. 2015年11月11日閲覧。
  3. ^ a b c Josh Edwards (2015年10月22日). “TBT: 1969 NFL Championship”. 247SPORTS. 2015年11月11日閲覧。
  4. ^ a b c d Mike Peticca (2011年1月21日). “Cleveland Browns one game from Super Bowl, 1969 season: Video and Plain Dealer game story”. The Plain Dealer. 2015年11月11日閲覧。
  5. ^ アメリカズゲーム 〜ミッシング・リングス〜