マイク・ムスターカス
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カンザスシティ・ロイヤルズ #8 | |
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![]() 2016年 | |
基本情報 | |
国籍 |
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出身地 | カリフォルニア州ロサンゼルス |
生年月日 | 1988年9月11日(29歳) |
身長 体重 |
6' 0" =約182.9 cm 210 lb =約95.3 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投左打 |
ポジション | 三塁手 |
プロ入り | 2007年 ドラフト1巡目(全体2位)でカンザスシティ・ロイヤルズから指名 |
初出場 | 2011年6月10日、ロサンゼルス・エンゼルス戦 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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マイケル・クリストファー・ムスターカス(Michael Christopher Moustakas, 1988年9月11日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身のプロ野球選手(三塁手)。右投左打。MLBのカンザスシティ・ロイヤルズ所属。愛称は「Moose(ムース)」[1]。代理人はスコット・ボラス。
カンザスシティ・ロイヤルズのシーズン最多本塁打記録を持つ[2]。
南海ホークスでプレーし、引退後は千葉ロッテマリーンズの打撃コーチを務めたトム・ロブソンは叔父にあたる。
経歴[編集]
ロサンゼルス市内のチャッツワース高等学校時代には遊撃手として通算54本塁打の州記録を樹立する一方で、アメリカンフットボールのクォーターバックとしても活躍[3][4]。
2007年のMLBドラフト1巡目(全体2位)でカンザスシティ・ロイヤルズから指名を受けた[5]が、代理人のスコット・ボラスが高額の契約金を要求したために交渉は難航。ロイヤルズとの交渉が決裂した場合は南カリフォルニア大学への進学を予定していたが、契約期限である8月15日午後11時59分(東部標準時)の11分前に契約金400万ドルで合意した。これは全体1位のデビッド・プライス(560万ドル)、全体5位のマット・ウィータース(600万ドル)に比べると低額であったが、ムスターカス自身がボラスの反対を押し切る形で決断した[6]。
2008年はA級バーリントン・ビーズで22本塁打を放ち[5]、16年ぶりに10代でのミッドウェストリーグ本塁打王となった。
2009年の開幕前には「ベースボール・アメリカ」誌の有望株ランキングにおいて、球団内では1位、マイナー全体では13位にランクインされた[7]。しかし、同年は打撃不振で出塁率が3割に満たず、評価を下げた。
2010年は本来の打撃が復活し、AA級ノースウエストアーカンソー・ナチュラルズで5月下旬まで打撃三冠を維持した。シーズン途中にAAA級オマハ・ロイヤルズに昇格し、合計36本塁打、124打点でマイナーリーグ全体での二冠王となった[8]。
2011年の開幕はAAA級オマハ・ストームチェイサーズ[9]で迎えたが、6月10日のロサンゼルス・エンゼルス戦でメジャーデビュー[5]。その翌日にジョエル・ピネイロからメジャー初本塁打を放った[10]。その後はメジャーの壁にぶつかり、8月の半ばまで打率が1割台に低迷していたが、9月には約3ヵ月ぶりの本塁打を放つなど打率.352、4本塁打と結果を出した[5]。
2012年は前半戦で15本塁打を放ったが、後半戦は失速した。三塁守備では守備防御点(DRS)が+14でリーグ2位、UZRは+16.8でリーグトップだった。フィールディング・バイブル・アワードの三塁手部門でエイドリアン・ベルトレに次ぐ2位に入り、ゴールドグラブ賞でも最終候補に残った。
2014年2月21日にロイヤルズと1年契約に合意した[11]。この年は、打撃が更に混迷を極め、マイナー降格も経験した。打率はメジャーデビュー以来毎年低下し続け、.212まで下がった。ホームランを15本放ち、三振を前年から減らした点は改善ポイントとなったが、シーズン通じて低打率だった。守備面でも自己ワーストの19失策を記録し、精彩を欠いた。
2015年はオールスターの投票では三塁手部門の2位で選出はされなかったが、34人目の選手を決める最終投票で選出された。オールスター後はやや調子を落としたが、それでも打率.284・22本塁打・82打点・OPS0.817という打撃成績をマークし、これら4部門全てで自己記録を更新した[5]。また、三塁の守備でも安定感を取り戻し、12失策・守備率.969・DRS + 4という成績を残した。
2016年は開幕から25試合に出場し、低打率ながらハイペースでアーチを放っていた (7本塁打) が、ロサンゼルス・エンゼルス戦でのクロスプレーで左手親指を骨折し、15日間のDL入りとなった[12]。その後、一度は復帰したが、今度は5月22日の試合で守備中にチームメイトのアレックス・ゴードンと交錯し、右ひざの前十字靭帯断裂という大怪我を負って手術を受ける羽目になり、シーズン絶望となった[13]。
2017年は前年の右ひざ前十字靭帯断裂から復帰を果たした[2]。9月20日のブルージェイズ戦でシーズン37号本塁打を記録し、1985年のスティーブ・バルボニを抜いて球団シーズン最多本塁打記録となった[2]。打率.272・38本塁打・85打点・OPS0.835の成績をマーク。本塁打は自己記録を大きく更新し、初の30本超えを果たした。打率以外の3部門で自己記録を更新し、シーズンオフにはカムバック賞を受賞した[14]。
同年11月2日にFAとなった[15]。球団はクオリファイング・オファーを提示した[16]が、11月16日に拒否した[17]。自己最高の38本塁打を記録した直後ということもあり、「オフの目玉FA選手の1人」と目されていた(このオフは、同じ三塁手のFA選手は、ムスターカス以外ではトッド・フレイジャーくらいしか目立った選手がいない事情もあった)[18][19]。
しかし契約交渉は苦戦を余儀なくされて、2018年3月9日、ロイヤルズと「1年550万ドル+出来高」(出来高が上限になった場合だと770万ドル。2年目はミューチュアル・オプション)で再契約を結んだが、結果的には、クオリファイング・オファー(QO)を拒否したことが裏目になってしまった(QOの半額以下であり、出来高を含めても前年の年俸[870万ドル]を下回る金額での再契約になった。なお水面下では、ロサンゼルス・エンゼルスから3年4500万ドルの契約提示があったともいわれているが、結局は破談になったという)[18][20][21]。
選手としての特徴[編集]
身長は5フィート11インチ(約180.3cm)と比較的小柄ながら類稀なパワーを持ち、どんなコースの球でも引っ張って長打にすることが出来る。打席では積極的に振っていく傾向にあり、四球数が少ないため、出塁率があまり伸びない傾向がある[22]。実際、例えば2017年シーズンの出塁率は.314(打率は.272)であり、これはFAで競合したフレイジャー(打率は.213だが、出塁率は.344)よりを下回る数字であり、これが2017年オフにFAになった際に「厳しい評価」に映る一因になってしまった[19][23]。
また、コンタクト技術に長けており、2012年以外は三振率が20%未満(AB/Kでは5点以上)とパワーヒッターとしては三振が少ない。さらに、2012年以降はシーズン毎に三振率が低下しており、スモールボールを基調としたロイヤルズ野球にあって、低打率でも三振せずに一塁方向へ進塁打にしているケースが多い。
高校時代は遊撃手であったが、プロ入り2年目途中から三塁手へ転向。守備範囲と肩の強さは合格点であるが、失策がやや多く、将来的には守備の負担が少ないポジションへのコンバートも予想されていた[22]。メジャー昇格後はハイレベルな守備力を発揮し、好守の三塁手として高く評価されている。
詳細情報[編集]
年度別打撃成績[編集]
年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
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2011 | KC | 89 | 365 | 338 | 26 | 89 | 18 | 1 | 5 | 124 | 30 | 2 | 0 | 2 | 2 | 22 | 0 | 1 | 51 | 5 | .263 | .309 | .367 | .675 |
2012 | 149 | 614 | 563 | 69 | 136 | 34 | 1 | 20 | 232 | 73 | 5 | 2 | 0 | 5 | 39 | 4 | 7 | 124 | 4 | .242 | .296 | .412 | .708 | |
2013 | 136 | 514 | 472 | 42 | 110 | 26 | 0 | 12 | 172 | 42 | 2 | 4 | 1 | 4 | 32 | 1 | 5 | 83 | 13 | .233 | .287 | .364 | .651 | |
2014 | 140 | 500 | 457 | 45 | 97 | 21 | 1 | 15 | 165 | 54 | 1 | 0 | 1 | 4 | 35 | 1 | 3 | 74 | 12 | .212 | .271 | .361 | .632 | |
2015 | 147 | 614 | 549 | 73 | 156 | 34 | 1 | 22 | 258 | 82 | 1 | 2 | 4 | 5 | 43 | 1 | 13 | 76 | 14 | .284 | .348 | .470 | .817 | |
2016 | 27 | 113 | 104 | 12 | 25 | 6 | 0 | 7 | 52 | 13 | 0 | 1 | 0 | 0 | 9 | 0 | 0 | 13 | 5 | .240 | .301 | .500 | .801 | |
2017 | 148 | 598 | 555 | 75 | 151 | 24 | 0 | 38 | 289 | 85 | 0 | 0 | 0 | 6 | 34 | 7 | 3 | 94 | 18 | .272 | .314 | .521 | .835 | |
通算:7年 | 836 | 3318 | 3038 | 342 | 764 | 163 | 4 | 119 | 1292 | 379 | 11 | 9 | 8 | 26 | 214 | 14 | 32 | 515 | 71 | .251 | .305 | .425 | .730 |
- 2017年度シーズン終了時
記録[編集]
背番号[編集]
- 8 (2011年 - 2017年)
脚注[編集]
- ^ Royals Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月29日閲覧
- ^ a b c Slugger 2017年12月号増刊 2017MLB総決算:メジャーリーガー555人&全30球団通信簿 22頁
- ^ “Moustakas Bio and Stats”. Wilmington.bluerocks.milb.com. 2010年8月31日閲覧。
- ^ [Mike Moustakas Football Stats - Chatsworth 04-05]. MaxPreps(英語). 2011年6月12日閲覧
- ^ a b c d e MLB公式プロフィール参照。2017年12月30日閲覧。
- ^ “Royals sign No. 2 overall pick 11 minutes before deadline”. ESPN. Associated Press. (2007年8月16日) 2007年12月22日閲覧。
- ^ ]Top 100 Prospects: No. 1-20, BaseballAmerica.com(英語), 2011年6月12日閲覧
- ^ Kappel, Nick(2011-01-10). 2011 Fantasy Baseball Prospect Report: Kansas City Royals' Mike Moustakas. Bleacher Report(英語). 2011年6月12日閲覧
- ^ 2011年より球団名変更
- ^ Kaegel, Dick(2011-06-11). Moustakas belts first Major League homer. royals.com(英語). 2011年6月12日閲覧
- ^ “Royals agree to terms with seven players on one-year contracts for 2014”. MLB.com Royals Press Release (2014年2月21日). 2014年2月22日閲覧。
- ^ “ロイヤルズ 主軸ムスタカスが15日間のDL入り 左手親指骨折”. スポニチ Sponichi Annex (2016年5月8日). 2016年10月15日閲覧。
- ^ “ロイヤルズ・ムスタカス今季絶望か 靱帯断裂で手術”. 日刊スポーツ (2016年5月27日). 2016年10月15日閲覧。
- ^ “ホランドとムスタカスがカムバック賞”. 日刊スポーツ (2017年12月2日). 2017年12月2日閲覧。
- ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月30日閲覧
- ^ Jeffrey Flanagan (2017年11月6日). “Royals give qualifying offer to Eric Hosmer”. MLB.com. 2017年11月17日閲覧。
- ^ Jason Beck (2017年11月16日). “Royals' trio turns down qualifying offers”. MLB.com. 2017年11月17日閲覧。
- ^ a b “マイク・ムスタカスが激安年俸でロイヤルズと再契約した意味”. Yahoo!ニュース. 2018年3月12日閲覧。
- ^ a b “Free Agent Faceoff: Mike Moustakas Vs. Todd Frazier”. MLB TRADE RUMORS. 2018年3月12日閲覧。
- ^ “低調FA市場の悲哀…ムスタカスが18.6億円断った古巣と5.9億円で再契約”. Full-Count. 2018年3月12日閲覧。
- ^ “Musing on slow-moving market for Moose”. MLB.com. 2018年3月12日閲覧。
- ^ a b Sickels, John(2011-06-10). Prospect of the Day: Mike Moustakas, 3B, Kansas City Royals. Minor League Ball(英語). 2011年6月12日閲覧
- ^ 『スラッガー』2018年3月号、35頁。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Mike Moustakas stats MiLB.com (英語)
- Mike Moustakas (@Mooose_8) - Twitter
- Mike Moustakas (moosetacos8) - Instagram
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