ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム

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ゼルダの伝説
ティアーズ オブ ザ キングダム
The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom
ジャンル アクションアドベンチャーゲーム
対応機種 Nintendo Switch
開発元 任天堂企画制作本部
販売元 任天堂
プロデューサー 青沼英二[1]
ディレクター 藤林秀麿[1]
プログラマー 堂田卓宏[1]
美術 滝澤智[1]
シリーズ ゼルダの伝説シリーズ
人数 1人
発売日 2023年5月12日
対象年齢 CEROB(12才以上対象)
ESRBE10+(10歳以上)[2]
PEGI12[3]
コンテンツ
アイコン
セクシャル、暴力、犯罪[4]
売上本数

日本の旗 : 224万本 (2023年5月時点) [5]

世界の旗:1,000万本 (2023年5月時点)[5]
その他 amiibo対応
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ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』(ゼルダのでんせつ ティアーズ オブ ザ キングダム、The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom)は、2023年5月12日任天堂より発売された、オープンワールドアクションアドベンチャーゲーム。キャッチコピーは「翔ける、創る、紡ぐ。果てなき冒険は、大空へ広がる。

本作は2017年3月3日に発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編である。

概要[編集]

2019年6月12日に放送された『Nintendo Direct E3 2019』内の出展映像にて本作が開発されていることが明らかになった[6]

約2年後の『Nintendo Direct E3 2021』内の映像にて発売が2022年内と発表された。

しかし翌年の2022年3月29日ゼルダの伝説シリーズ総合プロデューサー青沼英二が発売を2023年春に変更したと発表した[7]

同年9月13日に公開された『Nintendo Direct 2022.9.13』にて公開された1stトレーラーが公開された。このトレーラにて、タイトルが 『ティアーズ オブ ザ キングダム』に決定し、2023年5月12日発売予定と発表された[8]

9月に正式タイトルが発表されるまでは、タイトル名がネタバレになる可能性があったため[9]任天堂公式からも『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド 続編』の名称で呼ばれていた。

2023年2月9日の「Nintendo Direct 2023.2.9」にて、本作の2ndトレーラーが発表された[10]。同時に、ソフトの予約が開始され、コレクターズエディション版の存在と、主人公リンクの新amiiboも発表された。また、他のamiiboの読み込みによる新要素が発表された[11]

しかし、同年2月19日ごろ、Redditにて本作のコレクターズエディション版に同梱されているアートブックの画像、約200枚が大量にリークされるという事件が発生した[12]。翌20日にはDiscordにおいてもリークされた[13][12]。これについて、任天堂(Nintendo of America)は同月21日、Discordに向けて、リーク者の個人情報開示を促すDMCAを通知した。同年4月4日には、 DMCA召喚状をカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提出した[12]

同年3月28日、本作のプロデューサーである青沼英二本人によるプレイ映像が公開された[14]。本ムービーでは、前作でも舞台となったハイラルの大地に加え、空中に存在する「空島」のマップについてや、新たな敵NPC、一新されたゲームシステムなどの一部が公開された。また、動画の最後では「Nintendo switch(有機ELモデル) ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダムエディション」の存在に加え、Proコントローラーやキャリングケースについても販売されることが報じられた[15]

同年4月13日、本作の最後の告知PVとなる3rdトレーラーが公開された。本PVでは多数のカットーシーンやプレイ映像が公開されたほか、ガノンドロフを始めとする新キャラクター、集団戦や新ガジェットによるプレイなどが披露された。

タイトルの「Tears of the Kingdom」を翻訳すると「王国の涙」となる。「Tear」には「ティアー」と発音する「涙」の意味を持つ単語と、「テアー」と発音する「裂け目」などを意味する単語があり、最初の発表時には画面上に文字で表示されただけで発音が不明であった為、「王国の裂け目」である可能性があった。日本国外メディアが問い合わせたところ、泣く方の意味であると任天堂が回答した[16]

ストーリー[編集]

前作での厄災ガノン討伐から数年後の復興が進むハイラル王国で、リンクゼルダはハイラル城の地下で発生した「瘴気」の調査に向かう。そこで二人は謎の右手に抑えられたミイラを目撃、そのミイラが放った瘴気はマスターソードを砕き、リンクの右腕を蝕む。そしてハイラル城は宙へと持ち上がり、その衝撃で足場が崩れ二人は落下する。ゼルダは謎の秘石と共に過去へと飛ばされ、リンクは謎の右手に引き上げられて辺りは光に包まれる。

ハイラル城の浮上と共に上空に浮かぶ無数の島が確認され、そこから謎の遺跡が降り注ぐ。また各地に地底へと続く深穴ができ、そこから瘴気が噴き出す。またこれらの「天変地異」と時を同じくして、リトの村には大寒波が発生して物流が滞り、ゾーラの里には大量のヘドロが降り注いで水を汚染する。ゴロンシティでは中毒性の高い「おいし岩」が出回り民を堕落させ、ゲルドの街には砂塵が発生してギブドという魔物が街へと攻め込む。

リンクが目を覚ますとそこは上空に浮かぶ空島であり、また瘴気でやられた右腕の代わりにミイラを抑えてリンクを空島へ引き上げた右手が付いていた。そして右手の主である初代ハイラル国王ラウルの魂に導かれ、島内の祠を回り右手の本来の能力を取り戻す。そしてゼルダの持つ秘石の力で、マスターソードがゼルダのいる過去へと渡る。そしてリンクはゼルダを探し出し世界を再び救うべく、ハイラルの大地へと飛び降りる。

ゲームシステム[編集]

主人公リンクの体力は従来のシリーズ通りハートで表現されており、敵の攻撃を受けたり、高所からの落下などによって減少したり、今作でも気候や温度によって減少する場合もある。一方で草を刈ったりオブジェクト破壊によってハート回復アイテムが出現することが無くなり、料理や素材、薬でハートを回復することになる。ハートが無くなるとゲームオーバーとなり、最後にセーブされた地点に戻される。本作では、前作と同じように特定のタイミングでオートセーブされる他、プレイヤーの任意のタイミングでもセーブが可能となっている。

リンクのスタミナは前作『ブレス オブ ザ ワイルド』や『スカイウォードソード』と同様に「がんばりゲージ」で表現される。このゲージはダッシュする、崖を登る、パラセールで滑空、泳ぐ、溜め攻撃をするといった行動で消費される。がんばりゲージが無くなると崖登り中や滑空中に途中で落下したり、泳いでいる最中に溺れたり、ダッシュできなくなったりする。がんばりゲージは足が地面についている状態で、走ったり溜め攻撃などの該当するアクションをしていなければ自然と回復する。

また、「扇風機」等の『ゾナウギア』を動かすための「バッテリー」という概念もある。「ゾナウエネルギーの結晶」100個につき1個(1/3本)のバッテリーを製造でき、最大48個(16本)まで増やすことができる。このゲージは電池のような形をしており、ゾナウギアを使わなければ自動で回復する。

登場人物[編集]

リンク
声 - 高梨謙吾
本作の主人公。数年前に目を覚まし、厄災ガノンを討伐した英傑。今作ではゼルダと共に瘴気の原因を調査中、ガノンドロフによって右手とマスターソードを蝕まれ、右手がラウルの腕に置き換えられている。その右手の力を駆使して冒険を繰り広げる。
ゼルダ
声 - 嶋村侑
百数年前に滅びたハイラル王国の姫。数年前にリンクの手により救い出され厄災を封印する。聡明で好奇心旺盛。ハイラル城の地下で瘴気を調査中にガノンドロフの覚醒に遭遇し、消息不明となる。
ガノンドロフ
声 - 高口公介
本作で天変地異を起こした張本人。100年に一度生まれるゲルド族の男であり、ソニア王妃を殺して彼女の秘石を奪い、魔物たちの長・魔王と化した。かつての封印戦争でラウルによって封印されていたが封印が弱まり、瘴気が漏れ出したことで調査に来たゼルダとリンクの目の前で覚醒する。
ラウル
ガノンドロフを封印していた右腕の元の持ち主であるゾナウ族で、ハイラル王国の初代国王。すでに故人となっているが、魂となってリンクに右腕を提供し、その力を取り戻すのに協力する。
ソニア
ラウルの妻であり、ハイラル王国初代王妃。時を操る力を持ち、ガノンドロフとの戦いでもラウルを支えるが、ガノンドロフに殺害され秘石を奪われてしまう。
インパ
前作ではカカリコ村の族長で、本作では跡目を孫娘のパーヤに譲っている。ハイラル城の異変と同時期に世界各地に現れた地上絵にゼルダの消息の手がかりがあると睨み各地を回る旅に出る。
パーヤ
カカリコ村の現村長。カカリコ村に落下したゾナウ族の遺跡にいち早く注目し、調査を進めると共に観光名所としても活用する。
コーガ様
イーガ団の頭目。前作の物語でゲルド地方の問題解決の過程でリンクと戦い、地底に落とされた。本作では魔王ガノンドロフの力となるべく、ゾナウ族の技術を調査している。
プルア
シーカー族の研究者。本作では大人の姿になっている。監視砦のとりまとめ役。
ロベリー
シーカー族の研究者。プルアパッドの製造に技術面から活躍した。
ジョシュア (シーカー族)
シーカー族の研究者。幼いながらも深穴調査の責任者をまかされる。

賢者[編集]

シド(大西弘祐)
ゾーラ族の王子。ラネール地方のヘドロの原因調査のため協力する。事件解決後は正式に王位を継承する。
ルージュ(櫻庭有紗)
ゲルド族の族長。砂漠における砂嵐とギブドの脅威から里を守るべくリンクに協力する。
チューリ(森夏姫)
リト族の少年戦士。前作でのリンクの協力者だったテバの息子。吹雪の原因調査のため同行する。
ユン坊
ゴロン族の若者。本作では「ユン組」の社長を務めている。ゼルダ(に化けていたファントムガノン)によって仮面をかぶせられ正気を失っていたが止められ、民を狂わせる「おいし岩」の調査に協力する。
ミネル
初代ハイラル王ラウルの姉であるゾナウ族。魂の賢者。封印戦争で体を瘴気に犯され、プルアパッドに魂を移していた。

アイテム[編集]

リンクの能力
前作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』から一新されたリンクの能力が登場。
ウルトラハンド
物を掴んで持ち上げることができるほか、物同士をくっつけたり、外したりすることができる能力。
スクラビルド
身に着けている装備に、箱や岩などの物や、アイテム、武器を合成し新しい武器を作り出すことができる能力。矢に素材をつけて飛ばすこともできる。
モドレコ
物の移動を逆再生することができる能力。途中でやめることも可能。
トーレルーフ
一つ上の階層へへと突き抜ける能力。
ブループリント
これまでにウルトラハンドで組み立てたものや設計図と同じものを、材料やゾナニウムを使い瞬時に再現する能力。
ポーチのアイテム
パラセール
メインチャレンジを途中まで進めることで入手できる。
マスターソード
通称退魔の剣。この剣はたとえ損傷しても時と共に自ら回復を果たし、また聖なる力を浴びせ続けるとそれまでよりも強く再生する。作中では、当初からリンクが所持していたもののガノンドロフの放った瘴気により破壊される。

舞台[編集]

前作の大地をもとに新たに天空と地底が追加され、大地にも新たに洞窟や井戸などが追加されている。

評価[編集]

Metacriticで96の評価[17]IGNで、コミュニティーレビュー9.8の評価を得た[18]ファミ通クロスレビューで40点満点を獲得した(前作も満点を獲得している)[19]

受賞[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 開発者に訊きました : ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム”. 任天堂 (2023年5月11日). 2023年5月13日閲覧。
  2. ^ The Legend of Zelda™: Tears of the Kingdom for Nintendo Switch - Nintendo Official Site”. Nintendo of America. 2023年2月14日閲覧。
  3. ^ The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom|Nintendo Switch games|Games|Nintendo”. Nintendo UK. 2023年2月14日閲覧。
  4. ^ ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom ダウンロード版|My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)”. 任天堂. 2023年2月14日閲覧。
  5. ^ a b Nintendo Switch向けソフト『ゼルダの伝説 ディアーズ オブ ザ キングダム』の世界販売本数が発売後3日間で1,000万本突破”. 任天堂. 2023年5月18日閲覧。
  6. ^ 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編が発表!【E3 2019】”. ファミ通.com (2019年6月12日). 2022年9月14日閲覧。
  7. ^ 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』続編の発売時期が2023年春に延期。地上だけでなく空にまで広がる世界での新たな出会いや遊びは前作以上に多彩なものに”. ファミ通.com (2022年3月29日). 2022年9月14日閲覧。
  8. ^ 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』2023年5月12日発売決定。『ブレス オブ ザ ワイルド』続編の正式タイトルが決定【Nintendo Direct】”. ファミ通.com (2022年9月14日). 2022年9月14日閲覧。
  9. ^ 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』続編の正式タイトルは、物語の関係上あえて伏せられている”. AUTOMATON (2021年6月16日). 2023年2月21日閲覧。
  10. ^ 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』新映像公開。再びハイラルの地上も舞台に。コレクターズエディションとリンクのamiiboの発売も決定【Nintendo Direct】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com”. ファミ通.com. 2023年2月22日閲覧。
  11. ^ 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』リンクのamiiboが発売決定・予約受付中。amiiboに応じて特別なパラセールが手に入る | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com”. ファミ通.com. 2023年2月22日閲覧。
  12. ^ a b c Fujiwara, Hideaki (2023年4月11日). “『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』、任天堂が“リーク者”の情報開示を請求したとの報道。鉄槌下る時迫る”. AUTOMATON. 2023年4月14日閲覧。
  13. ^ Posted 2023年2月21日12:06, byAdam Bankhurst (2023年2月21日). “『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のCollector’s Edition特典のアートブック内容がリーク ネタバレを避けたい人は早めのSNS対策を”. IGN Japan. 2023年2月22日閲覧。
  14. ^ 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』をプロデューサーの青沼英二がプレイする最新映像を公開。 | トピックス | Nintendo”. 任天堂ホームページ. 2023年3月30日閲覧。
  15. ^ 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』デザインのNintendo Switch(有機ELモデル)を4月29日に発売。 | トピックス | Nintendo”. 任天堂ホームページ. 2023年3月30日閲覧。
  16. ^ Here's how you pronounce Zelda: Tears of the Kingdom, Nintendo says” (英語). Eurogamer (2022年9月16日). 2022年10月30日閲覧。
  17. ^ The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom”. Metacritic. 2023年5月12日閲覧。
  18. ^ The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom”. IGN. 2023年5月13日閲覧。
  19. ^ ファミ通 2023年6月1日号 No.1798 p.163
  20. ^ Hideaki Fujiwara (2022年11月23日). “『エルデンリング』がUltimate Game of the Yearに輝く。Golden Joystick Awards 2022発表まとめ”. AUTOMATON. https://automaton-media.com/articles/newsjp/20221123-227784/ 2022年12月9日閲覧。 
  21. ^ “The Game Awards 2022”受賞まとめ。『エルデンリング』が“ゲームオブザイヤー”を受賞。ゲームディレクションなどを含む4冠に! | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com”. ファミ通.com. 2022年12月10日閲覧。

外部リンク[編集]