少女革命ウテナ

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少女革命ウテナ
ジャンル 少女向けアニメ
学園アニメ、変身バトルヒロイン
アニメ
原作 ビーパパス
監督 幾原邦彦
シリーズ構成 榎戸洋司
キャラクターデザイン 長谷川眞也
アニメーション制作 J.C.STAFF
製作 テレビ東京読売広告社
放送局 テレビ東京
放送期間 1997年4月2日 - 1997年12月24日
話数 全39話
その他 アイキャッチ付記の作品タイトル:
 〜 la fillette révolutionnaire 〜
漫画
漫画
作者 さいとうちほ
出版社 小学館
掲載誌 ちゃお(テレビアニメ版と並行するコミカライズ
別冊少女コミックSpecial・外伝(劇場版コミック)
レーベル 単行本+劇場版コミック:ちゃおフラワーコミックス
文庫本:小学館文庫
発売日 単行本:1996年12月11日 - 1998年3月26日
劇場版コミック:1999年8月24日
文庫本:2003年9月10日 - 2003年10月10日
発表期間 1996年9月号 - 1998年3月号
1999年5月5日号・9月5日号(劇場版)
巻数 全5巻(文庫版全3巻)+外伝(劇場版全1巻)
ゲーム
ゲーム:少女革命ウテナ いつか革命される物語
ゲームジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 セガサターン(PC)
発売元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1998年5月28日
レイティング 全年齢対象(PC)
キャラクター名設定
画面サイズ 640x480(PC)
キャラクターボイス あり(PS2/PCフルボイス/PSP/360)
劇場版
映画:少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録
監督 幾原邦彦
制作 J.C.STAFF
封切日 1999年8月14日
上映時間 87分
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ漫画ゲーム
ポータル アニメ漫画ゲーム

少女革命ウテナ』(しょうじょかくめいウテナ)は、J.C.STAFF制作のアニメ作品。テレビシリーズとして1997年4月2日から同年12月24日までテレビ東京系で放送された。全39話。略称は「ウテナ」。

概要

美少女戦士セーラームーン』シリーズのメインスタッフだった幾原邦彦が少数精鋭のスタッフを集めて制作集団ビーパパスを結成、少女漫画家さいとうちほと組んで世に放った異色作。アニメーション神戸97'TV番組部門最優秀賞受賞。

男装の麗人、書き割りの様な背景、影絵の少女達による不可思議な劇中劇など、宝塚歌劇と前衛舞台劇を折衷したような徹底したアバンギャルドな演出が特徴。また、学園といった閉鎖世界や薔薇や王子様といった少女漫画的モチーフを中心に、おとぎ話や古の貴族のような決闘、同性愛まで多くの要素を扱い、かつ哲学的な言辞と象徴や図式を大小に首尾一貫してちりばめている。合唱曲「絶対運命黙示録」など、かつて寺山修司率いる「天井桟敷」で音楽を担当していたJ・A・シーザーアンダーグラウンド的楽曲を採用した事も、独特の世界観を作り上げる大きな要因となった。

企画

ビーパパス(Bepapas)は幾原邦彦がオリジナル作品制作のために作ったチームで、その名前は「大人になろう」の意[1]。従来は著作者として認められることがほとんどなかったアニメーションの制作スタッフが原作者の立場で表に立つことも目的としていた[2]

当初の企画として最初に形になったものはコアターゲットを狙ったOVAで、主人公の名前はウテナ、敵の名前は「世界の果て」であった。この頃、幾原は「世界の果て」という言葉を絶望という意味でよく口にしたという。しかし幾原がさいとうちほの作品と出会うことで、この企画はより一般向けのテレビシリーズを志向するようになる。さいとうにキャラクター原案を依頼した時点での作品名は「少女革命ウテナKiss」で、主人公が誰かとキスすることで男装の美少女へ変身するというもの。玩具メーカーをスポンサーに想定した子供向けアニメである。

幾原はウテナとアンシーを親密な仲にする構想を持っていたが、さいとうは少女漫画家としての自負から、視聴者である少女が望むものではないとその構想を強く否定、このショックで幾原は急性胃腸炎を起こしたという[3]。ただし、放送終了後の座談会でさいとうは、ビーパパスの影響で同性愛的なものを肯定するようになったと心境の変化を語っている[4]

その後、キングレコードの大月俊倫プロデューサーの目に留まることで企画はより本格的な制作体制に移り、また大幅な変更が行なわれて最終的な形になっていった[5]

演出・美術

作品には幾原監督の作家性が色濃く出ているが、他のスタッフもまた自発的に様々なアイディアを投入している。例えば、影絵少女は幾原ではなく、シリーズ構成の榎戸洋司の発案である[6]

生徒会室内で様々な演出が行なわれるようになったのは、第5話で錦織博が林檎をウサギに変えたことが機であるという。橋本カツヨはこれを、たった2枚の絵で、世界を革命するという行為の本質を暗示して見せる演出だと高く評価している。同じく第5話で桐生冬芽の胸をはだけさせたのも錦織である[7]。この後、スタッフ個々によるキャラクターの露出合戦がエスカレートしていった[4]

美術監督を務めた小林七郎は当時64歳(放送開始時)の大ベテランである。幾原監督は理詰めでなくイメージを重視した指示を出し、例えばアーチを描くにしてもその先にあるはずの建物などを描かせず、向こう側に真っ白な空を描かせたという。その衝撃はかつて小林が共に仕事をした出﨑統と似た感覚で、そのような発想の飛躍は自分にはないものであり、いい刺激になったと語っている。また建物の大半をデザインした長濱博史についても、その重力や力学を無視した自由な発想に小林はショックを受け、その良い部分を生かすようにしたとのことである[8]

メディアミックス

TVアニメ放映時にさまざまなメディアミックス展開が行われ、漫画、ゲームの他、ミュージカルや小説版(ノベライゼーション)なども発表された。劇場版公開時には、「月蝕歌劇団」による舞台が公開された。また、劇場版公開に合わせてTVアニメ版12話までが1999年8月9日・16日にテレビ東京の深夜帯で再放送された。また、さいとうちほによる同名の漫画作品がテレビ放送に先んじて世に出ているが、テレビシリーズの制作が決定したことを受けての連載の為、原作ではなくコミカライズの一種と位置づけられており、原作にビーパパスと明記されている。

TVアニメ版、漫画版、小説版、劇場版ではそれぞれ、話の展開や設定が異なっている。アニメ版は当初、96年10月から放送開始予定だった[要出典]が、前々番組である「超光戦士シャンゼリオン」が4クールに延長されることになり、97年4月に変更。そしてシャンゼリオンの後番組となる予定だったが3クールで終了した為、その時間変更で放送された「赤ちゃんと僕」の後番組となっている。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ

幼い頃に助けてくれた王子様に憧れ、王子様になりたいと願うようになった少女・天上ウテナは、入学した鳳学園で「薔薇の花嫁」と呼ばれる少女・姫宮アンシーと出会う。エンゲージした者に「永遠」に至る「世界を革命する力」を与えるという「薔薇の花嫁」をかけて戦い続ける生徒会役員(デュエリスト)たちは、ウテナがかつて王子様から貰った指輪と同じ「薔薇の刻印」と呼ばれる指輪を持っていた。ウテナもまたこの決闘ゲームに巻き込まれ、その背後にある「世界の果て」へと迫っていく…。

1〜13話が生徒会編、14〜23話が黒薔薇編、24〜33話が鳳暁生編、34〜39話が黙示録編。

登場人物

作中用語

(50音順)

暁の明星(あけのみょうじょう)
夜明けの東の空に輝く金星のこと。金星は、暁の明星、宵の明星とも呼ばれる。暁生の名前の元となった星で、堕天使ルシファーの象徴でもある。
漫画版では愛と美の女神ヴィーナスの象徴でもある、と追記されている。
エンゲージ
婚約の意味。アンシーを巡る決闘の勝者はアンシーと「エンゲージした」と表現され、アンシーは勝者へ服従する。
鳳学園(おおとりがくえん)
物語の舞台。幼等部から高等部まである一貫校で、学生寮を備える。小高い丘の上に建ち、海に面している。男子の制服は詰襟、女子の制服はセーラー服。ちなみに、第1話に登場する鳳学園の全景を見ると、学園の敷地が前方後円墳の形をしていることが分かる。
黒薔薇のデュエリスト(くろばらのデュエリスト)
御影草時により心の闇を解放させられ、決闘に参加させられることとなった者達。彼らは根室記念館の面会室で御影によって心の闇を解放させられた後、生徒会執行部のメンバーの体から剣をとりだし(最初の黒薔薇のデュエリストである鳳香苗は例外)、ウテナのロッカーに「エンゲージする者へ 夕刻 決闘広場で待つ」という果たし状を送りつけるという行動をとる。そしてウテナが決闘広場にやってくると、「この黒薔薇にかけて誓う。この決闘に勝ち、薔薇の花嫁に死を」という口上を述べる。決闘広場には机が並べられており、机の上には黒薔薇のデュエリストごとに異なるもの(その黒薔薇のデュエリストにとって関わりのあるもの)が置かれる。加えて、広場の地面には根室記念館焼失の際に亡くなった少年達の影を模した赤い人影が映っている。決闘に際して、彼らは黒い薔薇の刻印(亡くなった百人の少年が所持していたもの)を持ち、胸には黒い薔薇を挿す。決闘に負け、薔薇を散らされると、黒薔薇のデュエリストは、自分たちが黒薔薇のデュエリストであったときの記憶を失う。
決闘広場(けっとうひろば)
決闘が行われる円形の広場。学園の裏手にある森から薔薇の刻印を持つ者だけが入れる。螺旋階段(黒薔薇会編まで)または中央のゴンドラ(鳳暁生編以後)で最上階の広場に到達する。広場の上には逆さになった城が見え、決闘のクライマックスではこの城からディオスの幻影が一方の決闘者へと舞い降りて力を与える。馬宮曰く、この広場の「城」を出現させ、「広場への道」を開いたのは、誰でもない根室教授である。黒薔薇のデュエリストとの決闘の際には、机などが並べられている。鳳暁生編での決闘では、暁生の乗っている車と同型のものが散らばっている。決闘においては、胸に挿した薔薇を散らされると負けとなる。
世界の果て(せかいのはて)
薔薇の花嫁を巡る決闘を仕組んだ黒幕。その正体はかつて「王子様」だった者の成れの果て。
世界を革命する力(せかいをかくめいするちから)
薔薇の花嫁とエンゲージした者が手に入れるとされている力。作中でその具体的な内容が語られることはほとんどないが、デュエリスト達はそれぞれ異なる理由でこの力を欲し、ウテナに決闘を挑む。
ディオスの剣
かつてディオスが持っていたことから名づけられた。見た目は薔薇をモチーフとした真っ直ぐなサーベルで、王子様が持つにはふさわしく気品あふれる形をしている。決闘の時には薔薇の花嫁であるアンシーの「気高き城の薔薇よ、私に眠るディオスの力よ、今こそ答えて(主に答えて今こそ示せ)」詠唱とともに胸から出現する。
生徒会編から黒薔薇会編まではアンシーの体から取り出されていたが、第25話での西園寺との決闘の途中で一度消失し、以降は別の形で別の剣が取り出されるようになる。
実はこの剣は、ディオスが失った「理想」が形になったものである。
デュエリスト
決闘者の意味。薔薇の刻印の指輪を持ち、薔薇の花嫁とエンゲージしている者に挑戦する権利がある。
根室記念館(ねむろきねんかん)
学園の片隅にある古い建物で、かつてこの場所で、根室教授が研究主任を務めた「永遠」についての研究を携わっていた生徒100人が火事で命を落とした。「いつか革命される物語」の主人公曰く生徒手帳にも載っていないらしい。御影ゼミ(通称黒薔薇会)はこの校舎を使っており、薫幹が御影ゼミから入会の勧誘をうけるが、根室記念館を敬遠して断った。御影草時が活動する場所で、そこかしこに指差しマーク(☜)が置かれている、エントランスホールには黒薔薇のデュエリスト達の写真が飾られている。
薔薇の刻印
世界の果てから選ばれたもののみが送られる指輪(過去において「永遠」を生み出す研究に携わった根室教授と100人の少年達は、世界の果てとの「契約」によって手に入れた)。これを持つ者のみが決闘広場に入り、決闘に参加することができる。御影は、かつて共に「永遠」を研究していた少年100人が所持していた指輪を使って黒薔薇のデュエリストを生み出していた。黒薔薇のデュエリストが持つ指輪は黒い色をしているが、これは御影曰く「指輪の持ち主が死ぬと指輪は黒く染まってしまう」からだとのこと。
薔薇の刻印の手紙
薔薇の刻印の指輪
薔薇の刻印の十二星座表
薔薇物語
第34話で語られるおとぎ話。
「むかし、すべての女の子がお姫様だった頃、お姫様たちには危機が来ると助けてくれる白馬の王子様がいました。ある日のこと、老婆から空に浮かぶ城に世界の光を奪おうとする魔女がいると聞いた王子は世界の光を守るために空に浮かぶ城へ行きます。しかし、実はこの世界の光そのものである王子を捕らえるための罠だったのです。実は老婆は妹が化けたもので、妹は自分がお姫様になれないことを悲しみ王子を閉じ込めてしまったのです。こうして世界は闇に閉ざされてしまいました。」

テレビアニメ

スタッフ

主題歌

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 放送日
1 薔薇の花嫁 榎戸洋司 幾原邦彦 高橋亨 長谷川眞也 1997年4月2日
2 誰がために薔薇は微笑む 金子伸吾 長濱博史 1997年4月9日
3 舞踏会の夜に 竹之内和久 渡部高志 宮田奈保美 1997年4月16日
4 光さす庭・プレリュード 高橋亨 加藤裕美 1997年4月23日
5 光さす庭・フィナーレ 錦織博 金子伸吾 相澤昌弘 1997年4月30日
6 七実様御用心! 比賀昇 松本淳 岡崎幸男 林明美 1997年5月7日
7 見果てぬ樹璃 榎戸洋司 橋本カツヨ 1997年5月14日
8 カレーなるハイトリップ 比賀昇 西村聡 西山明樹彦 竹内昭 1997年5月21日
9 永遠があるという城 榎戸洋司 風山十五 門之園恵美 1997年5月28日
10 七実の大切なもの 比賀昇 松本淳 さくらびかつし 香川久 1997年6月4日
11 優雅に冷酷・その花を摘む者 上村一宏 錦織博
金子伸吾
金子伸吾 相澤昌弘 1997年6月11日
12 たぶん友情のために 垂永志 高橋亨 長濱博史
長谷川眞也
1997年6月18日
13 描かれる軌跡 榎戸洋司 高橋亨 阿保孝雄 1997年6月25日
14 黒薔薇の少年たち 橋本カツヨ 岡崎幸男 林明美 1997年7月2日
15 その梢が指す風景 星川孝文 たけうちのぶゆき 1997年7月9日
16 幸せのカウベル 比賀昇 錦織博 腰繁男 津幡佳明 1997年7月16日
17 死の棘 月村了衛 松本淳 桜美かつし 香川久 1997年7月23日
18 みつるもどかしさ 比賀昇 西村聡 岡崎幸男 林明美 1997年7月30日
19 今は亡き王国の歌 風山十五 高橋亨 相澤昌弘 1997年8月6日
20 若葉繁れる 月村了衛 橋本カツヨ 桜美かつし たけうちのぶゆき 1997年8月13日
21 悪い虫 桜井弘明 阿部邦博 1997年8月20日
22 根室記念館 榎戸洋司 松本淳 伊達勇登 津幡佳明 1997年8月27日
23 デュエリストの条件 橋本カツヨ 岡崎幸男 林明美 1997年9月3日
24 七実様秘密日記 比賀昇 松本淳 高橋亨 阿保孝雄 1997年9月10日
25 ふたりの永遠黙示録 榎戸洋司 風山十五 金子伸吾 相澤昌弘
長谷川眞也
長濱博史
1997年9月17日
26 幹の巣箱(光さす庭・アレンジ) 松本淳 岡崎幸男 林明美 1997年9月24日
27 七実の卵 比賀昇 錦織博 伊達勇登 田中孝弘
中山由美
1997年10月1日
28 闇に囁く 月村了衛 高橋亨 阿部邦博 1997年10月8日
29 空より淡き瑠璃色の 白井千秋 橋本カツヨ 岩崎良明 たけうちのぶゆき 1997年10月15日
30 裸足の少女 榎戸洋司 風山十五 桜美かつし 香川久 1997年10月22日
31 彼女の悲劇 比賀昇 錦織博 岡崎幸男 林明美 1997年10月29日
32 踊る彼女たちの恋 松本淳
金子伸吾
金子伸吾 相澤昌弘 1997年11月5日
33 夜を走る王子 榎戸洋司 橋本カツヨ 高橋亨 長谷川眞也
長濱博史
1997年11月12日
34 薔薇の刻印 佐藤順一 桜美かつし 門上洋子
長谷川眞也
1997年11月19日
35 冬のころ芽ばえた愛 月村了衛 松本淳 伊達勇登 相澤昌弘 1997年11月26日
36 そして夜の扉が開く 錦織博
高橋亨
高橋亨 田中孝弘 1997年12月3日
37 世界を革命する者 榎戸洋司 風山十五 桜美かつし たけうちのぶゆき 1997年12月10日
38 世界の果て 金子伸吾 林明美 1997年12月17日
39 いつか一緒に輝いて 橋本カツヨ 高橋亨 長谷川眞也 1997年12月24日

放送ネット局

テレビ東京 水曜18:00枠
前番組 番組名 次番組
赤ちゃんと僕
(木曜19:00枠から移動)
少女革命ウテナ
万能文化猫娘
(TVシリーズ)

劇場版

少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』のタイトルで、完全新作のアニメーション映画として1999年8月14日から東映系で公開された。

ストーリー

全寮制の名門学校・鳳学園に転校してきた天上ウテナは、「薔薇の花嫁」と呼ばれる謎の美少女・姫宮アンシーに出会い、生徒達との決闘ゲームに巻き込まれる。ウテナは徐々にアンシーと親しくなるが、その中でアンシーに隠された秘密を知り、彼女を連れて「外の世界」への脱出を試みようとする。

キャスト

スタッフ

  • 音響監督:田中英行
  • 音響制作:オーディオ・タナカ
  • 色彩設定:店橋真弓
  • カラーコーディネイト:國音邦生
  • 音楽:光宗信吉J.A.シーザー、天利英跡
  • 合唱オリジナル楽曲:J.A.シーザー
  • アニメーション制作:J.C.STAFF
  • 制作協力:小学館ガンジス
  • プランニング:小黒祐一郎
  • プロデューサー:松倉友二、森山敦
  • 仕上げ:J.C.STAFF
  • 製作:少女革命ウテナ製作委員会

主題歌

関連作品

漫画版

ちゃお」(小学館)において連載された。作者はさいとうちほ。単行本は全5巻、後に文庫版が全3巻出版された。劇場版のコミックも1巻出版されている。

番外編

  • 序章 バラの刻印(1996年ちゃお6月号・7月号に掲載)
  • カレーなる変身(1996年ちゃおデラックス冬の増刊号に掲載)
    アニメの「カレーなるハイトリップ」を元にしたストーリー。
  • 3つの願い(ちゃお1997年9月号ふろくに掲載)
  • 深き琉璃色の影(ちゃおデラックス1998年冬の増刊号に掲載)
    アニメの「空より淡き瑠璃色の」を元にしたストーリー。
  • 黒バラの刻印(ちゃおデラックス1998年春の増刊号に掲載)
    アニメの黒薔薇会編を元にしたストーリー。
  • アドゥレセンス黙示録 前編・後編(別冊少女コミックスベシャル1999年5月5日号・9月5日号に掲載)

小説版

パレット文庫より出版。作者は大河内一楼。当初は全4〜5巻を予定していたらしいが、2巻で終了。

  • 少女革命ウテナ1 蒼の双樹(大河内一楼・パレット文庫)
  • 少女革命ウテナ2 翠の想い(大河内一楼・パレット文庫)

ゲーム

少女革命ウテナ いつか革命される物語』(セガサターン セガ(発売当時はセガ・エンタープライゼス))はゲームオリジナルキャラクターである転校生の少女を主人公とした物語。時系列では、原作の8話と9話の間に位置する。

主要キャラクターには「心の気高さ」というパラメーターが設定されていて、時折出現する選択肢で何を選んだかにより変動していく。各キャラクターの心の気高さ、また誰が最も高いかによりエンディングが変化する。

恋愛ゲーム的な要素もあるが、ほとんどのキャラクターには別に想い人がいる、原作の途中が舞台となっている、などの理由から、大抵は主人公の片思いという形で終わる。ただ、生徒会メンバー同士が決闘するアニメーション(ゲームオリジナル)、主人公自身がデュエリストになるルートなど、別の要素も多い。

主人公の父親がシルエットで登場するが、その髪型はとあるメインキャラクターに酷似している。また、本作には鳳学園周辺の街が出てくる・「東館はエンゲージしたものしか入居できない」と発言されているが、これはアニメで使われなかった設定が流用されたものである。

エンディングは、「パーフェクト編」「ウテナ編」「冬芽編」「西園寺編」「樹璃編」「幹編」「アンシー編」「暁生編」「黒薔薇編」「ノーマル編(内容はパーフェクト編とほとんど変わらない)」「バッド(ゲームオーバー)エンド」の11種類。

スタッフ・アニメパート

  • 監督:桜井弘明
  • 脚本:大河内一楼
  • キャラクターデザイン・ジャケットイラスト:長谷川眞也
  • 演出:金子伸吾、高橋亨
  • 作画監督:林明美
  • 作監補佐:川嶋恵子
  • 美術背景:小林プロダクション
  • 色彩指定:スタジオ・マーチ
  • デジタル処理:グループタック
  • 音響制作:オーディオ田中 田中英行
  • 音楽:光宗信吉
  • 合唱曲(挿入歌):J.A.シーザー
  • 制作プロデューサー:川崎とも子
  • 制作担当:加藤淳
  • 企画協力・監修:小黒祐一郎
  • キャスティング協力:CPU、高橋正彦
  • 協力:スターチャイルドレコード、大月俊倫、森山敦、J.C.スタッフ、テレビ東京ミュージック、アーツビジョン
  • アニメーション制作:ゼクシズ

スタッフ・ゲームパート

  • 企画製作:中津泰彦、加藤雅史
  • アートコーディネーター:飯田直彦
  • プロデューサー:菅野豊
  • ディレクター:山路和紀

舞台

ミュージカル・少女革命ウテナ
月蝕歌劇団公演・少女革命ウテナ魔界転生黙示録編〜麗人ニルヴァーナ来駕〜
  • 1999年5月26日〜6月1日 ザムザ阿佐ヶ谷(東京)
  • 主要スタッフ・キャスト
    • プロデュース:幾原邦彦
    • 脚色・演出:高取英
    • 天上ウテナ:一ノ瀬めぐみ
    • 姫宮アンシー:野口員代
    • 桐生冬芽:斉藤レイ
    • 桐生七実:成宮観音
劇団FANTASY ADVENTURE公演・少女革命ウテナ〜コロス幻想生命体〜
  • 2000年9月30日、10月1日 尼崎ピッコロシアター中ホール(兵庫)
  • 主要キャスト
    • 天上ウテナ:亘まゆ
    • 姫宮アンシー:可愛あき
    • 桐生冬芽:葵かずき
    • 有栖川樹璃:桐生忍

トレーディングカード

  • カードダスマスターズ(バンダイ
    • 「第一幕」「第二幕・薔薇の彼方」の二シリーズ。アニメの一場面をカード化したコレクションカード。アニメ系トレーディングカードでは珍しくスタッフやキャストの撮り下しカード(幾原邦彦、さいとうちほ、長谷川眞也、榎戸洋司、J.A.シーザー、川上とも子、イロイロ)がある。
  • P.P.カード少女革命ウテナ(天田印刷加工)

関連商品

脚本集

  • 少女革命ウテナ脚本集 上 〜 薔薇の花嫁
  • 少女革命ウテナ脚本集 下 〜 薔薇の刻印

イラスト原画集・資料集

  • 少女革命ウテナ 設定資料集
  • 少女革命ウテナ さいとうちほ複製原画集
  • 少女革命ウテナ さいとうちほ原画集 CD-ROM
  • 少女革命ウテナ 薔薇の告白
  • 少女革命ウテナ 薔薇の記憶
  • 少女革命ウテナ 薔薇の全貌
  • 少女革命ウテナ 薔薇の黙示録
  • 少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録
  • 少女革命ウテナ ART OF UTENA

アニメ研究本

  • 少女革命ウテナ 1 ヴィジュアルストーリーブック
  • 少女革命ウテナ 2 ヴィジュアルストーリーブック
  • 少女革命ウテナ 3 ヴィジュアルストーリーブック
  • 少女革命ウテナ 4 ヴィジュアルストーリーブック
  • 少女革命ウテナ 5 ヴィジュアルストーリーブック

ゲーム攻略本

  • 少女革命ウテナ いつか革命される物語 オフィシャルガイド

音楽CD

シングル

  • 輪舞-revolution (1997年5月21日発売) KIDA-149
  • truth (1997年5月21日発売) KIDA-150
  • 輪舞-revolution/truth (1997年5月21日発売) KIDA-151
  • labyrinth/時に愛は (1999年7月2日発売) KIDA-181
  • フィアンセになりたい (1997年12月10日発売) TODT-5087

サウンドアルバム

DVD

  • 少女革命ウテナ DVD-BOX 上巻 (初回限定生産)
  • 少女革命ウテナ DVD-BOX 下巻 (初回限定生産)
  • 少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録

脚注

  1. ^ DVD 1巻ライナーノーツ(小黒祐一郎)
  2. ^ 「コミッカーズ」(美術出版社)1997年8月号 さいとうちほインタビュー
  3. ^ DVD北米版最終巻 オーディオコメンタリー
  4. ^ a b 「薔薇の黙示録」(青林工藝舎)ビーパパス座談会 1998年3月26日発行 ISBN 978-4-88379-000-5
  5. ^ LD 9巻解説(小黒祐一郎)
  6. ^ ぱふ」(雑草社)1998年1月号 ウテナ特集
  7. ^ LD 7巻解説
  8. ^ LD 10巻解説(小林七郎インタビュー)

関連項目

  • 美少女戦士セーラームーン - 女性が戦隊モノの戦士達の様に戦うという男性的な女性表現、ちびちびと後述するサガフロンティアのアセルスの設定、髪型が類似していた為、比較の対象になった[要出典](なお、本作は、セーラームーンの放送末期に放送が開始した)。
  • サガ フロンティア - 主人公の一人、アセルスのストーリー展開、キャラ、一部設定が本作と類似していた為、比較の対象になった[要出典](なお、本作の放送中の時期に発売した)。
  • ポケモンショック(別名:ポリゴン事件) - 事件のあった翌日に番組内でその話を見ないように呼びかけるテロップが流れた。作品としての本作アニメのビデオ・DVD版にも、この事件への影響が現れている。ウテナが画面右上から左下にズームアップしながら(低空飛行して)突進してくるカットは複数の戦闘で繰り返し使われているが、本放送時には背景に白黒の色が明滅していた。ビデオ・DVD版では単に突進するだけ、しかもウテナの突進も大幅にスピードが落とされスローモーションになっていた。他にも後半戦での西園寺の表情が、本放送版では初戦と違う狂気じみた表情であったが、ビデオ版では初戦の映像の使い回しに変更された等、複数の変更点がある。
  • セカイ系 - 本作のアニメを含んだ分野である。但し、本作の「世界」は鳳学園周辺であり、そこは「本当の世界」と隔絶された閉じた世界である。この「世界の革命」が外の世界を革命するかは定かではない(暁生に限ればそれを望んでいた節はあるが)、故に本当の世界を閉じた世界にして世界の運命を左右してしまうこの分野に、本作が含まれるかは疑問の余地がある[要出典]
  • こちら葛飾区亀有公園前派出所 - 「革命刑事(かくめいでか。本名:伝嬢雨亭裸(でんじょううてら))」と言う天上ウテナをモデルにしたキャラクターと、姫宮アンシーをモデルにした「〆宮庵水(しめみやあんすい)」と言うキャラクターが登場する(なお、どちらもコスプレをした中年男性である)。作者の秋本治は、放送当時、本作にハマッたらしく、週刊少年ジャンプの巻末の作者コメントで、この作品は面白いと評価している。ただし、マンガ版が掲載されたのが小学館のちゃおの為か、集英社のジャンプでは作品名までは書けなかったらしく、分かる人には分かる書き方をしていて、正式に『少女革命ウテナ』の作品名は言っていない。ちなみに彼らが登場するエピソードは『こち亀』第109巻に収録されている。
  • 超感覚ANALマン - 『電撃大王』に連載されていた安永航一郎の漫画。「少年革命アナル」なる回では、主人公・菊川肛司を追い回す男色王、後方不敗が、「薔薇族の花嫁」を名乗り姫宮アンシーのコスプレで登場。彼のエンゲージした相手として剣を口から飲み込める西園寺そっくりの少年、園芸寺公望(えんげいじきんもち)も現われる。彼らが再度現われたエピソードでは園芸寺は「西園寺(しゃあおんじ)」を名乗り、ララァに扮した「薔薇族の花嫁」とともに『機動戦士ガンダム』のパロディをもさらに行なう暴挙に出た。
  • Anthy - 姫宮アンシーが名前の由来となっているフリーの日本語入力システム。
  • デミアン - ドイツの文学者、ヘッセの代表的作品。人間が真に自由な自我を獲得することを主題としており、グノーシス主義的モチーフに満ちている。「鳥は卵から出るために戦う。卵は世界である。生まれようとするものは世界を破壊しなければならない」という作中の言葉が、本作品でも引用されている。この文句の続きは「鳥は神へと向かって飛ぶ。神の名は“アブラクサス”という」であるが、こちらは劇場版での予告に、「その神の名はアブラクサス」というコピーで使われている。学園を舞台とした同性愛的な描写も共通している。
  • シボレーコルベット - 本作に登場するスポーツカー

外部リンク