久留里線
久留里線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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路線総延長 | 32.2 km | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
軌間 | 1067 mm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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久留里線(くるりせん)は、千葉県木更津市の木更津駅から君津市の上総亀山駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
概要
かつて気動車王国と呼ばれた房総半島に残る数少ない非電化路線で、千葉県内のJR線では唯一のものである[1]。列車無線が整備されていないため、乗務員との連絡や運転規制の通告は、駅社員を介すか、衛星携帯電話や(業務用)携帯電話にて行われている。
2009年3月14日より全線が旅客営業規則の定める「東京近郊区間」に指定されたが、木更津駅をのぞき「Suica」などのIC乗車カードの利用は当面できない(烏山線・鹿島線も同様)。なお、馬来田駅スタートの『うまくたハイキング』開催の折には簡易機が設置された。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):32.2km
- 軌間:1067mm
- 駅数:14(起終点駅含む。うち、無人駅11駅)
- 久留里線所属駅に限定した場合、内房線所属の木更津駅[2]が除外され、13駅となる。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 交換可能駅:横田駅・久留里駅
- 最高速度:65km/h
- 保安装置:ATS-SN
- 運転指令所:千葉総合指令室(内房指令)
全区間が千葉支社の管轄である。
沿線概況
木更津駅を出発するとすぐに大きく東方にカーブする。しばらくは農地と住宅地が点在する平地を走る。小櫃川に付かず離れずという感じでしばらく路線は続く。東横田駅からは南方にコースを変える。徐々に標高は高くなり、起伏が目立つようになる。久留里駅からは山間地に入り、小櫃川沿いの急な流れや、急な崖などを進み、また上総松丘 - 上総亀山間では当線には2か所しかないトンネルが現れ、終点上総亀山駅に到着する。
運行形態
運転本数は1時間あたり1本ほどで、列車はほとんどが全線を通して運転されているが、一部は木更津駅 - 久留里駅間の区間運転列車がある。日中は2両、朝夕ラッシュ時は3 - 4両で運転される。土日祝日および学校の長期休暇シーズンは、ラッシュ時間帯に減車が行われるが、ハイキングのシーズンの休日は日中でも4両で運転される。3両以上で運転される時は下郡駅 - 上総亀山駅間のホームが短いため進行方向、前寄り2両のみ扉扱いし3両目以降はドアカットされる。このため上総亀山駅では折り返しの際、降車終了後いったんドアを閉め、車両を1両半位前方へ移動し客扱いを再開する。ワンマン運転は行われておらず、車掌が乗務している。
2007年4月には「ちばデスティネーションキャンペーン」の一環として「びゅうコースター風っこ」を使用した臨時普通列車「風っこくるり号」が運転された。
毎年3月中旬に国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)のストライキで運休する。2001年から9年連続で運休している。
使用車両
幕張車両センター木更津派出に所属する気動車が使用されている。当路線はJRグループで唯一キハ30形が使われている路線である。トイレ付きの車両もあり、外観でも判別可能であるが、垂れ流し式の構造で現在も汚物処理装置未設置などの理由で使用不可である。
2012年(平成24年)秋頃より、キハE130形気動車を10両導入し、キハ30形・キハ37形・キハ38形を置き換える予定である[3]。
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久留里線で使用される車両。左はキハ38形
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久留里線で使用されるキハ30形
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車両側面に貼付された路線のシンボルマーク
歴史
久留里線は、千葉県が道路事情の悪さをカバーするため、県内各地に建設した県営鉄道の一つで、建設当時は軌間762mmの軽便鉄道であった。建設工事は大日本帝国陸軍鉄道連隊によって、訓練の一環として行なわれた。1922年に制定された改正鉄道敷設法別表第48号の予定線に「千葉県木更津ヨリ久留里、大多喜ヲ経テ大原ニ至ル鉄道」があげられたことから、1923年に国へ無償譲渡され、鉄道省の久留里線となった。1930年には、1067mmへの改軌が完成し、1936年には上総亀山まで延伸されたが、その先へ伸びることはなかった。この延伸区間は、太平洋戦争中の1944年に不要不急線として休止され、戦後の1947年に復活するという経過をたどっている。
戦後は京葉工業地帯の通勤客が増えるが、それでも閑散線区の域を出ない。しかし将来性が認められて国鉄諮問委員会による赤字ローカル線廃止勧告を免れる[4]。
なお、予定線の大原側は、木原線(現在のいすみ鉄道いすみ線)として1930年に開業した。
- 1912年(大正元年)12月28日:千葉県営鉄道久留里線として木更津駅 - 久留里駅間が開業。清川駅・中川駅・馬来田駅・小櫃駅・久留里駅が開業。
- 1915年(大正4年)7月1日:中川駅が横田駅に改称。
- 1921年(大正10年)7月10日:俵田駅が開業
- 1923年(大正12年)9月1日:国有化され、久留里線になる。清川駅が上総清川駅に改称。
- 1930年(昭和5年)8月20日:木更津駅 - 久留里駅間の軌間が762mmから1067mmに改軌される。小櫃駅 - 俵田駅間で改キロが実施(-0.1km)。
- 1936年(昭和11年)3月25日:久留里駅 - 上総亀山駅間 (9.6km) が延伸開業し、久留里線が全通。平山駅・上総松丘駅・上総亀山駅が開業。
- 1937年(昭和12年)4月20日:東横田駅・下郡駅・上総山本駅が開業。
- 1944年(昭和19年)12月16日:久留里駅 - 上総亀山駅間が休止。平山駅・上総松丘駅・上総亀山駅が休止。
- 1947年(昭和22年)
- 1956年(昭和31年)
- 4月1日:下郡駅の営業再開。
- 7月1日:上総山本駅が廃止。
- 1958年(昭和33年)4月1日:東横田駅の営業再開。
- 1961年(昭和36年)3月1日:祇園駅が開業。
- 1974年(昭和49年)10月1日:久留里駅 - 上総亀山駅間の貨物営業廃止。
- 1976年(昭和51年)10月1日:木更津駅 - 久留里駅間の貨物営業廃止。
- 1978年(昭和53年)10月2日:東清川臨時乗降場が開業。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道が継承。東清川臨時乗降場が駅になる。
- 2009年(平成21年)3月14日:全線が東京近郊区間に編入される。
- 2012年(平成24年)
- 3月17日:ダイヤ改正に合わせ、タブレット閉塞式を特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)に変更[6]。
- 秋頃:キハE130系気動車を導入予定。
駅一覧
駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 | 線路 | 所在地 |
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木更津駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:内房線 | | | 木更津市 |
祇園駅 | 2.6 | 2.6 | | | ||
上総清川駅 | 1.6 | 4.2 | | | ||
東清川駅 | 1.9 | 6.1 | | | ||
横田駅 | 3.2 | 9.3 | ◇ | 袖ケ浦市 | |
東横田駅 | 1.5 | 10.8 | | | ||
馬来田駅 | 3.1 | 13.9 | | | 木更津市 | |
下郡駅 | 1.3 | 15.2 | | | 君津市 | |
小櫃駅 | 3.0 | 18.2 | | | ||
俵田駅 | 1.8 | 20.0 | | | ||
久留里駅 | 2.6 | 22.6 | ◇ | ||
平山駅 | 3.1 | 25.7 | | | ||
上総松丘駅 | 2.6 | 28.3 | | | ||
上総亀山駅 | 3.9 | 32.2 | | |
廃駅
- 上総山本駅 : 1956年7月1日廃止、下郡駅 - 小櫃駅間
脚注
- ^ 房総半島の非電化路線は、他にはいすみ鉄道線(旧・木原線)と小湊鉄道線がある。貨物専用路線も含むと京葉臨海鉄道も入る。
- ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年 ISBN 978-4533029806
- ^ 久留里線新型車両の導入について (PDF) - 東日本旅客鉄道千葉支社 プレスリリース 2011年12月15日
- ^ 『ちばの鉄道一世紀』p149
- ^ 今尾恵介『日本鉄道旅行地図帳 3号 関東1』新潮社、2008年、p.36
- ^ 2012年3月ダイヤ改正について (PDF) - 東日本旅客鉄道千葉支社 プレスリリース 2011年12月16日
参考文献
- 白土貞夫『ちばの鉄道一世紀』崙書房、1996年7月10日 第1刷発行、1996年10月15日 第2刷発行、ISBN 978-4845510276