ダイハツ・テリオス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダイハツ・テリオス
3代目
概要
別名 トヨタ・キャミ(初代)
プロドゥア・クンバラ(初代)
ダイハツ・ビーゴ(2代目)
プロドゥア・ノーティカ(2代目)
トヨタ・ラッシュ(2代目 - )
プロドゥア・アルズ(3代目)
製造国 日本の旗 日本
中華人民共和国の旗 中国
インドネシアの旗 インドネシア
マレーシアの旗 マレーシア
販売期間 1997年 -
ボディ
ボディタイプ 5ドア SUV
駆動方式 後輪駆動
四輪駆動(初代)
系譜
先代 ダイハツ・ロッキー
ダイハツ・ラガー
テンプレートを表示

テリオスTERIOS)は、ダイハツ工業が製造・販売している自動車である。

概要[編集]

日本においてテリオスとして販売されたのは初代のみであり、車格や構成は異なるが、販売上はラガーおよびロッキーの顧客層の受け皿として発売された。

のちに発売された「テリオスキッド」と車体の多くが共通であることから、全幅が1,555 mm(荷室を除く室内寸法もテリオスキッドとほぼ同じ)とコンパクトであるが、リアオーバーハングの延長により、小型車にふさわしい荷室容積を確保している。

コンパクトカーでは数少ない縦置きエンジンであるが、これには、オフロードや深い抵抗などの負荷を考慮した、比較的容量の大きなトランスミッショントランスファーを無理なくレイアウトする目的がある。また悪路対策としてセンターデフロック機構を備え、比較的高い走破性を持つことや、狭い作業道にも進入可能であることから一部の林野庁森林管理署において官用車として使われている。

駆動方式は4WD、およびFR、エンジンは排気量1.3 Lの自然吸気仕様(HC-EJ型、後にK3-VE型)、およびターボ仕様(K3-VET型、2000年より)が用意されていた。

給油口はラガーおよびロッキーと同様、右側となっている。

この車はトヨタ自動車OEM供給されていたトヨタ・キャミのベースとなっている。また、リアオーバーハングを大幅に短縮した軽自動車規格のテリオスキッドも存在する。

日本国内では1997年4月から2006年1月まで販売されていたが、モデルチェンジの際に名称をビーゴに変更した。なお、海外ではビーゴが2代目テリオスとして販売された地域があり、さらに3代目も導入されている。

初代 J100/102/122G型(1997年 - 2006年)[編集]

ダイハツ・テリオス(初代)
J100/102/122G型
日本仕様1997年4月販売型 1.3 CXグレード
概要
別名 トヨタ・キャミ
ダイハツ・タルーナ
プロドゥア・クンバラ
製造国 日本の旗 日本
中華人民共和国の旗 中華人民共和国
販売期間 1997年 - 2006年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 4WD
FR
パワートレイン
エンジン 1997年 - 2000年5月
水冷直列4気筒HC-EJ型
SOHC 1,295cc
92ps/6,500rpm
11.0kg・m/5,000rpm

2000年5月 -
水冷直列4気筒K3-VE型
DOHC 1,297cc
90ps/6,000rpm
12.5kg・m/3,200rpm

2002年1月 -
水冷直列4気筒K3-VET型
DOHC IC付きターボ 1,297cc
140ps/6,400rpm
18.0kg・m/3,200rpm
変速機 4AT
5MT
前:ストラット
後:5リンク
前:ストラット
後:5リンク
車両寸法
ホイールベース 2,420mm
全長 3,785-3,865mm
全幅 1,555mm
全高 1,675-1,760mm
車両重量 1,030-1,090kg
その他
2007年末までの新車登録台数の累計 3万5534台[1]
系譜
先代 ダイハツ・ロッキー
ダイハツ・ラガー
テンプレートを表示

年表[編集]

  • 1997年4月 - 登場(型式J100G)。登場時のキャッチフレーズは「Virgin 4WD(ヴァージン・ヨンク)」。CMキャラクターには神田うのを起用。
  • 1998年8月 - マレーシアの現地合弁会社プロドゥアより、クンバラ(KEMBARA)として発売開始[2]
  • 1998年9月 - 最初のマイナーチェンジ。全車に衝突安全ボディーTAF(タフ)およびマルチリフレクターヘッドランプが採用される。これに伴いフロントラジエターグリルのエンブレムが「TERIOS」からダイハツのCIを模ったエンブレムに変更。
  • 1999年4月 - エアロカスタムIIが追加。
  • 2000年5月 - 2度目のマイナーチェンジ。駆動方式にFRが追加、エンジンがHC-EJ型からK3-VE型に変更。(型式4WD:J102G、2WD:J122G)、更にヘッドランプが全車、4灯式丸型マルチリフレクターレンズを用いたタイプに変更。ターボ搭載モデル「ターボエアロダウンカスタム」を追加。(ターボのみ8月から発売)
  • 2002年1月 - 一部改良。
  • 2003年8月 - 一部改良。
  • 2005年11月 - 生産終了。在庫のみの販売となる。
  • 2006年1月 - 後述する後継車種のビーゴに後を託す形で日本国内向けの販売終了。それと同時に公式サイトのカーラインナップから姿を消した。
姉妹車のプロドゥア・クンバラ
前期型
中期型
後期型

2代目 J200/F700型(2006年 - 2018年)[編集]

ダイハツ・テリオス(2代目)
J200/F700型
前期型 フロント
中期型 Topグレード(フロント)
後期型 1.5 R フロント
2016年販売型
概要
別名 ダイハツ・ビーゴ※5ドアのみ
トヨタ・ラッシュ(初代)
プロドゥア・ノーティカ
製造国 日本の旗 日本
インドネシアの旗 インドネシア
販売期間 2006年 - 2018年
ボディ
乗車定員 5名 (SWB)
7名 (LWB)
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 FR
AWD
パワートレイン
エンジン K3-VE 1.3 I4 DOHC
3SZ-VE 1.5 I4 DOHC
変速機 5MT
4AT
車両寸法
ホイールベース 2,580mm (SWB)
2,685mm (LWB)
全長 4,095mm (SWB)
4,425mm (LWB)
全幅 1,695mm
全高 1,690mm (SWB)
1,745mm (LWB)
車両重量 1,170kg (SWB)
1,210–1,220kg (LWB)
系譜
後継 日本:なし
テンプレートを表示

詳細はダイハツ・ビーゴを参照

  • 2006年1月、モデルチェンジ。日本国内向けは名称を「ビーゴ」(OEM供給モデルはキャミの後継車のトヨタ・ラッシュ)に変更した。国外向けにはビーゴにはないロングボディの7人乗り仕様(F700型)も用意された。軽自動車版のテリオスキッドは2012年まで初代モデルベースで継続して生産された。


前期型
中期型
後期型


3代目 F800/F850型(2018年 - )[編集]

ダイハツ・テリオス(3代目)
F800/F850型
2018年販売型 1.5 R
2023年改良型 X(フロント)
2023年改良型 X(リア)
概要
製造国 インドネシアの旗 インドネシア
マレーシアの旗 マレーシア
販売期間 2018年 -
ボディ
乗車定員 7名
ボディタイプ 5ドアSUV
エンジン位置 フロント[3]
駆動方式 後輪駆動[3]
プラットフォーム シャシ:ダイハツ・セニア(2代目)
パワートレイン
エンジン 2NR-VE 1,496cc 直列4気筒 DOHC
最高出力 76 kW (103 PS) / 6,000 rpm[3]
最大トルク 139 N・m / 4,200 rpm[3]
変速機 5MT
4AT
車両寸法
ホイールベース 2,685mm
全長 4,435mm
全幅 1,695mm
全高 1,705mm
車両重量 1,270kg
その他
別名 トヨタ・ラッシュ(2代目)
マレーシア : プロドゥア・アルズ
製造会社 アストラ・ダイハツ・モーター
プロドゥア
テンプレートを表示

2017年11月23日、インドネシアで3代目テリオスが発表された(2018年1月3日販売開始)。7人乗りのロングボディのみとなった。

姉妹車にはプロドゥアで生産されるアルズARUZ)があり、この世代からトヨタ向けOEM(ラッシュ)はこのプロドゥア製となる[4]

2023年6月8日、マイナーチェンジ[5]

前期型

車名の由来[編集]

古代ギリシャ語で「願いを叶える」の意味。

脚注[編集]

  1. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第36号25ページより。
  2. ^ マレーシア初の 4×4 SUV 国民車「クンバラ」の販売を開始”. ダイハツ工業 (1998年8月25日). 2018年3月31日閲覧。
  3. ^ a b c d 森本太郎 編『世界の自動車オールアルバム 2020年』三栄書房、2020年8月8日、104頁。ISBN 978-4-7796-4170-1 
  4. ^ “ダイハツ、マレーシアで新型SUV「アルス」を発売”. Web CG. (2019年1月16日). https://www.webcg.net/articles/-/40238 
  5. ^ ダイハツが新型「3列シートSUV」公開! MTアリ&タフ顔がイイ! 新「テリオス」222万円から尼に登場(くるまのニュース)”. Yahoo!ニュース. 2023年7月6日閲覧。

関連項目[編集]