福住仁嶺

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福住 仁嶺
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1997-01-24) 1997年1月24日(27歳)
出身地 徳島県名西郡
スーパーフォーミュラ(SF)およびSUPER GTでの経歴
デビュー 2018(SF)
2015(SUPER GT)
所属 ThreeBond Drago CORSE(SF)
TGR TEAM ENEOS ROOKIE(SUPER GT)
車番 12(SF)
14(SUPER GT)
過去所属 TEAM DANDELION RACING,TEAM 無限(SF)
出走回数 37(SF)
41(SUPER GT)
優勝回数 2(SF)
6(SUPER GT)
ポールポジション 1(SF)
6(SUPER GT)
過去参加シリーズ
2014
2015
2016-2017
2018
フォーミュラ4(FCクラス)
全日本F3選手権
GP3
FIA F2
選手権タイトル
2014
2019
フォーミュラ4(FCクラス)
SUPER GT (GT300)

福住 仁嶺(ふくずみ にれい、1997年1月24日 - )は徳島県出身のレーシングドライバー

プロフィール[編集]

  • 身長: 167cm
  • 体重: 56kg
  • 血液型:B型
  • 愛車 : ホンダ・オデッセイ
  • 妻:佐藤あやみ(YouTuber)
  • 徳島県名西郡石井町にある真言宗「三宝院」の住職の次男[1]。仁嶺という名前の「」は人を慈しむという根源的な愛、「嶺」は山の頂上を意味し、「きれいな心を持ち、思いやりがあり、どんな困難にも負けず天辺を目指す人物になってほしい」という父親の想いが込められている[1]

略歴[編集]

初期の活動[編集]

若い頃レーシングドライバーに憧れていた父親が買ってくれた中古のレーシングカートに5歳の頃から乗り始めた[1]。小学校4年生からカートレースに出場し[1]、2009年には全日本ジュニアカート選手権で2位を獲得[2]。2013年にはダンロップのサポートで日本最高峰のKF1クラスに出場しチャンピオンを獲得、ダンロップに11年ぶりの栄冠をもたらした[2]。カート時代は毎年のようにチャンピオンを獲得しその懸賞金等で次年度のレースに参加、父親が箱バンで遠征しメカニックも担当、親子2人で数々の栄冠を獲得している。

2013年、前年度ARTAチャレンジシリーズチャンピオンで獲得した賞金で、鈴鹿サーキットの養成機関「鈴鹿サーキットレーシングスクール(SRS)」の19期生として入校し[3]、同年のフォーミュラ・スカラシップを獲得[4]。卒業後の2014年、Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の育成ドライバーとしてフォーミュラ4選手権のFCクラスに参戦し、シリーズチャンピオンとなる[2]。2015年は全日本F3選手権にステップアップし、シリーズランキング4位。

GP3・F2・スーパーフォーミュラ[編集]

ホンダは2015年よりF1マクラーレンチームへパワーユニットを供給するとともに、HFDPからF1ドライバーを輩出する育成プログラムを始動。2015年より松下信治GP2に参戦したのに続いて、2016年より福住がフランスARTグランプリと契約してGP3に参戦した[5]。5月に開幕したGP3第1戦スペインで行われたデビュー戦で3位表彰台を獲得[6]。第8戦マレーシア2位、最終戦アブダビ3位などの成績を収め、シリーズランキング7位となる。2017年は開幕戦スペインでGP3初優勝[7]。第7戦スペインでも優勝し、全15レース中6度の表彰台を獲得してシリーズランキング3位で終えた[8]

2018年はホンダがマクラーレンからトロ・ロッソへ供給先を変更し、福住はレッドブル・アスリートの一員に選ばれた[9]。GP3からF1直下のFIA F2選手権にステップアップし、アーデン[10]に所属。また、日本のトップフォーミュラであるスーパーフォーミュラ(SF)にもチーム無限より参戦する(マシンはレッドブルカラー)。ただし、F2と日程が重なる3戦はSFを欠場となった。

活躍が期待されたが、F2ではマシン格差やチーム力の低さに苦しめられランキング17位に終わっている。チームメイトのマクシミリアン・ギュンターもランキング14位に終わっているので、この点については考慮が必要である。

SUPER GT[編集]

2019年は日本に戻り、SUPER GTのGT300クラスにAUTOBACS RACING TEAM AGURIから参戦する。

レース戦績[編集]

  • 2006年 - M4カデット近畿地区・中国地区(シリーズチャンピオン)
  • 2007年 - M4ジュニア(シリーズ3位)
  • 2008年 - KRPジュニア(シリーズ3位)
  • 2009年
    • KRPジュニア(シリーズチャンピオン)
    • 全日本カートジュニア選手権(シリーズ2位)
    • CIK-FIA WORLD CUP KART RACE IN JAPAN FP-Jr(世界チャンピオン)
  • 2010年
    • 鈴鹿選手権シリーズJ-RMC(シリーズチャンピオン)
    • RMCシリーズ・J-RMC(日本チャンピオン)
  • 2011年
    • 鈴鹿選手権シリーズJ-RMC(シリーズチャンピオン)
    • RMCシリーズ・J-RMC(日本チャンピオン)
    • ARTA Jr シリーズ(シリーズチャンピオン)
    • Rok Cup International Final Italy(5位)
    • Rotax Max Grand Final UAE(5位)
  • 2012年
    • 鈴鹿選手権シリーズRMC(シリーズチャンピオン)
    • ARTAチャレンジ(シリーズチャンピオン)
    • ヨーロッパカート選手権KF2(シリーズ16位)
    • CIK-FIA ASIA PACIFIC KF2 CHAMPIONSHIP(5位)
    • Rok Cup International Final Super Rok Italy(2位)
    • Rok Talent Award 受賞
  • 2013年
  • 2014年 - フォーミュラ4 FCクラス(シリーズチャンピオン)
  • 2015年 - 全日本フォーミュラ3選手権(シリーズ4位)
  • 2016年 - GP3 シリーズ(シリーズ7位)
  • 2017年 - GP3 シリーズ(シリーズ3位)
  • 2018年
  • 2019年
    • 全日本スーパーフォーミュラ選手権(DOCOMO DANDELION #5/Honda HR-417E)(シリーズ7位)
    • SUPER GT(GT300クラス)(ARTA #55/ARTA NSX GT3)(シリーズチャンピオン)
  • 2020年
    • 全日本スーパーフォーミュラ選手権(DOCOMO DANDELION #6/Honda HR-417E)(シリーズ8位)
    • SUPER GT(GT500クラス)(ARTA #8/ARTA NSX-GT)(シリーズ5位)
    • インタープロトシリーズ(プロクラス)(K-DESIGN #37 キーパー号)(シリーズチャンピオン)
  • 2021年
    • 全日本スーパーフォーミュラ選手権(DOCOMO DANDELION #5/Honda HR-417E)(シリーズ2位)
    • SUPER GT(GT500クラス)(ARTA #8/ARTA NSX-GT)(シリーズ2位)
    • インタープロトシリーズ(プロクラス)(K-DESIGN #37 キーパー号)(シリーズチャンピオン)
  • 2022年
    • 全日本スーパーフォーミュラ選手権(ThreeBond Drago CORSE #12/Honda HR-417E)(シリー19位)
    • SUPER GT(GT500クラス)(ARTA #8/ARTA NSX-GT)(シリーズ12位)

略歴[編集]

シリーズ チーム レース 勝利 PP FL 表彰台 ポイント 順位
2014 JAF フォーミュラ4 (FCクラス) 東日本シリーズ HFDP レーシング 5 1 -** -** 4 72 1位
JAF フォーミュラ4 (FCクラス) 西日本シリーズ 6 3 -** -** 5 100 1位
JAF フォーミュラ4 (FCクラス) オーバーオール - - - - - 172 1位
2015 全日本フォーミュラ3選手権 17 2 3 3 6 72 4位
SUPER GT - GT300 AUTOBACS RACING TEAM AGURI 1 0 0 0 0 0 NC
2016 GP3シリーズ ARTグランプリ 18 0 0 0 3 91 7位
2017 16 2 2 2 6 134 3位
2018 FIA フォーミュラ2選手権 BWT・アーデン 24 0 0 0 0 17 17位
スーパーフォーミュラ TEAM 無限 4 0 0 1 0 0 NC
2019 スーパーフォーミュラ DANDELION RACING 7 0 0 0 1 18 7位
SUPER GT - GT300 ARTA 8 1 1 0 3 69.5 1位
2020 スーパーフォーミュラ DANDELION RACING 7 0 0 2 1 29 8位
SUPER GT - GT500 ARTA 8 1 3 3 3 54 5位
2021 スーパーフォーミュラ DANDELION RACING 7 2 1 0 3 55 2位
SUPER GT - GT500 ARTA 8 2 1 1 2 60 2位
2022 スーパーフォーミュラ ThreeBond Drago CORSE 10 0 0 0 0 3 19位
SUPER GT - GT500 ARTA 8 1 0 0 1 24 12位
  • ** : FCクラスのシャシーは、前年で終了した「フォーミュラチャレンジ・ジャパン」で使用されていたものを再度モディファイしたマシンを使用している。性能調整等の関係で、FCクラスのPPFLは対象外となる。
  •  : ゲストドライバーとしての出走であるため、ポイントは加算されない。
  • * : 今シーズンの順位。

全日本フォーミュラ3選手権[編集]

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 順位 ポイント
2015年 HFDP RACING SUZ1
5
SUZ2
7
TRM1
4
TRM2
4
TRM3
2
OKA1
7
OKA2
5
FSW1
5
FSW2
4
OKA1
4
OKA2
5
FSW1
2
FSW2
3
TRM1
1
TRM2
1
SUG1
3
SUG2
5
4位 72

GP3シリーズ[編集]

エントラント 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 順位 ポイント
2016年 ARTグランプリ ESP
FEA

3
ESP
SPR

13
AUT
FEA

7
AUT
SPR

Ret
GBR
FEA

11
GBR
SPR

7
HUN
FEA

4
HUN
SPR

4
GER
FEA

Ret
GER
SPR

11
BEL
FEA

Ret
BEL
SPR

15
ITA
FEA

5
ITA
SPR

Ret
MAL
FEA

7
MAL
SPR

2
ABU
FEA

5
ABU
SPR

3
7位 91
2017年 ESP
FEA

1
ESP
SPR

6
AUT
FEA

3
AUT
SPR

3
GBR
FEA

Ret
GBR
SPR

16
HUN
FEA

2
HUN
SPR

Ret
BEL
FEA

3
BEL
SPR

4
ITA
FEA

DNS
ITA
SPR

C
ESP
FEA

1
ESP
SPR

5
ABU
FEA

15
ABU
SPR

14
3位 134

FIA フォーミュラ2選手権[編集]

エントラント 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 順位 ポイント
2018年 BWT アーデン英語版 BHR
FEA

18
BHR
SPR

8
BAK
FEA

13
BAK
SPR

12
CAT
FEA

11
CAT
SPR

Ret
MON
FEA

10
MON
SPR

11
CPR
FEA

9
CPR
SPR

12
RBR
FEA

9
RBR
SPR

9
SIL
FEA

Ret
SIL
SPR

DNS
HUN
FEA

10
HUN
SPR

6
SPA
FEA

Ret
SPA
SPR

17
MNZ
FEA

14
MNZ
SPR

13
SOC
FEA

8
SOC
SPR

7
YMC
FEA

Ret
YMC
SPR

12
17位 17

(key)

スーパーフォーミュラ[編集]

チーム シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 順位 ポイント
2018年 TEAM 無限 ダラーラ・SF14 ホンダ SUZ
Ret
AUT SUG FSW TRM
17
OKA
18
SUZ
12
NC 0
2019年 TEAM DANDELION RACING ダラーラ・SF19 SUZ
11
AUT
5
SUG
5
FSW
9
TRM
5
OKA
Ret
SUZ
3
7位 18
2020年 TRM
5
OKA
8
SUG
10
AUT
9
SUZ
Ret
SUZ
2
FSW
13
8位 29
2021年 FSW
3
SUZ
Ret
AUT
13
SUG
1
TRM
Ret
TRM
12
SUZ
1
2位 55
2022年 ThreeBond Drago CORSE FSW
Ret
FSW
16
SUZ
17
AUT
DSQ
SUG
8
FSW
11
MOT
Ret
MOT
Ret
SUZ
15
SUZ
Ret
19位 3

SUPER GT[編集]

チーム 車両 クラス 1 2 3 4 5 6 7 8 順位 ポイント
2015年 AUTOBACS RACING TEAM AGURI ホンダ・CR-Z GT300 OKA FSW CHA FSW SUZ
12
SUG AUT TRM NC 0
2019年 ARTA ホンダ・NSX GT3 GT300 OKA
2
FSW
2
SUZ
6
CHA
9
FSW
6
AUT
6
SUG
1
TRM
4
1位 69.5
2020年 ホンダ・NSX-GT GT500 FSW
8
FSW
14
SUZ
13
TRM
Ret
FSW
3
SUZ
3
TRM
1
FSW
5
5位 54
2021年 GT500 OKA
7
FSW
8
SUZ
11
TRM
5
SUG
10
AUT
1
TRM
1
FSW
6
2位 60
2022年 GT500 OKA
10
FSW
1
SUZ
7
FSW
5
SUZ
13
SUG
13
AUT
11
MOT
8
12位 24
2023年 GT500 OKA
11
FSW
10
SUZ
7
FSW
3
SUZ
1
SUG
12
AUT
2
MOT
12
4位 53
2024年 TGR TEAM ENEOS ROOKIE トヨタ・スープラ GT500 OKA FSW SUZ FSW SUZ SUG AUT MOT

脚注[編集]

  1. ^ a b c d SUPER FORMULA STAGE 2018 Vol.01” (PDF). 日本レースプロモーション (2018年). 2018年6月7日閲覧。
  2. ^ a b c GP直送:日本人ドライバーがGP3テストに参加 - オートスポーツweb(2015年11月29日)
  3. ^ 鈴鹿サーキットレーシングスクール 卒業生クローズアップ - モビリティランド
  4. ^ 今年のSRS-Fスカラシップは坂口、福住が獲得 - オートスポーツweb(2013年11月21日)
  5. ^ 福住仁嶺、ARTグランプリからGP3に参戦 - F1-Gate.com(2016年2月12日)
  6. ^ 19歳のホンダ系若手有望株・福住仁嶺、「GP3」デビュー戦で3位表彰台を獲得 - レスポンス(2016年5月15日)
  7. ^ Shots!──GP3の福住選手が初優勝!亜久里さんも嬉しそう@熱田カメラマン F1スペインGP 土曜 - オートスポーツweb(2017年5月15日)
  8. ^ Dream Challenge 福住仁嶺 - 本田技研工業(2018年)
  9. ^ A broad reach for the 2018 Red Bull Junior Team - Red Bull Junior Team(2018年1月15日)
  10. ^ F1のレッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが父親と共に運営するチーム。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]