平川亮

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
平川 亮
2017年ELMS優勝
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1994-03-07) 1994年3月7日(30歳)
出身地 日本の旗 日本広島県呉市
スーパーフォーミュラでの経歴
デビュー 2013
所属 TEAM IMPUL
車番 20
過去所属 KYGNUS SUNOCO Team LeMans
出走回数 60
優勝回数 4
ポールポジション 4
過去参加シリーズ
2010-2012

2012
2013-2014
2016-2017

2014-2021
フォーミュラチャレンジ・ジャパン
全日本F3選手権
インタープロトシリーズ
ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ
SUPER GT
選手権タイトル
2012
2013-2014
2017
2022
全日本F3選手権
インタープロトシリーズ
SUPER GTGT500クラス
FIA 世界耐久選手権

平川 亮(ひらかわ りょう、1994年3月7日 - )は、広島県呉市出身のレーシングドライバール・マン24時間レースの日本人最年少総合優勝記録保持者。

プロフィール[編集]

身長:177cm、体重:66kg、血液型:O型。家族:レーシングドライバーの平川真子を妹にもつ。

中学まではロードレース(自転車)を志向していたが、大きな転倒を喫したことをきっかけに父親の奨めでレーシングカートに興味を持ち始め、2007年にカート競技を開始する[1]

2008年には全日本ジュニアカートに参戦、2009年には全日本カートKF2クラス参戦。同年フォーミュラトヨタレーシングスクール(FTRS)に合格。JAFより限定Aライセンスの発給が認められ、2010年にトヨタ枠よりフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)に全戦参戦。それと並行してスーパーFJに参戦しフォーミュラ・BMW アジアパシフィックシリーズにスポット参戦をするという形で4輪レースデビューを果たした。FCJではシリーズランキングは6位という結果だったが、スーパーFJ富士シリーズ第2戦で優勝して最年少優勝記録(16歳1か月)を達成し、岡山シリーズではシリーズチャンピオンに輝いた。

2011年はトヨタのバックアップにより引き続きFCJに参戦。初優勝を記録しチャンピオン争いを繰り広げたが、シリーズ2位で終了。F4西日本シリーズではチャンピオン・グランドチャンピオン・年間MVP・エンドレス賞・年代賞の各賞を受賞。

2012年は全日本F3にステップアップ。FCJ、カレラカップジャパンの3シリーズに参戦。全日本F3では開幕2連勝で勢いに乗ると第10戦までに1位7回、2位2回、3位1回とポイントランキングをリードし、第11戦はリタイアとなり連続表彰台は逃すものの、第12戦では3位となり第12戦の段階で全日本F3チャンピオンを獲得した。

2013年はスーパーフォーミュラKYGNUS SUNOCO Team LeMansから参戦。テレビアニメ宇宙戦艦ヤマト2199』とコラボレーションしたマシンで戦うことが決定した[2]

2014年は引き続きスーパーフォーミュラに参戦。また、SUPER GTの日程とFIA 世界耐久選手権(WEC)の日程がバッティングした中嶋一貴の代役としてスポット参戦。

2015年はスーパーフォーミュラに加え、SUPER GTのGT500クラスにもKeePer TOM'Sよりフル参戦。開幕戦ではポールポジションを獲得、決勝では雨のレースを制し初優勝。最終戦も勝利し、2勝をあげた。スーパーフォーミュラでは元F1ドライバーの小林可夢偉とチームメイトとなった。

2016年はSUPER GTとヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)にTDP支援のもと、ティリエ・バイ・TDSレーシングより参戦。ル・マン24時間にもデビューするが、リタイアに終わっている。 12月よりレッドブルアスリートとなり、支援を受けることになった。

2017年もSUPER GTとELMSに並行して参戦し、ELMSではG-ドライブから参戦。SUPER GTと被ったため一戦は欠場したが、モンツァで優勝してチームタイトルに貢献した。また、SUPER GTでは岡山とタイで優勝し、パートナーのニック・キャシディとともに史上最年少(23歳)と1990年代生まれ(平成生まれ)初のチャンピオンに輝いた。

2018年は星野一義率いるTEAM IMPULからスーパーフォーミュラに復帰。

2020年のスーパーGTでは、このまま走りきれば優勝かつチャンピオンという最終戦富士のファイナルラップの最終コーナーでガス欠により両方の栄冠を逃すという、史上稀に見るドラマティックな幕切れを味わった。 スーパーフォーミュラでは開幕戦をポール・トゥ・ウィンで飾り、序盤3戦でチャンピオン争いを牽引した。しかし中盤以降の失速が響き、僅か2ポイント差で山本尚貴に敗れランキング2位となった。

2022年からは中嶋一貴の後任としてWECに参戦。トヨタ・ガズー・レーシングの8号車GR010 HYBRIDをドライブし、セバスチャン・ブエミブレンドン・ハートレイという二人のレッドブルアスリートかつ元F1ドライバーとシートをシェアする。一方でスーパーフォーミュラは継続するが、SUPER GTからは離脱することとなった。第3戦ル・マン24時間では夜間走行で僚友7号車の小林に約30秒差を詰められる場面もあったが、7号車のマシントラブルもあり、最高峰クラスでのデビュー戦にして日本人最年少(28歳)での総合優勝を達成した。

2023年9月、2024年よりマクラーレンF1チームとのリザーブドライバー契約を結んだことを発表した[3]

レース戦績[編集]

  • 2008年 - 全日本ジュニアカート選手権 ジュニアカートクラス(シリーズチャンピオン)
  • 2009年 - 全日本カート選手権 KF2クラス(シリーズ2位)
  • 2010年
    • フォーミュラチャレンジ・ジャパン(#4 Clarion FCJ)(シリーズ6位)
    • フォーミュラBMWパシフィック マカオグランプリ(予選11位/決勝リタイア)
    • スーパーFJ 日本一決定戦 (優勝)
    • JAF地方選手権 FJ 岡山シリーズ(シリーズチャンピオン)
  • 2011年
    • フォーミュラチャレンジ・ジャパン(#4 Clarion FCJ) (シリーズ2位)
    • F4 西日本シリーズ(シリーズ チャンピオン)
    • F4 東日本シリーズ(シリーズ 7位)
  • 2012年
    • 全日本F3選手権(RSS#4 広島トヨペットF312/ダラーラF312 1AZ-FE)(シリーズチャンピオン・7勝)
    • フォーミュラチャレンジ・ジャパン(#4 Clarion FCJ)参戦
    • ポルシェカレラカップジャパン チャンピオンクラス(GARMIN Porsche)(シリーズチャンピオン)

※ポルシェカレラカップジャパンへは「PCCJ若手ドライバー育成プログラム」の選出で参戦。

  • 2013年
    • 全日本選手権スーパーフォーミュラ(Team KYGNUS SUNOCO)(シリーズ11位)
    • インタープロトシリーズ(RSS広島トヨペットIPS)(シリーズチャンピオン・2勝)
  • 2014年
    • 全日本選手権スーパーフォーミュラ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans #7/ダラーラ・SF14 RI4A)(シリーズ8位)
    • SUPER GT GT500クラススポット参戦 (Rd.2/Rd.3 #36 LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S)
    • インタープロトシリーズ(RSS広島トヨペットIPS)(シリーズチャンピオン・3勝)
    • スーパー耐久 ST-1クラス(TOMEI SPORTS)(シリーズチャンピオン・3勝)
  • 2015年
    • 全日本選手権スーパーフォーミュラ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans #7/ダラーラ・SF14 RI4A)(シリーズ8位)
    • SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM KeePer TOM'S #37 KeePer TOM'S RC F/LEXUS RC F RI4AG)(シリーズ5位・2勝)
  • 2016年
    • SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM TOM'S #37 KeePer TOM'S RC F/LEXUS RC F RI4AG)(シリーズ9位)
    • ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ・LMP2クラス(Thiriet by TDS Racing #46/オレカ・05 - ニッサン)(シリーズ5位・2勝)
  • 2017年
    • SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM KeePer TOM'S #37 KeePer TOM'S LC500/LEXUS LC500 RI4AG)(シリーズチャンピオン・2勝)
    • ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ・LMP2クラス(G-Drive Racing #22/オレカ・07 - ギブソン)(シリーズ4位・1勝)
  • 2018年
    • 全日本スーパーフォーミュラ選手権(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL #20/ダラーラ・SF14 R14A)(シリーズ5位)
    • SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM KeePer TOM'S #1 KeePer TOM'S LC500/LEXUS LC500 RI4AG)(シリーズ2位・1勝)
  • 2019年
    • 全日本スーパーフォーミュラ選手権(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL #20/ダラーラ・SF19 Biz-01F)(シリーズ10位・1勝)
    • SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM KeePer TOM'S #37 KeePer TOM'S LC500)(シリーズ2位・1勝)
  • 2020年
    • 全日本スーパーフォーミュラ選手権(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL #20/ダラーラ・SF19 Biz-01F)(シリーズ2位・1勝)
    • SUPER GT・GT500クラス(TGR TEAM KeePer TOM'S #37 KeePer TOM'S GR Supra)(シリーズ2位・1勝)
  • 2021年
    • 全日本スーパーフォーミュラ選手権(carenex TEAM IMPUL #20/ダラーラ・SF19 Biz-01F)(シリーズ4位)
    • SUPER GT・GT500クラス(TGR TEAM KeePer TOM'S #37 KeePer TOM'S GR Supra)(シリーズ7位)
  • 2022年

全日本フォーミュラ3選手権[編集]

チーム エンジン クラス 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 順位 ポイント
2012年 RSS トヨタ SUZ1
1
SUZ2
1
TRM1
2
TRM1
2
FSW1
1
FSW2
1
TRM1
1
TRM2
1
OKA1
1
OKA2
2
SUG1
Ret
SUG2
3
SUG3
Ret
FSW1
3
FSW2
3
1位 118

スーパーフォーミュラ[編集]

チーム シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 順位 ポイント
2013年 KYGNUS SUNOCO Team LeMans スウィフト・017.n トヨタ SUZ
8
AUT
7
FSW
11
TRM
7
INJ
C
SUG
Ret
SUZ1
6
SUZ2
4
11位 9
2014年 ダラーラ・SF14 トヨタ SUZ
4
FSW1
Ret
FSW2
8
FSW
2
TRM
10
AUT
13
SUG
8
SUZ1
16
SUZ2
5
8位 16.5
2015年 SUZ
12
OKA
9
FSW
6
TRM
7
AUT
4
SUG
8
SUZ1
10
SUZ2
5
8位 13
2018年 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SUZ
Ret
AUT
C
SUG
9
FSW
4
TRM
2
OKA
3
SUZ
Ret
5位 17
2019年 ダラーラ・SF19 SUZ
Ret
AUT
14
SUG
11
FSW
12
TRM
OKA
12
SUZ
8
10位 12
2020年 TRM
1
OKA
4
SUG
2
AUT
12
SUZ
Ret
SUZ
7
FSW
6
2位 60
2021年 carenex TEAM IMPUL FSW
4
SUZ
2
AUT
Ret
SUG TRM
4
TRM
Ret
SUZ
2
4位 46
2022年 FSW
1
FSW
2
SUZ
7
AUT
1
SUG
7
FSW
Ret
MOT
Ret
MOT
2
SUZ
9
SUZ
5
3位 87

SUPER GT[編集]

チーム 使用車両 クラス 1 2 3 4 5 6 7 8 順位 ポイント
2014年 LEXUS TEAM PETRONAS TOM'S レクサス・RC F GT500 OKA FSW
9
AUT
5
SUG FSW SUZ CHA TRM 20位 8
2015年 LEXUS TEAM KeePer TOM'S GT500 OKA
1
FSW
6
CHA
6
FSW
12
SUZ
8
SUG
9
AUT
12
TRM
1
5位 56
2016年 LEXUS TEAM TOM'S GT500 OKA
2
FSW
3
SUG
8
FSW
12
SUZ
Ret
CHA
9
TRM
Ret
TRM
5
9位 38
2017年 LEXUS TEAM KeePer TOM'S レクサス・LC500 GT500 OKA
1
FSW
3
AUT
6
SUG
10
FSW
6
SUZ
6
CHA
1
TRM
2
1位 84
2018年 GT500 OKA
3
FSW
7
SUZ
3
CHA
8
FSW
2
SUG
14
AUT
1
TRM
4
2位 75
2019年 GT500 OKA
12
FSW
7
SUZ
2
CHA
2
FSW
4
AUT
3
SUG
4
TRM
1
2位 83
2020年 TGR TEAM KeePer TOM'S トヨタ・スープラ GT500 FSW
1
FSW
4
SUZ
7
TRM
6
FSW
4
SUZ
Ret
TRM
6
FSW
2
2位 67
2021年 GT500 OKA
3
FSW
3
SUZ
10
TRM
7
SUG
11
AUT
9
TRM
10
FSW
2
7位 46

ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ[編集]

チーム 使用車両 クラス 1 2 3 4 5 6 順位 ポイント
2016年 ティリエ・バイ・TDSレーシング オレカ・05 LMP2 SIL
Ret
IMO
1
SPL
1
CAS SPA
3
EST
7
5位 70
2017年 G-ドライブ・レーシング オレカ・07 LMP2 SIL
2
MON
1
SPL CAS SPA
2
EST
4
4位 73

FIA 世界耐久選手権[編集]

エントラント クラス シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 順位 ポイント
2022年 トヨタ・ガズー・レーシング LMH トヨタ・GR010 HYBRID トヨタ 3.5 L Turbo V6 (Hybrid) SEB
2
SPA
Ret
LMS
1
MNZ
2
FSW
1
BHR
2
1位 149
2023年 ハイパーカー SEB
2
POR
1
SPA
2
LMN
2
MNZ
6
FSW
2
BHR
1
1位 172
2024年 QAT
9
IMO
SPA
LMN
SÃO
COA
FSW
BHR
9位* 3*

ル・マン24時間レース[編集]

チーム コ・ドライバー クラス 周回 順位 クラス
順位
2016年 フランスの旗 ティリエ・バイ・TDSレーシング フランスの旗 ピエール・ティリエ
スイスの旗 マティアス・ベシェ
オレカ・05-日産 LMP2 241 DNF DNF
2017年 ロシアの旗 G-ドライブ・レーシング メキシコの旗 メモ・ロハス
メキシコの旗 ホセ・グティエレス
オレカ・07-ギブソン LMP2 327 39位 17位
2022年 日本の旗 トヨタ・ガズー・レーシング スイスの旗 セバスチャン・ブエミ
ニュージーランドの旗 ブレンドン・ハートレイ
トヨタ・GR010 HYBRID LMH 380 1位 1位
2023年 スイスの旗 セバスチャン・ブエミ
ニュージーランドの旗 ブレンドン・ハートレイ
ハイパーカー 342 2位 2位

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]