三國志II

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三國志II
ジャンル 歴史シミュレーションゲーム
対応機種 PC-8801mk2SR[PC-88]
PC-9801[PC-98]
PC-9801NOTE[PC-98N]
X1turbo[X1]
X68000[X68]
MSX2
FM TOWNS
Macintosh[Mac]
ファミリーコンピュータ[FC]
スーパーファミコン[SFC]
メガドライブ[MD]
ワンダースワン[WS]
PlayStation[PS]
Windows 95XP[Win]
iOS
開発元 光栄
発売元 光栄(コーエー
人数 1 - 12人
メディア 3.5インチFD[MSX2・PC-98]
5インチFD[PC-88・PC-98・X1・X68]
ROMカセット[MSX2(8M)・FC(4M)・SFC・MD・WS]
CD-ROM[FM TOWNS・PS・Win]
ダウンロード[iOS]
発売日 1989年12月[PC-88]
1990年3月23日[PC-98]
1990年4月[MSX2]
1990年6月[X1]
1990年6月29日[TOWNS]
1990年8月27日[X68]
1990年11月2日[FC]
1991年3月19日[PC-98N]
1991年9月15日[SFC]
1991年12月26日[MD]
2000年4月6日[WS]
2000年8月3日[PS]
2000年12月15日[Win]
2010年12月22日[iOS]
その他 SFC版は『スーパー三國志II』
WS版は『三國志II for WonderSwan』
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三國志II』(さんごくし・ツー)は、1989年に光栄(現・コーエーテクモゲームス)から発売された歴史シミュレーションゲーム。「三國志シリーズ」の第2作。前作の基本的なシステムは引き継ぎつつ、新たな工夫が施されている。音楽は向谷実が担当[1]

PC-88SR版が発売された後、さまざまなパソコン機種や家庭用ゲーム機などに移植された。PC-98版を復刻収録した「コーエー25周年記念パック Vol.5」も発売された。

なお本項では、本作の各リメイク版についても併せて記述する。

概要[編集]

前作に引き続き、プレイヤーは『三国志演義』に登場する英雄(君主)の一人となり、配下の武将に対し内政、軍事、外交計略などのコマンドを出すことにより41国に分割された古代中国全土の統一を目指すことが最終的な目的である。機種によって4人、8人、12人までマルチプレイが可能。ただし、本作でも一部の君主はプレイヤーが選択できず、COM専用となっている。

前作からの変更点[編集]

戦略フェイズにおいては、前作では1国に行えるコマンドは1つだけであったが、本作では、配下武将の数だけコマンドを出せるようになり、戦略の幅が広がった。ただし、君主や太守のみしか行えないコマンドもある(一例:君主のみ 太守や軍師の「任命」、太守は当事国での登用時の「三顧の礼」や使用頻度の高い「褒美」も含まれる)。外交の際は使者ユニットがマップ上を動き回って交渉相手国へ到達するという演出もなされ、時には使者を捕縛したり密書を取り上げることもできる。また新たに「信用度」というパラメータが設けられた。これは外交・登用の成否や配下武将の忠誠度の増減に影響を与えるもので、「同盟国から依頼された共同作戦に応じる」「同盟国の使者を無条件に通す」などの信義に基づいた行動を取ると(共同軍および援軍は、その戦争に敗北しても)上昇し、「同盟国に攻め込む」「戦場で同盟軍を裏切る」「外交の使者を捕らえる」といった信義に反する行為をとると低下する。

合戦フェイズにおいては、通常攻撃、一斉攻撃、突撃、火計などの前作からのコマンドは細かな変更を加えつつ引き継がれ、新たに一騎討ち、寝返り工作、伏兵、共同軍や援軍、ZOCの概念のシステムが設けられ、駆け引きの幅が広くなった。また、一度に出陣できる枠数は、攻撃側は5部隊・守備側は10部隊まで守備側に有利となっている。ただし前述の共同軍を用いれば他の君主が最大で5部隊を増援を派遣してくれるほか、寝返り工作や一部の計略などで攻撃側の不利を多少緩和できる。

また、本作から新君主によるプレイも可能になり、自作のオリジナル武将を作成し中国統一を目指すことができるようになった。作れるのは君主、配下各1人(配下の追加は選択式で、追加した場合は名前・生年月日のみ決定可能)。なお一部コンシューマ用では君主の漢字が「新君主」に固定であったり、配下が中国の有名武将(三国時代以外)のランダム決定となっているものがある(配下は追加できない機種もある)。

本作より後漢滅亡後のシナリオが初登場し、それに伴い鄧艾鍾会など三国時代末期の武将も追加され武将数は352人(後述の特殊な武将を除く)と増加した。一方で、国の数は58から41へと減少している。また、パソコン版のみ、特殊な武将として華佗許子将司馬徽貂蝉が登場する。

本作は吉川英治の小説『三国志[2]を原典[3]にしており、夏侯惇の読みがなが「かこうじゅん」[4]となっている他、小説独自のキャラクターが登場する(楊平、芙蓉姫など)。また曹豹の全能力値が10台(知力13、武力19、魅力15)と群を抜いて低く、当時『光栄ゲームパラダイス』誌の投稿コーナーでは「曹豹血盟軍」と題した特集が組まれるなどカルト人気を獲得した。

マスクデータ[編集]

本作より画面上では確認できない武将の性格を表したデータ「マスクデータ」が登場した。これは以後のシリーズにも継承されていった。

義理
これが低いと戦場で寝返りの計略にかかりやすくなる。君主の場合は同盟破棄を行う確率が上がる。最高は関羽[5]と劉備の100[6]だが、曹操や劉備などの英雄君主は降伏勧告には絶対に応じない[7](配下に出来ない)ため配下としての最高は関羽のみである。特に関羽は、劉備の配下にいる時は忠誠がどんなに低く、知力100の軍師を使い計略を仕掛けても寝返らせることは不可能(一例として、曹操の配下にいる場合は孫権でも引き抜く事が出来る[8])である。
人徳
魅力の根底にあるデータ。低いといくら魅力が高くても見せかけとなる。また高いと戦時に捕縛されても解放されやすい。以後のシリーズでは登場しない。
野望
好戦の度合い。高いと一騎打ちに勝手に名乗り上げる。また、野望が高く義理が低いと「駆虎」の計略にかかって独立君主になる確率が高くなる。
相性
各武将間の相性のよさ。0-100で表されるが本作に限り両端が隣り合わない棒状のデータである[9][10]
本作では曹操を0、劉備を50、孫家(孫堅、孫策、孫権)を100とし、0と100はつながっていない。このため曹操と孫家の相性は最悪であり、劉備はどの武将とも相性が最悪でも50しか離れていないので、劉備は武将の登用や忠誠度の下がりにくさで有利である。新君主の場合は、相性は「誕生月の数字×誕生日の数字」で決まる(100を超えた場合は100・200…を引き、1 - 100の数字にする)。2月25日や5月10日、10月15日などに設定すると相性が50になり、劉備と同じ相性になる。
寿命
何歳まで生きられるかを表したもの。有能な武将や君主が寿命間近となると「凶兆」イベントが発生する。 ただし、PC版の設定にある「仮想モード」でプレイすると寿命の設定が無効になり[11]、どの武将も60歳が目安となる[12]

シナリオ[編集]

サブタイトルは機種により異なり、括弧内はファミコン・スーパーファミコン・メガドライブ版のシナリオタイトル。 下記は登場する君主(選択できない君主は斜体字で表記)。

1・董卓洛陽を騒がし群星起つ(董卓の横暴) 189年

2・群雄割拠し盛んに覇を競う(曹操の雄飛) 194年

3・劉備荊州に潜み脾肉を嘆ず(劉備の雌伏) 201年

  • 曹操 劉備 孫権 袁紹 劉璋 馬騰 劉表 張魯

4・曹操華北を制し天下を望む(諸葛亮登場) 208年

5・天下三分し関羽荊州を守る(関羽の奮戦) 215年

6・鼎立し三國成る(三國の鼎立) 220年

戦利品の一覧[編集]

戦利品には以下のようなものがあり、能力を最低5〜最大18上昇させる。ただし、どの能力値も最大値の100を超える事はない(一例として、値が96の武将に与えても上昇値は4が限界である)。 また、ストック(取り置き)する事は出来ず、入手した時点で誰かに使用しなければならない。その際、君主自身に使用も可能だが 配下に与えると その時点で忠誠が必ず100になる[13]

  1. 書物 - 「孫子の兵法書」「孟徳新書」「太平要術の書」。知力が上昇する。
  2. 宝剣 - 「七星の剣」「青竜の剣」「青釭の剣」「倚天の剣」。武力が上昇する。
  3. 美女 - 「芙蓉姫」「大喬」「小喬」「鄒氏」「弓腰姫」。魅力が上昇し、配下に与えると君主との相性がよくなる。
    リメイク版では装飾品となり、「勾玉」「金製冠飾」「金製耳飾」の3点に変更。
  4. 名馬 - 「赤兎馬」「的盧」。戦場からの退却や他国への(外交と計略)移動時に捕まらない。
  5. 玉璽 - 君主の魅力と信用度が100になる。
  6. 華佗の医学書青嚢書のこと) - 病気やケガになった武将が一月で治る。

歴史イベント「貂蝉」[編集]

三國志シリーズでは初の歴史イベントで、一定の条件下で発生する。小説『三国志演義』での貂蝉による「美女連環の計」のエピソードをモチーフとしており、特殊な命令コマンド「貂蝉」を選択することでイベントが進行。コマンドを選択するたびに表示される貂蝉の肌の露出度が上がっていくが、イベントを最期まで進行すると自害するため、君主の信用度と全ての配下武将の忠誠度が30下がる。

性的表現を含んだ内容だったためか、FC版などの家庭用機種では実装されていない。ちなみに、文字のみであるが王允も登場する。

リメイク版[編集]

三國志 ゲームボーイ版2[編集]

三國志 ゲームボーイ版2
ジャンル 歴史シミュレーション
対応機種 ゲームボーイカラー
開発元 コーエー
発売元 コーエー
発売日 1999年7月30日
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1999年7月30日に発売された、コーエー(現・コーエーテクモゲームス)のゲームボーイカラー用ソフト。
「三國志II」をベースにし、ゲーム内容、武将総数、シナリオなどは同作と変更はないが、以下のような違いがある。

  • 新君主でのプレイ、コマンドの「地図」「放浪」「うわさ」「軍師の助言」が削除されている。また、華佗ら特殊な武将も登場しない。
  • 軍師の助言は月の初めに不定期で聞けるが、相場の急激な上昇・下落があると、君主(もしくは太守)がそれを報告するため、助言が聞けなくなる。
  • 顔グラフィックは『三國志V』を使用。ただし、一部の有名・能力の高い武将以外は、固定の使い回しの顔グラフィックで登場する。
  • 戦利品は、『II』リメイク版同様、「美女」が登場せず、『論語』『書経』などの四書五経に変わっている他、書物にも名称の変更が行われている。以下、オリジナル版と変更が施された点。
書物 - 「孫子の兵法書」は「そんしへいほうのしょ(孫子兵法の書)」、「孟徳新書」は「りくとう(六韜)」に変更。
美女 - 「ろんご(論語)」「もうし(孟子)」「しきょう(詩経)」「えききょう(易経)」「しゅんじゅう(春秋)」と変更。
  • 婚姻に登場する「君主の娘」も登場せず、その場面では婚姻成功時のBGMが流れるだけとなっている。
  • 「貂蝉」などの各種イベントは全て削除されている。
  • 長期戦の廃止。つまり1か月で戦いに勝てないと強制的に敗北となる。

三國志II for WonderSwan[編集]

三國志II for WonderSwan
ジャンル 歴史シミュレーション
対応機種 ワンダースワン
開発元 コーエー
発売元 コーエー
人数 1人
発売日 2000年4月6日
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2000年4月6日に発売された、コーエー(現・コーエーテクモゲームス)のワンダースワン用ソフト。基本的には『三國志II』をベースにしているが、オリジナルにはなかった「武将列伝」が搭載され、携帯機であることを活かしてデータベース的使い方も可能になっている。

オリジナルとの相違点を以下に記す。

  • 顔グラフィックは、『三國志V』を使用。
  • 前述のように「武将列伝」のモードが搭載されている。
  • 新君主プレイがない。
  • コマンドの「軍師助言」「うわさ」「治療」「放浪」が削除されている。

Mobile三國志2[編集]

Mobile三國志2
ジャンル 歴史シミュレーション
対応機種 FOMA90Xシリーズ/FOMA703シリーズ/F702iD、D800iDS専用 i アプリ/メガアプリ対応機/256kアプリ・256kアプリVer2対応機/EZアプリ(BREW)対応機
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『三國志II』を携帯電話向けアプリゲームとしてリメイクした作品。初めはシナリオ1「董卓の横暴」のみしかプレイできず、クリアや契約月数によりシナリオが増えていく。その他、次の点が異なる。

  • 新君主プレイができない。
  • 戦利品のが登場しない。よって、武将の魅力が上げられない。
  • 顔グラフィックはアプリ配信開始当時と同時期の作品『X』のものが流用されているが、一部武将の顔グラフィックがトランプの裏面のような模様になって、事実上割愛されている。
  • 長期戦ができない。
  • コマンドの「地図」が「戦場」に変更。
  • 貂蝉のイベントがない。
  • BGMが流れない(一部機種は除く)。

シナリオタイトルは以下の通り。

  1. 董卓の横暴
  2. 群雄割拠
  3. 劉備の雌伏
  4. 臥竜と鳳雛
  5. 荊州争奪戦
  6. 三國鼎立

三國志2(iPhone/iPod touch版)[編集]

三國志2
ジャンル 歴史シミュレーション
対応機種 iPhone / iPod touch
発売元 コーエー
発売日 2010年12月22日
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『三國志II』をベースとしており、武将の顔は『VII』のものを流用している。操作はタッチパネルに最適化している。武将の寿命の選択が可能(史実・長寿・仮想の3種)であるほか、劉備と諸葛亮の対話形式で行われるチュートリアルや武将列伝・宝物庫(戦利品一覧)・用語集等を収めた「三國志事典」を収録。 オリジナル版との違いは以下の通り

  • 全君主のプレイが可能。オリジナル版で選べなかった孔融・王朗などのプレイができる。
  • 女性武将の追加(貂蝉、大喬、小喬、祝融など)。
  • 戦利品の内、「七星の剣」が「七星宝剣」、「青竜の剣」が「斬蛇の剣」、「華佗の医学書」が「青嚢書」、と名称が変更。「美女」が「金耳墜」「真珠」といった装飾品に変更された。また、ランダムで能力が上がったオリジナル版と比べると、能力の上昇が固定化された。以下、変更の施されたアイテム。
  1. 書物 - 「孫子の兵法書」知力+10、「孟徳新書」知力+8、「太平要術の書」知力+5。
  2. 宝剣 - 「斬蛇の剣」武力+10、「青釭の剣」武力+8、「倚天の剣」武力+8、「七星宝刀」武力+5。
  3. 装飾品 - 「金耳墜」魅力+10、「袵露」魅力+5、「真珠」魅力+5。
  • 武将データであった「武装度」「訓練度」が削除され、代わりに「士気」が導入されている。
  • コマンドの「治水」「地図」「放浪」「うわさ」「治療」「軍師の助言」が削除されている。また、他国の情報を見るのに武将を1人費やさなくてもいいようになった。
  • 華佗、許子将、司馬徽ら「旅人」は登場しない。
  • 長期戦が出来ない。
  • シナリオは以下の3つ。
  1. 董卓の横暴 189年
  2. 諸葛亮登場 208年
  3. 三國の鼎立 220年

音楽[編集]

CD[編集]

  • 三國志II H29E-20009
  • 光栄オリジナルBGM集Vol.3 三國志II/維新の嵐 KECH-1001
  • 光栄オリジナルBGM集Vol.5 スーパー信長の野望・武将風雲録/スーパー三國志II KECH-1023(※スーパーファミコン音源をそのまま使用)

脚注[編集]

  1. ^ 舟野治樹、松川純一郎、ソフト・コミュニケーションズ(編)、1993、『ゲーム・ミュージック大事典』 〈宝島コレクション〉 ISBN 978-4796605595 - 同書によれば「FM音源の音色まで担当した」(p.121より引用)とのことである。
  2. ^ 講談社文庫・刊「全8巻」、六興出版・刊「全10巻」、他。ただし、中身は同一。
  3. ^ 『三國志II ハンドブック』P152
  4. ^ 呉音に準じたもので誤りではない
  5. ^ 『三國志II ハンドブック』P56
  6. ^ 『三國志II ハイパーガイドブック』P80
  7. ^ 『三國志II ハイパーガイドブック』P55~P56
  8. ^ 『三國志II ハイパーガイドブック』P50右上・写真画像
  9. ^ 『三國志II ハンドブック』P43横棒
  10. ^ 『三國志II ハイパーガイドブック』P53縦棒
  11. ^ 『三國志II ハンドブック』P32
  12. ^ 『三國志II ハンドブック』P48 あくまで目安であり必ずしも全武将が60歳丁度で死亡する訳ではない(多少、前後する事も有る)。
  13. ^ (一時的なものである事が多く)君主との相性や信用度によっては、その後に低下する事もある。

外部リンク[編集]