ミレニアム (小説)

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ミレニアム
Millennium
著者 スティーグ・ラーソン
発行日 スウェーデンの旗 2005年 - 2007年
日本の旗 2008年 - 2009年
発行元 スウェーデンの旗 Norstedts Förlag
日本の旗 早川書房
ジャンル 推理小説
スウェーデンの旗 スウェーデン
言語 スウェーデン語
形態 四六判並製本
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ミレニアム』(Millennium)は、スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによる推理小説。「ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」「眠れる女と狂卓の騎士」から成る三部作

第1部の原題 "Män som hatar kvinnor" は直訳すると「女を憎む男」であり、「ドラゴン・タトゥーの女」は英語版の題である "The Girl With The Dragon Tatoo" から、本作の第二の主人公リスベットは20代の女性だが欧米言語でGirlという場合は若い成人の女性も含むので実際に対応する日本語は「娘」。英語版の題は、「龍の刺青を持つ女(娘)」と「火と戯れた女(娘)」と「雀蜂の巣を蹴った女(娘)」(原題:"Luftslottet som sprängdes" = 爆発した空の城)で二作目の題と同じ言い回しで全三作の題が付けられている。英語で火と戯れるとは「火遊び」、つまり危険なことをするという慣用表現。雀蜂の巣を蹴るとは危険を顧みずにとんでもないことをしでかす、あるいは敵を挑発するという意味の慣用表現。

概要[編集]

ジャーナリストであったラーソンがパートナーの女性エヴァ・ガブリエルソンと執筆した、処女小説にして絶筆作品である。ラーソンはジャーナリストとして反人種差別・反極右を掲げていたため、万が一にもガブリエルソンに危害が及ばないようにと、婚姻関係を結ばなかったが、ラーソンが18歳の時から50歳で亡くなるまでを共に過ごした生涯の伴侶である。

本国スウェーデンでは、第1部が出版されるや大変な人気を博し、第1部の刊行から約3年でシリーズ合計290万部[1]を売り上げるベストセラーとなり、「読まないと職場で話題に付いていけない」と言われるほどであった[2]。また、フランスドイツアメリカをはじめ30カ国以上で翻訳され、全世界で800万部以上を売り上げた。日本語版の翻訳権は早川書房が独占しており、2008年から2009年にかけて出版された[3]

第1部「ドラゴン・タトゥーの女」と第3部「眠れる女と狂卓の騎士」はスカンジナビア推理作家協会が授与するガラスの鍵賞[4]を、第2部「火と戯れる女」はスウェーデン推理作家アカデミー最優秀賞を受賞した。

作品テーマ
第1部の原題 "Män som hatar kvinnor" は直訳すると「女を憎む男達」であり、シリーズ全篇を通して、女性に対する蔑視および暴力(ミソジニー)がテーマとなっている。これは著者が15歳のころ一人の女性が輪姦されているところを目撃していながら、何もせずその場を逃げ去ったことに由来する。著者はその翌日、被害者の女性に許しを請うが拒絶される。その時以降、自らの臆病さに対する罪悪感と女性暴力に対する怒りが著者を生涯つきまとうようになった。その被害者の女性の名前は「リスベット」で、これと同じ名前が本作の第二の主人公に与えられている。[1]
制作背景
第2部までを書き終えた時点で出版社と連絡を取り契約、その時点で第5部までの構想があったというが、ラーソンは第1部の発売も、シリーズの成功も見ることなく、2004年心筋梗塞で急死した。ラーソンの死により、彼のノートパソコンには第4部の4分の3に相当する下書きが残されたが、パソコンを現在所持しているパートナーのガブリエルソンは結婚しなかったのがあだとなって彼の作品に関する権利を持たず、彼の意思も残されなかったため公表の目処は立っていないという[5]。なお、1巻分もしくは2巻分の概要もしくは草稿が残されている可能性があるという[6][7]
メディア展開
三部構成で映画化され、第1部はスウェーデン本国では2009年2月27日に公開された。公開日週末の観客動員数は17万人を超え、人口の少ないスウェーデンでは滅多に見られない盛況ぶりで、スウェーデン映画としては大成功といえる結果であった[8]。テレビドラマ版は2010年2月より放映が予定されている。また、ハリウッドがリメイク版の製作に興味を示していると噂され[9]、2010年7月、デヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ主演となることが決まった[10]

第1部「ドラゴン・タトゥーの女」[編集]

ドラゴン・タトゥーの女
Män som hatar kvinnor
著者 スティーグ・ラーソン
訳者 ヘレンハルメ美穂
岩澤雅利
発行日 スウェーデンの旗 2005年
日本の旗 2008年12月15日
発行元 スウェーデンの旗 Norstedts Förlag
日本の旗 早川書房
スウェーデンの旗 スウェーデン
言語 スウェーデン語
形態 四六判並製本
ページ数 [上] 379 / [下] 438
コード [上] ISBN 978-4-15-208983-0
[下] ISBN 978-4-15-208984-7
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あらすじ[編集]

実業家・ヴェンネルストレムの不正を報道した、雑誌『ミレニアム』の発行責任者のミカエル・ブルムクヴィスト。だが、名誉毀損の有罪判決を下され、一旦『ミレニアム』から離れることを決める。それでもミカエルは、ヴェンネルストレムの違法行為を確信していた。

時を同じくして、大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが、弁護士フルーデを通じて、ミカエルの身元調査を依頼していた。調査を担当したのは、背中にドラゴンタトゥーを入れた、少年と見紛うような小柄な女性、リスベット・サランデル。 リスベットの調査から、ミカエルを信用に足る人物だと判断したヘンリックは、ミカエルにある仕事を依頼する。それは、36年前に一族が住む島から忽然と姿を消した少女ハリエット・ヴァンゲルの失踪事件の調査だった。ヘンリックは36年経った今も尚この事件に頭を悩まされ続け、一族の誰かがハリエットを殺したのだと信じきっていた。法外な報酬と、事件の謎を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させることもできる証拠を与えるという条件から、ミカエルは、この如何にも難解そうな依頼を引き受ける。

調査は予想通り難解を極めるが、36年の時を経て、ミカエルは新しい手がかりを発見する。助手が必要となったミカエルにフルーデが紹介したのは、あのリスベットだった。リスベットの協力を得て、妨害に遭いながらも明らかになった事実は、恐るべき連続殺人の真相とヴァンゲル家の繋がり、そしてハリエット失踪事件の顛末だった。


第2部「火と戯れる女」[編集]

あらすじ[編集]

少女売春組織を取材し雑誌『ミレニアム』に寄稿と出版を予定していた記者とその恋人が殺される。時を同じくして、リスベットの後見人ニルス・エリック・ビュルマンが死体で発見された。両方の現場にはリスベットの指紋が残されていた。指名手配されたリスベットは警察の追跡をかわしながら真犯人の調査を開始する。リスベットの無実を信じるミカエルは、『ミレニアム』を使い、不安に襲われるドラガン・アルマンスキーはミルトン・セキュリティーを使って、警察と調査を開始する。


第3部「眠れる女と狂卓の騎士」[編集]

  • 原題:Luftslottet som sprängdes(爆発した空の城)
  • 訳者:ヘレンハルメ美穂、岩澤雅利
  • 上巻:2009年7月9日発売、ISBN 978-4-15-209048-5、訳者《ヘレンハルメ美穂》あとがき
  • 下巻:同上、ISBN 978-4-15-209049-2池上冬樹解説

あらすじ[編集]

重傷を負ったリスベットは病院に収容され、厳重に監視される。この件で真実が明るみに出ることを危惧した 公安警察の元班長エーヴェルト・グルベリは関係者の口封じに動き出しリスベットを児童精神科病院に送ろうとする。 そんななかミカエルは妹アニカやリスベットのハッカー仲間らと共に「狂卓の騎士」を結成し、法廷での対決に挑む。


登場人物[編集]

主要人物[編集]

ミカエル・ブルムクヴィスト (Mikael Blomkvist
雑誌『ミレニアム』のジャーナリスト兼発行責任者兼共同経営者。1960年1月18日生まれの43歳(開始当初)。フルネームはカール・ミカエル・ブルムクヴィスト。23歳の時に、世間を騒がせていた連続銀行強盗グループの正体を暴き、一躍花形記者となり、タブロイド紙に“名探偵カッレくん”[11]のあだ名を付けられた。
第一部では、大物実業家ハンス=エリック・ヴェンネルストレムの不正を暴きながらも名誉毀損で有罪判決を下され、『ミレニアム』から身を引くが、ハリエット失踪事件の謎を追う一環で、編集部に戻る。また、その調査の資料をリスベットがハッキングしたことをきっかけに、リスベットとの親交を持つようになる。
リスベット・サランデル (Lisbeth Salander
1978年4月30日(ワルプルギスの夜祭りの日)24歳(開始当初)。身長154cm、体重42kg。ミルトン・セキュリティーのフリーの調査員。情報収集能力に長けており、調査対象の人物の秘密を暴き出す能力がずば抜けて高い。感情表現が乏しい。髪を極端に短く刈り、鼻と眉にピアスを付け、左の肩甲骨から腰の当たりにかけてドラゴンタトゥーを、首には長さ2cmのスズメバチのタトゥーを、左の二の腕と足首の周りに帯状のタトゥーを施している。赤毛の髪を黒に染めている。遠目に見たら痩せぎすの少年と見紛うほど、拒食症のように痩せた青白い肌をしている。
中学校を中退し、高校には進学していないが、映像記録能力と文章能力が大変優れている。またコンピューターの知識にも優れ、ハッキング能力も高く、スウェーデン語でスズメバチを意味する“ワスプ”という名ではハッカー仲間から畏敬の念を抱かれているほど。質問されても何も答えずに黙っているため、責任能力がない精神異常者の烙印を押され、後見人を付けられるようになる。過去の虐待トラウマを負っている影響で、敵対した人物に容赦なく制裁を加える攻撃的な面を持つ。
父はソ連時代のKGB元工作員、母は元娼婦という複雑な出自を持つ。幼少時は悲惨な環境の下で暮らし、母が父の家庭内暴力で心身ともに重傷を負ったことをきっかけに、父への殺害を行ったことで精神病院に隔離された過去を持つ。母は第一部後半で亡くなっている。原作に名前のみ、映画未登場のカミラという双子の妹がいる。
ミカエルに対し、今まで誰にも抱いたことのない感情を抱き、困惑しながらも恋をしてしまったのだと気づく。バイセクシュアルである。

『ミレニアム』関係者[編集]

エリカ・ベルジェ
『ミレニアム』編集長兼共同経営者。母親はスウェーデン人、父親はスウェーデン在住のベルギー人の、上流階級出身者。ミカエルとはジャーナリスト養成学校で出会って以来、断続的に肉体関係を続けている。既婚者だが、ミカエルとの仲は夫も周知の事実。
ジャーナリスト養成学校を出た後、テレビ局に入社し、テレビ映えする容姿を持ち、省庁に知り合いが多く、人脈も広いため、仕事を続けていれば管理職のポストも夢ではなかったはずだが、全てを投げ打ってミカエルと共に『ミレニアム』を創刊した。
クリステル・マルム
『ミレニアム』アートディレクター兼共同経営者。少々露出症の気がある同性愛者(ゲイ)
ヤンネ・ダールマン
『ミレニアム』編集補佐。ヴェンネルストレム事件が始まった頃に入社した。第一部で解雇される。
ソニー・マグヌッソン
『ミレニアム』広告営業担当者。60歳。リストラされ失業中だったところをエリカに拾われた。
モニカ・ニルソン
『ミレニアム』記者。37歳。専門は政治だが、他の多くの分野でも敏腕ぶりを発揮する。皮肉屋。
ヘンリー・コルテス
『ミレニアム』見習い記者。24歳。大学でジャーナリズムを学び、卒業後すぐに「『ミレニアム』で働きたい」と訴え、常勤のフリー記者として雇われた。
第二部からは非常勤記者。
マーリン・エリクソン
ダールマンの後任の編集補佐。当初契約社員として雇われ、ヴェンネルストレム告発を通じて正社員に。
ロッタ・カリム
非常勤の記者。

ミカエルの周囲の人物[編集]

モニカ・アブラハムソン
ミカエルの元妻。ミカエルとの結婚生活は約5年と短かったが、離婚後は友人関係を保っている。現在は別の男性と再婚している。
ペニラ・アブラハムソン
ミカエルとモニカの娘。16歳。両親の離婚後は母親と暮らしている。ミカエルの意向で、ミカエルとはペニラ本人が会いたい時に会うようにしている。
アニカ・ジャンニーニ
ミカエルの3歳年下の妹。イタリア系の夫との間に子どもが2人いる。弁護士。法学部卒業後、裁判所書記官となり、次いで次席検事として数年間働いた後、友人たちと法律事務所を開業した。家族法を専門とし、女性の権利に詳しい弁護士として、テレビの討論番組などに登場する。
グレーゲル・ベックマン
エリカの夫。芸術家。エリカとミカエルの関係を容認している。

リスベットの周囲の人物[編集]

ドラガン・アルマンスキー
警備会社ミルトン・セキュリティーの社長。56歳。クロアチア生まれ。父親はベラルーシ出身のアルメニア系ユダヤ人、母親はギリシャ人を先祖に持つボスニアイスラム教徒。妻はフィンランド人。1970年代に経理担当として入社、顧客の会社の不正経理を見破り、不正会計のエキスパートとしてミルトン社の発展を担い、遂に社長に就任した。
ホルゲル・パルムグレン
弁護士。リスベットの後見人。問題児や社会に適応できない者の世話を引き受けている。精神障害があると断定されかけていたリスベットを救い、友情に近い関係性を築いた。アルマンスキーに紹介し、リスベットがミルトン社で働くきっかけを作った。脳出血で倒れ重体となる。
ニルス・エリック・ビュルマン
弁護士。パルムグレンが脳卒中で倒れたことでリスベットの後任の後見人になった。リスベットを精神異常者だと決めつけ自分の意のままになると思い、暴力を振るいレイプするが、彼女から脅迫と暴行を受けた上、体に「私はサディストの豚、恥知らず、レイプ犯です」という入れ墨を入れられるという凄惨な報復に遭い、逆らえなくなる。
第二部では、復讐のためリスベットの過去を調べ上げ、拉致誘拐を計画する。しかし、後に謀殺された。
プレイグ
リスベットより3歳年上の親友。身長189cm、体重152kg。“疫病神”と呼ばれるハッカー。正常な社会生活ができないため、障害年金を受け取って生活している。
ミミ
リスベットの親友。レズビアン。時々肉体関係を持つ。
トリニティ
プレイグの仲間。相棒ボブ・ザ・ドッグと仕事をこなす。電話の盗聴やEメールの監視をする。

第1部重要人物[編集]

ハンス=エリック・ヴェンネルストレム
1970年代に投資会社を始め、一財産築いた後、1980年代のバブル期に目覚ましい出世を遂げた大物実業家。
ロベルト・リンドベリ
ミカエルの旧友。高校の同級生。
高校卒業後、ストックホルム商科大学に進学し、銀行業界に入った。数年ぶりにミカエルと再会し、ヴェンネルストレムの疑惑について話す。
ヴィリアム・ボリィ
企業コンサルタント。かつて、ミカエルと同じ新聞社で臨時の経済記者として働いていた。自分より経験豊かなジャーナリスト、特に年上の女性ジャーナリストが気に入らないらしく、常に軽蔑的な態度を取る。ミカエルはボリィのそういうところが気に入らず、顔を合わせる度に火花を散らし、ミカエルが著書でボリィを名指しで批判したことで不仲が決定的になった。

ヴァンゲル家[編集]

ヘンリック・ヴァンゲル
ヴァンゲル・グループ前会長。82歳。スウェーデンの実業界でその名を知らない者はおらず、グループ全盛期には国を代表する企業家の一人に数えられた。高潔な人物、昔気質の長老で、ちょっとやそっとのことではびくともしないと評される。5人兄弟の末っ子。一族の中に、ハリエットを殺した人物がいると確信しており、それが誰か突き止めて欲しいとミカエルに依頼する。
毎年11月1日の誕生日に、かつてハリエットが送ってくれていたのと同じような、額に入れられた押し花が送られており、それはハリエットを殺した犯人からの嫌がらせだと思い込んでいた。実は生存していたハリエットとの再会を通じその誤解を解いた。
エディット・ヴァンゲル
ヘンリックの妻。ユダヤ人の娘。生まれつき心臓が弱く、若くして亡くなった。
リカルド・ヴァンゲル
ヘンリックの長兄。5人兄弟の長子。熱狂的な国粋主義者反ユダヤ主義者、17歳の時に親ナチ組織・スウェーデン国家社会主義同盟に入会、ナチズムの宣伝活動に励んだ。その後、軍に志願し、第二次大戦時に志願兵としてフィンランドに赴き、34歳で戦死した。生前、家庭では妻子に暴力を振るっていた。
ゴットフリード・ヴァンゲル
リカルドの息子。一族のはみ出し者扱いをされていた。水の事故で死亡している。
イザベラ・ヴァンゲル
ゴットフリードの妻。ドイツ人。75歳で、年老いたローレン・バコールを思わせる。戦後、スウェーデンに渡り、ゴットフリードと出会う。グレタ・ガルボイングリッド・バーグマンのような正真正銘の美人だった。ゴットフリードに負けず劣らず酒好きな浪費家で、育児放棄をしていた。いつもしゃれた服装をしている。見た目は美しいが、年老いた吸血鬼のような毒を備えた人物。
マルティン・ヴァンゲル
ヴァンゲル・グループ現会長。ゴットフリードの息子。ハリエット失踪時、ウプサラに住んでおり、ハリエットが姿を消した時間帯には不通状態の橋の手前にいた。
ハリエット・ヴァンゲル
リカルドの孫娘。ゴットフリードの娘。マルティンの妹。実の親から育児放棄をされ、兄・マルティンと共に、子どもがいなかったヘンリックが世話をした。1966年9月、16歳の時にヘーデビー島から失踪する。
父と兄の性的虐待に耐え兼ね、ゴットフリードを水の事故に見せかけ殺害した後、マルティンから逃れるために亡命していた。生存が確認されてからは、オーストラリアで築き上げた企業グループを長男に任せ帰国。地に堕ちた信用を回復させるために、新たにヴァンゲル・グループ会長の座に就任し、『ミレニアム』の共同経営者に名を連ねる。
ハラルド・ヴァンゲル
ヘンリックの2番目の兄。91歳。人付き合いが嫌いで、家の前の雪かきさえ拒む。医学を修め、ウプサラで仕事をしていた。ナチズムに傾倒していた。
イングリッド・ヴァンゲル
ハラルドの妻。
ビリエル・ヴァンゲル
ハラルドの息子。市会議員。いずれ国会議員も夢ではないと思い込んでいる自意識過剰な人物。
セシリア
ハラルドの娘、ビリエルの妹。結婚してヘーデスタに住んでいたが、夫の暴力で大怪我を負い、見かねたヘンリックが島に呼び寄せ、正式に離婚しないまま約20年前から別居状態が続いている。ヘーデスタ高校の校長。ミカエルとエリカの関係を知り、時々自分の愛人になって欲しいとミカエルに頼み、肉体関係を持ち始める。
アニタ
ハラルドの次女。セシリアの妹。イギリス在住。
グレーゲル・ヴァンゲル
ヘンリックの3番目の兄、ハラルドの弟。故人。戦後、高校教師となり、後にヘーデスタ高校の校長となった。
イェルダ・ヴァンゲル
グレーゲルの妻。
アレクサンデル・ヴァンゲル
グレーゲルとイェルダの息子。
グスタヴ・ヴァンゲル
ヘンリックの4番目の兄。肺を患い、37歳で亡くなった。
グンナル・カールマン
イングリッドの息子。ヘーデスタ在住。地方紙『ヘーデスタ通信』の編集長。ビリエルとは昔からの親友。

ヘーデスタ・ヘーデビーの人々[編集]

ディルク・フルーデ
ヘンリックの弁護士。68歳。会社法の知識を買われ、大学卒業後すぐにヴァンゲル・グループで働き始め、ヘンリックと友人同士の間柄になった。定年退職しており、現在のクライアントはヘンリックだけで、彼の依頼でミカエルの身辺調査をミルトン社に依頼する。
アンナ・ニーグレン
ヘンリックの身の回りの世話をする家政婦。
グンナル・ニルソン
ヘンリックの雑用係。56歳。ヘーデビー島の建物全ての管理人、ヘーデスタにある建物もいくつか管理している。ハリエットと仲が良かった。
ヘレン・ニルソン
グンナルの妻。
マグヌス・ニルソン
グンナルの父。1960年代にヴァンゲル家で雑用係として働いていた。存命だが、現在は退職してヘーデスタにいる。
スサンヌ
ヘーデスタの“カフェ・スサンヌ”の主人。
オットー・ファルク
ヘーデビーの教会の牧師。72歳。アルツハイマーを患い、介護ホームに入所している。生きているハリエットを見た最後の人物。
エウシェン・ノルマン
ヘーデビー島に住む画家。風景画家としてそれなりに有名。77歳。
マルガレータ・ストランド
ヘーデビー教会の現在の牧師。ミカエルと同世代の女性。
グスタフ・モレル
元警部補。ハリエット失踪事件を捜査した。
マドレーヌ・ブルムベリ
『ヘーデスタ通信』の図版責任者。60歳。愛称“マヤ”。
クルト・ニールンド
『ヘーデスタ通信』のカメラマン。ミカエルとは顔見知り。
コニー・トーソン
『ヘーデスタ通信』の記者。

第2部・第3部重要人物[編集]

ダグ・スヴェンソン
フリージャーナリスト。少女売春組織を取材し『ミレニアム』に寄稿と出版を予定していたが、惨殺される。
ミア・ベルイマン
犯罪学、ジェンダー学の博士課程。売春する少女に関する博士論文を執筆したが、惨殺される。
アンデルス・シヴァルナンダン
エルスタヴィーケン・リハビリテーションホームでのパルムグレンの主治医。
アンデルス・ヨナソン
サールグレングレンスカ大学病院外傷科長。リスベットの手術をした。
アレクサンデル・ザラチェンコ、スウェーデン名カール・アクセル・ボディーン
リスベット、ニーダーマンの父親で犯罪組織の黒幕。元ソ連のKGBスパイ。
ロナルド・ニーダーマン、金髪の巨人
ザラの息子で、リスベットの兄。

重要節句[編集]

ミレニアム
左翼系の社会派雑誌。後ろ盾となる大手出版社を持たず、創刊当初は異端視されたが、発行部数は毎月2万1000部前後に達する。それでも決して有力誌とは呼べない、限られた資金でやりくりする状況が続いていたが、第1部よりヴァンゲル家が共同経営者に名を連ねるようになり、状況は変化していく。
ミルトン・セキュリティー
スウェーデンでも屈指の優秀かつ顧客の多い警備会社。正社員380人とフリーランサー300人強を抱える。安全相談、対抗措置、身辺警護の主だった3つの事業の他に、身辺調査も行っている。実入りの少ない身辺調査業務に関しては、アルマンスキーは気に入っていなかった。
ミノス社
1992年、ヴェンネルストレムがSIBに、ポーランドに梱包材工場を建設する計画を提示し、6000万クローネの資金を手に入れ建設した会社。1994年に突然倒産する。収支決算は表面上は矛盾はなかったため、ヴェンネルストレムは全く損失を受けなかった。
ミノス事件
「ポーランドの産業振興を目的とした国からの補助金(SIB計画)を、ヴェンネルストレムが武器の密売に流用した」とミカエルが報じた事件。
ヴァンゲル・グループ
製材業、林業、鉱業、製鋼業、金属工業、繊維産業、製造業、輸出業など手広く手がけてきた大企業。家族経営を続けてきたが、ここ25年ほどの株価暴落、金利危機、輸出の低迷などで、ヴァンゲルの名は財界の片隅に追いやられたが、今でもメディアに頻繁に登場する。
ハリエット・ヴァンゲル失踪事件
1966年9月22日、ヴァンゲル家は夕食会のためにヘーデビー島に集っていた。その日、島と本土を結ぶ橋で大きな事故が発生し、橋は約1日間不通状態であった。その日の夕食会にハリエットは姿を現さなかったが、皆さほど心配しなかった。翌朝、緊急事態に気付き、島中を捜索したが、ハリエットもその遺体も見つかることはなかった。

映画[編集]

スウェーデンでの映画化[編集]

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女
Män som hatar kvinnor
監督 ニールス・アルデン・オプレヴ
脚本 ニコライ・アーセル
ラスマス・ヘイスターバング
原作 スティーグ・ラーソン
製作 ソロン・スターモス
音楽 ヤコブ・グロート
撮影 エリック・クレス
イェンス・フィッシェル
編集 アンネ・ストラッド
配給 日本の旗 ギャガ
公開 スウェーデンの旗デンマークの旗 2009年2月27日
日本の旗 2010年1月16日
上映時間 153分
製作国 スウェーデンの旗 スウェーデン
デンマークの旗 デンマーク
ドイツの旗 ドイツ
言語 スウェーデン語
製作費 $13,000,000[12]
興行収入 $104,384,415[12]
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ミレニアム2
火と戯れる女
Flickan som lekte med elden
監督 ダニエル・アルフレッドソン
脚本 ヨナス・フリュクベリ
原作 スティーグ・ラーソン
製作 ソーレン・スタルモス
製作総指揮 ピーター・ネーデルマン
音楽 ヤコブ・グロート
撮影 ペーテル・モクロシンスキー
配給 スウェーデンの旗 Zodiak Entertainment
日本の旗 ギャガ
公開 スウェーデンの旗デンマークの旗 2009年9月18日
日本の旗 2010年9月11日
上映時間 130分
製作国 スウェーデンの旗 スウェーデン
デンマークの旗 デンマーク
ドイツの旗 ドイツ
言語 スウェーデン語
興行収入 $66,995,450[13]
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ミレニアム3
眠れる女と狂卓の騎士
Luftslottet som sprängdes
監督 ダニエル・アルフレッドソン
脚本 ヨナス・フリュクベリ
原作 スティーグ・ラーソン
製作 ソーレン・スタルモス
製作総指揮 ピーター・ネーデルマン
音楽 ヤコブ・グロート
撮影 ペーテル・モクロシンスキー
配給 スウェーデンの旗 Zodiak Entertainment
日本の旗 ギャガ
公開 スウェーデンの旗デンマークの旗 2009年11月27日
日本の旗 2010年9月11日
上映時間 148分
製作国 スウェーデンの旗 スウェーデン
デンマークの旗 デンマーク
ドイツの旗 ドイツ
言語 スウェーデン語
興行収入 $41,073,274[14]
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第一部 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女
2009年2月27日にスウェーデン及び、デンマークで同時公開された。日本では第22回東京国際映画祭で特別招待作品として上映され、2010年1月16日ギャガの配給で一般公開。また、未公開シーンを含む完全版はCSチャンネルAXNミステリーにて3部作全てが放送された。
全世界で1億ドル以上を稼ぐヒット作となり[12]英国アカデミー賞 外国語作品賞を受賞した。
第二部 ミレニアム2 火と戯れる女
第1作目の公開から約半年後となる2009年9月18日に北ヨーロッパで公開された。
ミカエル・ニクヴィストノオミ・ラパスら主要キャストは続投するが、監督にはダニエル・アルフレッドソン、脚本にはヨナス・フリュクベリが新たに起用される。
第2部・第3部はテレビドラマ化のみの予定であったが、第1部の興行的成功により、映画用に編集した上で、テレビドラマに先行して第2部は2009年9月に、第3部は同年11月に劇場公開されることになった。
第三部 ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士
第2作目の公開から約2か月後となる2009年11月27日に北ヨーロッパで公開された。日本では第2作と同日となる2010年9月11日に公開された。
監督、脚本は2作目から引き続いてダニエル・アルフレッドソンとヨナス・フリュクベリ。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
主人公
ミカエル・ブルムクヴィスト ミカエル・ニクヴィスト 牛山茂
リスベット・サランデル ノオミ・ラパス 佐古真弓
その他レギュラー
エリカ・ベルジェ[1 - 3] レナ・エンドレ 佐々木優子
ドラガン・アルマンスキー[1 - 3] ミカリス・コウトソグイアナキス 小島敏彦
ニルス・ビュルマン弁護士[1, 2] ピーター・アンダーソン 五王四郎
マーリン・エリクソン[1 - 3] ソフィア・レダルプ 上村愛香
アニカ・ジャンニーニ[1 - 3] アニカ・ハリン 水野千夏
クリステル・マルム[1 - 3] ヤコブ・エリクソン 山内健嗣
ロナルド・ニーダーマン[2, 3] ミカエル・スプレイツ
ペーテル・テレポリアン[2, 3] アンデシュ・アルボム・ローゼンダール 鈴森勘司
ヤン・ブブランスキー[2, 3] ヨハン・キレン 石住昭彦
リカルド・エクストレム[2, 3] ニクラス・ユールストレム 世古陽丸
ソーニャ・ムーディグ[2, 3] ターニャ・ロレンツォン
ハンス・ファステ[2, 3] マグヌス・クレッペル
イェルケル・ホルムベリ[2, 3] ドナルド・ホグベリ
ソニー・ニエミネン[2, 3] ペーレ・ボランデル
アレクサンデル・ザラチェンコ[2, 3] ゲオルギー・ステイコフ 山野史人
プレイグ[1 ,3] トーマス・ケーラー
ミリアム・ウー[1 ,2] ヤスミン・ガルビ
第一部
ヘンリック・ヴァンゲル スヴェン・バーティル・タウベ 勝部演之
マルティン・ヴァンゲル ペーテル・ハベル
セシリア・ヴァンゲル マリカ・ラーゲルクランツ 瀬尾恵子
ディルク・フルーデ弁護士 イングヴァル・ヒルドヴァル 金子達
グスタフ・モレル警部 ビョルン・グラナート 小島敏彦
ハリエット・ヴァンゲル エヴァ・フレーリング
イザベラ・ヴァンゲル グンネル・リンドブロム 下川江那
ハラルド・ヴァンゲル イェスタ・ブレデフェルト
ビリエル・ヴァンゲル ウィリー・アンダーソン 五王四郎
ゴットフリード・ヴァンゲル チャード・フランク
ハンス=エリック・ヴェンネルストレム ステファン・サウク 池田ヒトシ
ヤンネ・ダールマン
アグネータ・サランデル ニナ・ノーレン
エリンコ・ジャンニーニ ルーベン・サルマンダー 田村真
ジェニー・ジャンニーニ ルーラ・リンド 梨花まゆり
モニカ・ジャンニーニ イザベリア・イサクション
第二部
ホルゲル・パルムグレン ペール・オスカルソン
パオロ・ロベルト パオロ・ロベルト
マッゲ・ルンディン トマス・リンドブラード
ダグ・スヴェンソン ハンス・クリスティアン・トゥーリン 奥田啓人
ミア・ベルイマン イェニー・シルフヴェルヘルム 永吉ユカ
グンナル・ビョルク ラルフ・カールソン
ペール=オーケ・サンドストレム オーラ・ヴァールストレム
ニクラス・エリクソン ダニエル・グスタフソン
第三部
エーヴェルト・グルベリ ハンス・アルフレッドソン
フレドリック・クリントン レンナルト・ユールストレム
トーステン・エドクリント ニコラス・ファルク
モニカ・フィグエローラ ミリヤ・トゥレステット
ハルベリ ヤン・ホルムクィスト
ビリエル・ヴァーデンシェー ヤコブ・ノルデンソン
アンデルス・ヨナソン アクセル・モリッセ
ヨーナス・サンドベリ ダヨハン・ホルムベリ
  • 第一部
その他声の出演
菅原チネ子 上城龍也 外谷勝由 高桑満
大澤洋子 黒澤剛史 滝佳保子

評価・受賞・ノミネート[編集]

キャスティング、特にリスベット役に関しては、賛否両論が巻き起こったが、第1作目公開後にはほぼ全ての映画評がラパスの演技を絶賛したという[15]

第一部 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女
部門 候補者 結果
英国アカデミー賞 主演女優賞 ノオミ・ラパス ノミネート
脚色賞 ニコライ・アーセル
ラスマス・ヘイスターバング
ノミネート
非英語作品賞 受賞
ヨーロッパ映画賞 主演女優賞 ノオミ・ラパス ノミネート
音楽賞 ヤコブ・グロート ノミネート
サテライト賞 主演女優賞 (ドラマ映画) ノオミ・ラパス 受賞
脚色賞 ニコライ・アーセル
ラスマス・ヘイスターバング
ノミネート
外国語映画賞 ノミネート
放送映画批評家協会賞 主演女優賞 ノオミ・ラパス ノミネート
外国語映画賞 ノミネート
サターン賞 主演女優賞 ノオミ・ラパス ノミネート
インターナショナル映画賞 ノミネート
エンパイア賞 スリラー賞 受賞
女優賞 ノオミ・ラパス 受賞
第二部 火と戯れる女
部門 候補者 結果
映画音響編集者組合賞 音響効果賞 (外国語映画) ノミネート


アメリカ合衆国での映画化[編集]

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  1. ^ スウェーデンの人口は約900万人である。
  2. ^ 『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』訳者《ヘレンハルメ美穂》あとがきより
  3. ^ 訳者が複数名いるのは、スウェーデンに移住したヘレンハルメが実際に専門に勉強した語学がフランス語であるからで、フランス語翻訳家である岩澤・山田がフランス語版から翻訳を行い、これをヘレンハルメがスウェーデン語の原書と照らし合わせて修正を加えるという形を取ったためである。
  4. ^ 同協会が北欧5カ国で書かれたミステリの最優秀作品に与える賞
  5. ^ Gabrielsson, Eva. “Biography Eva Gabrielsson”. Newest happenings in E.G.'s life.. Steiglarsson.com. 2011年6月9日閲覧。
  6. ^ McGrath, Charles (2010年5月23日). “The Afterlife of Stieg Larsson”. The New York Times Magazine. http://www.nytimes.com/2010/05/23/magazine/23Larsson-t.html?ref=general&src=me&pagewanted=all 
  7. ^ The Fourth Book”. 2010年4月7日閲覧。
  8. ^ 『ミレニアム2 火と戯れる女』訳者あとがきより
  9. ^ 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』訳者あとがき
  10. ^ ダニエル・クレイグ、リメイク版「ミレニアム」主演決定”. 映画.com (2010年7月27日). 2010年8月6日閲覧。
  11. ^ スウェーデンの児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの作品『名探偵カッレくん』の主人公、カッレ・ブルムクヴィストに因む、カッレはカールの愛称
  12. ^ a b c The Girl with the Dragon Tattoo (2010)” (英語). Box Office Mojo. 2011年6月1日閲覧。
  13. ^ The Girl Who Played with Fire (2010)” (英語). Box Office Mojo. 2011年1月24日閲覧。
  14. ^ The Girl Who Kicked the Hornet's Nest (2010)” (英語). Box Office Mojo. 2011年1月24日閲覧。
  15. ^ 『ミレニアム2 火と戯れる女』訳者あとがき

外部リンク[編集]