チーズ・ショップ (モンティ・パイソン)

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『チーズ・ショップ』
"Cheese Shop Sketch"
モンティ・パイソンのスケッチ
初出空飛ぶモンティ・パイソン
放送話 第3シリーズ第7話
サラダの日々
初回放送日イギリスの旗 1972年11月30日
日本の旗
1976年8月13日
執筆者 クリーズ、チャップマン[1]
再演 "The Monty Python Matching Tie and Handkerchief"
 (en(1973年)
ザ・シークレット・ポリスマンズ英語版』(1979年
復活ライブ!』(2014年)
初出での各メンバーの主な役柄
クリーズ チーズを買いに来た男性
チャップマン ダンスをしている男性
ジョーンズ ダンスをしている男性
ペイリン チーズ屋の店主
その他の出演者 ジョー・モレッティ英語版ブズーキ演奏)
公式動画
Cheese Shop Sketch - Monty Python - YouTube
モンティ・パイソンの作品
空飛ぶモンティ・パイソンのエピソード一覧
テンプレートを表示

チーズ・ショップ』は、モンティ・パイソンがテレビシリーズ『空飛ぶモンティ・パイソン』で放送したスケッチである[2][3]

このスケッチは第3シリーズ第7話『サラダの日々』で放送された。スケッチの脚本は "The Complete Monty Python's Flying Circus: All the Words, Volume 2" に収録されている[4]

スケッチは後に1973年のアルバム "The Monty Python Matching Tie and Handkerchief" (enに収録されたほか、『死んだオウム』スケッチに引き続き、2014年の『モンティ・パイソン 復活ライブ!』でも上演された[5]

スケッチができるまで[編集]

このスケッチのアイデアは、フォークストン港英語版での撮影後に生まれたものである。フォークストン港の撮影でジョン・クリーズ船酔いにかかり、せりふを言おうとする間、始終吐き戻していた。帰途の車中でグレアム・チャップマンはクリーズに何か食べるように勧め、何が欲しいかを尋ねたところ、クリーズはチーズがひとかけ欲しいと答えた。薬局を見かけたクリーズは、薬局でチーズを買えないだろうかと言い始めた。チャップマンは、薬局がチーズを売るなら薬用チーズに違いないから、買うには処方箋が必要だろうと答えた。2人はくすくす笑いながら、このアイデアを元にスケッチの脚本を書くことにした。ところが、いざ書き始めてみると、薬局でチーズを求めるという状況は非現実的だとの結論に至る。チーズ屋以外でチーズを買おうとする理由が何かないかを考えた末、クリーズは「チーズを買おうとチーズ屋に向かうが、そのチーズ屋にはチーズの在庫が全く無い」というスケッチを代わりに書こうと決めた。

その後チャップマンがクリーズと共にスケッチを書き始めたが、当初クリーズはスケッチを面白いと感じなかった。一方のチャップマンはこれは面白いと主張し、他のパイソン・メンバーの前で読み合わせを行うことにした。読み合わせでもギリアムアイドルジョーンズの3人はほとんど反応を示さなかったものの、マイケル・ペイリンだけがこのスケッチを気に入り、ヒステリックに笑い始めて床に転げ落ちた。この様子を他のメンバーは面白がり、スケッチは放送に採用された[6]

あらすじ[編集]

ジョン・クリーズ演じる博識ぶった客(脚本では "マウスベンダー" と書かれている)がチーズ屋を訪れ、もったいぶった言い方で「チーズが欲しい」と店主に伝える。店主(マイケル・ペイリン)が表へ出て来て応対をするが、この店には「世界で最も人気なチーズ」であるチェダーすらも在庫が無い。一度、ウェンズリーデール英語版の時だけ店主が「はい!」と勢いよく答えるが、これは名前が「アーサー・ウェンズリーデール」(: Arthur Wensleydale)だった店主が[注 1]、自分の名前を呼ばれたと勘違いして返事をしただけだった。

店の一角ではジョー・モレッティ英語版[注 2]演じるブズーキ演奏家の演奏に合わせ、2人の男性(チャップマンジョーンズ)が踊っている。客は当初この曲を「音楽の女神テルプシコラーのような調べだ」と賞賛しているが、客の苛立ちに合わせるように少しずつ曲の音量が大きくなっていき、しまいには客は大声を張り上げて演奏を止めさせる。

男性客の挙げるチーズの名前は1つを除いて[注 3]すべて実在のものだが、店に在庫が無いために、どんどんと知る人ぞ知る、あまり美味しくないチーズになっていく。店主は「が食べてしまったんだろう」などとチーズが無いことへの言い訳を続け、遂に客は「こんなのチーズ屋じゃない!」と怒り出す。店主はこの店は清潔さで地域一だと自慢すると、客は「チーズで『汚染』されていないんだから当然だろうな」と苛立ち気味に返す。

最後に客がチーズの在庫が本当にあるのか聞くと、店主は「勿論ですよ」と答える。客はその言葉を信用しようとせず、逆に「もし『いいえ』と答えたらお前さんの頭をぶち抜くぞ」と脅しをかける。店主が正直に、実は在庫が無いことを伝えるために「いいえ」と答えると、客はたちまち店主の頭を拳銃で撃ち抜く。

店主を撃った客は、「人生のなんと無駄なことよ」(英: "What a senseless waste of human life!")と呟き、ステットソン帽英語版[注 4]をかぶって立ち去る。画面は崖の上を馬で駆けるカウボーイの映像になり、テロップには「ごろつきチェダー(1967年)」(英: ROGUE CHEDDAR (1967))と表示され、画面に大きく「FIN」(終)と表示されてスケッチが終わる。

テレビ版では、このスケッチは「サム・ペキンパーの『サラダの日々』英語版」につながる[1]

チーズ一覧[編集]

テレビシリーズで放映されたオリジナル版では、6分足らずのスケッチ中で実に43種類のチーズが登場する。アルバム "The Monty Python Matching Tie and Handkerchief" (en(1973年、表中では "MT&H" と略記)に収録されたオーディオ版やライブなどでは、クリーズ演じる客がギリシャフェタチーズについても言及する。2014年の『復活ライブ!』では、これらのチーズに、スティンキング・ビショップ(: Stinking Bishop)、アルメニアン・ストリング・チーズ(英: Armenian String Cheese)、ジンバブエ・ライノセラス・ミルク・チーズ(英: Zimbabwean Rhinoceros Milk Cheeseサイ乳のチーズ)が加わった。

登場したチーズたち[編集]

以下の表では、オリジナル版での登場順にチーズを並べた。

凡例
  • オリジナル オリジナル版で登場するチーズ
  • その他 オリジナル版では登場せず、アルバム・ライブ版で登場するもの。番号にはアスタリスク(*)を付けた。

また表で空欄の部分は、店主が様々理由を付けて「在庫が無い」と答えた部分である。

No. チーズ 店主・客の反応 バージョン
種類 説明
1 レッド・レスター英語版
Red Leicester
レスターシャー原産。チェダーともよく似ており代用されることもある[8] オリジナル版
2 ティルジット英語版
Tilsit
「ティルジット」はロシア・ソヴィェツクの旧称(〜1945年)。やや固めで、表面に小さな穴が空いている[9] オリジナル版
3 ケアフィリー
Caerphilly
ウェールズケアフィリ原産。クリーム状で白色[10] オリジナル版
4 ベル・パエーゼ英語版
Bel Paese
イタリアロンバルディア州原産の、マイルドなチーズ[注 5] オリジナル版
5 レッド・ウィンザー英語版
Red Windsor
独特の模様はワインによって作られる。本質的にはチェダーに似ている[11] オリジナル版
6 スティルトン
Stilton
イングランド産の濃厚なブルーチーズ[12]。独特の青い線状はアオカビによって作られる。 オリジナル版
7 グリュイエール
Gruyère
スイスグリュイエール英語版地方原産の硬質チーズ。 客は2種類のチーズの在庫を尋ね、店主はまとめて「いいえ」と返す。 オリジナル版
8 エメンタール
Emmental
スイス・ベルン州エメンタール地方原産。スイスチーズと呼ばれることもある[13] オリジナル版
9 ノルウェー産ヤールスバーグ英語版
Norwegian Jarlsberg
ノルウェー原産。堅くまろやかで穴が空いている[14] この辺りから店主の返事はおざなりになり、「いいえ」と返すばかりになる。 オリジナル版
10 リプタウアー
Liptauer
ハンガリー産のチーズで、香料を加えスプレッドを作ることもある[15] オリジナル版
11 ランカシャー英語版
Lancashire
イングランド北西部ランカシャー原産。まろやかで柔らかく白色のチーズ[16] オリジナル版
12 ホワイト・スティルトン
White Stilton
先述のスティルトンの一種で、ブルー・スティルトンの特徴でもある青カビを用いないもの。 オリジナル版
13 ダニッシュ・ブルー
Danish Blue
デンマーク産ブルーチーズ。風味が強く柔らかい[17]。略称「ダナブルー」。 オリジナル版
14 ダブル・グロスター
Double Gloucester
イングランド南西部グロスターシャー原産。淡いオレンジ色で、4ヶ月程度熟成させて出荷される[18] 店主は間を持たせておいてから「いいえ」と答える。 オリジナル版
15 チェシャー英語版
Cheshire
チェシャー原産で、黄白色の堅いチーズ[19] オリジナル版
16 ドーセット・ブルー・ヴィニー英語版
Dorset Blue Vinney
ドーセットはイングランド南西部の州。牛のスキムミルクを用いたブルーチーズ。 オリジナル版
17 ブリー
Brie
フランスブリー地方で作られる白かびチーズの一種。 客は流れるような語り口でチーズの名前を列挙し、店主はまとめて「いいえ」と返す。 オリジナル版
18 ロックフォール
Roquefort
スティルトン・ゴルゴンゾーラと並ぶ、ブルーチーズの代表格。フランス原産で、他2つと異なり羊乳から作られる。 オリジナル版
19 ポン・レヴェック
Pont l'Evêque
フランス・ノルマンディー原産のウォッシュチーズ。産地ポン=レヴェックから名前が取られた[20] オリジナル版
20 ポール・サル英語版
Port Salut
トラピスト・チーズ、ポール・デュ・サルとも呼ばれる黄色い全乳チーズ[21] オリジナル版
21 サヴォワ
Savoyard[22]
フランス・サヴォワで作られるチーズで、「ボーフォール」とも呼ばれる。牛乳を原料としたセミハードチーズ。 オリジナル版
22 サン・ポーラン英語版
Saint-Paulin
牛乳から作られるクリーミーな半硬質チーズで、オレンジ色の外観が特徴[23]トラピスト会の修道士によって作られていたのが始まり。 オリジナル版
23 カレ・ド・レスト英語版
Carré de l'Est
フランス・ロレーヌ地方原産。白カビを用いた軟質タイプのチーズ[24] オリジナル版
24 ブルサン
Boursin
フロマジェリー・ベル社英語版の商標となっているクリームチーズ[25] オリジナル版
25 ブレス・ブルー
Bresse-Bleu
フランス・ブレス地方原産のブルーチーズ・白カビチーズ。 オリジナル版
26 ペルル・ド・シャンパーニュ
Perle de Champagne
"Perle" は真珠の意味のフランス語。シャンパーニュはフランスの地方で、シャンパンの原産地である。 オリジナル版
27 カマンベール
Camembert
フランス・カマンベール地方原産の、白いカビを用いた柔らかいチーズ。 店主は最初在庫があると答えるが、腐りかけだと注意する。客はそれでも構わないと返すが、店主は結局「猫が食べてしまった」と答える。 オリジナル版
28 ゴーダ
Gouda
オランダゴーダ原産の、脱脂乳から作るチーズ[26]。エダムと並んでオランダの代表的なチーズである。 オリジナル版
29 エダム
Edam
ゴーダと同じくオランダ原産。色は薄い黄色で、外側を赤くコーティングしてあることも多い[27] オリジナル版
30 ケイスネス
Caithness
ケイスネスグレート・ブリテン島北東端にある、スコットランドの郡。現在ではハイランドに属している。 オリジナル版
31 スモークドオーストラリアン
Smoked Austrian
オリジナル版
32 セージ・ダービー英語版
Sage Derby
ダービー州原産のダービー・チーズ英語版の一種。セージの香りが特徴で、緑の斑点模様があるセミハードチーズ。 オリジナル版
33 ウェンズリーデール英語版
Wensleydale
「ウェンズレデール」とも[28]ヨークシャーウェンズリーデール英語版原産。まだ若い内は、若いチェシャー、ケアフィリーと同じような味がする[29] 店主が返事をするので客は在庫があるのかと期待したが、自分の名前を呼ばれたと勘違いして返事をしただけだった。 オリジナル版
*1 ギリシャのフェタ
Greek Feta
山羊の乳から作られる、ギリシャの代表的なチーズ。 MT&H (en
34 ゴルゴンゾーラ
Gorgonzola
イタリア原産のブルーチーズの代表格。スティルトン同様牛乳が原料である。 オリジナル版
35 パルメザン
Parmesan
イタリア原産の硬質チーズ。粉チーズとして用いられることも多い。 オリジナル版
36 モッツァレッラ
Mozzarella
イタリア産で比較的くせが無いフレッシュチーズ オリジナル版
37 ピポ・クレム
Pipo Crem'
ブレス・ブルーに似ており、丸太状で青い筋の入ったセミソフトチーズ[30] オリジナル版
38 フィンボ英語版
Fynbo
フュン島の名前から取られた、デンマーク産の半硬質チーズ。 オリジナル版
39 チェコスロヴァキア産ヒツジ乳チーズ英語版
Czechoslovakian sheep's milk cheese
「アバータム・チーズ」Abertam cheese のこと。 オリジナル版
40 ベネズエラビーバーチーズ
Venezuelan Beaver Cheese
オリジナル版
41 チェダー
Cheddar
プロセスチーズにも使われる、最も一般的なチーズの1つ。原産地はサマセット州チェダーである。 客は「世界で1番人気なチーズだろう!」と文句を付ける。 オリジナル版
42 イルチェスター英語版
Ilchester
イルチェスター英語版はチェダーと同じくサマセット州の街。 店主はカウンター下を覗き込むがやはり在庫は無い。 オリジナル版
43 リンバーガー
Limburger
ベルギー原産で、悪臭で有名な白くて柔らかいチーズ[31] ここで客はブズーキの演奏に苛立って声を張り上げる。 オリジナル版
*2 スティンキング・ビショップ英語版
Stinking Bishop
直訳すると「臭い主教」の意味になる。グロスター州ディモック英語版原産で、独特の臭いが特徴。2009年には「英国一臭いチーズ」に認定された[32] 復活ライブ!
-
「何かチーズは無いのか!」
Any cheese at all!
客は「在庫が無いと答えたら頭をぶち抜くぞ」と店主を脅し、在庫が無いことを告げた店主を拳銃で撃ち抜く。 オリジナル版

「ベネズエラ産ビーバーチーズ」(: "Venezuelan Beaver Cheese")は架空のものだが、レシピは出版されたことがあるという[要出典]。このチーズは映画第4作『人生狂騒曲』を元にしたパソコンゲーム "Monty Python's The Meaning of Life" (enシエラエンターテインメントによるPCアドベンチャーゲーム "Leisure Suit Larry: Love for Sail!" (en、ウェブ漫画『トライアングル・アンド・ロバート英語版』にも登場している。

実際のチーズの写真[編集]

エピソード[編集]

映像外部リンク
Monty Python Live (mostly) - Parrot Sketch - YouTube
? 公式アカウントが配信している『復活ライブ!』での上演。タイトルは『死んだオウム』だが、5分52秒あたりから『チーズ・ショップ』スケッチが始まる。
  • 冒頭、クリーズ演じる客が店に入ってくるまでの写真が写される。このシーンで店の看板が写るが、そこには店主の名前が「ヘンリー・ウェンズリーデール」(: Henry Wensleydale)と書かれている。これはテレビ版のみの設定である。
  • ジョン・クリーズ: John Cleese)の名字は、彼の父親が第一次世界大戦期の従軍中に、元々の「チーズ」(: Cheese)から変更したものである[1]
  • 2014年の『モンティ・パイソン 復活ライブ!』では、『死んだオウム』に引き続き演じられ、全体の最後のスケッチになった[注 6]。ペイリン演じるペットショップの店主が、クリーズ演じる客に「チーズはいかがですか?」と尋ねこのスケッチにつながる。スケッチのオチには、『ロッティンディンの警官ナンパ作戦』[注 7]が用いられた。

パスティーシュ・パロディ[編集]

  • パイソンズによる本 "The Brand New Monty Python Bok"〔ママ (enには、本スケッチを元にした2人のプレイヤーによる言葉遊びゲームが収録されている。ゲームでは片方のプレイヤーが異なるチーズの名前を言い続け、他方がその度別の言い訳を考えねばならない。言い訳に失敗すると「客が勝ち、店員の歯を殴りつける」ルールになっていた[注 8]
  • BBC Twoで放送されたシットコム "The Young Ones" (enでは、シリーズ2のエピソード (Time (The Young Ones)でこのスケッチがリメイクされている。アレクセイ・セイル英語版バカ歩きをしながら店に駆け込み[注 9]、店がチーズ屋かどうか尋ねる。パリ風の経営者役のリック・メイヨールは、「違いますよ」と答える。「じゃああのスケッチは時代遅れってわけだろう?」とのオチが付けられている[注 10]
  • BBCの番組『グッドネス・グレイシャス・ミー』では、「アジアの花嫁店」(: "Asian Bride Shop")とのスケッチで、チーズを花嫁の釣書つりがきに置き換えたバージョンが放送された。スケッチの終わりには、別の客が店に現れ、自分の花嫁が死んでいたと文句を付けに来る(『死んだオウム』スケッチへの言及)。
  • 2004年には、アメリカでSCOとIBMの間に起きた訴訟英語版をパロディ化したパスティーシュ作品が作られた[34]。クリーズの役に相当する裁判官は、ペイリンによく似たSCOグループ側の弁護士に、訴訟を起こすだけの論証があるかどうか尋ねる。同じような質問を何度か繰り返した後、結局SCO側は証拠を全く持っていないことが分かる。この脚本は、SCO側の訴訟の質を揶揄したもので、訴訟自体が非常にくだらないものだったと暗喩している。
  • "ウィアード・アル"・ヤンコビックによる曲『アルバカーキ英語版』では、場所をドーナツ店に置き換え、このスケッチがパロディされている。
  • アニメ "Histeria!" (enボストン茶会事件が描かれた際には、英国衛兵たちがこぞって集まる偽のティー・ショップが登場した。衛兵たちが様々な種類の紅茶を注文する度に画面上に滝が流れ、アメリカ人はその紅茶が港から投げ捨てられたことを示唆するように、紅茶が売り切れだと返す。
  • ウェブコミック "The Order of the Stick" (enでは、"It's Not a Gaming Session Until Someone Quotes Monty Python" と題された作品で、このスケッチがパロディされている[35]。ロイは武器販売店にやってくるが、この店には武器の在庫が全く無い。ある武器の名前は "Glaive-Glaive-Glaive-Guisarme-Glaive" となっており、店員は「別のスケッチと混じっているような」と返すが、これは第2シリーズで放送された『スパム』を暗喩している。コマの下部では猫が、死んだオウムと生きたヘビをくわえてくる[注 11]
  • ジョー・グレゴリオ(英: Joe Gregorio)は現在のHTTPのBasic認証に対して、このスケッチのパロディを作って言及した[36]
  • 2010年12月8日に、スペースX社の再利用可能な宇宙船「ドラゴン」の初飛行が行われた際には、このスケッチに敬意を表してLe Brouère cheese (enが1個積み込まれた[37]
  • プログラム言語pythonサードパーティーソフトウェアリポジトリであるPython Package Indexの旧名が本スケッチに因んだPython Cheese Shopであった。[38]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ テレビ版では店主の名前は「ヘンリー」(→#エピソード)。
  2. ^ スコットランド出身のギタリスト
  3. ^ ベネズエラビーバーチーズ (Venezuelan Beaver Cheese) のみ架空のもの[7]
  4. ^ テンガロンハットのような、カウボーイハットの一種。
  5. ^ ロンバルディア州はミラノを含むイタリア北部の州。
  6. ^ 「生で演じられたスケッチ」としては最後に当たるが、この後にアーカイヴ映像、歌などが続いた[5]
  7. ^ 第1シリーズ第13話「しばらくお待ちください」中に登場するスケッチ[33]
  8. ^ 英: "the Customer wins and may punch the Shopkeeper in the teeth"
  9. ^ 『バカ歩き省』は『空飛ぶモンティ・パイソン』第2シリーズで放送されたスケッチ。長身のクリーズによるくねくねとした「バカ歩き」は、クリーズ自身の代表作になった。
  10. ^ 英: "Well, that's that sketch knackered then, innit?" 勿論時代遅れになっていないからこそ通じるジョーク。
  11. ^ "Monty Python" の "python" とは元々ニシキヘビを指す単語。

出典[編集]

  1. ^ a b c 須田 (1999, p. 242)
  2. ^ Launer, John (February 1, 2002). “The professor of cheese” (PDF). QJM 95 (2): 133. doi:10.1093/qjmed/95.2.133. PMID 11861965. http://qjmed.oxfordjournals.org/content/qjmed/95/2/133.full.pdf. オープンアクセス
  3. ^ Simpson, Paul (2003). On the Discourse of Satire: Towards a Stylistic Model of Satirical Humor. Amsterdam: John Benjamins. p. 36. ISBN 90-272-3333-0. https://books.google.co.jp/books?id=NCW_nvfiUQkC&redir_esc=y&hl=ja. "Perhaps the gag par excellence of the Python public service encounter archive is the so-called "cheese shop" sketch." 
  4. ^ Graham, Chapman, et.al (1989). The Complete Monty Python's Flying Circus: All the Words, Volume 2. New York: Pantheon英語版. p. 134. ISBN 0-679-72648-9. OCLC 54794550 
  5. ^ a b 『モンティ・パイソン 復活ライブ!』(Blu-ray Disc)(ブックレット)NHKエンタープライズポニーキャニオン、2015(原著2014年)。PCXE-50526。 
  6. ^ Monty Python reunion NYC: Q&A about who wrote which sketch - YouTube by digitalretro, on October 19, 2009
  7. ^ (Annotated Flying Circus, Luke Dempsey, 2001)
  8. ^ Red Leicester”. British Cheese Board. 2016年8月5日閲覧。
  9. ^ "Tilsit cheese." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  10. ^ "Caerphilly." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  11. ^ ListVerse.com (2009). The Ultimate Book of Top Ten Lists: A Mind-Boggling Collection of Fun, Fascinating and Bizarre Facts on Movies, Music, Sports, Crime, Celebrities, History, Trivia and More. Ulysses Press. p. 161-162. https://books.google.co.jp/books?id=7kaC-1iQPwAC&pg=PA161&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false 2016年8月5日閲覧。 
  12. ^ "Stilton cheese." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  13. ^ "Emment(h)al." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  14. ^ "Jarlsberg." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  15. ^ "Liptauer." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  16. ^ "Lancashire." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  17. ^ "Danish Blue." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  18. ^ Double Gloucester”. British Cheese Board. 2016年8月5日閲覧。
  19. ^ "Cheshire cheese." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  20. ^ "Pont l'Evêque." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
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  22. ^ Dorset Blue Vinney”. Ask.metafilter.com. 2011年5月26日閲覧。
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  24. ^ カレ・ド・レスト”. Le site de référence des fromages de France. 2016年8月5日閲覧。
  25. ^ ブルサン / 商品情報”. ベル ジャポン. 2016年8月5日閲覧。
  26. ^ "Gouda cheese." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  27. ^ "Edam cheese." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  28. ^ "Wensleydale." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  29. ^ Wensleydale”. British Cheese Board. 2016年8月5日閲覧。
  30. ^ ChefsRef Encyclopedia – Cheese French”. 2009年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月4日閲覧。
  31. ^ "Limburger cheese." ジーニアス英和大辞典、小西友七 & 南出康世 (2001)
  32. ^ Anna Pickard (2009年5月28日). “Stinking Bishop officially Britain's smelliest cheese”. ガーディアン. https://www.theguardian.com/lifeandstyle/wordofmouth/2009/may/28/smelliest-cheese-world-stinking-bishop 2016年8月5日閲覧。 
  33. ^ 須田 (1999, pp. 121–122)
  34. ^ A bit of humor for this case...”. 2016年8月4日閲覧。
  35. ^ It's Not a Gaming Session Until Someone Quotes Monty Python”. 2016年8月5日閲覧。
  36. ^ Problems with HTTP Authentication Interop” (2006年1月10日). 2016年8月5日閲覧。
  37. ^ Space Cheese”. 2016年8月5日閲覧。
  38. ^ CheeseShop(python wiki)”. 2019年4月1日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]