モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル
| モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル | |
|---|---|
| Monty Python and the Holy Grail | |
| 監督 | テリー・ギリアム テリー・ジョーンズ |
| 脚本 | グレアム・チャップマン ジョン・クリーズ テリー・ギリアム エリック・アイドル テリー・ジョーンズ マイケル・ペイリン |
| 製作 | マーク・フォーステイター マイケル・ホワイト ジョン・ゴールドストーン |
| 出演者 | グレアム・チャップマン ジョン・クリーズ テリー・ギリアム エリック・アイドル テリー・ジョーンズ マイケル・ペイリン |
| 音楽 | ニール・イネス |
| 撮影 | テリー・ベッドフォード |
| 編集 | ジョン・ハックニー |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 87分(オリジナル) 89分(再公開時) |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | £229,575 |
| 興行収入 | £80,371,739 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(Monty Python and the Holy Grail)は、1974年に公開されたモンティ・パイソンによる低予算で作られたコメディ映画。イギリスのアーサー王伝説をもとにしたパロディ作品である。
目次 |
[編集] 作品概要
制作費がとても少なく(229,575ポンド)、城のセットに本物の城跡(Doune CastleやCastle Stalkerなど)を使用したり、実写の代わりにアニメを用いたり、役者やセットを何度も使い回しているが、完成度は高い。モンティ・パイソンのメンバーの1人であるテリー・ジョーンズが中世の歴史学研究家であるため、アーサー王伝説を扱った映画の中で最も時代考証が正しい映画だと言われている。なお、ジョーンズによれば「アーサー王は10世紀頃の人物と言うことになっているけれど、『アーサー王物語』が成立したのは14世紀頃のため、その時代の服装を採用した」と語っている。
本人たちの予想以上のヒットとなってメンバーは胸をなで下ろした、この作品の直後に公開されたまじめなアーサー王映画で大爆笑が起きた、という逸話もある。
2005年には、エリック・アイドルが本作を元にミュージカル・コメディ劇『スパマロット』を作り、トニー賞を受賞した。
[編集] あらすじ
932年のイングランド、旅を続けるアーサー王と従者パッツィーは忠誠を誓う騎士を集め、円卓の騎士をそろえる。彼らは神の命を受けて聖杯を探すことになるが、フランス人やNiの騎士、殺人ウサギなど、行く手には数々の困難が立ちふさがる。
ようやく聖杯を見つけたと思ったアーサー王だったが、最後は殺人容疑で警察に逮捕されてしまった。
[編集] 制作の背景
[編集] 台本の作成
『モンティ・パイソン・アンド・ナウ』を制作したパイソンズだったが、単なるスケッチの寄せ集めであるその作品には満足していなかった。次に書き始めた台本のテーマは「アーサー王と円卓の騎士」であった。もともと最初の台本では時代設定は中世と現代の2つにまたがっており、アーサー王はロンドンの高級デパートハロッズで聖杯を見つけるというストーリーだったが、オックスフォード大学で共に歴史学を学んでいたジョーンズとペイリンの希望で初めから終わりまですべて中世の話に書き直された。その中には、低予算を逆手にとった秀逸なギャグ、「馬の足音の代わりに2つに割ったココナッツを打ち鳴らし、馬に乗っているかのようなパントマイムをする」ものや、衛兵とのツバメを巡る不毛な議論、王に対して口答えをする民衆のスケッチなどが含まれていた。
『空飛ぶモンティ・パイソン』でカルト的な成功をおさめていたパイソンズであったが、映画会社からの資金の援助はほとんどなく、映画製作の予算はパイソン・ファンであるピンク・フロイドやレッド・ツェッペリンなどの音楽業界の事務所からかき集められた。
[編集] 多難な撮影
監督はパイソンズの中で最も演出、編集に興味を持っていたテリー・ジョーンズとテリー・ギリアムの2人の共同監督に決定した。しかし、コメディーとしての役者の演技に重点をおくジョーンズと、画面のビジュアル的要素に重点をおくギリアムとでは、意見がぶつかり合うこともしばしばであった。演出は2人の交代制であったが、お互いのカメラ位置をいちいち直しあったりするため、現場では口論が絶えなかったという。また、他の役者たちと監督の間の空気も険悪なものであった。
『ホーリー・グレイル』は、5週間という短期間で撮らなければならなかった。2人の監督はスコットランドでロケハンをし、撮影に使う城を決定していた。しかし、収録が始まる直前に、突然環境局から「城を撮影に使用してはいけない」という通達が送られ、急きょ個人所有の城を探すことになる。それで見つけたのがスターリングにあるドゥーン城(建物のシーンのほとんどがここで撮影された)とラストシーンのみ撮影に使用されたストーカー城であった。
撮影初日の峡谷を歩くシーンでは、登山家のはずのグレアム・チャップマンが震えて歩けなくなるという事態が起こった。原因は当時彼が行っていた断酒にあり、その影響でセリフを忘ることも多かった。また、撮影初日にはカメラも故障、映像と音声が合わないインサート・カット専用のカメラで撮影された。予算が少ないため、照明の量が十分ではなく、一部のシーンではたいまつを照明代わりにして撮影している。
パイソンズは何度も試写会をし、その都度修正を入れて観客の手ごたえを見た。パイソンズはプリントをアメリカに持ち込み、映画会社と契約、ニューヨークを中心に大ヒットをとばした。その後イギリス、その他各国でも上映され、大きな利益を出した。
[編集] スタッフ・キャスト
- 監督:テリー・ギリアム、テリー・ジョーンズ
- プロデューサー:ジョン・ゴールドストーン、マーク・フォーステイター、マイケル・ホワイト
- 脚本及び主演:
- グレアム・チャップマン(アーサー王、神、しゃっくりをする衛兵、三頭騎士の中央)
- ジョン・クリーズ(ランスロット卿、疫病の場面の男、黒装束の騎士、魔女の場面の村人、野次を飛ばすフランス兵、魔法使いティム)
- エリック・アイドル(ロビン卿、死体収集人、魔女の場面の村人、沼城の混乱した衛兵、従者コンコード、植え込み職人のロジャー、メイナード牧師)
- テリー・ギリアム(従者パッツィー、シーン24の予言者、緑の騎士、ボールス卿、ウサギに最初に殺される騎士、心臓の弱いアニメ作家)
- テリー・ジョーンズ(ベディヴィア卿、デニスの母、三頭騎士の左、ハーバート王子)
- マイケル・ペイリン(ガラハッド卿、冒頭場面の兵士、デニス、魔女の場面の村人、三頭騎士の右、沼城の王、沼城の騎士、修道士、「ニッ(Ekke Ekke Ekke Ptang Zoo Boing Zow Zing)」の騎士の主、ナレーター)
- その他
- ニール・イネス(ロビン卿の吟遊詩人、村人)
- キャロル・クリーヴランド(ズート、ディンゴ)
- ジョン・ヤング(死んでない死人、歴史学者)
- コニー・ブース(魔女)
[編集] 日本版DVD
2枚組のDVDがユニバーサルより2002年3月21日に発売されている。山田康雄らによる日本語吹き替えも収録されている。さらにその日本語台本を元にした直訳英語字幕が世界共通で収録されている。字幕は、日本語と英語の他にはフランス語とスペイン語、更には進行台本字幕と、「本作が嫌いな人用」と称してウィリアム・シェイクスピアの『ヘンリー四世:第二部』の英語字幕が流れるバージョンがある(全く無関係な作品だが、稀に本編とシンクロする箇所があり、また格調高い字幕とコメディの台詞のギャップが笑いを誘うようになっている)。
かつてレーザーディスクで発売された当時に、既に物故していたチャップマンを除くメンバー全員の映画にまつわるコメンタリー音声が収録されたが、DVD化に際してはこれに加えて「世界共通特典」が大量に盛り込まれた(盛り込みすぎで発売が半年以上遅れたというエピソードまである[要出典])。
特典ページのメニューは、ギリアムがストックから新しいアニメーションを作成して提供している。内容もジョーンズとペイリンが撮影地巡りをしながら当時の思い出話を語ったりする50分ものコーナー、当時のポスターや予告編、メイキングドキュメント等々に加え、ペイリンが劇中のネタを元にした新作スケッチを披露したりという熱の入れぶりである。
2004年には新規特典を追加した再発DVDが発売され、日本版は2008年ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントより発売された。初版DVDにあったオリジナルのモノラル音声が除かれ、日本語吹き替えの一部が欠損している。
なお、このDVDでのナレーションが、広川太一郎の最後の仕事となった。
[編集] 関連項目
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