時代考証
時代考証(じだい こうしょう)とは、映画・テレビの時代劇や時代小説などで描かれる歴史的な過去の言葉遣い・名称や呼称・生活習慣・建築様式・美術様式・政治制度などが、史実として適正なものか否かについてを検証すること。
専門分野に応じて美術考証(びじゅつ こうしょう)・衣装考証(いしょう こうしょう)などともいい、また略して単に考証(こうしょう)ともいう。
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[編集] 時代劇
時代劇においては、1960年代まではお歯黒・引眉を行う場合が多かったが、すでに過去の習慣であり、またお歯黒・引眉が不気味と思われる等、現代人に受け入れられにくいことから、現在ではお歯黒・引眉に該当する役柄でもお歯黒・引眉をすることは一部の役を除きないといって良い。
また、三百年の期間を包括する江戸時代を描いた作品においてはおおむね時代観が一様で、本来ならふんどしであるべき男性の下着が猿股になったり、江戸前期の元禄時代の物語なのに髪型が江戸後期の幕末仕様だったりすることもある。その一方で、女性の日本髪の鬘は以前は全鬘が一般的だったがハイビジョン収録の一般化に伴い生え際が自然に見える部分鬘を使うようになった。
また、日本刀の打刀では斬撃、抜刀、納刀など元来ほとんど音がしないため、それまで無音であったものが、映画『七人の侍』などのころから効果音が必ず入れられるようになった。また代官、目明し、同心、小者などの役職や屋台など、衣装・風俗等については専門の考証家が担当することもあるが、厳密な考証なしに描写されていることもある。
また、登場人物同士の呼び方についても、今日では歴史的人物の実名(諱、今で云う姓名の名)が一般的であるが、江戸時代以前においては実名を呼び掛けに使うのは失礼とされていて、代わりに通称や官名を用いて呼び合うことが普通だった。例えば関ヶ原合戦前後の徳川家康は官職名から「内府殿」などと呼ばれていたと思われるが、これを再現すると視聴者が理解しづらいためドラマの中では「家康殿」などとされていることが多い。
馬についても、明治以前の日本の馬は体高の低い日本在来馬で、近代以降に導入されたサラブレッドなど存在しなかったのだが、日本在来馬はあまりに貴重で時代劇の撮影に使用できず、体格的に見栄えがしないためサラブレッドが使用されている。
[編集] 著名な時代考証家
[編集] 時代劇以外
時代劇以外でも時代考証の必要は当然存在する。たとえば第二次世界大戦の日本軍を舞台にした映画で、主演の二枚目俳優が長髪で登場し批判された例がある(日本軍人は米内光政のような例外を除き丸刈りが普通だった)。
[編集] 関連項目
[編集] 関連書籍
- 『時代考証事典』 稲垣史生 新人物往来社 1979年
- 『時代風俗考証事典』林 美一 河出書房新社 2001年 ISBN 4309223672