絵画
絵画(かいが)は、絵具などの特定の描画材料を用いた描画を、意図的に特定の支持体に対して行うことによって成立したもの。〔絵画は, ある物質の表面に故意に色をつけてつくり上げた「もの」にすぎない〕[1]。ペインティング(英語: Painting)とも呼ばれる。
板や布に描かれた油彩画やテンペラ画、フレスコなどで描かれた壁画を指す。紙に描かれた水彩画などは含めるが、木炭や鉛筆で描かれたもの(デッサン)は含めない。
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定義の問題 [編集]
油彩画の初期には板に描かれた、油彩画の以前にはテンペラ画もあった。また額に掛けて壁に飾るのは新しい様態であって、古くは壁に直接描く技法があった。そういった古いものも絵画として認識するためには、たとえば「支持体の上に、絵具、すなわち顔料とバインダーを練成したもの、を筆などにより塗布して構成されたもの」という定義が考えられる。
この定義を厳密に適用すると、漆喰を直接染色するフレスコは絵画に含まれない。しかしフレスコ画も広い意味では絵画と認識されていた。絵付けされた壺や絵皿はこの定義に含まれそうであるが、絵画とは認識されていない。浮き彫り、タピストリーなど染織、ステンドグラスなども絵画ではない。モザイクを絵画に含めない場合もある。版画、写真も絵画には含まれていない。
東洋美術や日本の美術など、ヨーロッパ以外の美術にヨーロッパ由来の絵画という概念の適用には困難が伴う。たとえば東洋美術には書画という語があるが、書は絵画ではない。象嵌、螺鈿などが工芸に分類され、浮世絵が版画に分類されるのはともかく、絵巻物や図屏風、障壁画がはたして絵画に相当するのかどうかは議論のあるところである。また、西洋においても古代ギリシアの壷絵は、これも絵画に近いものである。
現代において絵画の概念の設定にも困難がつきまとう。理由のひとつは新しい素材や技法の登場による。 パステルや色鉛筆で描いても良さそうであるが、これは「ドローイング」(drawing)として絵画とは区別されるのが一般的だ。切り絵や貼り絵、コラージュはどうなのか。パブロ・ピカソの1912年の作品『籘張りの椅子のある静物』[1]には籘張り糢様の布が画布に直接貼り付けられている。興味深い例として、イタリアのルーチョ・フォンタナの『空間概念』( 1950年代)がある。これは画布に切り目が入った作品である。[2] 1960年代後半のイタリアのアルテ・ポーヴェラ、同じころの日本の「もの派」の作家たちも、さまざまな素材を作品に用いている。
組成 [編集]
技法的観点、素材的観点は伝統的には組成などと通称された経緯がある。網羅的ではないが体系的範疇が蓋然的にであれ存在し、大学などの教育機関にあっても一定の認識が存在する。
素材 [編集]
技法 [編集]
- 油彩
- 水彩
- ガッシュ
- ボディーカラー
- テンペラ
- ディステンパー
- 合成樹脂塗料
- フレスコ
- パステル
- 版画
- ドローイング
- チョークアート
- ペン画
- グレイズ(絵画技法)(英: Glaze (painting technique))
類型 [編集]
類語 [編集]
図画 [編集]
図画(ずが)は、小学校の教科に図画工作[3]があり、「絵画」と同様の意味で使われることもあるが、絵画のほかに素描(デッサン、ドローイング)、イラスト、版画などを含んでいる。法律文書では「文書図画」のように文書と組み合わせて使われる。なお、絵画に関する学問は画学と称される。
平面作品 [編集]
彫刻に対比される絵画ではなく、「立体作品」に対比される「平面作品」という語が登場した。しかし、絵画、版画、イラストレーション、印刷物、映画、写真、2DCG等が「平面作品」であるかどうか判然とせず、曖昧である。加えて、絵画が立体であるという事実を蹂躙しているという批判もある。
ギャラリー [編集]
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シギリヤ
500年頃 -
『遊春図』
展子虔 (zh)
600年頃 -
『哀悼』
ジョット
1305頃
フレスコ
スクロヴェーニ礼拝堂、パドヴァ -
『受胎告知』
ロベルト・カンピン
1425-1430頃
板、油彩
64.1 × 63,.2 cm
メトロポリタン美術館 -
『アルノルフィーニ夫妻』
ヤン・ファン・エイク
1434
板、油彩
81.8 × 59.7 cm
ナショナル ギャラリー(ロンドン) -
『ピエタ』
ジョヴァンニ・ベリーニ
1460
板、テンペラ
86 × 107 cm
ブレラ絵画館 -
『春 (プリマヴェーラ)』
サンドロ・ボッティチェッリ
1477 - 1478頃
板、テンペラ
203 x 314 cm
ウフィツィ美術館 -
『レオナルド・ロレダン 』
ジョヴァンニ・ベリーニ
1501頃
板、油彩
61.5 × 45 cm
ナショナル ギャラリー(ロンドン) -
『最後の審判』
ミケランジェロ・ブオナローティ
1535-1541
システィーナ礼拝堂 -
『マルメロ、キャベツ、メロン、胡瓜の実』
フアン・サンチェス・コターン
1602
画布、油彩
65,5 × 81 cm
サンディエゴ美術館 -
『ブラックベリーパイの朝食』
ウィレム・クラース・ヘダ
1631
板、油彩
54 x 82 cm
ドレスデン美術館 -
『テュルプ博士の解剖学講義』
レンブラント
1632
画布、油彩
216.5 cm × 169.5 cm
マウリッツハイス美術館 -
『海辺の僧侶』
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
1808-1810
画布、油彩
110 × 171.5cm
ベルリン美術館 -
『ヴェネツィアの大運河』
ターナー
1850
画布、油彩
91 x 122 cm
メトロポリタン美術館 -
『黒と金のノクターン-落下する花火』
ジェームズ・ホイッスラー
1875
画布、油彩
60.3 × 46.6cm
デトロイト美術館 -
『グランド・ジャット島の日曜日の午後』
ジョルジュ・スーラ
1884-86
画布、油彩
205.7×305.8cm
シカゴ美術研究所
脚注 [編集]
- ^ 『カラー版 絵画表現のしくみ―技法と画材の小百科』森田 恒之監修 森田 恒之ほか執筆 美術出版社 2000.3 ISBN 4568300533
- ^ http://www.fondazioneluciofontana.it/
- ^ 中学校以上では美術
参考文献 [編集]
- 『見る脳・描く脳―絵画のニューロサイエンス』岩田誠 東京大学出版会 1997 ISBN 4130633147
- 『脳は美をいかに感じるか ピカソやモネが見た世界』セミール ゼキ (Semir Zeki), 河内十郎 訳 日本経済新聞社 2002 ISBN 4532149606
関連項目 [編集]
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