スイスチーズ

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スイスチーズのブロック

スイスチーズ: Swiss cheese)は、エメンタールチーズに似たチーズのいくつかのバリエーションを指す、北米で使われる一般名称である。ある種のスイスチーズは独特の外観を持ち、すなわちブロックに「眼」(eyes)と呼ばれる穴が開いている。スイスチーズにはピリッとした辛味があるが、さほど強い風味ではない。眼が開いていないスイスチーズは「盲」(blind)と呼ばれる[1]

エメンタールチーズの生産には次の3種類のバクテリアが使われる[2]

  • ストレプトコッカス・サーモフィルス (en)
  • 乳酸菌(ラクトバシラス・ヘルベティカス (en) あるいはラクトバシラス・デルブレッキイ亜種ブルガリカス (en))
  • プロピオニバクテリウム (en)(プロピオニバクテリウム・フリューデンレイッヒイ (en))

チーズの生産段階の終盤で、プロピオニバクテリアは他のバクテリアから分泌された乳酸を消費し、酢酸塩プロピオン酸二酸化炭素を放出する。二酸化炭素は徐々に気泡を形成し、これが「眼」へと成長する[3]。酢酸塩とプロピオン酸は、スイスチーズに木の実のような甘い香りを与える[4]

一般に、スイスチーズは眼が大きいほど香りも高くなる。なぜなら、発酵期間が長いほどバクテリアもそれだけ活動するからだ[5]。しかしこれによって問題も生じる。すなわち大きな眼を持ったチーズはスライスが難しく、スライサーを使うとバラバラになってしまう。結果的に、Grade A stamp を取得するため、工場の品質管理者はスイスチーズの眼の大きさを抑えてきている[6]

Baby Swiss と Lacy Swiss Cheese の2つは、アメリカのスイスチーズの亜種である。いずれも小さな穴とまろやかな風味がある。Baby Swiss は全乳から、Lacy Swiss は低脂肪乳から作られる[7]

アメリカ合衆国で最大のスイスチーズ工場はオハイオ州ブルースター (en) にある Brewster Dairy である[8][9]

脚注[編集]

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  1. ^ Cheese Glossary - Page 10: Cheese Terms Beginning With S” (英語). THE NIBBLE Specialty Food Magazine. 2010年9月16日閲覧。 - ページ末尾の注釈を参照のこと。
  2. ^ Swiss Cheese Niche” (英語). MicrobeWiki. 2010年9月16日閲覧。
  3. ^ A bacterium used in the production of Emmental” (英語). Site du Genoscope (2008年1月16日). 2010年9月16日閲覧。 - “Activities in cheese”の説を参照。
  4. ^ David B. Fankhauser (2004年1月1日). “Making Swiss Cheese” (英語). University of Cincinnati Clermont College. 2010年9月16日閲覧。
  5. ^ Swiss Cheese Niche” (英語). MicrobeWiki. 2010年9月16日閲覧。
  6. ^ Swiss Cheese” (英語). Professor's House. 2010年9月16日閲覧。 - 第8段落を参照のこと。
  7. ^ Swiss Cheese” (英語). RecipeTips.com. 2010年9月16日閲覧。
  8. ^ Brewster Dairy” (英語). Brewster Dairy. 2010年9月16日閲覧。
  9. ^ Kate Sander (2001年10月5日). “'Make it Swiss' to be Brewster's rallying cry in the marketplace” (英語). Retail Watch Archive. 2010年9月16日閲覧。

外部リンク[編集]

  • Swiss Cheese Niche” (英語). MicrobeWiki. 2010年9月16日閲覧。 - スイスチーズの生産に関わるバクテリアについて、科学的によくまとめられている。
  • David B. Fankhauser (2004年1月1日). “Making Swiss Cheese” (英語). University of Cincinnati Clermont College. 2010年9月16日閲覧。