シャルル・ペギー

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シャルル・ペギー

シャルル・ペギー(Charles Péguy、1873年1月7日 - 1914年9月5日)はフランスの詩人・思想家。

初期[編集]

指物師の子としてオルレアンに生まれる。小学校教員養成学校長のノーディに成績の優秀さを認められ、市の奨学金を受け高等中学校へと進学する。1891年からパリ近郊のリセ・ラカナル(Lycée Lakanal)で国家給費生として1年間学び、エコール・ノルマルを受験して失敗する。1892年にはオルレアンに戻り兵役に就く。1893年にパリの名門コレージュ・サント=バルブ(Collège Sainte-Barbe)で勉強して、1894年にエコール・ノルマルに合格し哲学者のベルクソンに師事する。1895年秋から1年間休学してオルレアンに戻り、社会主義研究のグループを作り、ジョレスによって創設されたばかりのフランス社会党に入党。1897年10月、社会主義の理想を共有していた亡き友人マルセル・ボードワンの妹と結婚する。

ドレフュス事件との出会い[編集]

ドレフュス事件に対するエミール・ゾラの「私は弾劾する」という一文に衝撃を受けたペギーは、さっそくゾラやジャン・ジョレスと接触をはじめる。1898年1月16日『ル・ラペル』紙に掲載された「エステラジー事件のミステリーに抗して」という抗議文の署名者の一人となる。同月21日には『オーロール』紙上に、ペギーのゾラにあてた公開状が出て以後、再審派に与して活動するが、ペギーのこの事件に対する立場は「ドレフュスが無罪か有罪かが問題ではない」「共和制の神秘を擁護する」という特異なものであり、ジョルジュ・クレマンソーと一線を画し初めは盟友であったジョレスとも訣別した。「ドレフュス事件は神秘に始まり政治に終わった」という失望とともに、ペギーは既存の社会主義から離れ、カトリックへと傾いた。

「半月手帖」と晩年[編集]

1900年に出版事業を始め、まず社会主義の本を出版し、ついで雑誌「半月手帖 Les Cahiers de la Quinzaine」を創刊した。執筆・原稿集め・植字・校正・会計・発送まですべて自分でやるという重労働であった。予約購読ではあるがそれぞれの判断による金額を徴収するという方法であり、1200人程度の購読者中、3分の2が無料購読であったため、生活は苦しかった。雑誌の内容は資料・報告・通信・時事問題の他に、文学作品に1冊を使うこともあった。ロマン・ロランアンドレ・シュアレスアナトール・フランスなど多くの作家が作品を寄せた。

1914年8月2日に動員令が下り、ペギーは「世界中の人々に武器を棄てさせるため、最後の戦争のために、共和国の一兵士として」戦線に赴いた。9月5日セーヌ=エ=マルヌ県ヴィルロワでドイツ軍との交戦中に戦死。

作品[編集]

  • Jeanne d' Arc (1897)
  • Notre Patrie (1905)
  • Situations (1907–1908)
  • Notre Jeunesse - Defense of Alfred Dreyfus (1909)(『われらの青春:ドレフュス事件を生きたひとびと』磯見辰典訳, 中央出版社, 1976年, 『もう一つのドレフュス事件:社会主義への洞察』大野一道訳, 新評論, 1981年)
  • Clio, dialogue de l'histoire et de l'âme païenne (1909–1912)(『歴史との対話 : クリオ』山崎庸一郎訳, 中央出版社, 1977年)
  • Le Mystère de la charité de Jeanne d'Arc (1910)(「ジャンヌ・ダルクの愛の神秘」島朝夫訳(『ルナール, ペギー, クローデル(キリスト教文学の世界 3)』主婦の友社, 1978年, 所収), 『ジャンヌ・ダルクの愛の秘義』岳野慶作訳, 中央出版社, 1984年)
  • Victor-Marie, comte Hugo (1911)
  • L'Argent (1912)
  • Le Porche du mystère de la deuxième vertu (1912)(『希望の讃歌:『第二徳の秘義の大門』』猿渡重達訳, 中央出版社, 1978年)
  • Le Mystère des saints Innocents (1912)
  • La Tapisserie de sainte Geneviève et de Jeanne d'Arc (1913)
  • La Tapisserie de Notre-Dame (1913)
  • Ève (1913)
  • Note sur M. Bergson (1914)
  • Cahiers