スバル・エクシーガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エクシーガから転送)
移動: 案内, 検索

エクシーガ (EXIGA) は、スバルブランドを展開する富士重工業が製造・販売する乗用車である。生産はレガシィインプレッサ同様、同社矢島工場(所在地:群馬県太田市庄屋町)が担当。

目次

[編集] 概要

スバルでは7人乗りの車種として、かつてドミンゴトラヴィックを販売していたが、ドミンゴについてはサンバーの排気量拡大版、トラヴィックについては初代オペル・ザフィーラOEMであった。

そこで、東京モーターショーなどでコンセプトカーという形で何度か提案をし、その流れを汲み、水平対向エンジンAWDなどスバルの特徴を強く表した自社開発の多人数乗り乗用車として開発されたのがエクシーガである。

ステーションワゴンとミニバンをクロスオーバーさせたパッケージである。3代目インプレッサ、2代目フォレスターと同様に「SIシャシー」を採用し[1]プラットフォームをはじめとした部品の約50%をレガシィと共有している[2]。 スバルはこのエクシーガで、2004年11月にトラヴィックが販売中止になって以来約3年半ぶりに多人数乗りの乗用車を取り扱うことになる(富士重工が自社で製造する日本国内向け車種としては1998年10月生産終了のドミンゴ以来3列シート車として約10年ぶり)が、広告等ではエクシーガを「ミニバン」ではなく、「多人数乗り車」と表現している[3]

発売当初は燃料高騰やリーマンショックなどが重なり[4]の売れ行きは伸び悩んでいたが、エコカー減税の開始、スバルお得意の年次改良によって年を追うごとに完成度が高くなり、売れ行きが回復している。当初日本国内でのみ販売されていたが[2]2009年11月オーストラリアにてリバティ(日本名レガシィ)の派生モデルという位置付けで、「リバティ・エクシーガ(Liberty Exiga)」として投入された[5]。またインドネシアなど一部のアジア諸国でも発売されている。

[編集] 歴史

[編集] 発売まで

エクシーガコンセプト エクシーガコンセプト
エクシーガコンセプト
1990年
シカゴオートショーに車名は異なるが、約1.311mmという極端なまでに低い全高ながら8人乗りを実現した「SRD-1」を出展。[1]
1995年
第31回東京モーターショーに「α-エクシーガ」を出展[6]
1997年
第32回東京モーターショーに「エクシーガ」を出展[6]
1998年
ドミンゴ生産終了。以降、エクシーガ発売まで自社製3列シート車不在となる。
2001年
第32回東京モーターショーに車名は異なるが、似たコンセプトの「WX-01」を出展[2]
2007年
東京モーターショー2007に「エクシーガコンセプト」を出展。G4eもそのプラットフォームで出展された。
2008年5月19日
日本でティザーサイトが公開される。6月4日、CM SUBARU EXIGA 「EXIGAティザー」篇 公開。


[編集] 初代(YA系 2008年-)

スバル・エクシーガ
YA系
フロント(前期型)
Subaru-Exiga.jpg
リア(前期型)
Subaru Exiga rear.jpg
車内(前期型)
Subaru-Exigainterior.jpg
販売期間 2008年 -
乗車定員 7人
エンジン EJ20型 2.0L 水平対向4気筒 DOHC
EJ20型 2.0L 水平対向4気筒 DOHC インタークーラーターボ
EJ25型 2.5L 水平対向4気筒 SOHC
最高出力 EJ20
110kw(150PS)/6,000rpm
EJ20ターボ
165kw(225PS)/5,600rpm
EJ25
125kw(170PS)/5,600rpm
最大トルク EJ20
191N・m(19.5kg・m)/3,200rpm
EJ20ターボ
326N・m(33.2kg・m)/4,400rpm
EJ25
229N・m(23.4kg・m)/4,000rpm
変速機 E-4AT
CVT(リニアトロニック)
E-5AT(ターボ車のみ)
駆動方式 FF/4WD(フルタイムAWD)
サスペンション 前:ストラット
後:ダブルウィッシュボーン
全長 4,740mm
全幅 1,775mm
全高 1,660mm
ホイールベース 2,750mm
車両重量 1,480 - 1,590kg
-自動車のスペック表-
2008年6月17日
日本での販売を開始。月間目標販売台数は2300台と発表されている。
「7シーターパノラマツーリング」をコンセプトに、レガシィやインプレッサ、フォレスターなどで培ったワゴン作りのノウハウを注ぎ込み、乗員の全てがしっかり乗れる居住性を確保しつつ、走りの性能も引き上げた。
インプレッサやフォレスター同様、リヤサスペンションダブルウィッシュボーンを組み込み、高い操縦安定性、優れた静粛性としなやかで上質な乗り心地を実現したSIシャシー(SUBARU Intelligent-Chassis)コンセプトを採用。
インテリアはグレードによりブラックとアイボリーに分かれ、フロントシートからサードシートまでの着座位置を徐々に高くすることで全席での見晴らしを良くした「シアターシートレイアウト」を採用。また、セカンドシートの頭上までを覆う開口部を確保することですべての席で開放感を味わえるようにしたパノラミック・ガラスルーフも設定した。
エンジンは、2.0LDOHC16バルブAVCS機構付NAエンジン(148ps/19.5kg-m)と同インタークーラーターボエンジン(エクシーガ専用チューン225ps/33.2kg-m)の2種類の水平対向エンジンを揃え、NAにはフロアシフトの4速ATを、ターボにはフロアシフトの5速ATを組み合わせており、スバル車としては珍しくMTの設定がない。燃費はNAが14.0km/L(FF車)、ターボは12.0km/L。なお、国産3列シート車のガソリンターボ車は、日本車では三菱自動車ディオン・GDIターボが2006年3月に生産終了以来、約2年振りとなる。
駆動方式はNAでは2WD(車両型式:DBA-YA4)とAWD(同:DBA-YA5)が選べるが、ターボはAWD車のみの設定となっている(同:CBA-YA5)。なお、スバルの2000ccエンジン搭載車としては約10年ぶりにFF駆動を採用するが、スバル関係者によるとファミリーカーとして開発された以上、それまでスバル車に興味のない人にも購入のハードルを下げる狙いがある[7]。事実、最廉価グレードのFF車の車両本体価格は200万円を切っており、ライバル車よりも安価な価格設定となっている。
廉価版である2.0iを除いた全てのグレードでアルミホイール(2.0i-Lは16インチ、2.0i-Sと2.0GTは17インチ)、スポーツルミネセントメーター、プライバシーガラス、フォグランプ、左右独立温度調整機能つきのエアコンなどが装備され、オプションでキーレスアクセス&プッシュスタートやパノラミック・ガラスルーフが選べるほか、クルーズコントロール&運転席パワーシート(2.0i以外の全車にセカンドシートアームレストとともに「クルーズパック」として設定される)、HDDナビゲーションシステムなども選べるようになっている。
また、スポーツグレードの2.0i-Sと2.0GTはターンランプつきドアミラーエアロパーツ類が加わり、インテリアカラーもブラックとなるが、オプションでブラックレザーシートも選択可能。また、2.0i-Lにおいてもアイボリーのほかブラックが選択可能となっている。さらに2.0GTにはVTD-AWDHIDSI-DRIVEも装備される。
2009年9月2日
マイナーチェンジ。また、「2.0i」を除くNA車にトランスミッションを5代目レガシィに採用されているチェーン式バリエーター(主変速機構)採用のCVTリニアトロニック(6速マニュアルモード付)」を搭載し、走行性能と環境性能を大幅に向上させた。これによりエコカー減税適合車となった。また、横滑り防止機構「VDC」の拡大設定や先進運転システム「EyeSight」を搭載したグレード「2.0GT EyeSight」を設定した。ボディカラーの変更を受け「オプシディアンブラックパール」が「クリスタルブラック・シリカ」に差し替えられ、「グラファイトグレー・メタリック」を追加して、「リーガルブルーパール」と「サンライトゴールドメタリック」を廃止。一部グレードに本革巻ステアリングホイールを採用。同日に廉価グレードの「2.0i」をベースにHIDヘッドランプ、ルーフスポイラーを追加しスポーティで且つ機能性を充実させた特別仕様車「2.0i S-style」を発売。
2.0GT tuned by STi 2.0GT tuned by STi
2.0GT tuned by STi
2009年10月20日
「2.0GT」をベースに、専用サスペンションの採用など、シャシー・ボディのチューニングを行い、路面追従性を高めたほか、エクステリアやインテリアまでSTI独自の仕様を装備した特別仕様のカスタマイズモデル「2.0GT tuned by STI」を発表(11月4日販売開始、300台限定)。なお、このモデルは第41回の東京モーターショーへ出品された。
2009年11月2日
オーストラリアで「リバティ・エクシーガ」として販売を開始[5][8]。グレード構成は「2.5i」と「2.5i Premium」の2種類のみ。パワーユニットは2.5L SOHC i-AVLS付NAエンジンにリニアトロニックを組み合わせたシンメトリカルAWDの一種のみである。最高出力は123kW・最大トルクは229Nmとなっている[9]
座席配置は3列6人乗りで、2列目シートは日本仕様と異なる独立型のキャプテンタイプになっている。
2009年12月24日
EJ25型エンジンを搭載した新グレード「2.5i-S」、「2.5i-S アルカンターラセレクション」を追加(いずれも車両型式はDBA-YA9)。チェーン式バリエーター採用のCVT「リニアトロニック」との組み合わせにより、走行性能と燃費性能を両立。また、スポーティーなフロントグリルと光輝塗装の専用17インチアルミホイールを装備。パドルシフトやアルミパッド付スポーツペダルも採用されている。「2.5i-S アルカンターラセレクション」はアルカンターラとレザーを組み合わせた専用シートやMOMO製本皮巻ステアリングホイールを追加装備している。
2010年5月18日
2.0Lターボ車を一部改良。エンジン制御・トランスミッション制御の改良を行い、燃費と排出ガス浄化性能を向上。これにより、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」と「平成22年度燃費基準+15%」を同時に達成し、新たにエコカー減税に適合した。
2010年8月4日
一部改良。NA車で唯一4ATで残っていた「2.0i」のトランスミッションを「リニアトロニック」に変更すると共に、VDC(横滑り防止装置)、マフラーカッター(ツイン)、ルーフスポイラー、フロントフォグランプ、UV&IRカットフロントグラス+UVカット機能付濃色ガラス、フロントシートアームレスト(無段階調整式)を追加装備。これにより、エクシーガ全車が環境対応車普及促進税制に適合した。ボディカラーでは、デビュー当初のイメージカラーであった「サファイアブルーパール」が廃止され、引き換えに「2.5i-S」専用のボディカラーであった「ギャラクシィブルー・シリカ」を「2.0i」を除くグレードに設定した。12セグ/ワンセグ地デジチューナー内蔵・SUBARU G-BOOK mX対応のオーディオ一体型HDDナビゲーションシステムをオプション設定。また、キーレス&プッシュスタートを装備する一部グレードにはドアハンドル内側にタッチセンサーを追加。これにより、乗車時にドアハンドルを握るだけで解錠が可能になった。
2010年12月21日
特別仕様車「2.0i-S LIMITED」・「2.0GT LIMITED」を発売。前者は「2.0i-S」をベースに、パドルシフト、アルミパッド付スポーツペダル、スポーティフロントグリル、ガンメタリック塗装17インチアルミホイール等を装備し、よりスポーティーな質感にしながらも価格を抑えた仕様。後者は「2.0GT」をベースに、シルバーステッチ付のアルカンターラ/本革の専用シートやハイラスター塗装の17インチアルミホイール、220km/hまでのスピードメーターとウェルカム&グッバイ照明を備える専用仕様のスポーツルミネセントメーター等を装備し、上質感を高めた仕様である。
2011年6月28日
マイナーチェンジ。フロントフェイスやインテリアを変更し、よりスポーティ感のあるデザインに。「2.0i」を除く全グレードにオートライト機能を追加装備し、パドルシフトも「2.0i」を除く2.0L車にも拡大適用された。ボディカラーはアイスシルバー・メタリックとスカイブルー・メタリックを新設。グレード体系も整理され、ベーシックグレードの「2.0i」、スポーティーグレードの「2.0i-S」、2.5L車の「2.5i-S」、ターボ車「2.0GT」、EyeSight[10]搭載ターボ車「2.0GT EyeSight」の基本グレード5グレードと「アルカンターラセレクション」2グレード(「2.5i-S」・「2.0GT」に設定)に整理された。
2011年12月20日
特別仕様車「2.0i-S Advantage Line」・「2.5i-S Advantage Line」を発表(2012年1月24日販売開始)。「2.0i-S」・「2.5i-S」をベースに、ダーク調メッキのフロントグリルとリアガーニッシュ、専用ダーク塗装の17インチアルミホイール、リニアトロニックセレクトレバーにブラック色を採用するとともにクルーズパックII(運転席・助手席8ウェイパワーシート、クルーズコントロール、ボックス付セカンドシートアームレスト(カップホルダー付))とキーレスアクセス&プッシュスタートを装備。また、レッドステッチ付の専用シートはグレードにより異なり、「2.0i-S Advantage Line」には合成皮革/ファブリックシートを、「2.5i-S Advantage Line」にはアルカンターラ/レザーシートをそれぞれ採用、「2.0i-S Advantage Line」にはさらに、HIDヘッドランプ、クリアビューパック(フロントワイパーデアイサー、ヒーテッドドアミラー、撥水加工フロントドアガラス)、アルミパッド付スポーツペダルも装備し、充実仕様とした。

[編集] 車名の由来

車名の「エクシーガ(EXIGA)」は、exciting(心躍る)、active(活動的な)の意味を込めた造語である[11]

[編集] 脚注

  1. ^ 【スバル エクシーガ 発表】しなやかな走りのSIシャシー - レスポンス(2008年7月4日)
  2. ^ a b 【スバル エクシーガ 発表】レガシィとの部品共通化は約5割 - レスポンス(2008年6月17日)
  3. ^ 7シーター パノラマ ツーリング 新型車スバルE X I G Aを発売 - 富士重工業プレスリリース(2008年6月17日)
  4. ^ スバルにとっては、バブル崩壊に巻き込まれ同社としては4年という異例の短命に終わった2代目ドミンゴを暗示させる嫌なものであった。
  5. ^ a b Liberty Exiga offers six of the best - Breaking News - Subaru Australia(2009年11月2日)
  6. ^ a b 「多人数乗り車」という言葉に込められたスバルの個性 - 日経トレンディネット(2008年06月26日)
  7. ^ 【スバル エクシーガ 発表】FF車を設定したワケ - レスポンス(2008年7月5日)
  8. ^ HP上ではあくまでレガシィ(豪州名:リバティ)の一部としてラインナップされている。
  9. ^ 先に発売されたリバティ(5代目レガシィのオーストラリア仕様車)2.5iと同スペック
  10. ^ レガシィシリーズに搭載されている「EyeSight (Ver 2)」とは性能が異なる
  11. ^ エクシーガに関するQ&A『エクシーガのネーミングの由来を教えてください。』 - SUBARU公式サイト

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語