「ストライクウィッチーズ」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
もともと[[島田フミカネ]]が[[月刊コンプエース|コンプエース]]創刊号から連載していた大戦中の空軍・陸軍兵器を[[擬人化]]した[[メカ少女]]のイラストコラム系企画で2006年に出た小説版の後書きによると最初からメディアミックス企画として立ち上げられていた。しかし、[[OVA]]が出たのは2007年で、同年には島田がキャラクター原案として携わった『[[スカイガールズ]]』が先にTVアニメ化されている。『スカイガールズ』との違いを比べると、ストライカーユニットと呼ばれる脚に装備する機械で飛行するという、島田が過去から主体としてきたデザインとなっているのが特色である。そのためか、クレジット原作と表記されている。また、こ世界では[[魔法]]が使われている。戦闘服(と思える物)は、軍服及び普段着の上着であり、これも島田が主体とするデザインがよく表れている。これらを含めた設定については、『スカイガールズ』のコンセプトとは対称的である。
元々は、[[島田フミカネ]]が[[月刊コンプエース|コンプエース]]創刊号から連載していた大戦中の空軍・陸軍兵器を[[擬人化]]した[[メカ少女]]のイラストコラム系企画である。2006年に出た小説版の後書きによると最初から[[メディアミックス]]企画として立ち上げられていたものである。


しかし、[[OVA]]が出たのは2007年であり、同年には島田が[[キャラクター]]原案として携わった『[[スカイガールズ]]』が先にTVアニメ化された。『スカイガールズ』と比較して、「ストライカーユニットと呼ばれる脚に装備する機械で飛行する」という島田の独特なデザインになっているのが特色である。そのためか、クレジットも原作と表記されている。また、作品の舞台となる世界では[[魔法]]が使用されている。[[戦闘服]]は[[軍服]]及び普段着の上着であり、島田のデザインの特徴が表れている。これらを含めた設定については、『スカイガールズ』の[[コンセプト]]と対称的である。
OVA版制作発表後制作元の[[ゴンゾ|GONZO]]の親企業である[[GDH (企業)|GDH]]が経営不振によりアニメ制作に関する方針転換を行ったため、その販売時期と形態について二転三転し、発売を待つファンを翻弄することとなった。紆余曲折の末に2007年1月1日にフィギュア・イラスト集とのセット販売の形をとり、「ストライクウィッチーズ 2×2+3Dボックス 〜機械化乙女秘めごとパック〜」<!-- 波ダッシュは基本的に全角チルダ「~」(Unicode: U+FF5E)ではなく「〜」(Unicode: U+301C)の方を使います。キーボードから入力するのではなく、投稿ボタンの下にある入力画面で入力してください。詳しくは「Wikipedia:表記ガイド#波ダッシュ」をご参考ください。 -->の名称で[[コミックとらのあな|とらのあな]]で限定発売された。


OVA版制作発表後制作元の[[ゴンゾ|GONZO]]の[[会社]]である[[GDH (企業)|GDH]]が経営不振によりアニメ制作方針転換を行ったため、販売時期と形態について二転三転した。[[2007年]]1月1日に[[フィギュア]]・イラスト集とのセット販売「ストライクウィッチーズ 2×2+3Dボックス 〜機械化乙女秘めごとパック〜」[[コミックとらのあな|とらのあな]]で限定発売された。
その後1年近く表立った動きは無かったが、2007年12月に再びアニメ製作の企画が発表され、2008年7月3日より[[テレビアニメ]]が放送開始、同年10月まで全12話が放送された。それに先駆けて、漫画版[[月刊コンプエース]]2008年3月号より再度連載開始され、現在も連載継続中である。

その後、2007年12月に再びアニメ製作の企画が発表され、2008年7月3日より[[テレビアニメ]]が放送開始され、同年10月まで全12話が放送された。漫画版も、[[月刊コンプエース]]2008年3月号より再度連載開始され、現在も連載中である。

なお、[[平成20年]]度(第12回)[[文化庁]][[メディア]][[芸術]]祭審査委員会推薦作品[[アニメーション]]部門/長編(劇場公開・[[TV]]・[[OVA]])に選ばれた<ref>出典:[http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/recommend 文化庁メディア芸術プラザ]</ref>。


== ストーリー ==
== ストーリー ==

2008年12月12日 (金) 04:29時点における版

Template:継続中の作品

ストライクウィッチーズ
小説:ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊
著者 ヤマグチノボル
イラスト 島田フミカネ上田梯子
出版社 角川書店
レーベル 角川スニーカー文庫
刊行期間 2006年10月 -
巻数 3巻(2008年7月現在)
小説:ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻
著者 南房秀久
イラスト 島田フミカネ、上田梯子
出版社 角川書店
レーベル 角川スニーカー文庫
発売日 2008年8月1日
漫画:ストライクウィッチーズ 蒼空の乙女たち
作者 かずみ義幸
出版社 角川書店
掲載誌 コンプエース
発表期間 2005年9月 - 2006年1月
漫画:ストライクウィッチーズ 天空の乙女たち
作者 たなか友基
出版社 角川書店
掲載誌 月刊コンプエース
レーベル カドカワコミックス・エース
発表期間 2008年3月号 -
巻数 1巻(2008年7月現在)
OVA
原作 島田フミカネ & Projekt kagonish
監督 杉島邦久
キャラクターデザイン しんごーやすし
アニメーション制作 GONZO
製作 ストライクウィッチーズ製作委員会
発売日 2007年1月1日
アニメ
原作 島田フミカネ & Projekt kagonish
監督 高村和宏
シリーズ構成 ストライカーユニット
キャラクターデザイン 高村和宏
メカニックデザイン 寺尾洋之
音楽 長岡成貢
アニメーション制作 GONZO
製作 第501統合戦闘航空団
放送局 放送局参照
放送期間 2008年7月 - 2008年9月
話数 全12話
テンプレート - ノート

ストライクウィッチーズ』(STRIKE WITCHES)は、島田フミカネ及びProjekt Kagonish原作・角川書店企画のコラム、ならびにそれを軸とした漫画、小説、アニメーション作品。

概要

元々は、島田フミカネコンプエース創刊号から連載していた大戦中の空軍・陸軍兵器を擬人化したメカ少女のイラストコラム系企画である。2006年に出た小説版の後書きによると、最初からメディアミックス企画として立ち上げられていたものである。

しかし、OVAが出たのは2007年であり、同年には島田がキャラクター原案として携わった『スカイガールズ』が先にTVアニメ化された。『スカイガールズ』と比較して、「ストライカーユニットと呼ばれる脚に装備する機械で飛行する」という島田の独特なデザインになっているのが特色である。そのためか、クレジットも原作と表記されている。また、作品の舞台となる世界では魔法が使用されている。戦闘服軍服及び普段着の上着であり、島田のデザインの特徴が表れている。これらを含めた設定については、『スカイガールズ』のコンセプトと対称的である。

OVA版制作発表後、制作元のGONZO親会社であるGDHが経営不振によりアニメ制作の方針転換を行ったため、販売時期と形態について二転三転した。2007年1月1日にフィギュア・イラスト集とのセット販売で「ストライクウィッチーズ 2×2+3Dボックス 〜機械化乙女秘めごとパック〜」がとらのあなで限定発売された。

その後、2007年12月に再びアニメ製作の企画が発表され、2008年7月3日よりテレビアニメが放送開始され、同年10月まで全12話が放送された。漫画版も、月刊コンプエース2008年3月号より再度、連載開始され、現在も連載中である。

なお、平成20年度(第12回)文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編(劇場公開・TVOVA)に選ばれた[1]

ストーリー

地球とよく似ているが魔力が存在する世界の20世紀初頭、突如出現した異形の敵「ネウロイ」の圧倒的な戦力と瘴気の汚染による大陸侵略が進んでいた。人類は唯一の希望として、魔道エンジンによる飛行脚「ストライカーユニット」を唯一駆ることの出来る魔力を持つ少女「魔女(ウィッチ)」による「機械化航空歩兵(ストライクウィッチーズ)」に望みを託した。

小説版「スオムスいらん子中隊」

1939年、ネウロイの攻撃により欧州本土が危機に晒されるなか、戦場から遠く離れた扶桑皇国では陸海軍のウィッチを義勇兵として派遣することになった。皇国近海で起こったネウロイによる襲撃事件「扶桑海事変」において活躍し、国民的英雄となった陸軍のウィッチ穴拭智子は、欧州カールスラントへの派遣を前に意気上る心境でいた。しかし、彼女が送り込まれたのは、欧州最北の辺境スオムスであった。他にも本来の所属国で活躍出来ず、つまはじき同然の扱いでやってきた実力もやる気も半人前のウィッチたち。そんな彼女たちの寄せ集め集団「いらん子中隊」こと「スオムス義勇独立飛行中隊」は果たしてネウロイの脅威にどう立ち向かうのか…。

アニメ版

1944年、既に欧州本土の大半がネウロイの勢力に落ちてしまっていた。世界各国は事態の打開を図るために一大反攻作戦を計画。そのための戦力の一環として連合軍第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」[2]を組織し、各国のトップエースや将来有望な若いウィッチを招聘することとなった。そんな中、扶桑皇国の一女学生であった宮藤芳佳は、その類い希なるウィッチとしての素質を見込まれて「STRIKE WITCHES」の教官・坂本美緒にスカウトされる。父親の死のトラウマから戦いを嫌い当初は入隊を拒んだ芳佳だったが、戦火の中で人々を守るために自分の果たすべき役割を悟り、父親の遺産とも言えるストライカー・ユニットと共に戦列に加わることとなった…。


注意:以降の記述にはストライクウィッチーズに関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


登場人物

用語

機械化航空歩兵(ストライクウィッチーズ)
魔力を原動力とする「魔道エンジン」により空を飛ぶことを可能にした「ストライカー・ユニット」を唯一動かすことの出来る少女「魔女(ウィッチ)」により編成された対ネウロイ戦闘部隊。魔道エンジンにより魔力を増幅することによって、通常の人が持つことも困難な銃火器も軽々と持ち、魔法陣による防御シールドを張ることが出来、ネウロイが放つ「瘴気」の中でも影響なく活動することが出来る。
軍人であるため、普段から軍服を着ているが、ストライカーを装備する必要上から上着のみを着用する。腰の部分にはパンツ状のズボンを穿き、脚部は素足(またはスニーカーソックスのような長さがとても短い靴下を履いてか)か、スパッツハイソックスニーソックスサイハイソックスタイツストッキングなどを履いている。扶桑皇国海軍のみは、スクール水着状のボディスーツを着用し、その上にセーラー服士官服を重ねている。また、扶桑皇国陸軍では巫女装束に小具足を組み合わせたより戦闘的な服装をまとう者も多く、小説版の主人公である穴拭智子もこれにあたる。ちなみに、劇中ではこれらのスタイルは人々には自然なこととして認識されているらしく、彼女らは自分の格好に羞恥心を感じることは無い[3]
なお、飛行脚を装着する時は使役する使い魔の影響で、その使い魔の耳と尻尾が生えるため、尻尾との干渉を避けるため穿いているものはローレグが多く、スクール水着状のボディスーツには尾部に穴が空けられている。
魔女でも必ずしも航空歩兵になれるというわけではなく、飛行適正試験を突破することや、飛行センスをもつ事が最低条件であり、陸上用装甲歩兵に比べても数割しかなれない[4][5]
魔女(ウィッチ)
物語の世界には魔力が存在し、その魔力を発揮でき、唯一ストライカーユニットを使うことが出来る少女達の総称。普段は魔力のフィールドを張ったり、ちょっとした質量の物を動かしたり、ごく稀にほうきで空を飛ぶ程度だが、ストライカーユニットを装着した時は魔力の増幅で様々な能力を発揮できる。魔力を使える人間は圧倒的に女性が多く、しかも魔力の影響か容姿に優れた女性が多い。さらに10代をピークに年齢と共に魔力を失うことが多く(ごく稀に、アニメ版の宮藤一族の女性のように一生魔力を持つ女性もいる)、中でも魔法シールドを失うことでネウロイと戦う戦士としての寿命が終わってしまう。この理由から兵役期間がとても短いので、人々から「儚い花」さながらの憧れの象徴とされている。彼女らのピンナップなどのファングッズは飛ぶように売れ、男達は機材の整備担当者にこぞって志願するほどである。しかしやはりウィッチを「女性」として見てしまう男性兵士は後を絶たず、特にロマーニャ公国の兵士は元来の協調性の無さから色々と問題を起こした。このため、ウィッチは最初から現場で触れる男性兵士にとって「上官」となるように、軍に入隊した際、階級は軍曹からはじまるようになっている。
使い魔
ウィッチが魔力を使う時、そのコントロールをサポートする存在。外見は犬やネコなどの普通の動物の姿をしているが、人間並みの知性を持ち、しゃべることもできる。使い魔が使役されている間、ウィッチにはその使い魔と同じ耳と尻尾が現れる。また、使い魔の種類によってその動物の特性(ウサギの場合耳がよく聞こえる、ネコの場合夜目が利く、など)を得ることもできる。ウィッチ一人に一匹必ず契約し、その契約方法は使い魔自身がウィッチのお尻にタッチすることによりなされる。
ストライカー・ユニット
人類が発明した、魔力を動力にする「魔道エンジン」により駆動される機械装置のことを指す。これを装着することによって、一部の訓練をつんだウィッチにしか出来なかった飛行能力や身体能力強化、防御魔法などを特別な訓練無しに使えるように出来る。基本的な出力は搭載された魔道エンジンによって決まるが、使用者のコンディション次第で許容範囲以上の出力を出すことも出来る。用途によって形態は航空タイプ・陸戦タイプなどがあり、それぞれ現実世界での航空機と戦車・装甲車に相当する。
なお、アニメ版では航空用ストライカー・ユニットを開発したのは宮藤芳佳の父である宮藤一郎博士であり、以前からの艇体にまたがったり別のエンジンユニットを必要とした形から、彼の魔道理論を元に脚に「履く」スタイルに昇華されたのである。その時テストを担当するウィッチとして深く開発に関わっていたのが、当時の若き坂本美緒である。なお、ストライカー・ユニットは分割する事で小スペースで収納する事も可能で、坂本美緒が負傷し扶桑へ帰還する際、車椅子に収納していた。
戦闘脚(航空用ストライカー・ユニット)
魔力で発現した飛行魔法を使い、飛行することの出来る足に装着するタイプの推進機。他にも魔力を増幅することにより重い銃火器を持つことができ、防御シールドを張ることにより使用者を護る等補助的な役目も果たす。
その装着時の姿は、脚の大腿部までがストライカーユニットの内部に収納されているかのように見えるが、実際はユニット内部は魔道エンジンなどの機器が入っており、脚を収納するスペースはない。装着部にある魔力フィールドによって脚は別次元へ移動し、大腿部でユニットと固定されることになる。プロペラのように見えるものは、高速かつ連続に発生する飛行魔法が大気中のエーテルと反応して可視化したものであり、実体はない。そのため通常のレシプロ戦闘機では不可能な空戦機動が可能で、劇中では偶然の産物ながら超音速飛行も達成している。膝の所で脚を曲げることは出来なくなるため、基本的に地上の移動は考慮されていない。離陸の時は、魔道エンジンの始動によって魔法陣の姿をした魔力フィールドを発生させ、その上を滑走して飛び上がることになる(OVA版では先端に収納式の滑走用車輪が付いている)。
なお、機体名は第2次世界大戦時に使われたものを引用している模様で、アニメ版では大戦中・後期の機体(例:零式艦上戦闘機メッサーシュミットBf109など)が、小説版では大戦初期の機体(例;キ27ハリケーンなど)が登場している。デザイン面では、イラストコラム版連載時など初期には膝の部分に関節があり通常の脚同様に曲がるという設定が存在した。また増加艇体と呼ばれる別ユニットを腕に装備する、あるいはウィッチがそれにまたがるという現在のそれとは異なるギミックを持ったものもあった。しかしアニメ版開始までにはそれらの設定はオミットされて現在の姿となっている。またイラストコラム版では現実のジェットエンジンロケットエンジンに相当する噴流式魔道エンジンを備えた高速機も登場している。
陸戦用ストライカー・ユニット
戦闘脚と同じく足に装着するが、飛行能力はなくキャタピラ状の装置で陸上を移動する。航空歩兵よりも大威力・大重量の火器を携行可能で、対ネウロイの地上戦の切り札として各地の戦線に投入されている。だが、空からの攻撃には無力に等しいので、航空歩兵による制空権の確保が絶対条件となっている。飛行適正能力を必要としないので、ネウロイとの戦闘に参加するウィッチの中ではむしろこのユニットを装備して地上で戦う者の方が多い。
ネウロイ(異形の軍)
1939年、突如世界各地に出没した正体・目的共に不明の謎の軍隊。外形は金属で出来た航空機や陸上兵器のような姿をしている[6]。大きな建造物も一瞬で破壊しうる圧倒的な攻撃力を持つ上、「瘴気」を撒き散らしながら進行するため、通常の人間では遠距離からの攻撃以外なす術がない。大地を腐らせ金属を根こそぎ吸い尽くし、さらには金属や廃材などで兵器を生産、増殖を繰り返す。侵略された土地は瘴気によって人が住めなくなるため、数々の国が滅ぼされた。幸いにも大河・海洋などの水を渡るのを嫌い、山脈を越えるのに手こずっているため、人類はそれらを防衛線としている。
種類は小型の戦闘兵器から超大型兵器まで様々な物が存在する。周囲の金属を同化して自己再生する能力を持つため、通常兵器で撃破することは困難である。弱点は、魔力による攻撃に弱いことであり、ウィッチが使う魔力を付加した弾丸・刀剣などで再生能力を大きく減ずることが可能である。これを利用すれば機関銃などの歩兵の携行できるサイズの兵器で、十分なダメージを与えることが出来る。また逆にネウロイ側の対空攻撃も防御魔法でほぼ防ぐことが出来る。コアと呼ばれる中核部分を破壊されることで無力化、崩壊する。
小説版では学習能力もあるらしく、年々改良・大型化され、そして「ウィッチと同じ力を持ちたい」と、ウィッチを真似て創った「ウィッチもどき」までもが登場した。そして小説版では実弾で攻撃しているが、アニメ版ではレーザーなどの光学兵器で攻撃している。
また、ネウロイの目的であるが、小説版では「侵略」という純粋な目的で侵攻しているかのように見える描写がされている。一方、アニメ版では1939年に巣が現れた時はただ静観するだけで、巣の中に戦闘機が入り込んだ後に兵器が現れ侵攻を開始し、受動的に反撃したとも取れる動きを見せている。ウィッチもどきが芳佳と接触した際にも自分のコアに触れさせようとするなどむしろ友好的な態度を示し、巣の中にも危害を加える事なく招き入れていたりする。そして、明らかな敵意を持って攻撃した坂本・ウォーロックに対しては容赦なく反撃している。これらの事実から、ネウロイが必ずしも「侵略」という目的だけで行動しているわけではない可能性も出てきている。
魔道エンジン
魔女の持つ魔力を増幅させ、推進力などのエネルギーに変換するエンジン。OVA版では球体型をしているが、アニメ版ではモデルとなった現実の航空用エンジンに近いイメージの機械として描かれている。16世紀、ブリタニアのウィッチ、ジェイミー・ワットが魔法力を蒸気機関で増幅させる「魔道機関」を発明したことが始まりとされている。1903年12月には、リベリオンの魔女姉妹、ライト姉妹が魔力を機械で増幅して飛行する「動力式飛行機械」で、世界で初めての単独飛行に成功した。アニメ版の時代では、ストライカー・ユニットの推進機関に使われている他、レーサーをしていた頃のシャーロットのバイクにも使われているなど様々な分野で活用されている。なお、魔法力に頼らない現実世界のそれと同様の蒸気機関や内燃機関も並列して存在し、ウィッチ以外でも動かせる航空機・自動車・船舶・鉄道車両などが普及している。
連合軍統合戦闘航空団
世界各国の激戦区にて、それぞれの国から優秀なウィッチを募り編成した戦闘航空団。
ブリタニア連邦の第501「STRIKE WITCHES」が連合軍統合戦闘航空団として一番最初に作られ、他にもコミックス版でロマーニャ公国の第504や東部戦線の第502.503、ウラル方面の第505やスオムスの第507などがある。
元々は小説版にて、1939年にスオムスで編成されたスオムス義勇独立飛行中隊「いらん子中隊」がはじまりであり、違う国の違う人種が協力しあって戦果を挙げたのが世界各国の軍に高く評価された[7]。しかし初めの内はそれぞれの国は自国のエースを他国に輩出させる事に躊躇い、実現は困難とされたが、当時のブリタニア空軍大将ヒューゴ・ダウディングはいらん子中隊の戦果を最も高く評価し、カールスラント・ガリア・オストマルク三カ国のブリタニアへの国民大撤退作戦「ダイナモ作戦」にて優秀なウィッチもブリタニアに集結したのを機にチャーチル首相に積極的に進言・尽力し、初めての連合軍統合戦闘航空団である 第501「STRIKE WITCHES」が結成された。
やがて第501部隊の成果は他国でも認められ、次々と連合軍統合戦闘航空団が正式採用された。スオムスの義勇独立飛行中隊も正式採用された後に第507連合統合戦闘航空団に昇格した。実質的にはいらん子中隊が一番歴史が古い[8]

世界観

この物語における世界は、現実での1930年代から1940年代に近い設定になっている。地理的にも現実世界と似たものになっているが、アメリカ大陸にあたるリベリオン大陸は星型の大陸となっている。また、中国と中近東のうちイラン・イラクにあたる部分はそっくり存在せず、巨大な湾となっている。しかしテレビアニメ版では、現実世界と同様にこれらの地域が存在している。

帝政カールスラント
欧州中央部に位置する大国で、モデルはナチス・ドイツドイツ帝国
早くからネウロイとの戦闘を続けており、その陸軍力は欧州随一を誇る。今次大戦においても人類連合軍側の中心的な戦力となっている。しかし、アニメ版開始の時点では国土のほとんどがネウロイの勢力下に落ちてしまい、多数の国民、皇帝一家、技術者や産業が南リベリオン大陸の南端にあるノイエ・カールスラントに疎開することになった。常に準戦闘状態にある軍事国家であり、軍人の地位は高い。同時に凝り性の民族性を持ち、現皇帝フリードリヒ四世の新しい物好きな気性もあって、高い技術によって数多くの高性能な兵器を生産している。
ブリタニア連邦
欧州の西にある島国で、モデルはイギリス
早期から海洋貿易に特化し、大西洋からインドまでの貿易をほぼ独占している。扶桑皇国とは貿易権益をめぐって衝突したこともあったが、現在は親密な同盟国家である。世界一の海軍力を有しているが、その戦力は戦艦中心であり、航空歩兵用の航空母艦は少ない。欧州本土からはドーバー海峡を隔てているため、欧州での人類側のネウロイに対する反攻拠点となっている。
扶桑皇国
ユーラシア大陸の東端に位置する島国で、モデルは大日本帝国
現実の日本とは異なり、安土時代以降鎖国することなく海外進出を積極的に行い、早期に海洋貿易国家に成長した。太平洋からインドまでの貿易をほぼ独占し、海洋国家としてブリタニアと並び称されるまでになっている。また安土時代には太平洋上にパシフィス島(扶桑名:南洋島)と言う新島が発見された。扶桑本土よりも大きく、しかもほぼ無人の地域であったこの島には有力大名が入植し、現在では扶桑の重要な資源供給地になっている。貿易の必要上、素材を高度に加工する技術が発達し、小型で高付加価値・信頼性の高い工業製品を多数開発・生産している。海上防衛に重点をおいた海軍力を有し、多数の航空歩兵用の航空母艦を持つ。
過去にネウロイが領海域に中規模で侵攻してきた事があったが、その時偶然にもストライカー・ユニットの試作型を扶桑で製造しており[9]、それを装着したウィッチ達により殲滅された。その時の出来事は後に「扶桑海事変」と呼ばれるようになり、人類が初めてネウロイに勝利した記念すべき日でもある[10]
リベリオン合衆国
北リベリオン大陸中央に位置する国家で、モデルはアメリカ合衆国
諸民族の融合国家であり、世界の縮図とも言える社会を築いている。工業化が進んでおり、巨大な生産力を誇る。広大な国土を生かしての自給自足が可能であり、本土が戦場から遠いこともあって、欧州戦線への軍事物資の供給源となっている。
ロマーニャ公国
欧州南部にある半島の西部、南部に位置する国家で、モデルはイタリア王国
黒海、地中海方面の戦線に参加している。古来より神殿などウィッチ養成学校が多々存在しており、優秀なウィッチを輩出しているが、基本的に個人主義の国家であり集団戦には向いていない。ことに女性関係には熱心な男が多い国民性ゆえか、一般兵がウィッチを口説こうとするなど世界各地で問題が発生、そのため世界各国の軍隊は協調性を持たせるべくウィッチの階級を軍曹から始めるようになったと言われる。現在アルプス山脈を防衛線としており、隣国・ガリアのネウロイと激戦を繰り広げている。
オラーシャ帝国
欧州最東端の国家。モデルはソビエト連邦ロシア帝国
ネウロイの侵攻によって、ウラル川地域より東と、中東方面に分断してしまった。扶桑皇国の支援を受けながら、東部戦線での主戦力となっている。
オストマルク
欧州南東部に位置する多民族国家で、モデルはオーストリア=ハンガリー帝国
長らくネウロイとの緩衝地帯であったが、その防衛力は低く、カルパティア山脈の地形を頼りに防衛線を築いていた。諸国からの援軍による国境監視部隊が駐留し、ネウロイに睨みを利かせていたが、今回の戦役で真っ先に侵攻を受けて国土が蹂躙されてしまった。
ガリア
欧州中央西端にある国家で、モデルはフランス
温和な農業国であり、軍事的戦力と戦意は低い。今次大戦の開戦当初はむしろ農業力を活かして、欧州戦線への後方からの食料援助を中心とした役割を負っていた。しかし、南方の一部分を除いてほぼ全ての国土がネウロイに制圧されてしまった。この時にカールスラントのような組織的撤退が行えなかったため、亡命政府が錯綜して存在することになり、一部はヒスパニア、一部はブリタニア、さらにコルシカ島や南リベリオンにまで拡がっている。
アニメ版の終盤では1944年9月、連合軍第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」の活躍によりネウロイの完全消滅が確認され、人類の手に戻った。
スオムス
北欧の小国で、モデルはフィンランド
北方での欧州戦役の最前線である。人口が少なく、武装面でも極めて貧弱な軍隊しか持たないが、優秀な航空歩兵を多数輩出し、各国からの義勇軍や軍事物資の援助によりネウロイの攻勢をよく防いでいる。
ヴェネチア公国
欧州南部の半島の北東部とアドリア海周辺に位置する。モデルはヴェネツィア共和国
地中海交易の拠点であり、海洋貿易を中心に成り立つ国家だが、ブリタニアと扶桑の勢力拡大に伴なって国力は低下しつつある。それでも優秀な海軍力を保持し、黒海・地中海方面での欧州最大の戦力となっている。
ヒスパニア
欧州西端のイベリア半島に位置する国家で、モデルはスペイン
ガリアがネウロイに侵攻された後も、国境に位置するピレネー山脈のおかげで比較的平穏を保っており、ガリアの亡命政府の一つも存在する。
ヘルウェティア
欧州中央の山岳国家で、モデルはスイス
アルプス山脈がネウロイに対する天然の要害の役目を果たし、ヴェネチア・ロマーニャ軍による欧州南方の防衛線が引かれている。
ファラウェイランド
リベリオン大陸北部のブリタニア連邦の加盟国で、モデルはカナダ
ブリタニアの連邦に属し、この地の出身のウィッチが多数欧州本土の戦地に赴いている。その一方、本国で航空歩兵の訓練施設に入れなかった者が、この国でウィッチとしての訓練を受けたのち、ブリタニア軍に入隊する例も多い。
アフリカ
地中海を挟んでヨーロッパの南に位置する広大な大陸で、モデルはアフリカ
キュレナイカの都市トブルクが堅固な要塞と最大の港を持っている他、空港までも備えているためブリタニア・カールスラント・ロマーニャ軍により結成された「人類連合軍アフリカ軍団」の拠点となっている。主にハルファヤ峠付近で激しい攻防戦が繰り広げられている。
尚、普段ウィッチはストライカー・ユニットを始動する際の魔力の消費が激しいため、主に発進促進システムによる魔法陣などの補助機関で離陸をするが、砂漠の多いアフリカでは発進促進システムが使用できる場所が少ないため、発進の際は魔道エンジンにエアを送り込んでエンジンの回転数を補助して離陸をするという独特の発進方法がある。

人類連合軍兵器・軍用機材

ストライカーユニット

零式艦上戦闘脚
使用軍隊:扶桑皇国海軍
主な使用するウィッチ:宮藤芳佳、坂本美緒、迫水ハルカ、竹井醇子
扶桑皇国の主力ストライカーユニット。長い活動時間と高い運動性が特徴であり、魔力が少ないウィッチでも扱える上に、身体への負担も少ない。技量に優れたベテランのウィッチが操れば、その運動性能を生かして大きな戦果を挙げることができる。反面、防御力が低く、被弾すれば致命傷になりやすいので、空戦技術でカバーできない新人ウィッチでは生存性が著しく落ちることになる。特に、長い活動時間を必要とせず、むしろより高い攻撃力と防御力を要求される欧州の空戦ではその弱点が顕著に表れることとなり、後継機の開発が急がれている。
今次大戦の開戦当初、試作型の十二試艦上戦闘脚がスオムス戦線を初めとした欧州派遣部隊に投入された。その運用結果は良好で、十一型としての制式採用にいたる。その後、航空母艦での本格運用を考慮して翼端を折りたためるようにした(空母艦内の狭い通路でウィッチがストライカーユニットを装備して移動する際に邪魔になるため)二十一型が本格的に量産され、同国海軍の主力となった。後に、活動時間を犠牲にして攻撃力と防御力、機動力を向上させた三十二型、そしてそれを航空母艦用とした二十二型が開発された。
モデルは旧日本海軍の三菱 零式艦上戦闘機
ウルトラマリン スピットファイア
使用軍隊:ブリタニア空軍
主な使用するウィッチ:リネット・ビショップ、エリザベス・F・ビューリング、ウィルマ・ビショップ
ブリタニア連邦の代表的ストライカーユニット。基本設計が極めて優秀で、様々な改良を加えつつ、今次大戦の開戦から終戦まで第一線で活躍した。稼働時間が短いが、防空戦闘が主だったブリタニア空軍にとっては大きな問題にならなかった。
広くバリエーションが存在するが、イラストコラム版では、1941年当時の量産型であるMk.II、小説版ではマーリン45魔導エンジンを搭載するMk.V、アニメ版では同60エンジンに換装して性能向上を図ったMk.IXが登場している。中でも、Mk.IXはその新兵でも扱える癖の少なさと、基本性能の高さからMk.Vと並んで大量生産され、大戦中の主力ユニットとして活躍している。
モデルはイギリス空軍のスーパーマリン スピットファイア
ガリア国営航空工廠 VG.39
使用軍隊:ガリア空軍、自由ガリア空軍
主な使用するウィッチ:ペリーヌ・クロステルマン
ガリア国営航空工廠が開発したストライカーユニット。宮藤博士の研究成果を元に、既に開発途中だったユニットを改良したVG.33が開発されたが、ネウロイのガリア侵攻時には試作機が作られた段階でしかなく、実戦には間に合わなかった。ガリア壊滅後にヒスパニアへ疎開した同工廠は、引き続き開発を行い、VG.33の非力なクワドラ12Y-31魔道エンジンを、より強力なクワドラ12Y-89魔導エンジンに換装したVG.39を完成させた。この機体は従来より出力が1.4倍も向上し、速度や機動性も大幅に改善した。この機体のテストは、主にペリーヌ・クロステルマンによって行われ、良好な成績を収めた。
しかし、同工廠は生産能力が低く、ガリアのウィッチ達の大半にはこの機体は行き渡らなかったため、VGシリーズを使用したウィッチよりもブリタニアやリベリオンから供与されたユニットで戦った者の方が多い。そう言う意味では不遇な存在のユニットと言えるが、稼働時間は短いものの基本性能は悪くなく、使用するウィッチの技量によっては十分に戦える機体である。
モデルはフランス空軍のアルスナル国営航空工廠 VG.39

扶桑皇国軍(アニメ版)

航空母艦赤城
扶桑皇国海軍の航空母艦。アニメ版1話、2話、8話、11話、12話で登場。
遣欧艦隊の一艦として、美緒と芳佳を乗せてブリタニアに向かう途上、ネウロイの襲撃を受ける。この時はブリッジ(艦橋)の上半分を吹き飛ばされたり、ビーム兵器の命中弾を受けて中破したが、美緒らの活躍で沈没は免れた。
その後、ブリタニアにて修理を終えた同艦は、ガリアへの反攻作戦の第1陣として攻撃に加わる予定だったが、マロニー大将の謀略によって「STRIKE WITCHES」が解散させられたため、美緒と芳佳、ペリーヌを乗せて扶桑への帰路につく。だが、今度は暴走したウォーロックに襲われ、多数の命中弾を受けて沈没。その後ウォーロックによって艦体を利用され、巨大なネウロイの浮遊兵器と化した。当然撃破すべき標的としてウィッチーズの集中攻撃を受けることになり、芳佳、リネット、そしてペリーヌが艦内に突入した。最終的に芳佳がコアを破壊した事により、他のネウロイと同様に崩壊、その姿を消した。
史実では、同空母は1942年のミッドウェー海戦で戦没している。
陽炎型駆逐艦
扶桑皇国海軍の主力駆逐艦。アニメ版1話から2話で登場。「赤城」の護衛として6隻で艦隊を組み、共にブリタニアに向かっていたが、ネウロイの強襲により全て撃沈又は行動不能になってしまった。
九九式艦上戦闘機
扶桑皇国海軍の主力戦闘機。アニメ版1話から2話で登場。「赤城」に搭載されており、ネウロイを迎撃するために出撃したが、奮戦空しく全て撃墜されている。モデルとなった機体と名称が異なるのは、制式採用された年度が現実とは異なった設定になっているためである。
九五式小型乗用車(通称「くろがね四起」)
扶桑皇国が開発した四輪駆動の軍用車両。アニメ版1話で美緒が芳佳の身辺を探る際に、副官の土方の運転で使用していた。

ブリタニア軍(アニメ版)

ジープ
リベリオン軍が開発した軍用車両。アニメ版7話でミーナとリネットが所用で出かける際に使用。ブリタニア軍がリベリオンからレンドリースした車両と思われる。
ソードフィッシュ
ブリタニア軍の複葉の雷撃機。アニメ版11話、12話でシャーロットとフランチェスカが沈みゆく赤城から美緒とペリーヌを救出するのに使用した。

カールスラント軍(アニメ版)

ユンカースJu52
カールスラント空軍の主力輸送機。アニメ版6話で美緒とミーナが司令部からウィッチーズ基地に戻る時に使用。
キューベルワーゲン
カールスラントで使用されている軍用車両。アニメ版9話で意識が回復したクリスを見舞うために、ゲルトルートとエーリカがロンドンに行くために使用。

人類連合軍(小説版)

飛行船
欧州での航空手段のひとつで、航空機に比べコストがあまりかからなく大量の荷物が積める事から主に欧州各地にて大陸間での人員・機材等の輸送業務に使用されている。
輸送業務の他にカールスラント製JU88型大型飛行船(全長75m・幅25m)による「爆撃飛行船」も数隻編成されており、一隻につき2tも爆弾を搭載する事ができるが、飛行速度が遅く飛行高度も3000mしか昇れず、対空砲火などの標的にされやすいため、制空権を確保する必要がある。
カールスラント・フォード
欧州各地で使用されているカールスラント製の軍用車両で頑丈さに定評がある。本編では「ボロボロの~」と表記されている。

リベリオン軍(小説版)

航空母艦「レキシントン
リベリオン海軍の戦艦改装の航空母艦である。フロリダ沖で新規編成されたウィッチ部隊の訓練を行っていたが、同部隊に配属されたキャサリンが引き起こした事故で、戦わずして部隊は壊滅。この惨劇によって、彼女の名は恐怖の代名詞として海軍中に響きわたる事となった。
史実では、同空母は1942年の珊瑚海海戦で戦没している。

カールスラント軍(同人誌版)

8.8 cm FlaK高射砲
本来は対空砲火として用いる高射砲である。だが、その高い威力ゆえに数少ないウィッチ抜きでネウロイに対抗できる兵器として、敢えて水平射撃で用いられている。
III号戦車
カールスラント軍の主力戦車。ネウロイの攻撃の前には抗するべくもなく、一撃で破壊されてしまった。
ヴィルベルヴィント
III号戦車と並ぶ主力戦車であるIV号戦車の車体に、20mm対空砲を搭載した対空戦車。フライングゴブレットに襲われたブリタニア兵士を救おうとしていた。

ネウロイ軍兵器

航空兵器(小説版)

ラロス
艦上戦闘機の形をしている主力戦闘機。
ラロス改
ラロスの改良型で、防弾装甲で覆われており、旋回性能も上がっている。
ケファラス
中型爆撃機。
トゥーパリェフ
大型爆撃機。
ディオミディア
ケファラスの3倍は大きい推進型の超大型爆撃機で4つの巨大なエンジンで不気味な排気音を立てながら飛行し、全身を防弾装甲と大口径の機銃で覆われている姿から「凶悪な白鯨」と恐れられている。全機銃から発射される弾が青白く光り途切れることなく連なっている姿から「アイスキャンデー」とあだ名が付けられ、これを喰らうと魔女の防御シールドであろうとも長くはもたない。

陸上兵器(小説版)

人型兵器
人の姿をした歩兵兵器。対空砲台の操作などを行う。
多脚戦車
四角い車体に砲塔を持っており、一見戦車の様だが、無限軌道(キャタピラ、履帯)がなく、変わりに、車体の四隅から昆虫の足の様な歩行脚が付いているため昆虫のように見える。そのサイズは戦車のゆうに4倍はあり、20メートル四方ほどの車体に10メートルほどの長さの歩行脚が付いている。その主砲は200ミリクラス(巡洋艦の主砲並の口径)で、全方向にハリネズミのように機銃座が付いている。ネウロイの主要陸上兵器。
ジグラット
ビルなどの巨大建築物を母体に歩行脚を持たせた移動要塞で、ハリネズミのように全方向に備えられた機銃と、二百ミリクラスの大砲を数門、そして対空ロケットを装備している。建築物自体をそのまま防弾装甲としているため、撃破するには大砲クラスの砲撃を加えるか、内部から破壊するしか方法がない。

航空兵器(同人誌版)

フライング ゴブレット
「飛行杯」の名のとおり杯に三本の足のついた形をした飛行物体で、ホバリングしながら下部の機銃で掃射する。
ヒエラクス
アフリカ戦線で出没する飛行型ネウロイ。空戦性能は速度・旋回性能ともウィッチに大きく劣り、楽勝の相手と見られている。ただ、数で押してこられるとやっかいな存在ではある。
ケリドーン
流麗な機隊を持つ高速飛行型ネウロイ。空戦性能がヒエラクスに比べ遥かに上回り、ウィッチにとっても強敵となる。

その他のネウロイ軍兵器

ウィッチもどき
ウィッチ達の攻撃に苦汁を嘗めさせられてきたネウロイが、「自分達も同じ力を持ちたい」という考えで、人型兵器に飛行脚を装備し、外見もウィッチに似せた試作兵器。しかしそのままでは「ただの飛ぶ兵士」でしかなく、単純な動きしか出来ないため、ネウロイはウィッチを捕縛・洗脳し、洗脳したウィッチからエースパイロットの戦術機動(飛行データ)を入手し、ウィッチもどきにコピーしていた。
エースパイロットのデータを入れられたウィッチもどきの攻撃に義勇独立飛行中隊の面々は苦戦したが、データにすらない人間独自の「突発行動」にはすぐには対処できず、白兵戦のデータしかコピーされていなかったため、編隊でのチームワークが問われる「編隊戦術機動」に関するデータがなかった所を突かれて全滅した。
テレビアニメ版では単独行動中の芳佳の前に出現し、彼女にある重大な事実を伝えた。
ウォーロック
※アニメ版のみ登場。
ブリタニア軍空軍大将マロニーが捕獲したネウロイのコアを使い、軍上層部にも秘密裏に製造した無人人型航空兵器。
制御部にコアを使用し、航空機に変形する事で高速で飛ぶことができ、両腕部から機銃とビームを撃つことができる。ネウロイのコアについては未知数で調査段階であるが、功を焦るマロニーが実験段階のままネウロイの巣へ実戦投入した。
はじめの内は多数のネウロイを撃破、巣から大量に出てきたネウロイに対し、コアを同調する事で指揮系統を統括し支配下に置くことができる「コアコントロールシステム」にて同士討ちをさせるなど善戦するも、壊滅させた直後にウォーロックが自我に目覚め暴走、近くを航行中の空母・赤城やウィッチーズ基地などに攻撃を始めた。
一時は芳佳との戦闘中にリネットの狙撃により撃墜、衝突した赤城と共に沈没したがその後赤城と融合し(その際コアは赤城の動力機関部に移動した)、ネウロイでもウォーロックでもない「別の存在」と化した。最後はストライクウィッチーズの猛攻を受け、フランチェスカとシャーロットの「巨大弾丸」をまともに食らい、取り付いていた艦首もろとも跡形もなく吹き飛んだ。

以上でストライクウィッチーズに関する核心部分の記述は終わりです。


OVA

スタッフ

  • 原作 - 島田フミカネ & Projekt Kagonish
  • 監督 - 杉島邦久
  • キャラクターデザイン原案 - 島田フミカネ
  • アニメーションキャラクターデザイン - しんごーやすし
  • 美術監督 - 佐々木洋
  • アニメーション製作 - GONZO

テレビアニメ

2008年7月から9月までUHFアニメ枠「アニメスピリッツ」にて放送された。ナレーションは宮藤博士役の郷田ほづみ。全12話。

スタッフ

  • 原作 - 島田フミカネ & Projekt kagonish
  • 監督・アニメキャラクターデザイン - 高村和宏
  • シリーズ構成 - ストライカーユニット
  • 軍事考証・世界観設定 - 鈴木貴昭
  • 助監督 - 八谷賢一
  • キャラクターデザイン原案 - 島田フミカネ
  • メカデザイン・メカ総作監 - 寺尾洋之
  • 総作画監督 - 山川宏治平田雄三
  • 美術監督 - 小倉宏昌
  • 撮影監督 - 江間常高
  • 3D監督 - 下山博嗣
  • 音響監督 - 吉田知弘
  • 音楽 - 長岡成貢
  • プロデューサー - 今本尚志、柴田知典、武智恒雄、原田由佳
  • アニメーション制作 - GONZO
  • 製作 - 第501統合戦闘航空団(角川書店、GDH、クロックワークス、NTT docomo)

主題歌

オープニングテーマ

「STRIKE WITCHES 〜わたしにできること〜」
作詞 - 只野菜摘、高村和宏 / 作曲・編曲 - 宅見将典 / 歌 - 石田燿子

エンディングテーマ

「ブックマーク ア・ヘッド」
作詞 - 只野菜摘 / 作曲・編曲 - 橋本由香利
歌(第1・2話) - 宮藤芳佳(福圓美里) & 坂本美緒(千葉紗子
歌(第3話) - 宮藤芳佳(福圓美里) & リネット・ビショップ(名塚佳織
歌(第4話) - 宮藤芳佳(福圓美里) & ゲルトルート・バルクホルン(園崎未恵
歌(第5話) - フランチェスカ・ルッキーニ(斎藤千和) & シャーロット・E・イェーガー(小清水亜美
歌(第6話) - サーニャ・V・リトヴャク(門脇舞以) & エイラ・イルマタル・ユーティライネン(仲井絵里香
歌(第7話) - ペリーヌ・クロステルマン(沢城みゆき) & エーリカ・ハルトマン(野川さくら
歌(第8話) - ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ(田中理恵) & 坂本美緒(千葉紗子)
歌(第9話) - 宮藤芳佳(福圓美里) & ペリーヌ・クロステルマン(沢城みゆき)
歌(第10話) - 宮藤芳佳(福圓美里) & ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ(田中理恵)
歌(第11話) - 坂本美緒(千葉紗子) & ペリーヌ・クロステルマン(沢城みゆき)
歌(第12話) - 宮藤芳佳(福圓美里) & 坂本美緒(千葉紗子) & ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ(田中理恵) & ペリーヌ・クロステルマン(沢城みゆき) & リネット・ビショップ(名塚佳織) & エーリカ・ハルトマン(野川さくら) & ゲルトルート・バルクホルン(園崎未恵) & フランチェスカ・ルッキーニ(斎藤千和) & シャーロット・E・イェーガー(小清水亜美) & サーニャ・V・リトヴャク(門脇舞以) & エイラ・イルマタル・ユーティライネン(仲井絵里香)

挿入歌

リリーマルレーン」(STRIKE WITCHES Ver.)
日本語詞 - 鈴木貴昭 / 作詞 - Hans Leip / 作曲 - Norbort Schultze / 編曲 - 長岡成貢 / 歌 - ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ(田中理恵)
第8話

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
1 魔法少女 玉井☆豪
高村和宏
八谷賢一 加藤顕 山川宏治(キャラ)
寺尾洋之(メカ)
2 私にできること 玉井☆豪
佐伯昭志
佐伯昭志 平田雄三
3 一人じゃないから 鈴木貴昭 林宏樹 佐野陽子
4 ありがとう 八谷賢一 宮崎修治
5 はやい・おっきい・やわらかい 浦畑達彦 西本由紀夫 小谷杏子
6 いっしょだよ 佐伯昭志 高橋正典 山口智
7 スースーするの 浦畑達彦 八谷賢一 玉田博 海堂ヒロユキ
8 君を忘れない 鈴木貴昭 林宏樹 白石道太 大河原晴男
9 守りたいもの 佐伯昭志 祝浩司 南伸一郎
10 信じてほしい 鈴木貴昭 西本由紀夫 斎藤雅和
11 空へ… 浦畑達彦 坂田純一 玉田博 平田雄三
海老原雅夫
12 ストライクウィッチーズ 八谷賢一 山川宏治(キャラ)
寺尾洋之(メカ) 

放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列
福井県 福井テレビ 2008年7月3日 - 9月18日 木曜 25:20 - 25:50 フジテレビ系列
埼玉県 テレ玉 木曜 25:30 - 26:00 独立UHF局
奈良県 奈良テレビ
千葉県 チバテレビ 木曜 26:30 - 27:00
京都府 KBS京都 2008年7月4日 - 9月19日 金曜 26:00 - 26:30
長野県 信越放送 金曜 27:00 - 27:30 TBS系列
岐阜県 岐阜放送 2008年7月5日 - 9月20日 土曜 25:00 - 25:30 独立UHF局
神奈川県 tvk 土曜 27:30 - 28:00
群馬県 群馬テレビ 2008年7月6日 - 9月21日 日曜 25:30 - 26:00
兵庫県 サンテレビ 2008年7月7日 - 9月22日 月曜 26:10 - 26:40
東京都 TOKYO MX 月曜 27:00 - 27:30
三重県 三重テレビ
福岡県 TVQ九州放送 2008年7月9日 - 9月24日 水曜 27:38 - 28:08 テレビ東京系列
熊本県 熊本放送 2008年7月14日 - 9月29日 月曜 26:25 - 26:55 TBS系列
全国 BS日テレ 2008年7月28日 - 10月20日 月曜 27:30 - 28:00 日本テレビ系列BSデジタル放送
アニメスピリッツ
前番組 番組名 次番組
ストライクウィッチーズ
-

機械化乙女、秘め声クイズ

OVA版では5人のキャラのみ声の出演があり、残る6人の声優については長らく未定とされていた。テレビアニメ版放映直前の2008年4月10日より5月5日まで、既に決定している声優以外に、その時点で出演は決定している6名の声優の担当キャラ(エーリカ・ハルトマン、ゲルトルート・バルクホルン、シャーロット・E・イエーガー、フランチェスカ・ルッキーニ、サーニャ・V・リトヴャク、エイラ・イルマタル・ユーティライネンの6人)を当てるクイズ企画「機械化乙女、秘め声クイズ」が公式サイトにて実施された。

以下はその声優陣。

  • 門脇舞以
  • 小清水亜美
  • 斎藤千和
  • 園崎未恵
  • 仲井絵里香
  • 野川さくら

小説

ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊

角川スニーカー文庫から発売。著者はヤマグチノボル。カバーイラストは島田フミカネ。口絵・本文イラストは上田梯子

アニメが大戦後期(1944年)の西部戦線が舞台になっているのに対し、本シリーズは大戦初期(1939年)の北欧スオムス攻防戦が舞台となっている。

  • ストライクウィッチーズ 壱の巻 スオムスいらん子中隊がんばる (2006年10月1日発売)
  • ストライクウィッチーズ 弐の巻 スオムスいらん子中隊恋する (2007年3月1日発売)
  • ストライクウィッチーズ 参ノ巻 スオムスいらん子中隊はじける (2008年7月1日発売)
  • ストライクウィッチーズ 四ノ巻 (サブタイトル未定)(2009年初春発売予定)

ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻

角川スニーカー文庫から発売。著者は南房秀久。イラストは島田フミカネ、上田梯子。

アニメ版と同じ舞台・時系列の物語であり、「STRIKE WITCHES」の面々と基地の地元住民との交流などアニメで語られなかったエピソードを補完する内容である。

  • ストライクウィッチーズ 乙女ノ巻(2008年8月1日発売)

漫画

ストライクウィッチーズ 蒼空の乙女たち

コンプエースVol.3(2005年9月26日発売)からVol.5(2006年1月26日発売)まで連載された。著者はかずみ義幸

扶桑皇国本土を舞台に、新型ストライカー開発に関わる新人ウィッチ達の活躍が描かれる予定だったが、角川書店との方針が合わなかったため、わずか3話目にて打ち切りとなる[11]

ストライクウィッチーズ 天空の乙女たち

月刊コンプエース2008年3月号(1月25日発売)より連載中。著者はたなか友基

「2008STRIKE AGAIN!」「2008再始動!」として、テレビアニメ企画の進行に合わせ連載を開始した。内容は、宮藤芳佳がウィッチ候補生として横須賀で訓練を受ける物で、直接「STRIKE WITCHES」に入隊したTVアニメ版とはストーリーが繋がらないパラレルワールド作品となっている。

同人誌

ストライクウィッチーズ アフリカの魔女 Witch in Africa

2008年8月発行。島田フミカネ・鈴木貴昭・野上武志らの共著による、準公式的な位置付けにある作品(理由は後述)。

アフリカ戦線のエース「アフリカの星」ことハンナ・ユスティーナ・マルセイユ中尉の活躍を主題とした、漫画および小説を収録。その他、アニメでは描ききれない部分についての世界設定メモなども記載されている。

本書の内容は、本来テレビアニメ版DVDのブックレットに収録される予定であったが、ブックレットのページ数削減によりその機会が失われてしまったため、改めて同人誌に纏められたものである。

漫画「アフリカの魔女」

1942年、北アフリカのハルファヤ峠を舞台に、アニメでは描かれなかった「男たちの戦い」を描く。作画は野上武志。

小説「アフリカの星」

元軍人の従軍記者を主人公に、地中海から北アフリカにかけてのアフリカ戦線の様子、そして「アフリカの星」マルセイユ中尉の人となりを描く。著者は鈴木貴昭。

フィギュア

  • 原作の島田フミカネのメカ娘シリーズを製作していたコナミからメカ娘とほぼ同スケールのフィギュアが発売されている。
  • グッドスマイルカンパニーのデフォルメフィギュアシリーズ「ねんどろいど」でも発売される(発売元:ファットカンパニー)。第1弾として宮藤芳佳が2009年2月に発売予定。

脚注

  1. ^ 出典:文化庁メディア芸術プラザ
  2. ^ OVA版では部隊名は「STRIKES」となっていた。テレビアニメ版の開始に伴い改名され、5本の魔法の箒をモチーフに星型にした部隊マークも新たにデザインされた。
  3. ^ テレビアニメ放映時に書籍の販促として行われた「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!キャンペーン」の名称はこの設定から来ている。さらに高村監督の意向により、一般の少女も同様の服装であると設定が拡張されている。
  4. ^ 同人誌「アフリカの魔女」・小ネタ集より。
  5. ^ アニメ版の宮藤芳佳に至っては、ブリタニア海域での突発的戦闘での成果からその飛行能力が認められ、坂本美緒の推薦の元、501戦闘航空団の補充要員として正式採用されたという経緯がある。
  6. ^ なお、小説版では第2次世界大戦時の兵器に似た姿をとり、金属の地肌を見せた銀色の物体となっている。そして、アニメ版では現代兵器を思わせる姿の物まで存在し、ハニカムブロックで形成された黒い金属の構造体になっている。
  7. ^ アフリカ戦線において、ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ中尉をはじめとする人類連合軍アフリカ軍団(カールスラント・ロマーニャ・ブリタニア・ヴェネチア)の戦果も影ながら評価に影響している(同人誌版参照)。
  8. ^ いらん子中隊の面々が己の信念を貫き通し、幾多にもわたって武官達と衝突したため正式採用が遅れたとの噂もある。
  9. ^ 宮藤博士率いる研究・技術部がブリタニアの研究所で製作した設計図を元に、当時最も工業技術が発達して、そして航空実験に適した海域の多い扶桑で製造されていた。
  10. ^ 小説版の穴拭智子と加藤武子もその時出撃している。
  11. ^ かずみ義幸 (2006年5月25日). “打ち切りです”. 2008年2月1日閲覧。

関連項目

外部リンク