「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」の版間の差分
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もちろんこのような偽ディスクをおもちゃ店のディスクライターに持って行ったところで書き換えは拒否された。そのため、後に非正規ルートで出回ったディスクシステムのコピーツールを使って不正コピーをするために使われた。また、コピーツールがなくても、ディスクカードを分解してディスクの非正規のものと磁性体を交換することで、ディスクライターでの書き換えが可能であった。 |
もちろんこのような偽ディスクをおもちゃ店のディスクライターに持って行ったところで書き換えは拒否された。そのため、後に非正規ルートで出回ったディスクシステムのコピーツールを使って不正コピーをするために使われた。また、コピーツールがなくても、ディスクカードを分解してディスクの非正規のものと磁性体を交換することで、ディスクライターでの書き換えが可能であった。 |
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任天堂はこれに対抗してその後のディスクシステム本体にプロテクトを施したが、中にはそのプロテクトを「外します」という業者がいたり、更には「ディスクワッカー」と呼ばれるプロティクトを回避するアタッチメントまで発売された。さらには、ちょうど今でいう[[ |
任天堂はこれに対抗してその後のディスクシステム本体にプロテクトを施したが、中にはそのプロテクトを「外します」という業者がいたり、更には「ディスクワッカー」と呼ばれるプロティクトを回避するアタッチメントまで発売された。さらには、ちょうど今でいう[[Write Once Read Many|ライトワンスメディア]]のデュプリケーターのような2ドライブ内蔵型のコピーマシンが製造され、モグリの書き換え屋が現れる始末だった。 |
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また、この非純正ディスクは任天堂未認可のソフトウェアにも用いられた。まともなルートでは出せない[[アダルトゲーム|アダルト要素]]を含むもの([[ハッカーインターナショナル]]製ディスクなど)や、市販のソフトを解析し、キャラクターやプログラムを書き換えるソフトなどが一部で売られていた。 |
また、この非純正ディスクは任天堂未認可のソフトウェアにも用いられた。まともなルートでは出せない[[アダルトゲーム|アダルト要素]]を含むもの([[ハッカーインターナショナル]]製ディスクなど)や、市販のソフトを解析し、キャラクターやプログラムを書き換えるソフトなどが一部で売られていた。 |
2007年10月7日 (日) 08:25時点における版
メーカー | 任天堂 |
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種別 | ゲーム機周辺機器 |
世代 | 第3世代 |
発売日 | 1986年2月21日 |
対応メディア | クイックディスク |
売上台数 | 約450万台 |
互換ハードウェア | ツインファミコン |
ファミリーコンピュータ ディスクシステム(Family Computer Disk System) とは、専用のディスク媒体に書き込まれたソフトウェアを読み込むことでゲームができる、任天堂のファミリーコンピュータ用の周辺機器。「ファミコンディスクシステム」あるいは単に「ディスクシステム」とも略される。日本国内で1986年2月21日に発売された。なお、日本以外では発売されていないが一部の国では正式に任天堂に承諾をうけたライセンス版のディスクシステムが発売されている。
概要
ファミリーコンピュータの従来のゲームプログラムは、カートリッジ(ロムカセット)に内蔵されたROMに格納されていた。それに対して、このディスクシステムは、ディスクカードとよばれる磁気円盤に記録されているプログラムやデータを必要なときにメモリ上に読み込んで、ゲームプログラムを実行する。
ディスクシステムは、ディスクを読みとるディスクシステム本体(HVC-022)と、ソフトウェアの情報をファミリーコンピュータ本体に供給するRAMアダプタ(HVC-023)からなり、ファミリーコンピュータに接続することでシステムを構成する。別売ACアダプタまたは電池(単2電池6本)で動作する。
内蔵されるRAMはプログラムデータ用が256キロビット、スプライトと背景用が64キロビットで、途中の読み込みなしに使える量は片面の半分ほどにあたる。
ディスク読み込み装置としてのみならず、新しい機能もいくつか追加されていた。中でも、ファミコン本体では矩形波など限られた音色しか出せなかったサウンド機能のためにPWM音源が搭載されてゲームプログラムから利用できるようになったことが大きい。ディスクシステムのゲーム作品は多くがPWM音源を利用し、当時のゲームの評価の際にはその当時としては美麗なサウンドを印象に残る点として挙げるファンも多い。
後にシャープから、ファミリーコンピュータ本体とディスクシステムとを一体化させたツインファミコンも発売された。
ディスクカード
ディスクシステムに用いる磁気ディスクは「ディスクカード」と呼び、当時は高価だったフロッピーディスクの廉価代用品となるべくミツミ電機で開発されたクイックディスク規格を元に作られた。技術的な仕様はクイックディスクと同様で、両面それぞれが利用できアクセス速度が比較的速いがトラックは1つのみでランダムアクセスができないため、一度のロード(セーブ)にかかる時間は一定である(シーケンシャルアクセスと言う)。
ディスクカードの容量は両面で896キロビット(112キロバイト)。
登場した時期のロムカセットに比較して約3倍の容量を持っていたことが魅力で、さらにゲームの途中のデータやハイスコアなどをディスクカードにセーブすることにより、本体の電源を切った後もデータを保持できるといったことも、当時のロムカセットでは不可能なことであった。
任天堂純正品のディスクの色には5種類存在し、普通に使用される黄色ディスク、シャッター付きの青色ディスク、イベントの景品用の金色ディスク、開発用の白色ディスク、検品用のピンク色ディスクが存在する。
ディスケット形状はクイックディスクに比べやや細長くなっており、任天堂純正品以外は用いることが出来ないように工夫されていた。しかし実際には通常のクイックディスクも、フォーマットすれば普通に使用できた。任天堂からは生ディスクは供給されず、ゲームソフトを購入して書き換えることになっていた。クイックディスクはMIDIシーケンサやMZ-1500、MSXに採用されていたが、ディスクシステムに採用された頃には市場の流通量が減少して入手困難になっており、『バックアップ活用テクニック』誌のPART10には当時まだ存在していた8インチのフロッピーディスクを切り抜いてクイックディスクにする制作記事まで掲載された。その後、アイ・ツーやハッカーインターナショナルから生ディスクが発売された[1]。
ディスクライター
ディスクカードは「ディスクライター」という店頭に設置されていたシステムを使う事で、内容を別のゲームに書き換えることができた。書き換えの料金は通常1本500円、永谷園のCMが出る『帰ってきたマリオブラザーズ』は400円と、新規にディスクカードを購入するよりも安くゲームを楽しむことができたため、当時の主要ユーザーであった子供達からこのシステムは歓迎された。ただし、市場には公式な生ディスクは存在せず、書き換えするためにはまずゲームソフトを購入してディスクを入手することになっていた。ディスクライターで供給されたソフトにはパッケージ販売された新作ゲームだけでなく、過去にロムカセットで販売された作品や、ディスクライターでのみ購入できた書き換え専用ソフトも存在する。
書き換えたゲームの説明書はパッケージ販売用と同じ物が用意され、一部のゲームでは一冊100円で販売、その他は無料で配布という形式を取っていたが、しだいにパッケージ販売用とは異なる2色印刷の簡易説明書を無料配布するという形式に変更されていった。すべての説明書にはディスクカードに貼り付けるタイトルシールが付属したが、のちにタイトルシールが不足したため「ネームラベル」という白色の自分で名前を書き込むタイプのシールが代わりとされたこともあった。さらに、書き込みの受付が終了する直前には書き換え希望が殺到し、説明書はおろか白のネームラベルすらもらえなかった人もいる。
ディスクライターは任天堂により回収される形で1992年に店頭から姿を消した。その後も同額にて任天堂本社・支店で郵送または社内持込による対応が行われていたが、2003年9月、書き換え機の寿命のため対応が終了した。ちなみにディスクライターは今でも任天堂に保管されている。
3Dシステム
一部のタイトルで擬似的に立体表示でプレイ可能になるファミコン3Dシステムが発売されたが、当時は知名度も低く、使用の際乗り物酔いに似た感覚になると不評だった。また、シャープからツインファミコン用の3Dシステムも発売された。
ディスクファクス
ディスクシステムは黄色いディスクが一般的だが、後期には青色のシャッター付きのディスクを必要とするソフトも出た。これは店頭に設置された「ディスクファクス」(ディスクに保存されたスコアやセーブデータなどを任天堂とやりとりする装置)に対応したディスクで、黄色のディスクとは上位互換である。対応ソフトは『ゴルフJAPANコース』『ゴルフUSコース』『中山美穂のトキメキハイスクール』『ファミコングランプリ F1レース』『ファミコングランプリII 3Dホットラリー』の計5種。ゴルフの上位入賞者には金メッキが施されオリジナルステージが収録されたゴールドディスクが授与された。1988年サービス終了。このシステムは任天堂が普及に意欲を見せていたファミリーコンピュータを用いた家庭用通信システムの試金石とも位置づけられるものである。青ディスクのソフトは、ディスクライターでの黄色ディスクへの書き替えはできない(逆は可能)。
ファミコンネットワークは、当時最も一般家庭に普及しているコンピュータであったファミコンを使った情報ネットワークのことで、ディスクシステム本体にも通信用拡張ポートが備えられていた。ファミリーコンピュータの周辺機器にはキャプテンシステムへの接続や株式売買、公営競技の電話投票などを可能にする拡張機器(通信アダプタ)が発売されたが、折しもパソコンの普及が進んでおり、性能面でも限界のあるファミコンを使ったシステムは普及には至らなかった。
その他
発売の狙い
低コスト、構造が簡単で歩留まりが良い、当時のカセットのよりも容量が大きい、セーブ機能、500円での書き換えなど。
ソフト供給
当時のユーザーの間では、ディスク用の作品はロムカセットで販売されていたソフトとは異なる独特の雰囲気があったとよく言われる。これはディスクシステムのコンセプトが流通環境やプレイヤー間コミュニケーションを含めた「ネットワーク性」を重視していたことに起因すると考えられる。例えば「ゼルダの伝説」は、宮本茂によれば意図的に内容を複雑化する事で攻略情報の交換が行なわれるような狙いを持っていたとされるし、Wiiの似顔絵チャンネルなどもその原型はディスクシステムに遡る。またディスクカードが単なる大容量ではなく、「大容量の書き込みメディア」である点も無視できない。これらの狙いは結果的にはいささか早過ぎたと言わざるを得ないが、供給が安価な事もあってディスクシステムに前衛的な空気を吹き込み、ひいては64DDにみる64戦略やNintendo DS、Wiiのネットワーク指向など任天堂の長期戦略に影響を与えている、
任天堂はハードメーカーという立場から末期までソフト供給を行っていたが、初期から中期にかけてはコナミやスクウェアからも多くのソフトが供給された。これらのメーカーから発売されたソフトはPWM音源などディスクシステムの特徴を生かし、完成度も高かったことから名作と評される物も多い。一方、ファミコンの初期に参入した経緯からソフト数の制限が他社に比べて極端に甘かったナムコやハドソンはディスクシステムに注力せず、過去にROMカートリッジでリリースしたソフトをディスクシステムの書き換え用へ供給するにとどまった。
低迷
1988年頃から次第に翳りが見え始めた。原因は皮肉にもディスクが売りにしていた「大容量」「バックアップ」である。すなわちディスクカードを上回る容量を持つ1メガビット以上のROMカートリッジ(俗称・メガロム)の出現、およびリチウム電池によるバッテリーバックアップを用いることでROMカートリッジでもデータセーブが可能となったためである。それに加え3000円未満のソフトが殆どだった為、サードパーティ側は「利益の低さ」からソフト開発に消極的になっていった。こうして徐々に失速、撤退という道をたどる事となった。
また、頻繁にデータ書込を行うソフトでは、書込時のエラーによってゲームそのものが使用不能になる例も多く、これもディスクシステムの退潮を早める要因となった。
末期はディスクライターでの書き換え専用ソフトが中心となっていき、そして1992年発売の『じゃんけんディスク城』(発売は徳間書店)を最後にソフト供給は終了した。
だが、独特の仕様、音源の良さなどから今でもマニアには人気の周辺機器である事は間違いない。今や中古でもジャンク品が売られるほどに。
模造品
ディスクシステムの発売後まもなく、三才ブックスの『バックアップ活用テクニック』誌上でディスクのコピー法が紹介され、後に各社からディスクの模造品が発売された。
もちろんこのような偽ディスクをおもちゃ店のディスクライターに持って行ったところで書き換えは拒否された。そのため、後に非正規ルートで出回ったディスクシステムのコピーツールを使って不正コピーをするために使われた。また、コピーツールがなくても、ディスクカードを分解してディスクの非正規のものと磁性体を交換することで、ディスクライターでの書き換えが可能であった。
任天堂はこれに対抗してその後のディスクシステム本体にプロテクトを施したが、中にはそのプロテクトを「外します」という業者がいたり、更には「ディスクワッカー」と呼ばれるプロティクトを回避するアタッチメントまで発売された。さらには、ちょうど今でいうライトワンスメディアのデュプリケーターのような2ドライブ内蔵型のコピーマシンが製造され、モグリの書き換え屋が現れる始末だった。
また、この非純正ディスクは任天堂未認可のソフトウェアにも用いられた。まともなルートでは出せないアダルト要素を含むもの(ハッカーインターナショナル製ディスクなど)や、市販のソフトを解析し、キャラクターやプログラムを書き換えるソフトなどが一部で売られていた。
本体の修理について
現在ディスクカードの書き換えサービスは既に終了してしまったが、ディスクシステム本体の修理は任天堂にて受け付けている。ちなみに、故障の多くは「内部のドライブベルトが経年劣化により溶けたり(伸びたり)切れたりする」ことであり、任天堂からドライブベルトだけ送ってもらい(税込210円、送料は数本なら80円切手で十分・まとめ買いは一度に一人5本まで)自分で修理することも出来る(その場合、営業所によってはドライブベルトの交換方法が書かれている説明書が同封される場合もある)。こちらのページに装着方法が載っているが、当然自分での修理は自己責任で行うこと。
RAMアダプタのROMチェック画面
スタートボタンとセレクトボタンを押した状態で電源を投入するとポートチェック画面が見られる。その画面が表示される前に十字キー右とAボタンを押すとメッセージが見られる。このとき数字が出ないのは旧バージョン、DEV 2があれば新バージョン。RAMアダプタのみでも可能。
出典・脚注
関連項目
- ツインファミコン
- クイックディスク (QD)
- ファミコンミニ - ディスクシステムセレクションにおいて、特殊な起動方法でロード画面を見ることができる。
- テトリスDS - 一部にこの起動画面に模した画面が使われていたり、またマリオとルイージのおいかけっこがみられる。
- saku saku-番組内のジングル(CM入り、明けのBGM)に起動時の曲が用いられている。
外部リンク
公式サイト
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