4人はアイドル

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『4人はアイドル』("Help!")は、イギリスにおいて1965年8月6日に発売された、ビートルズの5作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバムであり、また2作目となる映画『ヘルプ!4人はアイドル』のサウンド・トラック盤でもある。

『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、331位にランクイン[1]

英国EMIパーロフォン・オリジナル盤 『4人はアイドル』[編集]

4人はアイドル
ザ・ビートルズスタジオ・アルバム
リリース
録音 アビー・ロード・スタジオ
1965年2月15日 - 6月17日
ジャンル フォークロック[2]
ポップ・ロック[3]
時間
レーベル パーロフォン
PCS 3071 (stereo LP)
PMC 1255 (monaural LP)
CDP 7 46439 2 (stereo CD)
プロデュース ジョージ・マーティン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(イギリス[4]
  • 2位(日本、ミュージック・マンスリー洋楽チャート。1965年当時[5]
  • 9位(オリコン1987年盤)
  • ビートルズ U.K. 年表
    ビートルズ・
    フォー・セール
    (ビートルズ '65)

    (1964年)
    4人はアイドル
    (1965年)
    ラバー・ソウル
    (1965年)
    ビートルズ 日本 年表
    ビートルズ No.5!
    (1965年)
    4人はアイドル
    (1965年)
    ラバー・ソウル
    (1965年)
    テンプレートを表示

    解説[編集]

    『4人はアイドル』は1965年8月6日にリリースされたビートルズの5作目のオリジナル・アルバムである。アルバム邦題は『ヘルプ!』と表記されることも少なくない。A面にはビートルズ主演の映画『ヘルプ!4人はアイドル』で使用された楽曲、B面には「イエスタデイ」やカバー曲を含む新しくレコーディングされたナンバーが収録されている[6]

    プロデューサーのジョージ・マーティンはビートルズのデビュー録音(「ラヴ・ミー・ドゥ」、「P.S.アイ・ラヴ・ユー」)にあたって外部ミュージシャンのアンディ・ホワイトをドラムス、パーカッション役に起用したが、以降はマーティンが手を貸すことはあってもビートルズのレコーディングに際し外部ミュージシャンが参加することはなかった。本作の「悲しみはぶっとばせ」及び「イエスタデイ」のレコーディングにおいてデビュー録音以来、外部ミュージシャンを起用したことは注目される。

    日本の『ミュージック・マンスリー』誌に掲載されていた洋楽チャートでは、2か月連続で2位を獲得しながら、『サウンド・オブ・ミュージック』のサウンドトラック盤とザ・ベンチャーズの来日記念盤に阻まれ1位を逃した[7]

    CD化[編集]

    本作は1987年にCD化されたが、全曲ジョージ・マーティンによってリミックスされている。ただし、このリミックスはジョージ・マーティンがラバー・ソウルも含めて「バラバラに戻してから、またほとんど同じように整理し直した」と述べているように、オリジナルのミックスに非常に忠実に作成されており、積極的な現代化はされず、定位やエフェクト等の処理はほぼオリジナルの通りに再現されている[8]。『ヘルプ!』と『ラバー・ソウル』のリミックスが行われたのは、1987年の最初のCD化の時には、全アルバムが一斉にCD化されたわけではなく、数回に分けてCD化され、『ヘルプ!』、『ラバー・ソウル』、『リボルバー』の3枚が第2弾として発売されたが、当初、『ヘルプ!』と『ラバー・ソウル』はモノラルでのCD発売を予定していたのが、急遽ステレオでの発売に変更された為。

    コンピレーション・アルバム『ザ・ビートルズ1962年〜1966年』に収録されている同アルバムの楽曲もリミックスされたものが採用されている。2009年9月9日の最新リマスター(ステレオ盤)も1987年ヴァージョンを採用。CD化される以前のオリジナルミックスは『ザ・ビートルズ・モノ・ボックス』でステレオとモノラル両方がCD化されている。

    ジャケット[編集]

    イギリス盤は、パーロフォンとEMIのロゴが左上にある関係上、「HELP!」と「THE BEATLES」のロゴの高さがずれているが、日本盤は「ODEON」のレーベルロゴが右端に来たことで、「HELP!」と「THE BEATLES」のロゴが横一列に綺麗に並んでいる。また、日本盤は裏ジャケットの写真が全く異なっていて、ゲイトフォールド(両開き)ジャケットになっているのが特徴。

    ジャケットはコートが左前合わせになっていることから裏焼きであることがわかるが、手旗信号では"NUJV"の文字を現している。左から読むと"NUJV"となり、裏焼きしても"KPUN"となる。このことについてジャケットの撮影をしたロバート・フリーマンは、「最初は手旗信号で"HELP"のポーズを考えていたが、見栄えがよくなかった。そのため我々は即興で、手の位置を変えたより見た目が良いポージングを作った」と話している[9]

    収録曲(英国盤)[編集]

    アナログA面
    全作詞・作曲: レノン=マッカートニー(特記を除く)。
    #タイトル作詞作曲・編曲リード・ボーカル時間
    1.ヘルプ!
    Help!
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    2.ザ・ナイト・ビフォア
    The Night Before
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ポール・マッカートニー
    3.悲しみはぶっとばせ(ユーヴ・ゴット・トゥ・ハイド・ユア・ラヴ・アウェイ)
    You've Got To Hide Your Love Away
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    4.アイ・ニード・ユー
    I Need You(ジョージ・ハリスン)
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョージ・ハリスン
    5.アナザー・ガール
    Another Girl
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ポール・マッカートニー
    6.恋のアドバイス(ユーアー・ゴーイング・トゥ・ルーズ・ザット・ガール)
    You're Going To Lose That Girl
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    7.涙の乗車券
    Ticket To Ride
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    合計時間:
    アナログB面
    全作詞・作曲: レノン=マッカートニー(特記を除く)。
    #タイトル作詞作曲・編曲リード・ボーカル時間
    1.アクト・ナチュラリー
    Act Naturally(ジョニー・ラッセル, ヴォニー・モリソン[注釈 1])
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)リンゴ・スター
    2.イッツ・オンリー・ラヴ
    It's Only Love
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    3.ユー・ライク・ミー・トゥ・マッチ
    You Like Me Too Much(ジョージ・ハリスン)
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョージ・ハリスン
    4.テル・ミー・ホワット・ユー・シー
    Tell Me What You See
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ポール・マッカートニー
    ジョン・レノン
    5.夢の人
    I've Just Seen A Face
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ポール・マッカートニー
    6.イエスタデイ
    Yesterday
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ポール・マッカートニー
    7.ディジー・ミス・リジー
    Dizzy Miss Lizzy(ラリー・ウィリアムズ[注釈 2])
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    合計時間:

    米国キャピトル編集盤 『ヘルプ(四人はアイドル)』[編集]

    ヘルプ(四人はアイドル)
    ビートルズサウンド・トラック
    リリース
    録音 アビー・ロードスタジオ 1964年
    ジャンル ロック
    インストゥルメンタル
    映画音楽
    時間
    レーベル キャピトル
    SMAS 2386 (stereo LP)
    MAS 2386 (monaural LP)
    CDP 0946 3 57716 2 6 (CDP 0946 3 57500 2 7) (stereo and monaural CD)
    プロデュース ジョージ・マーティン
    デイブ・デクスター・ジュニア
    チャート最高順位
    ビートルズ U.S. 年表
    ビートルズ VI
    (1965年)
    ヘルプ
    (四人はアイドル)

    (1965年)
    Rubber Soul
    (Capitol)
    (1965年)
    ビートルズ 日本 年表
    ビートルズ VI
    (1970年)
    ヘルプ
    (四人はアイドル)

    (1970年)
    イエスタデイ・
    アンド・トゥデイ

    (1970年)
    テンプレートを表示

    解説[編集]

    『ヘルプ(四人はアイドル)』は1965年8月にアメリカ合衆国で発売されたビートルズ9作目のアルバムである。米キャピトル・レコードによる編集盤である。純粋なサウンド・トラック盤様に仕上げられた本作は、実際に映画で使用された楽曲のみが収録され、その他に映画で使用されたケン・ソーンの音楽が収められている。なお『4人はアイドル』から外されたナンバー(同盤のB面7曲)は『ビートルズ VI』、『Rubber Soul (Capitol)』、『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』の3種のアルバムに収録されている。

    ケン・ソーンの映画音楽はケン・ソーンと彼のオーケストラによる演奏である。

    『ビルボード』誌アルバム・チャートでは、9週連続第1位を獲得し、1966年度年間ランキング27位を記録している。『キャッシュボックス』誌では、10週連続第1位を獲得し、1965年度年間ランキング66位、そして、1966年度年間ランキング34位と年を跨いで記録している。アメリカだけで300万枚以上のセールスを記録している。

    他のアメリカ編集盤と同じく、アメリカ編集のサウンド・トラック盤は長らく未CD化だったが、2004年にボックスセットとして発売された『ビートルズ'65 BOX』でモノラルとステレオ両方のヴァージョンが初CD化された。ただしモノラル盤はアナログ盤(米キャピトル:MAS 2386)及びCD(米キャピトル:CDP 0946 3 57716 2 6)の双方ともステレオ・ヴァージョンをモノラルにミックス・ダウンしただけのものである。

    アルバム・ジャケットは英国盤とは大幅に異なり、"HELP!"というタイトルを強調したもので、4人の写真はかなり小さくなっている[注釈 3]

    収録曲(米国盤)[編集]

    アナログA面
    全作詞・作曲: レノン=マッカートニー(特記を除く)。
    #タイトル作詞作曲・編曲リード・ボーカル時間
    1.ヘルプ![注釈 4]
    Help!
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    2.ザ・ナイト・ビフォア
    The Night Before
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ポール・マッカートニー
    3.フロム・ミー・トゥ・ユー・ファンタジー[注釈 5]
    From Me To You Fantasy(レノン=マッカートニー(ケン・ソーン編曲))
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)インストゥルメンタル
    4.悲しみはぶっとばせ(ユーヴ・ゴット・トゥ・ハイド・ユア・ラヴ・アウェイ)
    You've Got To Hide Your Love Away
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    5.アイ・ニード・ユー
    I Need You(ジョージ・ハリスン)
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョージ・ハリスン
    6.イン・ザ・チロル[注釈 6]
    In The Tyrol (Instrumental)(ケン・ソーン)
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)インストゥルメンタル
    合計時間:
    アナログB面
    全作詞・作曲: レノン=マッカートニー(特記を除く)。
    #タイトル作詞作曲・編曲リード・ボーカル時間
    1.アナザー・ガール
    Another Girl
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ポール・マッカートニー
    2.アナザー・ハード・デイズ・ナイト[注釈 7]
    Another Hard Day's Night(レノン=マッカートニー(ケン・ソーン編曲))
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)インストゥルメンタル
    3.涙の乗車券
    Ticket To Ride
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    4.ザ・ビター・エンド / ユー・キャント・ドゥ・ザット
    The Bitter End / You Can't Do That(ケン・ソーン / レノン=マッカートニー(ケン・ソーン編曲))
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)インストゥルメンタル
    5.恋のアドバイス(ユーアー・ゴーイング・トゥ・ルーズ・ザット・ガール)
    You're Going To Lose That Girl
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)ジョン・レノン
    6.ザ・チェイス
    The Chase (Instrumental)(ケン・ソーン)
    レノン=マッカートニー(特記を除く)レノン=マッカートニー(特記を除く)インストゥルメンタル
    合計時間:

    各国での発売形態[編集]

    日付 レーベル 発売形態 カタログ番号
    イギリス 1965年8月6日 Parlophone mono LP PMC 1255
    stereo LP PCS 3071
    アメリカ 1965年8月13日 Capitol Records mono LP MAS 2386
    stereo LP SMAS 2386
    Worldwide reissue 1987年4月15日 Apple, Parlophone, EMI CD CDP 7 46439 2
    日本 1998年3月11日 東芝EMI CD TOCP 51115
    日本 2004年1月21日 東芝EMI Remastered LP TOJP 60135
    Worldwide reissue 2006年4月11日 Apple/Capitol/EMI CD reissue of U.S. LP CDP 0946 3 57500 2 7
    Worldwide reissue 2009年9月9日 Apple/Capitol/EMI CD stereo remaster CDP 0946 3 82415 2 2

    関連文献[編集]

    脚注[編集]

    注釈[編集]

    [ヘルプ]
    1. ^ バック・オーウェンズバッカルーズのカバー曲
    2. ^ ラリー・ウィリアムズのカバー曲
    3. ^ なぜか順番も入れ替えられているため、手旗信号がNUJVでなくなっている。
    4. ^ a b 冒頭に約18秒の「ジェームズ・ボンドのテーマ」風の楽曲が挿入されている。本作に収録の「ヘルプ!」はこのイントロを合わせて1曲とカウントしているため、演奏時間が2分39秒と長くなっている。
    5. ^ フロム・ミー・トゥ・ユー」及び「シーズ・ア・ウーマン」をオーケストラ用にアレンジしたもの。
    6. ^ 曲の途中にリヒャルト・ワーグナーの歌劇『ローエングリン』の第3幕への前奏曲の一部が挿入される。
    7. ^ ハード・デイズ・ナイト」、「キャント・バイ・ミー・ラヴ」、「恋する二人」の3曲をメドレーにしてインド音楽風にアレンジしたもの。

    出典[編集]

    [ヘルプ]
    1. ^ 500 Greatest Albums of All Time: The Beatles, 'Help!' | Rolling Stone
    2. ^ Unterberger, Richie (2002). Turn! Turn! Turn!: The '60s Folk-Rock Revolution. San Francisco: Backbeat Books. p. 272. ISBN 0-87930-703-X. 
    3. ^ Spignesi, Stephen J.; Lewis, Michael (2004). Here, There, and Everywhere: The 100 Best Beatles Songs. New York: Black Dog. ISBN 978-1-57912-369-7. "...after the unabashed more-or-less traditional pop rock of A Hard Day's Night and Help!..." 
    4. ^ ChartArchive - The Beatles - Help!
    5. ^ 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP社、2015年、33頁。ISBN 978-4-8222-7834-2
    6. ^ Most Recorded Song”. Guinness World Records. 2006年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月17日閲覧。
    7. ^ 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』32頁。
    8. ^ Kozinn, Allan (1987年3月8日). “Interview with George Martin”. The New York Times. http://abbeyrd.best.vwh.net/kozinn.htm 2018年11月17日閲覧。 
    9. ^ Freeman, Robert. The Beatles: A Private View. NY: Barnes & Noble. ISBN 1-59226-176-0. 
    10. ^ Stannard, Neville (24 June 1982). Tobler, John. ed. The Long and Winding Road: A History of The Beatles on Record. London: Virgin Books. ISBN 0-907080-46-4. 
    11. ^ “The Beatles Chart History (Billboard 200)”. Billboard 200 (ビルボード). https://www.billboard.com/music/The-Beatles/chart-history/billboard-200 2018年11月17日閲覧。 

    外部リンク[編集]