黄色いアイリス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
黄色いアイリス
The Regatta Mystery and Other Stories
著者 アガサ・クリスティー
訳者 中村妙子
発行日 イギリスの旗1939年(底本)
日本の旗1980年8月15日早川書房
発行元 イギリスの旗
日本の旗早川書房ほか
ジャンル 推理小説
イギリスの旗 イギリス
前作 殺人は容易だ
次作 そして誰もいなくなった
Wikidata-logo-en.svg ウィキデータ項目を編集
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

黄色いアイリス』(きいろいアイリス、英題:Yellow Iris)は、1980年(底本は1939年)に早川書房より刊行されたアガサ・クリスティ推理小説の短編集および、収録されている短編のタイトル。エルキュール・ポアロもの5編他4編、計9編からなる。

基本的に、それぞれエルキュール・ポアロ(5編)、ミス・マープル(1編)、パーカー・パイン(2編)を主人公とする推理小説であるが、「仄暗い鏡の中に」だけは幻想小説である。

底本と早川書房版[編集]

本作は1939年に刊行された短編集『The Regatta Mystery』(レガッタ・デーの事件)を底本とする早川書房オリジナルの短編集である。本作は表題作が「レガッタ・デーの事件」から「黄色いアイリス」へと変更されている他に、収録作品についてもいくつか変更があり、「The Dream」(夢)が外され、代わりに短編集『The Witness for the Prosecution and Other Stories』(『「検察側の証人」ほか』、1948年刊行)から、「The Second Gong」(「二度目のゴング」)が収録されている。「夢」は、早川書房では短編集『クリスマス・プディングの冒険』に収録されている。

収録作品[編集]

レガッタ・デーの事件 The Regatta Mystery(1936年)
パインもの。手から落ちただけのはずの宝石「明けの明星」が部屋から忽然と消えた。依頼を受けたパインはその謎を解く。
バグダッドの大櫃の謎 The Mystery of the Bagdad Chest(1932年)
ポアロもの。パーティに来なかった客の男が翌日、会場に置かれたバグダッドの大櫃と呼ばれる箱の中から死体で見つかる。
あなたの庭はどんな庭? How Does Your Garden Grow ?(1935年)
ポアロもの。ポアロの事務所に曖昧な依頼の手紙が届く。ポアロは返信するが、その後音信は無く依頼主は死亡したことを知る。気になったポアロは調査を始める。
ポリェンサ海岸の事件 Problem at Pollensa Bay(1936年)
パインもの。パインはあるリゾート地のホテルに宿泊する。そこで知り合った女性は、息子のことでパインに相談を行う。
黄色いアイリス Yellow Iris(1937年)
ポアロもの。ポアロの元に女性の声で急な危機を訴える電話がかかってくる。ポアロは急いで指定されたレストランへ向かうが依頼してきた女性はいない。唯一黄色いアイリスが置かれたテーブルが気になったポアロは、そのテーブル客たちに話しかける。
ミス・マープルの思い出話 Miss Marple Tells a Story(1939年)
マープルもの。知り合いの弁護士ペサリックの紹介で、マープルはバーンチェスターで起こった殺人事件の真犯人を推理する。
仄暗い鏡の中に In a Glass Darkly(1934年)
私は幽霊屋敷のような友人の家に行く。部屋の鏡の前で身支度を整えていると、鏡に写る私の背後で男が女性を絞殺している。慌てて振り返るが、そこには誰もいなかった。
船上の怪事件 Problem at Sea(1936年)
ポアロもの。アレクサンドリア港に停泊中の客船、その密室下の客室で女性が刺殺される。
二度目のゴング The Second Gong(1932年)
ポアロもの。ポアロが依頼を受けた家を訪ねると、依頼主が拳銃で自殺していた。一部の人間に聞こえた2回のゴングの音を手がかりに捜査を始める。