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「丹後魚っ知館」の版間の差分

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{{水族館
{{水族館
|名称 = 丹後魚っ知館
|名称 = 丹後魚っ知館
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|正式名称 = 宮津エネルギー研究所水族館
|正式名称 = 宮津エネルギー研究所水族館
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|館長 = 吉田史子(閉館時)<ref name="京都新聞20230502"/>
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|頭数 = 約4000匹<ref name="京都府観光連盟">{{Cite web |url=https://www.kyoto-kankou.or.jp/info_search/?id=3417&r=1684719105.6874 |title=関西電力宮津エネルギー研究所「丹後魚っ知館」 |publisher =公益社団法人 京都府観光連盟 本部事務局 |accessdate=2023-05-23}}</ref>
|頭数 =
|種数 = 約200種<ref name="京都府観光連盟"/>
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|最大水槽容量 = 300トン<ref name="朝日新聞20211104"/>
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|来園者数 = 延べ約602万人(2023年3月末)<ref name="関電20230411"/>
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|開館 = 1989年8月26日
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|所在地郵便番号 = 626-0052
|所在地郵便番号 = 626-0052
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|所在地 = [[京都府]][[宮津市]]小田宿野1001
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'''丹後魚っ知館'''(たんごうおっちかん)は、[[京都府]][[宮津市]]小田宿野にあった[[水族館]]。正式名称は'''宮津エネルギー研究所水族館'''(みやづエネルギーけんきゅうじょすいぞくかん)
{{画像提供依頼|cat=宮津市|date=2021-04|施設}}
'''魚っ知館'''(うおっちかん)は、[[京都府]][[宮津市]]小田宿野にあ[[水族館]]。


== 概要 ==
== 特色 ==
[[File:Uocchikan バックヤード.jpg|thumb|left|公開バックヤード]]
正式名称は「宮津エネルギー研究所水族館」。[[関西電力]][[宮津エネルギー研究所]]内にあり、関西電力のPR施設としての性格を有する。
[[関西電力]][[宮津エネルギー研究所]]敷地内にあり、関西電力のPR施設としてエネルギー知識の普及啓発施設を兼ねる<ref name="関電20230411"/>。26種類の水槽で、約200種類・4000匹の[[丹後地方]]の海に生息している魚や、[[マゼランペンギン]]、[[ゴマフアザラシ]]などを飼育する<ref name="読売新聞20230413"/><ref>{{Cite web |url=https://aquarium.30min.jp/kyoto/ |title=京都府の水族館 |publisher =みんなの水族館 |accessdate=2023-05-23}}</ref>。[[京都府農林水産技術センター 海洋センター|京都府立海洋センター]]や[[京都大学]]のフィールド科学教育研究センターの海域ステーション・舞鶴水産実験所の実習等、他機関の教育研究活動にも協力し、資料提供やバックヤードの公開を行ってきた<ref>{{Cite web |url=https://www.maizuru.marine.kais.kyoto-u.ac.jp/jisshuu/koukaijisshu.html |title=公開実習の記録 |publisher =京都大学 舞鶴水産実験所 |accessdate=2023-05-23}}</ref><ref>{{Cite book|和書|author= |title=丹後の魚ウォッチング |publisher=京都新聞社 |date=1993 |page=217 |isbn=}}</ref>。


[[イメージキャラクター]]は[[ミノカサゴ]]をモチーフにしたウォッチ君。魚の絵と漢字が描かれた[[カードゲーム]]「魚魚(とと)あわせ」(後述)でも知られている。
[[イメージキャラクター]]は[[ミノカサゴ]]をモチーフにしたウォッチ君。魚の絵と漢字が描かれた[[カードゲーム]]「魚魚(とと)あわせ」(後述)開発のきっかけとなった水族館として知られている。

1989年(平成元年)8月、[[京都府]]唯一の水族館として開館した。2012年(平成24年)に[[京都市]]に[[京都水族館]]が開館するまでは京都府唯一の水族館だった<ref>本館が開館する以前に、京都市の[[森のゆうえんち|八瀬遊園]]に1964年 - 1984年に「八瀬海水水族館」が存在しており、「京都府初の水族館」ではない。</ref>。


== 歴史 ==
== 歴史 ==
[[File:Uocchikan Big Terrarium ac (2).jpg|thumb|大水槽]]
* 1989年([[平成]]元年)8月 - 開館。
1989年(平成元年)8月26日、[[水族館]]とPR施設の役割を併せ持つ'''宮津エネルギー研究所PR館'''として開館した<ref name="パネル展示">パネル展示「Thank You for 34 Years!!」丹後魚っ知館</ref><ref name="読売新聞20230413">{{Cite news|title=丹後魚っ知館 5月末閉館 |newspaper=読売新聞 |url=https://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/news/20230412-OYTNT50116/ |accessdate=2023-05-23 |date=2023-04-13 |author=}}</ref>。当時の[[京都府]]では唯一の本格的な水族館であった<ref>宮津エネルギー研究所PR館が開館する前の1964年(昭和39年)から1984年(昭和59年)、京都市の[[森のゆうえんち|八瀬遊園]]に八瀬海水水族館が存在しているため、宮津エネルギー研究所PR館は「京都府初の水族館」ではない。</ref>。同月には石油火力発電所の[[宮津エネルギー研究所]]も運転を開始している。飼育員が[[サンタクロース]]姿でエサやりをする季節イベントや<ref name="読売新聞20230413"/>、魚などの海の生物を直接手に触れて観察できる海水プールを備え、子どもにも人気の施設となった<ref name="京都府観光連盟"/>。夏祭りなど身近な催事の会場としても地域に根付く取組を行い、開館1周年で来館者数33万5,000人を記録した<ref name="京都新聞20230502">{{Cite news|title=京都北部の水族館が5月末で閉館へ 4人の飼育員、それぞれの「推し」は? |newspaper=京都新聞 |url=https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1018074 |accessdate=2023-05-23 |date=2023-05-02 |author=}}</ref>。
* 2008年(平成20年) - 水族館部分を有料化。

* 2010年(平成22年)4月25日 - 来館者数が500万人を突破。
1990年(平成2年)4月1日には'''宮津エネルギー研究所水族館'''として[[日本動物園水族館協会]]に加盟した<ref name="パネル展示"/>。3周年を前にした1992年(平成4年)8月20日には総入館者数が100万人を達成した<ref name="パネル展示"/>。
* 2023年(令和5年)5月30日 - 同日を以て閉館予定<ref>{{Cite press release|title=「丹後魚っ知館」の閉館 |publisher=関西電力 |date=2023-04-11 |language=ja |url=https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20230411_2j.pdf |accessdate=2023-04-11}}</ref>。

1993年(平成5年)4月4日、917件寄せられた一般公募により施設の愛称が'''丹後魚っ知館'''に決定し、ミノカサゴをモチーフとした[[マスコット]]キャラクター「うおっちくん」も誕生した<ref name="パネル展示"/><ref name="京都新聞20230502"/>。1994年(平成6年)12月1日には[[広尾海洋水族科学館]]から2頭の[[ゴマフアザラシ]]を借り受けたことで、1995年(平成7年)7月21日には屋外アザラシプールが完成し、同年には大水槽のリニューアル工事も行った<ref name="パネル展示"/>。1996年(平成8年)1月18日と1月19日には宮津市で第40回[[水族館飼育技術者研究会]]を開催し、日本動物園水族館協会の総裁である[[秋篠宮文仁親王]]と[[文仁親王妃紀子]]も列席した<ref name="パネル展示"/>。

2000年(平成12年)8月16日には[[おたる水族館]]から2頭のゴマフアザラシを搬入し、2001年(平成13年)11月1日には[[玉野市立海洋博物館]]から1羽の[[マゼランペンギン]]を搬入した<ref name="パネル展示"/>。1989年(平成元年)の開館から15年間は水族館の入場料が無料だったが、宮津エネルギー研究所の活動休止に伴い、2004年(平成16年)6月1日には水族館の入場料を有料とした<ref name="パネル展示"/>。

[[File:Uocchikan ゴマフアザラシの骨格標本.jpg|thumb|ゴマフアザラシの標本展示]]
2005年(平成17年)5月26日には1頭のゴマフアザラシを[[のとじま臨海公園水族館]]に搬出し、11月9日にはのとじま臨海公園水族館から1羽のマゼランペンギンを搬入した<ref name="パネル展示"/>。2007年(平成19年)には宮津市民から[[キングペンギン]]の[[剥製]]を譲り受けてエントランスでの展示を開始した<ref name="パネル展示"/>。2008年(平成20年)5月2日にも[[上越市立水族博物館]]から1羽のマゼランペンギンを搬入している<ref name="パネル展示"/>。

2009年(平成21年)7月にはアザラシ・ペンギンプールの改修を行い、[[アザラシ]]と[[ペンギン]]が一緒に泳ぐ全国でも珍しいプールとなった<ref name="パネル展示"/>。2010年(平成22年)4月25日には総入館者数が500万人を達成した<ref name="パネル展示"/>。同年7月16日には上越市立水族博物館から2羽のマゼランペンギンを搬入した<ref name="パネル展示"/>。2012年(平成24年)3月14日に[[京都市]]に[[京都水族館]]が開館するまでは京都府唯一の水族館だった<ref name="パネル展示"/><ref name="朝日新聞20211104"/>。

2015年(平成27年)には地元漁師の定置網にかかった[[エビスザメ]]の展示を開始したが、日本国内の水族館で飼育されている唯一の個体であるとして話題になった<ref name="パネル展示"/>。2016年(平成28年)3月8日には国指定[[天然記念物]]の[[アユモドキ]]の飼育を開始した<ref name="パネル展示"/>。2018年(平成30年)4月には日本一の海獣を決める「ヒレアシ甲子園」が開催され、ゴマフアザラシのゴン太が「腹筋」を披露して近畿1位となった<ref name="パネル展示"/>。同年6月27日には[[ふくしま海洋科学館]]から1頭のゴマフアザラシを搬入した<ref name="パネル展示"/>。

[[File:Uocchikan Big Terrarium.jpg|thumb|飼育最大魚オオテンジクザメ]]
2019年(令和元年)8月26日には開館30周年を迎え、その前の同年6月1日には「うおっち館バッジ」の販売を開始した<ref name="パネル展示"/>。2020年(令和2年)以後に[[新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)|新型コロナウイルス感染症の世界的流行]]が起こると、2020年(令和2年)3月3日から6月30日、2021年(令和3年)4月25日から6月20日、2021年(令和3年)8月20日から9月30日に臨時休館した<ref name="パネル展示"/>。2021年(令和3年)7月には公式[[Twitter]]アカウントを開設した<ref name="パネル展示"/>。2022年(令和4年)6月1日には[[海遊館]]から[[オオテンジクザメ]]を搬入したが、これは丹後魚っ知館の飼育生物において最大級の個体である<ref name="パネル展示"/>。

関西電力が約20年もの長期停止状態にあった宮津エネルギー研究所の敷地の再整備を決定したため、隣接する「丹後魚っ知館」も2023年(令和5年)5月30日をもって閉館した<ref name="関電20230411">{{Cite web|url=https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20230411_2j.pdf |title=「丹後魚っ知館」の閉館 |format=PDF |publisher =関西電力 |accessdate=2023-05-23}}</ref><ref name="京都新聞20230502"/><ref>{{Cite web|title = 京都北部の水族館「丹後魚っ知館」が閉館 「ありがとうございました」閉館放送に拍手|社会|地域のニュース|url = https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1035830|website = 京都新聞|publisher = 京都新聞|date = 2023-5-30|accessdate = 2023-5-30}}</ref>。研究所を含む跡地の約43ヘクタールの敷地は、脱炭素などの先進技術を備えた企業誘致エリアとして2028年度をめどに再整備する方針が示されている<ref>{{Cite news|title=京都北部の水族館が5月末で閉館へ ゴマフアザラシ飼育 火力発電所も廃止 |newspaper=京都新聞 |url=https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1006049 |accessdate=2023-05-23 |date=2023-04-11 |author=}}</ref>。


== 施設 ==
== 施設 ==
[[File:Uocchikan terrariums ac (3).jpg|thumb|水族館]]

* 水族館
* 水族館
** 有料。周辺海域に生息する魚等、約200種を見ることができる<ref name="京都府観光連盟"/>。このうち館内最大の300トン水槽では、2021年12月時点で大型の[[マダラエイ]]や[[タマカイ]]など35種約130匹を飼育する<ref name="朝日新聞20211104">{{Cite news|title=早くもサンタ登場 京都・宮津の水族館大水槽でエサやり |newspaper=朝日新聞 |url=https://www.asahi.com/articles/ASPCR71V1PCRPLZB001.html |accessdate=2023-05-23 |date=2021-11-04 |author=}}</ref>。<!--2021年以前の記載によれば「96種約600匹の魚が泳いで」いた。-->
** 有料。宮津周辺に生息している魚が見られる。96種約600匹の魚が泳いでいる大型水槽がある。
* タッチングプール
* タッチングプール
** 無料。魚やナマコに直接触れることができるタッチングプールのほか、手を入れることができるドクターフィッシュプールなどがある<ref>{{Cite web |url=https://tatetsunagi.com/1141/ |title=丹後魚っち館 |publisher =たてつなぎ |accessdate=2023-05-23}}</ref>。タッチングプールの大きさは公式ホームページによれば「日本最大級」。
** 無料。公式ホームページには「日本最大級」と表記されている。
* エネルギー展示室
* エネルギー展示室
** 無料。エネルギーの勉強ができる。
** 無料。エネルギーの勉強ができる。
* 魚っ知コーナー
* 魚っ知コーナー
** 無料。地域の特産品を紹介している。
** 無料。エネルギー研究資料のほか、地域の特産品を紹介している。

<gallery>
Uocchikan 館内.jpg|水族館館内
Uocchikan Touching Pool ac.jpg|タッチングプール
File:Uocchikan タッチングプール.jpg|タッチングプール2
Energy Exhibition Room ac (2).jpg|エネルギー展示室
Energy Exhibition Room ac (4).jpg|魚っ知コーナー
</gallery>


== 利用案内 ==
== 利用案内 ==
[[File:Tango Uocchikan ac (2).jpg|thumb|外観]]
* 開館時間
* 開館時間
** 9:00 - 17:00
** 9:00~17:00
* 休館日
* 休館日
** 毎週水曜日・木曜日(祝祭日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
** 毎週水曜日・木曜日(祝祭日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日 - 1月3日)
* 入館料
** 水族館部分のみ有料(大人300円・小人150円)<ref name="みのり通信"/>


== 基礎情報 ==
== 基礎情報 ==
59行目: 87行目:
** [[京都府]][[宮津市]]小田宿野1001
** [[京都府]][[宮津市]]小田宿野1001
* アクセス
* アクセス
** [[京都丹後鉄道]][[京都丹後鉄道宮舞線|宮舞線]][[栗田駅]]から約3km(タクシー利用)
** [[京都丹後鉄道]][[京都丹後鉄道宮舞線|宮舞線]][[栗田駅]]から約3 km
** [[京都縦貫自動車道]][[宮津天橋立IC]]から車で約20分<ref name="みのり通信">{{Cite web |url=https://edu.bsc-int.co.jp/2023/03/20/education_kyoto_sangyo/#PR |title=修学旅行】京都でおすすめの工場見学・産業施設12選|学校団体向け産業観光をピックアップ |publisher =教育旅行情報サイトみのり通信 |accessdate=2023-05-23}}</ref>


== 関連商品 ==
== 販売商品「魚魚(とと)あわせ」 ==
[[File:Uocchikan totoawase.jpg|thumb|「ととあわせ」で遊ぶ様子]]
魚っ知館の飼育スタッフなどで構成された魚魚(とと)工房により、[[カードゲーム]]「魚魚(とと)あわせ」などを開発・販売している。
=== 特徴 ===
「魚魚(とと)あわせ」は、2003年(平成15年)、魚っ知館のアクアリウムショップにオリジナル商品が無かったことがひとつのきっかけとなり、水族館の飼育業務を受託していた大阪市に本社を置く環境・土木・建築の総合エンジニアリング企業の社員のなかから、魚介類の専門知識を活かして何か面白いものが出来ないかと考案されたカードゲームである<ref name="きっかけ"/>。カード2枚につき1つの[[魚介類]]の[[切り絵]]と[[漢字]]があしらわれている。2枚を横に並べると、絵がつながり、[[偏]](へん)と[[旁]](つくり)に分けて書かれてある漢字もつながるようになっている。これにより、絵合わせや[[神経衰弱 (トランプゲーム)|神経衰弱]]をして遊ぶことができる。また、2枚のうち片方にはその魚介に関する[[七五調]]の文章が書かれている。これを読み札、もう一方を取り札にすることで、[[かるた]]として遊ぶこともできるようになっている。


当時、世間に流通していたカルタのデザインは、一般に札の裏面は無地等地味なデザインの単調なものが多かった。読み札や絵札の裏面でも遊ぶことができるよう考案された「魚魚(とと)あわせ」は、それまでにない画期的なアイデアの商品であり、この開発を機に製作メンバーで「魚魚工房(ととこうぼう)」が立ち上げられ、以後、各地のご当地おさかなカルタを制作していくこととなる。魚種には各地の特徴的な魚を採用して基本的な魚の形や特徴を紹介しながら、読み札の文には、伝統料理やその土地の地名を取り混ぜて郷土色を強めた<ref name="きっかけ">{{Cite web |url=https://www.totokobo.com/105roots/index.html |title=魚魚あわせをつくるきっかけは?  |publisher =株式会社KANSOテクノス |accessdate=2023-05-23}}</ref>。
「魚魚(とと)あわせ」は、カード2枚につき1つの[[魚介類]]の[[切り絵]]と[[漢字]]があしらわれている。2枚を横に並べると、絵がつながり、[[偏]](へん)と[[旁]](つくり)に分けて書かれてある漢字もつながるようになっている。これにより、絵合わせや[[神経衰弱 (トランプゲーム)|神経衰弱]]をして遊ぶことができる。また、2枚のうち片方にはその魚介に関する[[七五調]]の文章が書かれている。これを読み札、もう一方を取り札にすることで、[[かるた]]として遊ぶこともできるようになっている。


切り絵は、[[京都府農林水産技術センター 海洋センター|京都府立海洋センター]]の元所長で、魚っ知館に当時勤めていた篠田正俊(<!-- しのだ まさとし -->1939年生-2006年没)によるもの<ref name="linkclub" />。第1弾「京都丹後版」では実際の姿に忠実な切り絵だったが、もっとカラフルな物をとの購入者からの声を受け、以降はそれぞれの魚が持つ雰囲気を保ちつつも[[千代紙]]や[[和紙|色紙]]を用いた切り絵となった<ref>{{Cite web|url=https://www.excite.co.jp/news/article/00091124357312/ |title=遊びながら魚偏漢字も学べる「ととあわせ」とは?(Excite Bit コネタ) |publisher=[[エキサイト]] |author=田辺香 |date=2005-08-21 |language=日本語 |accessdate=2013-12-18 }}</ref>。
「魚魚(とと)あわせ」は、魚っ知館がある[[京都府]][[京都府北部地域|北部]]の[[丹後国|丹後地方]]の魚介類を取り上げたもの2003年3月20日<ref name="linkclub">{{Cite web|url=http://info.linkclub.or.jp/nl/2007_12/P20-23.pdf |title=Link Club NewsLetter リンククラブニューズレター 2007年12月号 P.20-23 「クリエイティビティ / 魚と漢字と絵を媒介にして新しいカードゲーム」|format=PDF |publisher=Link Club |author=夏沢冬樹 |date=2007-12 |language=日本語 |accessdate=2013-12-18 }}</ref>にし、以降は各地方の魚介類を取り上げている。また、第8弾では[[英語]]版を、第12弾では日本全国の魚介を取り上げた「日本津々浦々版」を作った。現在までに以下の「魚魚(とと)あわせ」が作られている。

=== 種類 ===
第1弾の「魚魚(とと)あわせ」は、魚っ知館がある[[京都府北部地域]]の[[丹後国|丹後地方]]の魚介類を取り上げたもので、2003年3月20日<ref name="linkclub">{{Cite web|url=http://info.linkclub.or.jp/nl/2007_12/P20-23.pdf |title=Link Club NewsLetter リンククラブニューズレター 2007年12月号 P.20-23 「クリエイティビティ / 魚と漢字と絵を媒介にして新しいカードゲーム」|format=PDF |publisher=Link Club |author=夏沢冬樹 |date=2007-12 |language=日本語 |accessdate=2013-12-18 }}</ref>に発売し、以降は各地方の魚介類を取り上げている。また、第8弾では[[英語]]版を、第12弾では日本全国の魚介を取り上げた「日本津々浦々版」を作った。現在までに以下の「魚魚(とと)あわせ」が作られている。
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#[[京都府|京都]][[丹後国|丹後]]版
#[[京都府|京都]][[丹後国|丹後]]版
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=== 評価 ===
切り絵は、[[京都府農林水産技術センター 海洋センター|京都府立海洋センター]]の元所長で、魚っ知館に当時勤めていた篠田正俊(<!-- しのだ まさとし -->1939年生-2006年没)によるもの<ref name="linkclub" />。第1弾「京都丹後版」では実際の姿に忠実な切り絵だったが、もっとカラフルな物をとの購入者からの声を受け、以降はそれぞれの魚が持つ雰囲気を保ちつつも[[千代紙]]や[[和紙|色紙]]を用いた切り絵となった<ref>{{Cite web|url=https://www.excite.co.jp/news/article/00091124357312/ |title=遊びながら魚偏漢字も学べる「ととあわせ」とは?(Excite Bit コネタ) |publisher=[[エキサイト]] |author=田辺香 |date=2005-08-21 |language=日本語 |accessdate=2013-12-18 }}</ref>。
「魚魚(とと)あわせ」は、2005年度の[[グッドデザイン賞]]を受賞している<ref>{{Cite web|url=http://www.g-mark.org/award/describe/31656 |title=カードゲーム &#x5B;ととあわせ&#x5D; &#x7C; 受賞対象一覧 &#x7C; Good Design Award |publisher=[[グッドデザイン賞]] |author= |date= |language=日本語 |accessdate=2013-12-18 }}</ref>。2006年には[[日本グッド・トイ委員会]]によりグッド・トイに選定されている<ref>{{Cite web|url=http://www13.plala.or.jp/goodtoy/awards/list.htm |title=Awarded list - GOOD TOY AWARDS グッド・トイ選定玩具|publisher=[[日本グッド・トイ委員会]] |author= |date= |language=日本語 |accessdate=2013-12-18 }}<!-- 「とと合わせ」と表記されている --></ref>。また、全国観光土産品連盟による全国推奨観光土産品審査会において、「魚魚(とと)あわせ」が第45回([[2004年]]度)の審査会にて入賞し<ref>{{Cite web|url=http://www.miyagehin.com/list/bak_45.html |title=入賞品一覧|第45回(平成16年度) |publisher=全国観光土産品連盟 |language=日本語 |accessdate=2013-12-17}}</ref>、「江戸前版」が第47回(2006年度)の審査会にて入賞した<ref>{{Cite web|url=http://www.miyagehin.com/list/bak_47.html |title=入賞品一覧|第47回(平成18年度) |publisher=全国観光土産品連盟 |language=日本語 |accessdate=2013-12-17}}</ref>。


高評価を受けてメディアでも多数紹介されており、雑誌では湊文社の月刊「アクアネット 2016年1月号」や小学館の月刊誌「DIME(ダイム)2019年4月号」、朝日新聞社の「AERA with Kids あの人の子育てがすごい!(2015年11月14日発売号)」、ファミリーマガジン「momo vol.22」(2020年12月5日発売)等に掲載。テレビではBSフジテレビ「モノコト駄菓子屋」(2008年5月7,14日放送)や広島ホームテレビの安眠サプリ開発バラエティ『デルゲーツ』(2016年3月7日放送)などで紹介されている<ref>{{Cite web |url=https://www.totokobo.com/104info/masumedia.html |title=マスメディア |publisher =株式会社KANSOテクノス |accessdate=2023-05-23}}</ref>。
「魚魚(とと)あわせ」は、2005年度の[[グッドデザイン賞]]を受賞している<ref>{{Cite web|url=http://www.g-mark.org/award/describe/31656 |title=カードゲーム &#x5B;ととあわせ&#x5D; &#x7C; 受賞対象一覧 &#x7C; Good Design Award |publisher=[[グッドデザイン賞]] |author= |date= |language=日本語 |accessdate=2013-12-18 }}</ref>。2006年には[[日本グッド・トイ委員会]]によりグッド・トイに選定されている<ref>{{Cite web|url=http://www13.plala.or.jp/goodtoy/awards/list.htm |title=Awarded list - GOOD TOY AWARDS グッド・トイ選定玩具|publisher=[[日本グッド・トイ委員会]] |author= |date= |language=日本語 |accessdate=2013-12-18 }}<!-- 「とと合わせ」と表記されている --></ref>。また、全国観光土産品連盟による全国推奨観光土産品審査会において、「魚魚(とと)あわせ」が第45回([[2004年]]度)の審査会にて入賞し<ref>{{Cite web|url=http://www.miyagehin.com/list/bak_45.html |title=入賞品一覧|第45回(平成16年度) |publisher=全国観光土産品連盟 |language=日本語 |accessdate=2013-12-17}}</ref>、「江戸前版」が第47回([[2006]]度)の審査会にて入賞した<ref>{{Cite web|url=http://www.miyagehin.com/list/bak_47.html |title=入賞品一覧|第47回(平成18年度) |publisher=全国観光土産品連盟 |language=日本語 |accessdate=2013-12-17}}</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Tango Uocchikan}}
* {{Official website|name=丹後魚っ知館}}
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* [http://www.kanso.co.jp/uo_news/ 環境総合テクノス](飼育管理請負:魚っ知館NEWS掲載)
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2023年5月31日 (水) 12:17時点における版

丹後魚っ知館
施設情報
正式名称 宮津エネルギー研究所水族館
愛称 丹後魚っ知館
館長 吉田史子(閉館時)[1]
頭数 約4000匹[2]
種数 約200種[2]
最大水槽容量 300トン[3]
来園者数 延べ約602万人(2023年3月末)[4]
開館 1989年8月26日
閉鎖 2023年5月30日
所在地 626-0052
京都府宮津市小田宿野1001
位置 北緯35度33分22.1秒 東経135度15分18.5秒 / 北緯35.556139度 東経135.255139度 / 35.556139; 135.255139座標: 北緯35度33分22.1秒 東経135度15分18.5秒 / 北緯35.556139度 東経135.255139度 / 35.556139; 135.255139
アクセス #基礎情報参照
公式サイト 公式ウェブサイト
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丹後魚っ知館(たんごうおっちかん)は、京都府宮津市小田宿野にあった水族館。正式名称は宮津エネルギー研究所水族館(みやづエネルギーけんきゅうじょすいぞくかん)。

特色

公開バックヤード

関西電力宮津エネルギー研究所敷地内にあり、関西電力のPR施設としてエネルギー知識の普及啓発施設を兼ねる[4]。26種類の水槽で、約200種類・4000匹の丹後地方の海に生息している魚や、マゼランペンギンゴマフアザラシなどを飼育する[5][6]京都府立海洋センター京都大学のフィールド科学教育研究センターの海域ステーション・舞鶴水産実験所の実習等、他機関の教育研究活動にも協力し、資料提供やバックヤードの公開を行ってきた[7][8]

イメージキャラクターは、ミノカサゴをモチーフにしたウォッチ君。魚の絵と漢字が描かれたカードゲーム「魚魚(とと)あわせ」(後述)開発のきっかけとなった水族館として知られている。

歴史

大水槽

1989年(平成元年)8月26日、水族館とPR施設の役割を併せ持つ宮津エネルギー研究所PR館として開館した[9][5]。当時の京都府では唯一の本格的な水族館であった[10]。同月には石油火力発電所の宮津エネルギー研究所も運転を開始している。飼育員がサンタクロース姿でエサやりをする季節イベントや[5]、魚などの海の生物を直接手に触れて観察できる海水プールを備え、子どもにも人気の施設となった[2]。夏祭りなど身近な催事の会場としても地域に根付く取組を行い、開館1周年で来館者数33万5,000人を記録した[1]

1990年(平成2年)4月1日には宮津エネルギー研究所水族館として日本動物園水族館協会に加盟した[9]。3周年を前にした1992年(平成4年)8月20日には総入館者数が100万人を達成した[9]

1993年(平成5年)4月4日、917件寄せられた一般公募により施設の愛称が丹後魚っ知館に決定し、ミノカサゴをモチーフとしたマスコットキャラクター「うおっちくん」も誕生した[9][1]。1994年(平成6年)12月1日には広尾海洋水族科学館から2頭のゴマフアザラシを借り受けたことで、1995年(平成7年)7月21日には屋外アザラシプールが完成し、同年には大水槽のリニューアル工事も行った[9]。1996年(平成8年)1月18日と1月19日には宮津市で第40回水族館飼育技術者研究会を開催し、日本動物園水族館協会の総裁である秋篠宮文仁親王文仁親王妃紀子も列席した[9]

2000年(平成12年)8月16日にはおたる水族館から2頭のゴマフアザラシを搬入し、2001年(平成13年)11月1日には玉野市立海洋博物館から1羽のマゼランペンギンを搬入した[9]。1989年(平成元年)の開館から15年間は水族館の入場料が無料だったが、宮津エネルギー研究所の活動休止に伴い、2004年(平成16年)6月1日には水族館の入場料を有料とした[9]

ゴマフアザラシの標本展示

2005年(平成17年)5月26日には1頭のゴマフアザラシをのとじま臨海公園水族館に搬出し、11月9日にはのとじま臨海公園水族館から1羽のマゼランペンギンを搬入した[9]。2007年(平成19年)には宮津市民からキングペンギン剥製を譲り受けてエントランスでの展示を開始した[9]。2008年(平成20年)5月2日にも上越市立水族博物館から1羽のマゼランペンギンを搬入している[9]

2009年(平成21年)7月にはアザラシ・ペンギンプールの改修を行い、アザラシペンギンが一緒に泳ぐ全国でも珍しいプールとなった[9]。2010年(平成22年)4月25日には総入館者数が500万人を達成した[9]。同年7月16日には上越市立水族博物館から2羽のマゼランペンギンを搬入した[9]。2012年(平成24年)3月14日に京都市京都水族館が開館するまでは京都府唯一の水族館だった[9][3]

2015年(平成27年)には地元漁師の定置網にかかったエビスザメの展示を開始したが、日本国内の水族館で飼育されている唯一の個体であるとして話題になった[9]。2016年(平成28年)3月8日には国指定天然記念物アユモドキの飼育を開始した[9]。2018年(平成30年)4月には日本一の海獣を決める「ヒレアシ甲子園」が開催され、ゴマフアザラシのゴン太が「腹筋」を披露して近畿1位となった[9]。同年6月27日にはふくしま海洋科学館から1頭のゴマフアザラシを搬入した[9]

飼育最大魚オオテンジクザメ

2019年(令和元年)8月26日には開館30周年を迎え、その前の同年6月1日には「うおっち館バッジ」の販売を開始した[9]。2020年(令和2年)以後に新型コロナウイルス感染症の世界的流行が起こると、2020年(令和2年)3月3日から6月30日、2021年(令和3年)4月25日から6月20日、2021年(令和3年)8月20日から9月30日に臨時休館した[9]。2021年(令和3年)7月には公式Twitterアカウントを開設した[9]。2022年(令和4年)6月1日には海遊館からオオテンジクザメを搬入したが、これは丹後魚っ知館の飼育生物において最大級の個体である[9]

関西電力が約20年もの長期停止状態にあった宮津エネルギー研究所の敷地の再整備を決定したため、隣接する「丹後魚っ知館」も2023年(令和5年)5月30日をもって閉館した[4][1][11]。研究所を含む跡地の約43ヘクタールの敷地は、脱炭素などの先進技術を備えた企業誘致エリアとして2028年度をめどに再整備する方針が示されている[12]

施設

水族館
  • 水族館
    • 有料。周辺海域に生息する魚等、約200種を見ることができる[2]。このうち館内最大の300トン水槽では、2021年12月時点で大型のマダラエイタマカイなど35種約130匹を飼育する[3]
  • タッチングプール
    • 無料。魚やナマコに直接触れることができるタッチングプールのほか、手を入れることができるドクターフィッシュプールなどがある[13]。タッチングプールの大きさは公式ホームページによれば「日本最大級」。
  • エネルギー展示室
    • 無料。エネルギーの勉強ができる。
  • 魚っ知コーナー
    • 無料。エネルギー研究資料のほか、地域の特産品を紹介している。

利用案内

外観
  • 開館時間
    • 9:00 - 17:00
  • 休館日
    • 毎週水曜日・木曜日(祝祭日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日 - 1月3日)
  • 入館料
    • 水族館部分のみ有料(大人300円・小人150円)[14]

基礎情報

販売商品「魚魚(とと)あわせ」

「ととあわせ」で遊ぶ様子

特徴

「魚魚(とと)あわせ」は、2003年(平成15年)、魚っ知館のアクアリウムショップにオリジナル商品が無かったことがひとつのきっかけとなり、水族館の飼育業務を受託していた大阪市に本社を置く環境・土木・建築の総合エンジニアリング企業の社員のなかから、魚介類の専門知識を活かして何か面白いものが出来ないかと考案されたカードゲームである[15]。カード2枚につき1つの魚介類切り絵漢字があしらわれている。2枚を横に並べると、絵がつながり、(へん)と(つくり)に分けて書かれてある漢字もつながるようになっている。これにより、絵合わせや神経衰弱をして遊ぶことができる。また、2枚のうち片方にはその魚介に関する七五調の文章が書かれている。これを読み札、もう一方を取り札にすることで、かるたとして遊ぶこともできるようになっている。

当時、世間に流通していたカルタのデザインは、一般に札の裏面は無地等地味なデザインの単調なものが多かった。読み札や絵札の裏面でも遊ぶことができるよう考案された「魚魚(とと)あわせ」は、それまでにない画期的なアイデアの商品であり、この開発を機に製作メンバーで「魚魚工房(ととこうぼう)」が立ち上げられ、以後、各地のご当地おさかなカルタを制作していくこととなる。魚種には各地の特徴的な魚を採用して基本的な魚の形や特徴を紹介しながら、読み札の文には、伝統料理やその土地の地名を取り混ぜて郷土色を強めた[15]

切り絵は、京都府立海洋センターの元所長で、魚っ知館に当時勤めていた篠田正俊(1939年生-2006年没)によるもの[16]。第1弾「京都丹後版」では実際の姿に忠実な切り絵だったが、もっとカラフルな物をとの購入者からの声を受け、以降はそれぞれの魚が持つ雰囲気を保ちつつも千代紙色紙を用いた切り絵となった[17]

種類

第1弾の「魚魚(とと)あわせ」は、魚っ知館がある京都府北部地域丹後地方の魚介類を取り上げたもので、2003年3月20日[16]に発売し、以降は各地方の魚介類を取り上げている。また、第8弾では英語版を、第12弾では日本全国の魚介を取り上げた「日本津々浦々版」を作った。現在までに以下の「魚魚(とと)あわせ」が作られている。

  1. 京都丹後
  2. 越前若狭
  3. 越中富山
  4. 加賀能登
  5. 山陰但馬城崎温泉
  6. 隠岐出雲石見島根)版
  7. 紀州和歌山
  8. Sushi Bar
  9. 瀬戸内
  10. 江戸前
  11. 琵琶湖淀川水系版
  12. 日本津々浦々(全国)版

評価

「魚魚(とと)あわせ」は、2005年度のグッドデザイン賞を受賞している[18]。2006年には日本グッド・トイ委員会によりグッド・トイに選定されている[19]。また、全国観光土産品連盟による全国推奨観光土産品審査会において、「魚魚(とと)あわせ」が第45回(2004年度)の審査会にて入賞し[20]、「江戸前版」が第47回(2006年度)の審査会にて入賞した[21]

高評価を受けてメディアでも多数紹介されており、雑誌では湊文社の月刊「アクアネット 2016年1月号」や小学館の月刊誌「DIME(ダイム)2019年4月号」、朝日新聞社の「AERA with Kids あの人の子育てがすごい!(2015年11月14日発売号)」、ファミリーマガジン「momo vol.22」(2020年12月5日発売)等に掲載。テレビではBSフジテレビ「モノコト駄菓子屋」(2008年5月7,14日放送)や広島ホームテレビの安眠サプリ開発バラエティ『デルゲーツ』(2016年3月7日放送)などで紹介されている[22]

脚注

  1. ^ a b c d “京都北部の水族館が5月末で閉館へ 4人の飼育員、それぞれの「推し」は?”. 京都新聞. (2023年5月2日). https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1018074 2023年5月23日閲覧。 
  2. ^ a b c d 関西電力宮津エネルギー研究所「丹後魚っ知館」”. 公益社団法人 京都府観光連盟 本部事務局. 2023年5月23日閲覧。
  3. ^ a b c “早くもサンタ登場 京都・宮津の水族館大水槽でエサやり”. 朝日新聞. (2021年11月4日). https://www.asahi.com/articles/ASPCR71V1PCRPLZB001.html 2023年5月23日閲覧。 
  4. ^ a b c 「丹後魚っ知館」の閉館” (PDF). 関西電力. 2023年5月23日閲覧。
  5. ^ a b c “丹後魚っ知館 5月末閉館”. 読売新聞. (2023年4月13日). https://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/news/20230412-OYTNT50116/ 2023年5月23日閲覧。 
  6. ^ 京都府の水族館”. みんなの水族館. 2023年5月23日閲覧。
  7. ^ 公開実習の記録”. 京都大学 舞鶴水産実験所. 2023年5月23日閲覧。
  8. ^ 『丹後の魚ウォッチング』京都新聞社、1993年、217頁。 
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w パネル展示「Thank You for 34 Years!!」丹後魚っ知館
  10. ^ 宮津エネルギー研究所PR館が開館する前の1964年(昭和39年)から1984年(昭和59年)、京都市の八瀬遊園に八瀬海水水族館が存在しているため、宮津エネルギー研究所PR館は「京都府初の水族館」ではない。
  11. ^ 京都北部の水族館「丹後魚っ知館」が閉館 「ありがとうございました」閉館放送に拍手|社会|地域のニュース”. 京都新聞. 京都新聞 (2023年5月30日). 2023年5月30日閲覧。
  12. ^ “京都北部の水族館が5月末で閉館へ ゴマフアザラシ飼育 火力発電所も廃止”. 京都新聞. (2023年4月11日). https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1006049 2023年5月23日閲覧。 
  13. ^ 丹後魚っち館”. たてつなぎ. 2023年5月23日閲覧。
  14. ^ a b 修学旅行】京都でおすすめの工場見学・産業施設12選|学校団体向け産業観光をピックアップ”. 教育旅行情報サイトみのり通信. 2023年5月23日閲覧。
  15. ^ a b 魚魚あわせをつくるきっかけは? ”. 株式会社KANSOテクノス. 2023年5月23日閲覧。
  16. ^ a b 夏沢冬樹 (2007年12月). “Link Club NewsLetter リンククラブニューズレター 2007年12月号 P.20-23 「クリエイティビティ / 魚と漢字と絵を媒介にして新しいカードゲーム」” (PDF). Link Club. 2013年12月18日閲覧。
  17. ^ 田辺香 (2005年8月21日). “遊びながら魚偏漢字も学べる「ととあわせ」とは?(Excite Bit コネタ)”. エキサイト. 2013年12月18日閲覧。
  18. ^ カードゲーム [ととあわせ] | 受賞対象一覧 | Good Design Award”. グッドデザイン賞. 2013年12月18日閲覧。
  19. ^ Awarded list - GOOD TOY AWARDS グッド・トイ選定玩具”. 日本グッド・トイ委員会. 2013年12月18日閲覧。
  20. ^ 入賞品一覧|第45回(平成16年度)”. 全国観光土産品連盟. 2013年12月17日閲覧。
  21. ^ 入賞品一覧|第47回(平成18年度)”. 全国観光土産品連盟. 2013年12月17日閲覧。
  22. ^ マスメディア”. 株式会社KANSOテクノス. 2023年5月23日閲覧。

外部リンク