「2021年の台風」の版間の差分

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10月2日、[[フィリピン]]の東において[[低圧部]]が発生。10月5日には熱帯低気圧に発達し、10月7日に[[気象庁]]はこの熱帯低気圧について「24時間以内に[[台風]]に発達する見込み」と発表した。
10月2日、[[フィリピン]]の東において[[低圧部]]が発生。10月5日には熱帯低気圧に発達し、10月7日に[[気象庁]]はこの熱帯低気圧について「」と発表した。


10月8日、熱帯低気圧が発達し、台風17号が発生した。
10月8日、熱帯低気圧が発達し、台風17号が発生した。
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=== 台風21号(ニヤトー) ===
'''202121・27W'''
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11月28日午前3時にマリアナ諸島近海で低圧部が発生。29日9時には熱帯低気圧に発達し、同日21時には24時間以内に[[台風]]に発達する見込みと気象庁が発表した。

30日午前9時に同海域で台風に発達した。(1000hPa/18㎧)


== 気象庁が「台風」に分類しなかった熱帯低気圧 ==
== 気象庁が「台風」に分類しなかった熱帯低気圧 ==

2021年11月30日 (火) 09:06時点における版

2021年の台風
軌跡の地図
最初の熱帯低気圧発生 1月20日
最初の台風発生 2月18日
最も強かった
台風
台風2号 – 895 hPa,
120 kt
熱帯低気圧の総数 31
台風の総数 20
タイフーンの総数 2
総死亡者数 不明
総被害額 不明
年別台風
2019, 2020, 2021, 2022, 2023

2021年台風(2021ねんのたいふう、太平洋北西部および南シナ海[注 1]で発生した熱帯低気圧)のデータ。データは基本的に日本の気象庁の情報に基づき、気象庁が熱帯低気圧としていない一部のものについては、合同台風警報センター (JTWC) のみに準拠する。

月別の台風発生数

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間
1 1 1 2 3 4 4 4 20

*2021 11/2 18:30現在

各熱帯低気圧の活動時期

台風に分類されている熱帯低気圧

台風1号(ドゥージェン)

202101・01W・アウリング

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 2月18日 – 2月22日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
996 hPa

2月15日、カロリン諸島付近において発生した低圧部[1]が、16日21時、フィリピンの東海上で熱帯低気圧に発達した。この熱帯低気圧に対し、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)は、フィリピン名アウリング(Auring)と命名した。また、17日18時に合同台風警報センター(JTWC)によって、熱帯低気圧番号01Wが与えられた。01Wはフィリピンの東海上(北緯7.4度、東経132.2度)で台風となり[2]、アジア名ドゥージェン(Dujuan)と命名された。

台風2号(スリゲ)

202102・02W・バイシング

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 4月14日 – 4月25日
ピーク時の強さ 120 kt (10分間平均) 
895 hPa

4月12日、カロリン諸島付近において発生した熱帯低気圧が発生し、この熱帯低気圧に対し、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)は、フィリピン名バイシング(Bising)と命名した。また、合同台風警報センター(JTWC)によって、熱帯低気圧番号02Wが与えられた。02Wはフィリピンの東海上(北緯7.9度、東経137.3度)で台風となり、アジア名スリゲ(Surigae)と命名された[3]

当初の予報では非常に強い勢力に発達すると予想されていたが[4]、 台風は予想以上のペースで勢力を強めた。16日21時からの24時間で中心気圧を60hPaも低下させるなど急速に発達して17日21時には猛烈な勢力へと成長[5]。なお、4月に猛烈な勢力となったのは最大風速のデータがある1977年以降では統計史上初めてである[6][注 2]

その後も2号はさらに勢力を強めて18日3時に平成28年台風第14号以来、およそ5年ぶりとなる最低気圧900hPa未満に到達した台風および4月における最初の800hPa台の台風として、最低気圧895hPa、最大風速60m/s(120kt)、最大瞬間風速85m/s(170kt)という記録を残した[7][8]

なお、ノット基準での最大風速(10分平均)が120ktとなったため統計史上5番目に最大風速の強い台風となった。

最大風速(気象庁解析・10分間平均)
順位 台風 国際名 最大風速 (kt)
1 昭和54年台風第20号 Tip 1979年 140
2 平成25年台風第30号 Haiyan 2013年 125
平成22年台風第13号 Megi 2010年
昭和57年台風第10号 Bess 1982年
5 令和3年台風第2号 Surigae 2021年 120
令和2年台風第19号 Goni 2020年
平成28年台風第14号 Meranti 2016年
平成3年台風第28号 Yuri 1991年
平成2年台風第19号 Flo 1990年
昭和61年台風第3号 Lola 1986年
昭和60年台風第22号 Dot 1985年
昭和59年台風第22号 Vanessa 1984年
昭和58年台風第5号 Abby 1983年
昭和57年台風第21号 Mac 1982年
昭和56年台風第22号 Elsie 1981年
昭和55年台風第19号 Wynne 1980年
昭和53年台風第26号 Rita 1978年

台風3号(チョーイワン)

202103・03W・ダンテ

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 5月31日 – 6月5日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
998 hPa

5月29日、カロリン諸島付近において熱帯低気圧が発生した。この熱帯低気圧に対してフィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)は、フィリピン名ダンテ(Dante)と命名した。また、合同台風警報センター(JTWC)によって、熱帯低気圧番号04Wが与えられた。04Wは、5月31日9時にフィリピンの東(北緯7.2度、東経131.6度)で台風となり[9]、アジア名チョーイワン(Choi-wan)と命名された。当初はフィリピンの東を北上する予報だったが、予想に反して北西に進みフィリピンに上陸したのち南シナ海に抜けた。その後北東に進路をかえて6月5日15時に沖縄県の北の海上で温帯低気圧に変わった。

なお、確定値では台風の発生時刻が、5月31日15時に訂正されている。[10]

台風4号(コグマ)

202104・05W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 6月12日 – 6月13日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
996 hPa

6月10日、南シナ海で低圧部が発生。低圧部は11日15時に熱帯低気圧に発達。同時に気象庁は24時間以内に台風に発達するとして、観測を開始。また、12日12時に合同台風警報センターによって05Wが付番された。05Wは同日15時に台風に発達し、アジア名コグマ(koguma)と命名された。台風は西進しベトナムに上陸した後、13日15時に熱帯低気圧に変わった。その後、同日21時に消滅した。

台風5号(チャンパー)

202105・06W

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 6月23日 – 6月27日
ピーク時の強さ 65 kt (10分間平均) 
980 hPa

6月21日午前9時にマリアナ諸島近海で熱帯低気圧が発生。熱帯低気圧は合同台風警報センターによって06Wと付番された。その後、熱帯低気圧は北西に進み、6月23日9時に台風に発達、アジア名チャンパー(Champi)と命名された。その後、台風は小笠原諸島に接近したのち北北東に進み、関東の南東の海上で温帯低気圧にかわった。

台風6号(インファ)

202106・09W

タイフーン (JMA)
カテゴリー3 タイフーン (SSHWS)
発生期間 7月18日 – 7月28日
ピーク時の強さ 95 kt (10分間平均) 
950 hPa

7月16日12時に熱帯低気圧が発生。その後、熱帯低気圧は台風6号に発達し、アジア名インファ(n-fa名付けられた。台風は沖縄県に接近し、7月20日21時には、強い勢力になった。台風は22日夜から宮古島の南東海上でしばらく停滞し、次第に進路を北寄りに変え、ゆっくりとした速さで23日から24日にかけて宮古島地方にかなり接近し、宮古島多良間島の間を通過した。その後は勢力を下げながらその後は北西方向に20Km/hほどの速度移動中国大陸上陸したあと、長江下流域付近で熱帯低気圧に変わった。


今回の台風6号は夏台風で、予報に大きな幅があった。

台風7号(チャンパカ)

202107・10W

タイフーン (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 7月19日 – 7月22日
ピーク時の強さ 70 kt (10分間平均) 
980 hPa

7月16日、南シナ海に低圧部が発生。翌日、熱帯低気圧に発達。

7月19日、南シナ海で熱帯低気圧が台風7号となり、アジア名チャンパカ(empaka命名された。ちなみに、この前日には台風6号が発生している。その後はゆっくりと西よりに進み、一時的に暴風域を伴った。


7月22日9時に華南で熱帯低気圧に変わった。7月26日、熱帯低気圧は消滅した。

台風8号(ニパルタック)

202108・11W

トロピカル・ストーム (JMA)
Subtropical storm (SSHWS)
発生期間 7月23日 – 7月28日
ピーク時の強さ 40 kt (10分間平均) 
990 hPa

7月23日21時、南鳥島近海で発達中の熱帯低気圧(同日9時発生)が台風8号になり、アジア名ニパルタック(Nepartak)と命名された。合同台風警報センターはこの台風を11Wと命名した。台風はその後北上し、日本の東の海上を北西に進んだ。

その後次第に進行方向を北西から西へと変え、暴風域は伴わないものの、26日夜には関東地方と東北地方の一部が強風域に入った。台風は一時的に南下しつつ、翌27日朝には銚子市の東海上でほぼ停滞した。この段階で、北陸と東海の一部も強風域に入った。同日日中は進路を北に変え、関東南部沖を進んだ。同日夜には北北西にカーブしつつ、北関東沖から三陸沖を進んだ。その後、翌28日の朝6時前に宮城県石巻市付近に上陸した。宮城県に台風が上陸するのは観測史上初となった。その後は宮城県北東部を北上して岩手県に入り、同日9時には盛岡市の南70km、同日正午には秋田市の東北東80kmに達した。同日午後には西向きに進路を変え、秋田県を通って日本海に出た。同日15時、秋田県沖で温帯低気圧に変わった。

このように珍しい進路をとったのは、台風の東から北にかけて、細長い高気圧が覆っていたことや、寒冷渦の影響などが挙げられる。

また、今回の台風は、2020年東京オリンピックの期間中だった7月28日に日本に上陸した台風である[11]

オリンピックの影響

  • サーフィン競技 - 7月28日に予定されていた決勝戦と3位決定戦を前日に前倒し。
  • ボート競技 - 7月27日予定のレースを延期。
  • アーチェリー競技 - アーチェリー男女個人戦の開始時間を2時間半繰り下げて正午開始に変更し、午後予定されていた競技を28日と29日に変更。
  • トライアスロン競技 - トライアスロン女子の開始時間に遅れ。

台風9号(ルピート)

202109・13W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月4日[12] – 8月9日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
985 hPa

8月4日9時、南シナ海で発達中の熱帯低気圧が台風となった。気象庁はこの台風に、アジア名ルピート(Lupit)と命名した。台風は南シナ海を北東に進み、8月8日には九州地方に接近。8月8日20時過ぎ、鹿児島県枕崎市付近に上陸した[13]。翌日8月9日5時過ぎには広島県呉市付近に再上陸。その後は、北に進み、同日8月9日9時、中国地方温帯低気圧に変わった。

中国地方などを中心に各地で大雨や強風に襲われた。気象庁は「顕著な大雨に関する情報」を島根県隠岐に発表していた。降り始めから9日午後4時までの総雨量は、島根県海士町海士で325.5mm、同県浜田市波佐で296.5mm、広島県山県郡北広島町八幡で276mmなどとなり、北広島町千代田地区には「緊急安全確保」が発表された。また、高知県室戸市最大瞬間風速38mが観測されたほか、東京都江戸川区でも最大瞬間風速が25.5mを記録した。

また、この台風から変わった温帯低気圧の影響で、8月10日には北日本から東日本で大荒れの天気となり、青森県上北郡七戸町では河川が氾濫し、「緊急安全確保」が発表されたり、同県むつ市では国道279号に架かる橋が崩落するなどの被害が出た。

これまでに、岡山県で1人が死亡し、島根県では1人が行方不明になっている。また、多数の負傷者が出ている。

台風10号(ミリネ)

202110・14W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月5日[14] – 8月10日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
980 hPa

8月4日3時に沖縄近海で熱帯低気圧が発生。同時に気象庁はこの熱帯低気圧について、24時間以内に台風に発達する見込みとの情報を発表した。

その後、8月5日15時に同海域で台風10号が発生した。気象庁はこの台風について、アジア名ミリネ(Mirinae)と命名した。台風は日本の南の海上を東に進んだ。その後、台風は北東方向に進路を変え、速度を上げた。

関東に接近したあと、8月10日に日本の東で温帯低気圧に変わった。

なお、確定値では発生日時が台風11号のほうが早く発生したことになっている。[確 1]このような逆転現象は2016年の台風10・11号以来5年ぶりのことである。

台風11号(ニーダ)

202111・15W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月4日[15] – 8月8日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
992 hPa

8月2日03時にウェーク島近海に熱帯低気圧が発生。熱帯低気圧は30km/hから45km/hと速い速度で北上していた。その後8月5日15時に気象庁が日本の東で台風11号として発生。アジア名はニーダ(Nida)

発生時からも20km/hから30km/hの速度で北上した。ピーク時は992hPa、最大風速25m/sとなった。8月8日09時に温帯低気圧に変わった

なお、確定値では発生日時が8月4日9時となっており、風速も30㎧に上方修正されている。速報値では台風10号との同時発生となっていたが、これにより台風10号よりも早く発生したことになる。[確 1]このような逆転現象は2016年の台風10・11号以来5年ぶりのことである。

台風12号(オーマイス)

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 8月20日 – 8月24日
ピーク時の強さ 25 kt (10分間平均) 
994 hPa

202112・16W

8月15日、マーシャル諸島熱帯低気圧が発達中。気象庁はこの熱帯低気圧について、24時間以内に台風に発達する見込みとの情報を発表した。[16]しかし、台風は予報よりも発達せず、気象庁は24時間以内に台風に発達する見込みとの情報を取り消した。

8月20日、フィリピンの東の熱帯低気圧が発達。気象庁はこの熱帯低気圧について、24時間以内に台風に発達する見込みとの情報を発表した。[17]ちなみに、この熱帯低気圧は8月15日に気象庁が24時間以内に台風に発達する見込みと発表した熱帯低気圧である。

8月20日21時、フィリピンの東で発生。台風12号はアジア名オーマイス(Omais)と名付けられた。8月22日には沖縄先島諸島に接近。その後、台風12号は東シナ海を北よりに進み、8月24日9時に、日本海温帯低気圧に変わった。[18]

台風13号(コンソン)

202113・18W・ジョリーナ

トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月6日 – 9月12日
ピーク時の強さ 45 kt (10分間平均) 
985 hPa

9月5日21時に、フィリピンの東で低圧部が発生した。低圧部は翌日3時に熱帯低気圧に発達し、フィリピン大気地球物理天文局によってフィリピン名ジョリーナと名付けられた。その後、15時に台風に発達し、アジア名コンソン(Conson)と名付けられた。6日18時には合同台風警報センターによって18Wが付番されている。

台風はフィリピンの島々を上陸・通過したあと、9月9日には東シナ海暴風域を伴うも9月11日には暴風域消滅。9月12日午前3時に南シナ海で熱帯低気圧に変わった。

台風14号(チャンスー)

202114・19W・キコ

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月7日 – 9月18日
ピーク時の強さ 115 kt (10分間平均) 
905 hPa

9月7日9時、フィリピンの東で台風14号が発生し、アジア名チャンスー(Chanthu)と命名された[19]。 チャンスーは、カンボジアが用意した名前で、花の名前に由来する[19]。 海水面温度が高かったことや、風の条件が台風の発達に適していたことなどから、台風は急発達し、発生から24時間後の8日9時には、中心気圧945hPa・最大風速45m/sの「非常に強い」勢力になった[20]。 11日になると、フィリピンの東で発達のピークを迎え、中心気圧は905hPaにまで低下し、中心付近の最大風速は60m/s(115ノット)となり、「猛烈」な台風となった[21]

その後は勢力を弱めながら東シナ海で複雑な進路をとったあと、観測史上初の福岡県に上陸した。台風は瀬戸内海に出たあと、愛媛県和歌山県に再上陸し、9月18日に東海沖で温帯低気圧に変わった。

また、この台風は高気圧による、夏台風であった。

台風15号(ディアンムー)

202115・21W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 9月23日 – 9月24日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
1000 hPa

9月22日、南シナ海低圧部が発生した。翌日、低圧部は熱帯低気圧に発達。合同台風警報センターはこの熱帯低気圧にTD21Wと付番した。同日9月23日、熱帯低気圧は台風15号となり、アジア名ディアンムー(Dianmu)と名付けられた。翌日に台風はラオスに上陸、同日9月24日15時、特に勢力を強めることもなく、台風15号は熱帯低気圧に変わった。

台風16号(ミンドゥル)

202116・20W

タイフーン (JMA)
カテゴリー5 スーパー タイフーン (SSHWS)
発生期間 9月23日 – 10月2日
ピーク時の強さ 105 kt (10分間平均) 
920 hPa

9月22日、ミクロネシア連邦近海で低圧部が発生、熱帯低気圧になり、同日21時に台風16号が発生した。気象庁はこの台風にアジア名ミンドゥル(Mindulle)と命名。その後台風16号は北西へ進み、9月26日には猛烈な勢力へ発達。中心気圧は920hPa、中心付近の最大風速は55m/sである。

また、9月29日には名古屋大学の研究チームが航空機観測を行っている[22]

10月1日に大型非常に強い台風と強い勢力を維持したまま八丈島に接近した。

台風17号(ライオンロック)

202117・22W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 10月8日 – 10月10日
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
992 hPa

10月2日、フィリピンの東において低圧部が発生。10月5日には熱帯低気圧に発達し、10月7日に気象庁はこの熱帯低気圧について「」と発表した。

10月8日、熱帯低気圧が発達し、台風17号が発生した。

そのまま西へ向かい、発達することもなく、10月10日にベトナム付近で熱帯低気圧に変わった。

台風18号(コンパス)

202118・24W

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 10月8日 – 10月14日
ピーク時の強さ 55 kt (10分間平均) 
975 hPa

10月5日、グアム島近海で低圧部が発生 10月8日には熱帯低気圧が発達し、24時間以内に台風になると発表した。

発達しながら西に進み、10月14日にベトナムで熱帯低気圧に変わった。

台風19号(ナムセーウン)

202119・23W

10月9日、熱帯低気圧が発生した。

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 10月10日 – 10月17日
ピーク時の強さ 50 kt (10分間平均) 
996 hPa

10月10日、ウェーク島近海で熱帯低気圧が発達し、10日に台風19号となり、アジア名ナムセーウンと命名された。

初めは西に進んでいたが、進路を変え、日本のはるか東を北へ進み、10月17日、温帯低気圧となった。

台風20号(マーロウ)

202120・25W                 

シビア・トロピカル・ストーム (JMA)
カテゴリー1 タイフーン (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 10月25日 – 10月29日
ピーク時の強さ 60 kt (10分間平均) 
965 hPa

10月22日に低圧部が発生。翌日には熱帯低気圧に発達。

10月25日午前9時、台風20号発生し、アジア名マーロウ(Malou)と名付けられた。  

そのまま、北へ進み、強い勢力に発達し、日本の東で熱帯低気圧に変わった。

台風21号(ニヤトー)

202121・27W

トロピカル・ストーム (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 11月29日 –
ピーク時の強さ 35 kt (10分間平均) 
998 hPa

11月28日午前3時にマリアナ諸島近海で低圧部が発生。29日9時には熱帯低気圧に発達し、同日21時には24時間以内に台風に発達する見込みと気象庁が発表した。

30日午前9時に同海域で台風に発達した。(1000hPa/18㎧)

気象庁が「台風」に分類しなかった熱帯低気圧

熱帯低気圧番号(○○W)は、合同台風警報センター(JTWC)が熱帯低気圧と認めたものに付与し、同機関をはじめ海外の各気象機関で用いられる。フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)がフィリピン名を命名している場合、フィリピン名も併記する。また、熱帯低気圧番号がない場合にも、気象庁が熱帯低気圧としたものを以下に「TD」と単に表す。

TD

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 1月20日 – 1月20日
ピーク時の強さ 30 kt (10分間平均) 
1008 hPa

1月20日3時に、フィリピンの東に熱帯低気圧が解析された。熱帯低気圧は北上し、同日21時に消滅した。

TD

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 3月14日 – 3月15日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
1006 hPa

3月9日3時に、カロリン諸島近海で発生した低圧部が、14日15時に南シナ海で熱帯低気圧に発達。熱帯低気圧は西進したのち、15日9時に低圧部に降格。同日21時に消滅した。

TD03W(クリシング)

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・ストーム (SSHWS)
発生期間 5月12日 – 5月14日
ピーク時の強さ 30 kt (10分間平均) 
1004 hPa

5月12日9時に、ミンダナオ島の東で発生した低圧部が、13日3時に熱帯低気圧に発達。同日9時に気象庁は24時間以内に台風に発達するとして、観測を開始した。しかし、気象庁の予測に反して、台風に昇格することはなかった。そのため、気象庁は情報の発表を取りやめた。その後、14日15時にフィリピン近海で消滅した。

TD

5月29日9時に、トラック諸島で発生した低圧部が、翌日9時に熱帯低気圧に発達。熱帯低気圧は西進したがあまり発達せず、6月2日9時に消滅した。

トロピカル・デプレッション (JMA)
Counterclockwise vortex
発生期間 5月29日 – 6月2日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
1006 hPa

TD

6月30日9時に、沖ノ鳥島近海で熱帯低気圧が発生。しかし、あまり発達せず1日9時に消滅した。

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 6月30日 – 7月1日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
1010 hPa

TD07W

7月4日3時に、フィリピンの東で熱帯低気圧が発生。熱帯低気圧は北西に進んだ後、フィリピン大気気象天文局によってエモンと命名された。その後、5日6時にJTWCによって07Wと付番された。

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 7月4日 – 7月6日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
1004 hPa

TD08W

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 7月5日 – 7月8日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
1000 hPa

TD

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 7月19日 – 7月20日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
1012 hPa

TD

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 7月28日 – 7月29日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
1004 hPa

TD

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 7月30日 – 8月1日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
998 hPa

TD

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 7月31日 – 8月3日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
998 hPa

TD

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 8月1日 – 8月3日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
998 hPa

TD12W

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 8月2日 – 8月6日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
998 hPa

TD17W

トロピカル・デプレッション (JMA)
トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 9月1日 – 9月4日
ピーク時の強さ ≦30 kt (10分間平均) 
1008 hPa

TD

トロピカル・デプレッション (SSHWS)
Counterclockwise vortex
発生期間 9月7日 – 9月8日
ピーク時の強さ 30 kt (1分間平均) 

TD

トロピカル・デプレッション (JMA)
Counterclockwise vortex
発生期間 9月27日 – 10月2日
ピーク時の強さ 30 kt (10分間平均) 
1004 hPa

TD(ナンド)

トロピカル・デプレッション (JMA)
Counterclockwise vortex
発生期間 10月7日 – 10月8日
ピーク時の強さ 30 kt (10分間平均) 
1002 hPa

各熱帯低気圧の影響

台風・
熱帯低気圧
名称 期間 大きさ
強さ
階級 最大風速 最低気圧 影響地域 被害額 死者・行方不明者数(人) 出典
TD - 1月20日 - 1月20日 - TD 不明 1008hPa - - - -
台風1号 Dujuan (Auring) 2月16日 - 2月23日 - TS 20m/s(40kt) 996hPa パラオ、フィリピン -
TS 45kt 991hPa
台風2号 Surige (Bising) 4月12日 -4月25日 - TY 60m/s(120kt) 895hPa カロリン諸島、スラウェシ、パラオ、フィリピン -
STY 165kt 888hPa
台風3号 Choi-wan (Dante) 5月29日‐6月5日 パラオ、フィリピン、台湾、日本
台風4号 Koguma 6月11日‐6月13日 華南、ベトナム、ラオス
台風5号 Champi 6月21日-6月27日 マリアナ諸島
台風6号 In-fa 7月16日-7月29日 日本、台湾、中国大陸、フィリピン
台風7号 Cempaka 7月17日‐7月26日
台風8号 Nepartak 7月23日‐7月29日 日本
台風9号 Lupit 8月2日-8月9日 台湾、日本
台風10号 Mirinae 8月4日-8月10日
台風11号 Nida 8月5日-8月8日
台風12号 Omais 8月20日-8月24日
台風13号 Conson 9月6日-9月12日
台風14号 Chanthu 9月7日-9月18日 フィリピン、台湾、香港、中国大陸、韓国、日本

脚注

注釈

  1. ^ 気象庁の観測対象範囲である東経100度から180度までの北半球。
  2. ^ 4月に猛烈な勢力に発達したわけではないが、平成27年台風第4号は例外的に、3月31日15時に中心気圧の910hPaの猛烈な勢力に発達して4月2日9時まで勢力を維持していた。なお、この台風は令和3年台風第2号によって記録を塗り替えられるまで、1月から4月まで発生した台風としては最強とされていた。

出典

  1. ^ 気象庁|過去の天気図(1日表示)”. www.data.jma.go.jp. 2021年2月18日閲覧。
  2. ^ 台風1号(ドゥージェン)発生 今年最初の台風 日本への影響なし”. https://weathernews.jp/. 2021年4月19日閲覧。
  3. ^ 台風2号が発生。最大瞬間風速70メートルの非常に強い勢力に発達する予想”. https://news.yahoo.co.jp/. 2021年4月19日閲覧。
  4. ^ 台風2号 今後発達しながら北上か”. https://www.news24.jp/. 2021年4月19日閲覧。
  5. ^ 台風2号が「猛烈な」勢力に 中心気圧905hPa 急速に発達”. https://weathernews.jp/. 2021年4月19日閲覧。
  6. ^ 台風2号は4月最強の猛烈台風へ発達、スーパー台風の勢力に”. https://news.yahoo.co.jp/. 2021年4月19日閲覧。
  7. ^ 猛烈な台風2号、中心気圧895hPaに 900hPa未満は5年ぶり”. https://weathernews.jp/. 2021年4月19日閲覧。
  8. ^ 猛烈な台風2号、4月としては観測史上最強 なぜ発達?”. https://news.yahoo.co.jp/. 2021年4月19日閲覧。
  9. ^ 2021年5月31日天気図”. sunny-spot.net. 2021年6月1日閲覧。
  10. ^ 台風位置表”. 気象庁. 2021年8月26日閲覧。
  11. ^ <速報>台風8号 宮城県石巻市付近に上陸 宮城県への上陸は統計史上初 ウェザーニューズ(2021年7月28日)、2021年7月28日閲覧
  12. ^ 台風9号(ルピート)発生 今後の進路に注意を ウェザーニューズ、2021/8/5配信・閲覧
  13. ^ 台風9号、鹿児島・枕崎付近に上陸 大雨や暴風に警戒 日本経済新聞、2021/8/8配信・閲覧
  14. ^ 沖縄で新たな台風10号(ミリネ)発生 東日本に接近のおそれ ウェザーニューズ、2021/8/5配信・閲覧
  15. ^ [1] 気象庁、2021/11/10配信・閲覧
  16. ^ 24時間以内に台風発生の可能性 次に発生すると「台風12号」(ウェザーニュース)”. Yahoo!ニュース. 2021年9月4日閲覧。
  17. ^ 24時間以内に台風発生の可能性 次に発生すると「台風12号」 沖縄接近へ(ウェザーニュース)”. Yahoo!ニュース. 2021年9月4日閲覧。
  18. ^ 台風12号 温帯低気圧に変わりましたが油断せず 日本海側を中心に激しい雨の所も(気象予報士 日直主任)”. tenki.jp. 2021年9月4日閲覧。
  19. ^ a b 台風14号「チャンスー」発生(気象予報士 日直主任)”. tenki.jp. 2021年9月12日閲覧。
  20. ^ 台風14号 発生から24時間で「非常に強い」勢力に急発達”. ウェザーニュース. 2021年9月12日閲覧。
  21. ^ 猛烈な強さの台風14号 中心気圧905hPaまで低下 沖縄は強まる雨風に警戒”. ウェザーニュース. 2021年9月12日閲覧。
  22. ^ 台風16号 非常に強い勢力で金曜日 伊豆諸島にかなり接近へ”. 2021年9月30日閲覧。

確定値 

  1. ^ a b 2021年台風11号確定値”. 気象庁. 2021年11月10日閲覧。

関連項目

外部リンク

気象庁

国立情報学研究所

合同台風警報センター

世界気象機関

フィリピン大気地球物理天文局

アメリカ海軍調査研究所

民間気象機関