エル・アル航空

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エル・アル航空
EL AL Israel Airlines
Logo of El Al Israel Airlines.svg
IATA
LY
ICAO
ELY
コールサイン
EL AL
法人番号 9700150102293 ウィキデータを編集
設立 1948年
ハブ空港 ベン・グリオン国際空港
焦点空港 エイラート空港
オブダ国際空港
マイレージサービス Matmid
会員ラウンジ King David Lounge
航空連合 未加盟
保有機材数 43機(4機発注中)
就航地 51都市
本拠地 イスラエル ロード
代表者 アミカム・コーヘン 会長
デヴィッド・マイモン CEO/社長
外部リンク http://www.elal.com/
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エル・アル航空英語: EL AL Israel Airlines, ヘブライ語: אל על‎、アラビア語: إل عال‎)はイスラエルの国営航空会社。エル・アル・イスラエル航空と呼ばれることもある。

概要[編集]

独立直後の1948年に、イスラエルのフラッグ・キャリアとして創業。最初のフライトはスイスジュネーヴ路線であった。その後ヨーロッパ諸国や北アメリカアジアアフリカ諸国への路線を開設した。

テルアビブベン・グリオン国際空港ハブとしている。イスラエルの国益を守るためにソロモン作戦モーゼ作戦など、イエメンエチオピアからのユダヤ人移送にも活躍してきた。国内線はエイラートへの便がある。

2019年現在、航空会社アライアンスには加盟していない。なお複数の航空会社とのコードシェア便も運航している。航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している。 [1]

厳重なセキュリティ検査[編集]

ユダヤ人国家であるイスラエルが周辺のアラブ系国家と対立していることもあり、さらに過去にハイジャックテロの目標とされたことから、これを避けるために、搭乗時のセキュリティチェックが厳しく、他の航空会社より早い、3-4時間前にはチェックインが必須である。

チェックイン前に、必ず専門係員による質問がある。係員は3人程度の交代で、質問を繰り返し、荷物の経緯や、航空券の取得方法、渡航目的などを尋ね、つじつまが合うかどうか、不審者でないかどうか、その人物がテロリストに利用されている恐れは無いかを見分ける。同時に、搭乗客名簿をシャバックFBIなどの危険人物リストと照合するという。

係員による質問は一般的に英語またはヘブライ語で行われるが、いずれも理解できない日本人乗客用に、日本語で書かれた質問表も用意されている。乗客の荷物は、搭乗前に別室で一旦開け、一つ一つ金属探知機での検査と火薬反応を調べる。これらのチェックは、イスラエル政府や友好国の政府機関の人間も例外なく受けなければならない。さらに爆発物を探し出すために、機内預けの全ての荷物は減圧室を通らねばならず、これは国や空港のいかんを問わず例外なく行われている。

また、全ての国際線の便には過去には2人、現在では最大6人の銃を持ったスカイマーシャルが一般乗客に紛して搭乗している。また、エル・アル航空のパイロットのほとんどがイスラエル空軍の出身である。なおコックピットへのドアは二重となっており、それぞれ暗号コードが合わないと開かない仕組みになっている。二枚目のドアを開けられるのは機長と副操縦士だけである。

2002年にケニアモンバサからエル・アル航空機が地対空ミサイルで狙われた事件を受け、赤外線ホーミングの地対空ミサイルを避けるための装置「フライト・ガード(ミサイル警報妨害装置)」が全機に装備されている。また、エル・アル航空機は特別に強化された床・壁となっており、貨物室は耐爆構造になっていると言われている。

以上のような厳重な検査の結果、1968年以来ハイジャック事件や旅客便の墜落事故は全く起こっておらず、「世界一安全な航空会社」ともいわれている。「旅客便」と断りがあるのは、1992年にアムステルダムボーイング747貨物機が墜落事故を起こしているためである。

保有機材[編集]

運用機材[編集]

2021年8月現在、エル・アル航空の機材は以下の通りである。

エル・アル航空 運航機材一覧[2]
機材 運用機数 発注機数 座席数 備考
F C PY Y Total
ボーイング737-800 13 - - 16 - 138 154
- - 36 144 180
4 - - - 185 185 この4機はサンドール国際航空英語版によって運航されている
ボーイング737-900ER 8 - - 16 - 156 172
ボーイング777-200ER 6 - 6 35 34 204 279
ボーイング787-8 3 1 - 20 35 183 238
ボーイング787-9 12 - - 32 28 222 282 B747-400の後継機

うち1機は「サンフランシスコ/ラスベガス」特別塗装機

うち1機は設立70周年記念復刻塗装機

うち1機は「Jerusalem of Gold」特別塗装機

46 1

同社は、イスラエルとアメリカとの深い交流などから殆どアメリカ製の機材でその多くがボーイング社製で固められている。 また、同社が発注したボーイング製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は58で、航空機の型式名は767-358ER、777-258ERなどとなる。

同社では長らくボーイング747が使われていたが、2019年11月3日にローマ発テルアビブ行き1747便をもって運行を終了した。

退役済機材[編集]

就航路線[編集]

オーストラリアを除く全ての大陸に乗り入れている。周辺のいくつかの対立するアラブ諸国から領空通過を拒否されているため、これらを避けるように航路がとられている。

イスラエルはいくつかのアラブ諸国と対立しているが、国交のあるエジプトにはフライトがあった(ヨルダンとも国交はあるが、エル・アル機のフライトはない)。イスラエルのフラッグ・キャリアがエジプトに飛ぶことに対する反感も多いことから、この路線(テルアビブ - カイロ線)専用に、機体に国名も社名も書かれていない専用機体を用意し飛ばしていた。2020年8月31日、国交正常化に合意したアラブ首長国連邦との間に初の商用便が運航され、通常は領空通過を拒否しているサウジアラビアも領空通過を初めて許可した[3]

2国間の航空協定によりすでに関西国際空港東京国際空港の乗り入れは可能で、ボーイング767-300ERや777-200ERなどでのチャーター便での乗り入れも行われている。2015年には成田国際空港への乗り入れも可能となったが、その後具体的な乗り入れの検討は行われていなかった[4]。しかし2018年に両国政府が2019年の成田-テルアビブ間のチャーター便就航に向けて協議を進めていることを改めて明らかにしており、将来の定期便就航の可能性も示唆している[5]。2019年9月14日、エル・アル航空の子会社、サンドール国際航空による初のチャーター便が運航され、2020年3月11日から、エル・アル航空が成田-テルアビブ便を週3便、機材は787-9(3クラス282席:ビジネス32席、プレミアムエコノミー28席、エコノミー222席)で開設する予定であったが[6]新型コロナウィルスの感染拡大に伴い2020年4月4日に延期され、さらに8月29日に再延期された[7]。イスラエル保健省は2020年2月24日以降、過去14日以内に日本と韓国に滞在歴のある外国人の入国を拒否すると発表していた[8]2022年夏スケジュール以降に運航を開始するとしている。

エル・アル航空 就航都市
都市 空港 備考
西アジア
イスラエルの旗 イスラエル テルアビブ ベン・グリオン国際空港 メインハブ空港
エイラート エイラート空港 国内線ハブ空港
オブダ国際空港
南アジア
インドの旗 インド ムンバイ チャットラパティー・シヴァージー国際空港
東南アジア
タイ王国の旗 タイ バンコク スワンナプーム国際空港
東アジア
日本の旗 日本 東京 成田国際空港 2022年夏スケジュール以降就航予定
中華人民共和国の旗 中国 北京 北京首都国際空港
香港の旗 香港 香港国際空港
南部アフリカ
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ ヨハネスブルグ ヨハネスブルグ国際空港
ヨーロッパ
 オーストリア ウィーン ウィーン国際空港
ベルギーの旗 ベルギー ブリュッセル ブリュッセル国際空港
 ブルガリア ソフィア ソフィア空港
キプロスの旗 キプロス ラルナカ ラルナカ国際空港
 チェコ プラハ ヴァーツラフ・ハヴェル・プラハ国際空港
フランスの旗 フランス パリ シャルル・ド・ゴール国際空港
マルセイユ マルセイユ・プロヴァンス空港
ドイツの旗 ドイツ ベルリン ベルリン・シェーネフェルト国際空港
フランクフルト フランクフルト空港
ミュンヘン ミュンヘン国際空港
ギリシャの旗 ギリシャ アテネ アテネ国際空港
 ハンガリー ブダペスト リスト・フェレンツ国際空港
イタリアの旗 イタリア ミラノ ミラノ・マルペンサ国際空港
ローマ フィウミチーノ空港
ヴェネツィア ヴェネツィア・テッセラ空港
オランダの旗 オランダ アムステルダム アムステルダム・スキポール空港
ポーランドの旗 ポーランド ワルシャワ ワルシャワ・フレデリック・ショパン空港
クラクフ バリツェ空港
 ルーマニア ブカレスト アンリ・コアンダ国際空港
ロシアの旗 ロシア モスクワ ドモジェドヴォ空港
サンクトペテルブルク プルコヴォ空港
スペインの旗 スペイン マドリード アドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港
バルセロナ バルセロナ=エル・プラット空港
スイスの旗 スイス ジュネーヴ ジュネーヴ空港
チューリッヒ チューリッヒ空港
 ウクライナ キエフ ボルィースピリ国際空港
イギリスの旗 イギリス ロンドン ロンドン・ヒースロー空港
ロンドン・ルートン空港
北アメリカ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク ジョン・F・ケネディ国際空港
ニューアーク ニューアーク・リバティー国際空港
マイアミ マイアミ国際空港
ロサンゼルス ロサンゼルス国際空港
サンフランシスコ サンフランシスコ国際空港
ラスベガス ラスベガス国際空港
ボストン ジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港
カナダの旗 カナダ トロント トロント・ピアソン国際空港
休・廃止路線
 ベラルーシ ミンスク ミンスク第2空港
トルコの旗 トルコ イスタンブール アタテュルク国際空港
イラン帝国の旗 イラン テヘラン メヘラーバード国際空港 1978年撤退
ブラジルの旗 ブラジル サンパウロ グアルーリョス国際空港 2011年撤退
 エジプト カイロ カイロ国際空港 2012年撤退

エピソード[編集]

アイヒマン逮捕[編集]

ドイツの国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)の親衛隊(SS)の中佐で、ナチ政権によるユダヤ人の組織的虐殺の歯車として働き、数百万の人々を強制収容所へ移送するにあたり指揮的役割を執ったアドルフ・アイヒマンを、イスラエル諜報特務庁アルゼンチン国内で逮捕しイスラエルに移動させる際に、エル・アル航空のブリストル ブリタニア機が利用された。

出国の際にアイヒマンは、エル・アル航空の客室乗務員の制服を着させられた上に薬で寝かされ、「酒に酔って寝込んだ非番の客室乗務員」としてアルゼンチンの出国審査官の目を誤魔化したという。

1フライト輸送最大人数記録[編集]

1991年5月に実行された「ソロモン作戦」において、エチオピアからユダヤ人を脱出させる際に使用された航空機のうち、ボーイング747の1機が、全てのギャレーと4箇所のラバトリーを除いて全て撤去した上で760席の座席を設けた特別仕様により使用された[9]。さらに、座席の肘掛を全て跳ね上げることにより、より着席人数を多く確保できるようにしていた[9]。この作戦で実際に搭乗したのは1087人(このうち3人は機内で誕生した新生児)で、これは1フライトで輸送した人数としては最大の人数である[9]

事故とハイジャック[編集]

ハイジャック[編集]

  • 1968年7月23日、ロンドンローマ経由テルアビブ行きの426便がローマを離陸した直後にパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のテロリストにハイジャックされた。エル・アルのハイジャックが成功した唯一の事例で、その後、エル・アルの対ハイジャック対策が向上する(エル・アル航空426便ハイジャック事件)。
  • 1969年1月、チューリッヒ発テルアビブ行きの707便がPFLPのテロリストにハイジャックされた。しかし、搭乗していたスカイマーシャルが1人を射殺、残りの犯人も逮捕され、世界を驚かせた。
  • PFLP旅客機同時ハイジャック事件 - 1970年9月、PFLPが起こした航空機の同時ハイジャック事件。ハイジャックされた5機のうち、1機はテルアビブ発アムステルダム経由ニューヨーク行きの219便であったが、ハイジャックの実行に当たったテロリスト2名の行動が稚拙で事前に一部の乗客や客室乗務員らに察知された上、客室乗務員から通報されたスカイマーシャルが1名を射殺し、残る1名も銃撃戦の末乗客や乗員らによって取り押さえられたことから完全な失敗に終わった。

その他[編集]

当時、設立10年に満たなかった、同航空会社の知名度を飛躍的に高めた一因として、1957年に出稿された、一面に映った海面の右側を破き、その余白部に「Starting Dec. 23, The Atlantic Ocean Will Be 20% Smaller.(12月23日の到来と共に、大西洋が20%小さくなります)」との広告文案を書き込んだ、ジェット機就航の広告がある。この広告の制作を請け負ったのが、フォルクスワーゲン・ビートルの広告クリエイティヴで、その名を知られることになる、ドイル・デーン・バーンバックである。

事故[編集]

出典・脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Airlines using Amadeus” (英語). アマデウスITグループ. 2015年9月27日閲覧。
  2. ^ Meet Our Fleet”. 2019年10月4日閲覧。
  3. ^ 国交樹立へUAEに代表団 初の旅客直行便―イスラエル・米 - 時事通信 2020年8月31日
  4. ^ 747-400F貨物機は成田国際空港や中部国際空港へ乗り入れを行ったことがある
  5. ^ 成田-テルアビブ便就航へ 両政府、定期便も視野 - 産経新聞 2018年11月13日
  6. ^ イスラエルへ初の直行便 成田―テルアビブ、来春就航 - 日本経済新聞 2019年5月30日
  7. ^ イスラエル、日本への定期直行便の就航を4月に延期 - 日本経済新聞 2020年2月28日
  8. ^ 日韓からの入国拒否 イスラエル、24日から - 日本経済新聞 2020年2月23日
  9. ^ a b c イカロス出版『航空ギネスブック日本語版』p128

関連項目[編集]

外部リンク[編集]