天地無用! GXP

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天地無用! GXP
アニメ
原作 梶島正樹
監督 ワタナベシンイチ
シリーズ構成 黒田洋介
キャラクターデザイン 奥田淳
メカニックデザイン 村田護郎、小川浩
音楽 多田彰文
アニメーション制作 AIC
製作 日本テレビバップ
放送局 日本テレビほか
放送期間 2002年4月 - 9月
話数 全26話
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

天地無用! GXP』(てんちむよう ジーエックスピー)は、2002年4月から9月にかけて日本テレビほかで放送された、日本のテレビアニメ作品。

概要

天地無用!シリーズ10周年記念作品。天地無用!シリーズテレビアニメ版の第3作目にあたり、企画制作がパイオニアLDCからバップ日本テレビに移った最初の作品であり、シリーズ最後の地上アナログ放送でもある。

これ以前のテレビアニメ2作(『天地無用!』『新・天地無用!』)は梶島正樹による原作とは別設定で作られていたが、本作は梶島の原作に準じたいわゆる「梶島天地」である。OVA版『天地無用! 魎皇鬼』第3期終了時点から約1年後、ギャラクシーポリス(GP)本部と銀河アカデミーにおけるGPメンバー養成学校「GPアカデミー」を舞台とした外伝である。2002年のGXPの放送と2003年のOVA第3期の発売とで作品内の時系列が前後する形となっている。

なお、2001年8月に発行した梶島の同人誌[1]のあとがきによれば、「GP(ギャラクシーポリス)の宅急便」という仮題で企画が進められていた。

あらすじ

驚異的な不運を持つ男子高校生・山田西南は、パンクした自転車の修理作業をしているところを、突如現れた美女、雨音・カウナックにGP(ギャラクシー・ポリス)に入らないかと誘われ、その養成機関となる警察学校のGPアカデミーに入学することとなる。GPアカデミーへ向かうシャトルでも持ち前の不運を発揮し、多数の宇宙海賊に狙われてしまう。あわやというところを神木瀬戸樹雷率いる樹雷の艦隊に助けられ、瀬戸にその確率変動の偏りから一目置かれることとなる。

登場人物

本作以外の天地無用!シリーズにも登場する人物は天地無用!シリーズの登場人物を参照。

主要人物

山田 西南(やまだ せいな)
- 茂木滋
本作の主人公。『天地無用! 魎皇鬼』の主人公・柾木天地の中学時代の後輩(正確には幼馴染)にあたる15歳の少年。岡山県[2]在住、商店経営の一家の長男。宇宙とは何の関係もない純粋な地球人だが、ひょんなことから雨音の手引きを受けGPアカデミーに入学。
確率変動値に極端な偏りがあるために「さいなん」と渾名される極度な不幸ぶりを行く先々で撒き散らしていた。その性質ゆえに幼少時より近所の子供達の父母から疎まれ、自身も同級生らを自分の不幸に巻き込むことを恐れて周囲と距離を置いたため、誰とも親しめない孤独な環境に育つ。海が初めての友人になったことで柾木家、正木家の人々との交流を持ち、ようやく心の拠り所を得るが、それまでは「海や霧恋の存在が無ければ自殺を考えただろう」と後に述懐するほどの境遇だった。そのような中でも優しさや素直を失わなかった西南の心の強さを少数の近しい人々だけが知っており、彼らからは好意的に受け入れられている。
雨音との出会いを機に宇宙へ上がったことにより、極端な確率の偏りは宇宙海賊をひきつける「才能」として発揮されるようになり、GPや樹雷から海賊摘発のための囮役として歓迎される。彼の「才能」は、ベクトルこそ正反対ではあるものの九羅密家の系譜に時折現れる「確率の天才」達と同質のものであり、宇宙船のコンピュータによる乱数計算さえ無効化するため、海賊たちからは「ローレライ西南」と呼ばれ、天敵として恐れられるようになる。自分の不幸に慣れるあまり、それを「才能」として最初に見出してくれた瀬戸には深く感謝している。
その成果に従い研修時代から守蛇怪(かみだけ)艦長になるなど異例の出世を遂げ、最終的には辺境惑星に眠っていた「神像」の中の第一世代の皇家の樹(幼生固定された)に選ばれて樹雷皇位継承権第三位者になる(上2人は遥照と天地。しかし表向きは、遥照は行方不明、天地は存在しないことになっているため、西南が筆頭である)。最後は確率変動値の調整も兼ねて(彼女達4人と西南の確率変動値が相互に干渉し合い、西南の不幸によって、彼自身が致命傷を負わなくなる程度には中和できる。あくまでも最悪の事態に及ぶ可能性が低く抑えられる程度であり、それ以上ではないため、海賊の集中砲火に晒される危険な現状に変わりはない)。
雨音、霧恋、リョーコ、ネージュと結婚する事になるが、瀬戸配下親衛隊の女官として活動をしていた簾座連合の女スパイ4名(珀蓮、火煉、玉蓮、翠蓮)に略奪婚されそうになるなど、異様に女性にモテる。結果として、後に『パラダイスウォー』で南田として登場しているが、嫁さんたちに「これ以上増やすな」と厳命されるほど多くの妻を娶ることになる。
遙照(勝仁)曰く「例の小僧っ子」。
西南とは陰陽道における裏鬼門の方角にあたる。
『天地無用! 魎皇鬼』では描写が無かった、男性キャラクターとしてトランクス下着姿を露わにするシーンが数回ある。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組で判明している組み合わせは、
「霧恋、雨音、リョーコ、ネージュ」
「火煉、玉蓮、翠蓮、珀蓮」
「月湖、美守、不明、鏡・瀬戸」
「美希、福、キルシェ、D[3]
「不明、不明、林檎、不明」となっている[4]
正木 霧恋(まさき きりこ)/柾木霧恋樹雷
声 - 佐久間紅美
柾木霧恋樹雷。西南の親友である正木海の姉(小説版によると異父姉弟)で、父の名は健・ラライバ・シュタインベック。柾木家の分家で、柾木遙照の子孫。西南にとっては憧れの「近所のお姉さん」。実年齢は33歳(宇宙に出てから特殊な加速空間での約10年間の訓練のために他の登場人物との年齢差が発生した模様)だが、普通の地球人として換算した生理年齢は21歳。GPや樹雷における公式文書では、霧恋をはじめとする正木家の人間は「遙照の子孫」ではなく「船穂の妹の子孫」とされているため柾木家の皇眷属ではなく銀河連盟の一市民の扱いとなっている。生体強化レベル8(トップシークレット)。
東京の会社でOLをしていることになっているが、実はGP職員(アカデミーの入国管理官[5])で、アカデミー入学寸前の西南を心配し、必死に地球に帰そうとしていた。しかし、その際に西南が発した「自分の運の悪さを必要だと言ってくれたのは瀬戸様が初めてだった」という言葉に、自分は西南のことを心配していただけではなく、実際はその運の悪さに耐えかねて逃げ出し、遠ざけようとしていたことに気づき、深いショックを受ける(その時まで、霧恋自身はあくまで西南を思って行動しているつもりだった。が、霧恋の母親やアイリらはその真意を察していた様子がある)。その後は過去の自分の行いへの深い後悔と西南への罪悪感に苦しみながらも、彼への罪滅ぼしのため、また今度こそ彼を傍で守るために、アカデミー講師として彼を見守ることになる。実は瀬戸の諜報部の所属であり水穂直属の配下にあたる。コンピュータのオペレート能力は非常に高く、守蛇怪配属時は総合オペレーターを担当する。西南とは子供の頃からの付き合いで、直向きな西南をとても気にかけ、自分が一番西南のことを大切に考えているという密かな自負がある。普段は世話好きで優しい性格だが、恋愛に不器用。また、私生活では、思い込みが激しさを見せる。西南に他の女性が近寄ることを嫌がる素振りを見せ、嫉妬に狂うとナマハゲと形容されるほど恐ろしい顔になる。
分家筋ではあったが瀬戸の進言と西南を取り巻く女性たちの家柄への引け目もあり、樹選びの儀式をうける。(公式的には銀河連盟の一市民であるため、柾木家の養女となっている。)その際に第二世代の樹・瑞輝と契約し、その時点で生存している6人目の第二世代の契約者となったため皇位継承権上位を持つ皇族となる。戦闘においては光学迷彩をまとい、冷酷な暗殺者のような立ち回りも見せる。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
雨音・カウナック(あまね・カウナック)
声 - 鈴木麻里子
GPの2級刑事で、美星の友人。20歳。生体強化レベル4。極めて鋭い直感を持ち、射撃の名手でもある。その特性から守蛇怪配属時は射撃管制を担当する。西南の存在の稀有さを本能的に感じ取り、彼をGPにスカウトした。西南が宇宙に上がるきっかけを作った女性。明朗快活で、困難にも物怖じせず立ち向かう性格だが、物事を深く考えない。彼女の乗る船は海賊の襲撃率ゼロという記録を持っていたが、西南の不運によって、自身の輝かしい記録を粉砕されてしまう。しかし、火器管制コンピューター無しでの命中率は、88%を誇る。
実家は有名服飾メーカー(古くは着用者護衛システムの開発も行っていたが、後にそちらの部門は銀河アカデミーに譲られた模様)「カウナック」の経営者で、彼女もそこのモデルをしていたことがあるのだが、自らのモデルとしての実力が解らなくなり、家柄と無関係なところでの実力を示すためGPに入隊した。西南の素性を確かめずにスカウトしたことで一級刑事への昇格を見送られたうえ、刑事から別部門のアカデミー講師へ(本人にとっては)左遷させられる。美兎跳とトイレ掃除という選択肢も出されたが、当然講師を選択。西南の不運に打ち勝とうとするが、大抵は返り討ちに遭う。それでも、彼と付き合ううちに惹かれていく。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
リョーコ・バルタ
声 - 久川綾
宇宙海賊。樹雷や銀河軍に壊滅させられた海賊ギルド残党等で構成された一大海賊ギルド『ダ・ルマー』の幹部。19歳。生体強化レベル2。自身の名前は、伝説の海賊である魎呼にちなんで名付けられた。しかし魎呼とは正反対の温和な性格で、GP内にもファンクラブが存在するほど気品がある。料理、茶道、生け花、踊りに長けているが、下戸。後に滅亡したとされるバルタギルド総帥の血筋(曾孫)であることが判明する、バルタ総帥は樹雷領宙内に自治州を持ち銀河連盟承認後、王政国家として独立予定。そのため王位継承者として招かれるが西南に一生仕えると宣言して王位継承権を放棄している(小説版では明確な放棄の表現は無し)。彼女も例に漏れず西南に惚れている。
変身能力を持ち、疑似人格プログラムを使いワウ星人・エルマ(声:熊谷ニーナ)に変装し銀河アカデミー哲学科の学生(小説版ではアイリの秘書)として銀河アカデミーにスパイとして潜りこんでいたが、実際にはアイリの目は誤魔化せず泳がされていた。正体が西南らに割れた後も銀河アカデミーで作業したりする時はエルマの姿で行うことがある。エルマはワウ人としても大変美人であるらしく、ラジャウが一目惚れしている。西南が引き起こした海賊の大量捕縛に巻き込まれながら唯一人脱出しているなど、指揮官としての能力は高い。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
ネージュ・ナ・メルマス
声 - 水樹奈々
宗教国家メルマスの元最高権力者。巫女としての能力を保つことを理由に体を幼生固定されているため、外見は少女だが遥かに年長であり、約2000歳である。西南に護送を依頼されていた彼女は発覚当初こそ影武者と思われていたが、実際には本人そのものであった。即位期間が非常に長いため危険視されており、次代への王位継承後は瀬戸の進言に従い、メルマス内の追放派の思惑通りGPアカデミーで引き取られることになる。地位を次代に譲ったため、幼生固定は解かれている。西南を非常に気に入っている。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
福(ふく)
声 - 金田朋子
2代目守蛇怪のメインコンピューターユニット兼エネルギージェネレーター。2代目の守蛇怪は鷲羽によって開発され、初代の守蛇怪の大破のために瀬戸の手によって西南に与えられた魎皇鬼の同型系列艦である。そのため、この子もまた魎皇鬼と同じ耳の長い猫のような姿をしている。今後の成長の度合によっては人型にもなれるらしい。他艦(特に皇家の船)との融合・連携を当初よりの目的として開発されたため、魎皇鬼以上に融合連携する他艦の能力を効果的に使うよう設計されている。生まれたばかりで感情・躁鬱のベクトルが激しい事がある。西南とネージュになついている。
守蛇怪は当初はGPアカデミーの所有(初代艦が改装された扱い)で西南の役目が終わると同時に軍に接収されそうになったが、紆余曲折を経て西南の個人所有艦となった。名前は西南が「自分の不幸に巻き込まれないように」との願いを込めて(「幸」だと「不幸」に、「運」だと「不運」に一文字加えると転化する言葉があるため)名付けた。
小説版におけるNBがキルシェとアイリ、どちらのコントロール下にあるか判断できるらしく、キルシェの時には甘える仕草を見せるが、アイリの時には徹底して排除行動を取る。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人(他はキルシェ、美希、D)。

地球

正木 海(まさき かい)
声 - 菅沼久義
西南の親友。霧恋の異父弟(霧恋の父親は博司の友人、海の父親はダイ)。海の父・ダイは天南家の一族で海自身もかなり能天気な性格。原型を留めないほど大破した自転車を部品から作り直し修理するという技能を見せる。彼らの幼少時代、ほとんどの母親が自分の子供を運の悪い西南から避けさせる中でできた同い年の唯一の友達であり、西南の母親をうれし泣きさせた。GXP最終話では西南の妹と恋仲になっている。
山田 北東(やまだ ほくと)
声 - 鈴木勝美
西南の父。雑貨屋・山田商店を営んでいるが、西南がGPアカデミーに入学して家を離れたことで飛躍的に業績を伸ばし、「スーパーやまだ」として新装開店した。アニメでは常に新聞を読んでおり、新聞にはその時の状況に関係する記事が載っている。
山田 今日子(やまだ きょうこ)
声 - 小野寺啓子
西南の母。西南の不幸も笑い飛ばしてしまう肝っ玉母さんだが、その実息子の境遇には心を痛めており、海や天地が西南の友達になってくれたことには心から感謝している。『パラダイスウォー』のストーリーは彼女が「盤上島」のパンフレットを駆駒将の母親に渡したことで始まる。
山田 吉子(やまだ よしこ)
声 - 能登麻美子
西南の妹。

ギャラクシーポリス所属

NB(エヌビー)
声 - ワタナベシンイチ
西南に特別支給された、アイリ謹製の新型試作品のNon-Brain審判調査用ユニット(GP隊員の標準装備で、広大な宇宙の各区域での法律などを個々の隊員が把握するのは困難なため、アシスタントとして用いる人工知能)。雨音が変に改造を加えたため壊れ、エロオヤジそのものの性格になってしまった。
小説版では上記と異なり、そのおかしな口調こそ雨音がインストールした「オヤジ100選」によるものだが、普段はNBに住み着いているアストラルAI・キルシェにコントロールされているため、おかしな行動を取ることはない。ところが、たまにアイリにコントロールを乗っ取られる事があり、ゆえに、NBのおかしな言動の原因は例外なくアイリである。また、NB自体が西南を監視するための隠しカメラの役割を果たしている。
なお、監督のワタナベは自身の監督作のほとんどにカメオ出演するが、今作でのNBはワタナベではなく梶島がワタナベ用に設定したキャラクターであるらしい。
3馬鹿トリオ
西南をGPへ輸送する輸送艦及び初代守蛇怪のクルー。
初代守蛇怪が樹雷に到着後、輸送艦勤務→海賊の人質→海賊の仲間→運呼のクルー→天南グループと所属が変わる。バリー曰く、「3人で一人前のキャラ」とのこと。
小説版では極めて身勝手かつ傲慢な性格になっており、リョーコファンクラブを統一して教祖と崇められる様になったのもつかの間、ファンクラブ会費を個人的に流用して会員達に謀反を起こされて追放された上、莫大な借金を負う羽目になる。西南の乗る訓練艦のクルーになった際は職務を忘れて悪巧みの相談に夢中になるあまり、エンジンの異常を見落として訓練艦のエンジントラブルと直後の海賊襲撃の原因を作った挙句、その責任を静竜になすりつけようとした(あっさりバレた)。借金返済のために危険だが給与の良い守蛇怪のクルーに志願するも、玉蓮や霧恋をアイドルに仕立て上げ、マネージメントしようと画策するがあっさり失敗する。給料の大半が借金返済に充てられるのに不満と怒りを覚え、経理課の係長であった同期のダンに直談判するが当然のように断られ、あまりのバカ振りにあきれ果てたダンに依頼されたライアンによって更生の為にスパルタ訓練を施される。
その後、しばらくはまっとうな性格に更生したかと思われたが、ごく短時間で再びバカ化し、休憩の間に守蛇怪の食料の大半を食い荒らし、艦を食糧不足に陥らせた挙句、守蛇怪が海賊に追われて危機的な状況に陥るや否や、瀬戸の荷物(偽物だったが)を奪って脱走(守蛇怪の危機をアイリらに知らせようとしたNB(キルシェ)が手引きした)し、海賊に自分たちの身の安全と金、そして守蛇怪の女性クルーの身柄の扱いと引き換えに海賊達に西南と守蛇怪と瀬戸の荷物を売り渡した。これには海賊達でさえあきれ果てていたが、結局荷物は偽物であり、事が終わった後に守蛇怪へと送り返された。自分たちの背任行為を反省するどころか、艦やクルーの命を救うための行動だった、とヌケヌケと言い訳した上、その責任をNBのなすりつけようとする、上記の行動を棚に上げて自身を樹雷の危機を救った英雄、と勘違いし、林檎が自分に好意を持っていると思い込んで色目を使うなど、天地シリーズの登場人物の中でも最低クラスの人間と化している。
その後、特殊な状況下と結果的に事態を進展させたということで背任行為に対しては不問とされたものの、これまでの行動を適性検査にかけた結果、GPアカデミーの入学ラインを下回ると判明し、再訓練のため、志願したライアンに3人揃って連行された。その際も、林檎に、自分たちの借金の利子無しでの立替を依頼するという、聞く者が聞けば顔色を失うような愚行に走ろうとした。
基本的に「3馬鹿トリオ」の行動はアランの考えで動いており、バリーとコーンは追随しているだけで、TV版では最後まで行動を同じくしていたが、小説版『GXP』10巻では幸福艦搭乗以降に、2人は諸悪の根源であるアランと別れて別の人生を進むとあり、11巻では2人は正常化し始めている。『パラダイスウォー』によると、バリーとコーンの2人は罪を償い終えたが、アランのみ罪を償わずに逃げており、捕縛命令が出ている。
アラン
声 - 福山潤
メガネをかけている。3人の中の一応リーダー格だが、一番身勝手で、時あれば二人を見捨てようと考えている。
小説版『GXP』12巻で、西南との決闘のために幸福艦を離れた静竜とコマチに艦を預けられたが、艦を摂取するために来たクイス・パンタとのギャンブルに引き込まれて負け、行方不明となる。
『パラダイスウォー』にも登場しており、バリー、コーンと別れた後、アランはヒロインの1人であるアーレアの姉・ルレッタ・バルタと結婚、1児を儲けた後、巨額の借金を残し失踪していたが、金が目当てで彼女たちの前へと盤上島に潜入するものの、西南とルレッタ(海賊出身)の活躍により捕縛される。
バリー
声 - 永野広一
赤髪で背が高い。アランほどのあくどさはなく、ダ・ルマーギルドにいる時には彼女が出来かけていた。小説版『GXP』12巻のクイス・パンタによる接収後も、コーンとともに艦に残る。
コーン
声 - 沼田祐介
太っちょ。大食らいで怠惰な面はあるが、アランほどのあくどさはない。クイス・パンタによる接収後も、バリーとともに艦に残る。
ケネス・バール
声 - 野島健児
西南のGPアカデミーでのチームメイトで部屋長の少年。能天気な性格で西南、ラジャウを含めたトリオの牽引役。実務研修で地球を交番から監視している。
ラジャウ・ガ・ワウラ
声 - 千葉進歩
西南のGPアカデミーでのチームメイトでワウ人。ワウ人は成人年齢が低く設定されており、ケネスがエログッズを購入する際勝手に名前を使われることがよくあるらしい。正体がリョーコとは知らず、エルマにベタ惚れしている。実務研修もケネスと一緒に地球監視要員となっている。
奈緒子(なおこ)
声 - 永島由子
樹雷で初代守蛇怪を下ろされたバリー達の次に乗艦したGP輸送艦のクルー。艦長の子供がお腹にいる。

簾座連合

現在判明している4名は、全て瀬戸付きの女官だが、簾座連合のスパイである(瀬戸はそのことに気づいており、小説版では鷲羽に一目で看破された)。アニメでは常に瀬戸に付き随って西南たちを引っかき回していたが、小説版では西南の護衛(盾)として西南のGP入学時から関わり、守蛇怪クルーにもなっている。そのため、アニメとは違い、瀬戸やお局に引っかき回されることもある。

簾座連合の星は銀河連盟に属さない遠方にあり、銀河連盟との間に海賊たちの勢力圏があり、珀蓮以下4人は海賊たちからの被害を何とかするために樹雷に来て瀬戸の女官となったと小説版『GXP』10巻で火煉が西南に語っている。

珀蓮(はくれん)
声 - 梶原由三子
真面目で4人のリーダー。生体強化レベル6。小説版では思考加速特化タイプとされ、何かのきっかけで思考に没頭してしまう癖がある。西南の護衛をする時には、翠蓮と組むことが多い。
西南の確率ベクトルを逆転させるできる四人一組の一人(他の3人は火煉、玉蓮、翠蓮)。
火煉(かれん)
声 - 河原木志穂
ボーイッシュな外見にあう、直線的な性格の女性。生体強化レベル5。小説版では「意外と家庭的」と評され、西南の里帰り時には霧恋とともに「スーパーやまだ」の総菜メニュー開発に携わる。西南の護衛をする時には、玉蓮と組むことが多く、彼女の破滅的な性格、行動に頭を痛めている。
西南の確率ベクトルを逆転させるできる四人一組の一人。
玉蓮(ぎょくれん)
声 - 高森奈緒
退廃的でけだるそうな目をしている。色仕掛けが得意技。実は「処女」で、西南に初めての男になって欲しいと願っている。生体強化レベル6。アニメではニンジンで福と仲良くなっていたが、小説版では福の本能から恐れられてしまい、福と仲良くなるのに時間が掛かった。
西南の確率ベクトルを逆転させるできる四人一組の一人。
翠蓮(すいれん)
声 - 白倉麻子
唯一眼鏡をかけた女性。存在感が希薄で(鷲羽曰く「確率の偏り」によるもの)、「天然ステルス娘」の異名を持つ。生体強化レベル10(本来なら身体と精神を歪め、廃人化させるレベル。後に鷲羽により再調整された[6])。再調整のお蔭で以前より会話が増えている。処女。
西南の確率ベクトルを逆転させるできる四人一組の一人。

宇宙海賊

便宜上「海賊」と呼ばれているが、銀河連盟や簾座連合に組み込まれていない星系の住民が生活のために略奪行為にあたる行為をしているもので、地球で言う中世北欧のバイキングに近い。

基本的に物資の強奪のみで人的被害を抑え、捕虜は身代金や交換などで解決する傾向になっている。だが、シャンクギルドの様に一族揃って残虐かつ悪質な犯罪行為を行う勢力も存在する。

ダ・ルマーギルド

ダ・ルマー
声 - 中嶋聡彦
海賊ギルド「ダ・ルマー」総帥。GP及び樹雷を困らせるほどの巨大組織にまで成長させる。西南の活躍により組織に多大な被害を受けると幸運艦隊を結成するなど、状況への対応力も高い。しかし、西南の前にはその能力を持ってしても対抗しきれず、捕縛される。
コマチ・キョウ
声 - 朴璐美
小説版では「コマチ・京」と表記される。ダ・ルマーギルドの幹部の一人。本名は「子舞一(コマチ)」[7]。身長は190cm超とかなり大柄な体格で、女性にしてはかなり筋肉質なのが特徴。海賊ではあるが、礼節を重んじる武人である。運呼が誕生してからは、同艦副長として勤務。西南の結婚式に招待され、静竜から誕生日祝いに指輪をもらい、赤面する一面もある。後に静竜と結婚、2児をもうける。
小説版ではダ・ルマーギルドの対樹雷の外交を担っていて、瀬戸との直通チャンネルを持っている。
マーロン
声 - 乃村健次
西南の乗る輸送艦を最初に追いかけ始めた海賊。輸送艦を拿捕することに一旦は成功したが、仲間割れにより取り逃がしたところを瀬戸によって捕縛された。
シャンクギルド

昔はかなりの規模を誇った海賊ギルドであったが、樹雷の討伐によって壊滅的な被害に遭い、ダ・ルマーギルドの下部組織に落ちぶれている。

タラント・シャンク
声 - 松田佑貴
父親と兄弟が一網打尽に樹雷に捕縛されたため、ギルドの頭となった男。親兄弟の捕縛の原因となった西南を狙っている。
非常に卑怯で狡猾な男であり、快楽殺人者としての一面も見受けられる。GPの上層部の人間(悪人)とつながっている。また異常にプライドが高く、小説版においては父親や兄を助けられる状況にありながら、自分に恥をかかせたという理由で殺害している。だが、自身が危機に陥ると部下も味方も見捨てて逃亡する厚顔無恥な男。
作中では敗北のたびに身体をサイボーグ化している。作中世界の技術なら欠損した部位も少し時間をかければ再生治療が可能だが、そんな時間をかけるのも惜しいくらい西南にしてやられたことが屈辱だった模様。
小説版では過去に樹雷に滅ぼされたシャンクギルド総帥の直系とされている。

その他の登場人物

真清・カウナック(ますみ・カウナック)
声 - 中田和宏
雨音の父。内海と同様にかなりの親バカ。雨音本人からもその性格に呆れられ、嫌われている。『GXP』10巻、GPの新たなユニフォームのファッションショーで雨音が1度復帰した時、帰ってくると期待し喜んだが、モデルから長く離れていたためにモデルとしての腕が落ち、GPとしての能力の高さにより諦めた。
ナテュール・カウナック
声 - 速見圭
雨音の母。常に微笑を浮かべて画面正面を向いている。
ジュン
声 - 能登麻美子
モデルの一人。雨音がモデルをしていたときの友人。小説版10巻によると本名は夢乃・ラ・ジュンで、西南がNBのお遣いで入った風俗店で風俗嬢もしている。
ベガ
声 - 永島由子
トップモデルの一人。雨音がモデルを引退し、我が世の春を謳歌していたが、GP制服ファッションショーに雨音が出るというので対抗意識を再燃させた。雨音が実戦さながらの戦闘デモを行ったため、自身も挑戦したが、現職とモデルでは相手に成らず自滅した。
バルタ国王(バルタこくおう)
声 - 小野健一
瀬戸の手を借り、初代バルタ国王になる予定の、リョーコ・バルタの曾祖父。とてもお茶目な性格らしく、立体映像なのにリョーコに抱きつこうとしたり、国王なのかと聞かれて「そんな感じだ〜」と答えたりする。
ナB子(なびこ)
声 - 水谷優子
瀬戸の所にいた、NBの女版。NBは棒のような機械的な足だが、ナB子は人間と同じような足をしている。樹雷星で盗撮していたNBを追いかけ回したあげく同衾し、一時NBを再起不能に陥らせる。最終話では、守蛇怪に乗り込み、NBとの間に出来た大量の子供の世話をNBに押しつけている。NBの設定が異なるため、小説版には登場しない。

小説版のみの登場人物

正木 月湖(まさき つきこ)
霧恋の母。霧恋と同様に西南の成長を見守ってきた。正木家の血筋のため外見は若く霧恋の姉のようにも見える。霧恋が西南を地球に帰そうとする際、西南を「私の未来の旦那様」にすると霧恋に告げ、西南を地球に帰したときには霧恋に代わって月湖が西南を守り、やがては西南の意思を尊重し共に宇宙に上がるだろうと宣言する。始めこそ霧恋に遠慮している面があったが、次第に西南への想いが強くなっていく。海の父親・ダイのことを凄く毛嫌いしている(ダイが天南家の一員であることも原因の一つである)。霧恋の父である健・ラライバ・シュタインベック、博司・マナダとは旧知の仲だった。西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
健・ラライバ・シュタインベック
博司・マナダのアカデミー総合科(哲学科の基礎学科、予備校的存在)時代の友人。月湖の始めの夫で霧恋の父。所属部会の長期研修旅行中の船の事故で死亡した事となっている。
デビット・ドマ
西南と同期のGPアカデミー生徒。リョーコファンクラブ代表、エルロイとフィングのチームメイト。
エルロイ・エガス
西南と同期のGPアカデミー生徒。正木霧恋ファンクラブ代表、デビットとフィングのチームメイト。
フィング・フォックス
西南と同期のGPアカデミー生徒。雨音カウナックファンクラブ代表、デビットとエルロイのチームメイト。
キャロル
GP巡査。西南達が寮を脱走するのに使用したパトカーが故障で大規模戦闘配備指示コードを発信していたため、それを止める任務を受ける。しかし、袋をかぶったケネス・ラジャウ及び絵に出来ないマークが山のようについた車両を見て錯乱し、騒ぎを広げてしまう。再登場した際は何故か男勝りの乱暴な口調になっていた。
アメリ
GP巡査。キャロルの相棒。
美希・シュタインベック
GPアカデミー生徒。西南が入学する前年のミスGPアカデミーで、ファンクラブもある。かなりのファザコン
実はその体は義体であり、正体は月湖をモデルとして作られたアストラルを持つ人工知能である。囮科での実務研修中にタラントの襲撃に遭い、義体を殺害される。人工知能本体は逃げ延び、直前に西南のNBにデータを転送しようとしたが途中で回線切断されたことでかなわなかった。その際、先にNB内に居たキルシェに座標を記したデータを託し父・博司へと渡った。タラントの研究施設に潜伏し、ファントムのコードネームでおそれられ駆除されそうになりつつも、タラントに拉致され駆除を担当させられていたフオ・バルタ等を研究施設から解放している。その後、父・博司がパス数字を思い出し、打ち込んだことで居場所が判明する。
第13巻において福のクローンのウチの一体に人工知能本体を転送同化することで、西南との再会と帰還を果たした。Dによると三月[8]と呼ばれる少女と似た雰囲気をもっているらしい。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
博司・マナダ
美希の父であるマッドサイエンティスト。銀河アカデミー哲学科への入学を希望しているが、才能も実績もともなっていない。月湖とは古くからの知人。美希の名に友人、健・ラライバ・シュタインベックの姓を付けている。
事件の後、アイリの工房で働くこととなった。[9]
キルシェ
AI-CGアイドル。銀河アカデミーのニュース番組のキャスター。人工知能だが、アストラルを持つレベルに達しているため人権が認められている。西南の擬似人格プログラムと駆け落ちし、西南本人のNBに隠れ住んでいたが、ライレーザによって発見され、アイリの説得により西南の護衛と監視を引き受けた。世間的には失踪扱いとなっている。西南の為なら自身の身を犠牲にする事も厭わない。
第13巻において福のクローンに転送されたことで、西南達の関係者全員には存在が知られるようになる。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
イアン・ノーザン
アカデミーのスラム街で何でも屋の様な会社を経営している。トップシークレットであるウィドゥー・レポートを極秘に入手するなど、なかなかの頭脳の持ち主。立木林檎と取引した後、ガラクタを換金する流通を広げ、拠点を辺境の宇宙ステーション「パン・ドーラ」へと移す。
カリーチ
美希のチームメイトの一人でワウ人。
ミランダ・マーチス
美希のチームメイトの一人。
ウィドウー
自らの手を汚すことなく、凄惨で陰湿な方法により対象の財産・生命等を富に変える犯罪者。西南に自分の世界(価値観)を破壊・蹂躙され、西南と共にあることを選択、自首し処刑されるが、アストラルは鷲羽により魎皇鬼の妹(後の福)のコアとして利用されることとなる。
ライレーザ
ガーディアンシステムの一級デザイナー。雨音に依頼されて西南のダミーデータの解析を頼まれ、見破る。その後、雨音監視の一環としてNBに仕掛けを施そうとして失敗している。その際、西南のパーソナルと駆け落ち中のキルシェを最初に発見した。いつの間に博司・マナダと恋仲になっているらしい。
鏡・瀬戸(かがみ・せと)
神木瀬戸樹雷の「鏡」という影武者(細胞、記憶、能力が全くの同体)。万が一のためのバックアップと皇族として公務と諜報を両立させるために約2千年前に生まれた。
生まれてから、瀬戸と記憶を共有してきたが、瀬戸が朱螺凪耶としての記憶を取り戻したことと、鏡・瀬戸が幼い頃の西南の記憶を掘り起こしたことで二人に差異ができてきた。西南に会っている瀬戸はほぼ鏡・瀬戸である。
彼女の存在を知るのは樹雷皇・阿主沙(第一世代の皇家の樹のマスターには例外的に明かすことにしているが、遙照は知る必要がない立場であるので明示して知らされていない)と津名魅(同化しているが、津名魅と完全合一化していないので、砂沙美としては知らない)と鷲羽(三柱の女神の一柱(長女)であり、瀬戸との通信だけで暴いてしまった)だけである。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
天木 佳月 樹雷(あまき かげつ じゅらい)
舟参隠居後の天木家の当主。第二世代と契約。舟参の息子で、父・舟参は性格が丸くなったが、佳月は以前の舟参の性格を受け継ぎ、霧恋の柾木家入りに難色を示した。
立木 林檎(たつき りんご)
樹雷竜木家の眷族にして、通称「ハイエナ部隊」こと瀬戸の経理部の長。シャンクギルド(西南が宇宙に上がった直後に集めた海賊たち)討伐時に西南に大きな借りが出来たと思っており、西南に危険が及ばないよう影で色々動いている。
性格は穏やかで立ち振る舞いは愛らしいが、半面相対する相手に罪悪感を抱かせるほどであり苦慮している。経理に関しては瀬戸に対しても容赦がなく、後に鬼を泣かした鬼・経理の鬼姫にランクアップする。
西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
立木 琥雪(たつき こゆき)
西南が初給与でお世話になった人達へのプレゼントを購入するために訪れたアクセサリー屋の秘書。
樹雷の皇族に献上されたこともある非常に貴重な皇玉(おうぎょく)と呼ばれる、樹雷でのみ見つかっている琥珀の一種を管理しており、基礎パーツの加工費とケース代のみで西南に譲った。
ナナミ・タツキ
西南の初給与が出た時にNBの使いで行ったランシェリーショップの店長。元・瀬戸の女官・お局出身。
ダン
GP総合経理課の係長。アランたちの同期。給料の大半を借金返済に充てなければならなくなったアランから、全額貰えないかと頼まれ、その自分勝手さにあきれ果ててライアンに彼らの鍛え直しを依頼した。
ライアン
GP軍の軍曹。ダンと同じくアランたちの同期。天女曰く「マッチョ君」。とにかくよく笑う。ダンの要請でアラン、バリー、コーンを鍛え直すべく守蛇怪にやってきた。彼の訓練のおかげでアランたちはまともな性格に更生したかに見えたが、短時間で再びバカ化し、その結果、守蛇怪が重大な危機に陥ったため、今度はアイリの要請で再訓練に志願した。なお、訓練生時代、鬼教官と呼ばれていた霧恋に何度も心肺停止状態にされたらしいが、それでも彼女を恐れるどころか並々ならぬ敬意を抱いている。
クルルカ・パン・ドーラ
宇宙ステーション「パン・ドーラ」の顔役の娘。眠そうな顔をした若い女性で、イアンの会社の社員。「パン・ドーラ」から極秘に運び出された守蛇怪の存在にいち早く気づき、イアンを介して林檎に知らせる。その際、樹雷皇眷族の林檎に親しげに話しかけ、イアンの顔色を失わせた。葉巻を鼻に突っ込んで香りを楽しむのが趣味。
クイス・パンタ
瀬戸直属の女官の中でも選りすぐりの精鋭部隊、通称「お局様部隊」の隊長。霧恋や月湖、珀蓮たちの先輩。変装を初めとした諜報工作のエキスパートで、瀬戸や水穂の前ですら滅多に素顔をさらす事はない人物。その変装を見破ったのは西南が初めて。何故か月湖が西南に想いを寄せている事も知っていた。
第12巻では静竜とコマチが西南との決闘のために艦を離れ、アランに預けたが、そこへ関西風の成金のオバサン姿で現れ、幸福艦の管理者の立場のアランにギャンブルを吹っかけ、借金の形として艦を接収する。
九羅密泰馬(くらみつ たいま)
世二我長老会次席。世二我旗艦『九羅密』艦長。吟鍛の上司。世二我のGPの復権の企みを持つ人物。タラントと繋がっており、今回の一件を不問とする代わりに、引退することとなった。
夏羅世一(から よいち)
GP軍世二我第一軍司令、『美王』艦長。九羅密を長とする九羅の一族の夏羅家出身。タラントと繋がっており、今回の一件を不問とする代わりに、臨時総司令・美守の補佐官(実質的には美守の直接監視下)に転任するこことなった。
エクシト・レ・セプシー
簾座連合、銀河連盟、海賊それぞれから完全中立の立場をとり、あちこちの星系惑星やステーション、コロニーを回って遊興娯楽を提供する衛星規模艦『レセプシー』のオーナー[10]
大柄な格闘家といった体躯と厳つい海賊のような風貌であるが、柔らかい物腰と知的な眼差しが威圧感を感じさせないでいる。
舞貴妃(まきひ)
「レセプシー」の踊り子の頂点いる女性で、エクシトの細君で一男九女の母親[11]だが、外見的には20代後半に見える。
舞八(まや)
舞貴妃の八番目の娘。「レセプシー」の舞姫。西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの1人の可能性が非常に高い。
舞十(まいと)
舞貴妃の十番目の子で唯一の息子。姉・舞九(まいく)とは双子の姉弟。芸能関係の才能を見抜く力を持つ。
ダード・シャンク
パラダイスウォー』のヒロインの一人。シャンクギルドの老メカニックの孫娘。小説版『GXP』10巻で静竜とタラントの試合を観戦していた4・5歳の少女。
アチャ
非常に珍しい金毛種の非常に可愛いらしいワウ人の少女。シャンクギルドに蹂躙されていた星に墜落した西南とNB(キルシェ)に救われた。
神像(ZINV)の巫女・カシャクの娘で、病身の母に変わり、巫女となり、西南と契り(まだ幼いために手を握り合っただけ)を交わす。
この時点では、彼女の村では巫女になると幽世(かくよ)にはいり一般の村人とは交流してはならないという掟のうえ、勇者(である西南)と共に神像(ZINV)と一体化し神格化されてしまったために、アチャ1人では村に戻ることは、非常に難しくなったために西南達と共にアカデミーに旅立つこととなる。
D(ディー)
ZINV(ジンブ)の中に眠っていた、古代先史文明の少女のコピーとして生まれたアストラルクローン。福のコピーに宿る事と成り実体を得た。西南の確率ベクトルを逆転させる四人一組のうちの一人。
デュアル!ぱられルンルン物語』のDと同じ容姿であり美樹のことを三月と呼んだりと、GXP本編が『デュアル!ぱられルンルン物語』のアフター[12]である可能性を感じさせる。

スタッフ

  • 原作 - 梶島正樹
  • 監督 - ワタナベシンイチ
  • シリーズ構成 - 黒田洋介
  • キャラクターデザイン - 奥田淳
  • メカニックデザイン - 村田護郎、小川浩
  • キャラクター総作画監督 - 河野悦隆、石倉敬一、佐藤道雄、奥田淳、梶島正樹
  • メカ総作画監督 - 西井正典
  • 美術設定 - 高橋麻穂、渡辺浩二
  • コンセプトデザイン - 竹内敦志
  • 色彩設計 - 大内綾
  • 美術監督 - 高橋麻穂
  • 3Dディレクター - 井口光隆
  • コンポジットディレクター(撮影監督) - 青木武
  • 音楽 - 多田彰文
  • 音楽監督 - 本田保則
  • プロデューサー - 山下洋、植田泰生、大橋豊、井上博明
  • アニメーションプロデューサー - 渡辺欽哉、東道泰
  • アニメーション制作 - AIC
  • 制作協力 - ビースタック
  • 製作著作 - 日本テレビバップ

主題歌

主題歌は当初、2曲とも実験的なダウンロード販売のみとなったが、後にサントラ盤に収録された。

オープニングテーマ「真夜中の太陽」
作詞 - 谷ちあき / 作曲・編曲 - 岩崎文紀 / 歌 - 黒田佳世子
エンディングテーマ「あなたが最低。。。」
作詞 - ワタナベシンイチ / 作曲 - 田中公平 / 編曲 - 村瀬恭久 / 歌 - GXPrincess(佐久間紅美、鈴木麻里子、久川綾、水谷優子)

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 放送日
1 雨のち霧、ときどき不幸 白根秀樹 ワタナベシンイチ 川島宏 奥田淳、河野悦隆
西井正典(メカ)
2002年
4月2日
2 警察と海賊 佐藤勝一 村木靖 羽生尚靖 森中正春、梶島正樹
関口雅浩
西井正典(メカ)
4月9日
3 樹雷の鬼姫 木村暢 ワタナベシンイチ 江上潔 山沢実
西井正典(メカ)
4月16日
4 霧の紛れ、遣らずの雨 白根秀樹 岩田義彦 横田和善 山本善哉 4月23日
5 暗闇と甘い罠 佐藤勝一 川島宏 羽生尚靖 石田啓一 4月30日
6 GPアカデミー入学 木村暢 泉明宏
ワタナベシンイチ
岡崎幸男
白石道太
浜野裕治 5月7日
7 同居ってことで 白根秀樹 別所誠人 高島大輔 工藤征輝 5月14日
8 雑居時代 佐藤勝一 ワタナベシンイチ 円条矢太郎 河合静男 5月21日
9 波乱の宇宙研修航海 木村暢 中村主水 羽生尚靖 石田啓一 5月28日
10 洗礼 江上潔 山沢実 6月4日
11 初給料とプレゼント 佐藤勝一 羽生尚靖 花井信也 小関雅 6月11日
12 守蛇怪大破 木村暢 森本正木 土屋浩幸 工藤征輝 6月18日
13 樹雷にて 白根秀樹 中村主水 山崎茂 大田和寛 6月25日
14 小さな強敵現る! 佐藤勝一 ワタナベシンイチ 白石道太 森中正春 7月2日
15 福ちゃんの家出 木村暢 中村主水 花井信也 小関雅 7月9日
16 帰省 白根秀樹 福多潤 石踊宏 藤田正幸 7月16日
17 西南と天地 黒田洋介
梶島正樹
梶島正樹 和田裕一 中山岳洋 7月23日
18 幸福を掴む人々 佐藤勝一 ワタナベシンイチ 羽生尚靖 石田啓一 7月30日
19 ショー 木村暢 森本正木 土屋浩幸 工藤征輝 8月6日
20 運を呼ぶ船 白根秀樹 中村主水 花井信也 小関雅 8月13日
21 起・承・結 木村暢 福多潤 泉明宏 なかじまちゅうじ 8月20日
22 運対不運の決闘 白根秀樹 中村主水 石踊宏 藤田正幸 8月27日
23 追跡 木村暢 村木靖 羽生尚靖 石田啓一 9月3日
24 ぱられ・ル……!? 白根秀樹 森本正木 土屋浩幸 工藤征輝 9月10日
25 卒業 木村暢 ワタナベシンイチ 山田徹 向山祐治 9月17日
26 月の契り 白根秀樹 山内東生雄 奥田淳、河野悦隆
梶島正樹、佐藤道雄
山田正樹
9月24日

放送局

放送局 放送日時 放送期間 備考
日本テレビ 火曜 24:55 - 2002年4月2日 - 9月24日 製作局
ミヤギテレビ 木曜 25:55 - 2002年4月11日 - 10月3日
中京テレビ 火曜 25:35 - 2002年8月27日 - 2003年2月25日
福岡放送 月曜 26:30 - 2002年9月30日 - 2003年3月31日
アニマックス 火曜 23:00 - 2004年4月13日 - 10月4日 CS放送
とちぎテレビ 月曜 23:35 - 2005年7月18日 - 2006年1月16日 独立UHF局

漫画版

月刊コミックドラゴン角川書店富士見書房刊)にて連載された。作者はふるの無成

  1. 2002年8月 ISBN 4-0471-2307-2

小説版

『真・天地無用! 魎皇鬼外伝 天地無用! GXP』
富士見ファンタジア文庫から発売されている本作の小説版。TV版では描かれなかったストーリーの補完が行われている。著者は原作の梶島正樹(第1巻のみ白根秀樹との共著)。富士見ファンタジア文庫の旧フォーマットを貫き通している最後のシリーズ。第14巻中でアニメ版(第一部)は完結し、その後、簾座編(第二部)が開始する予定。
  1. 2003年4月 ISBN 4-8291-1513-0
  2. 2005年8月 ISBN 4-8291-1742-7
  3. 2006年8月 ISBN 4-8291-1848-2
  4. 2007年8月 ISBN 978-4-8291-1951-8
  5. 2008年7月 ISBN 978-4-8291-3306-4
  6. 2010年1月 ISBN 978-4-8291-3478-8
  7. 2011年2月 ISBN 978-4-8291-3610-2
  8. 2012年1月 ISBN 978-4-8291-3726-0
  9. 2013年1月 ISBN 978-4-8291-3846-5
  10. 2014年1月 ISBN 978-4-04-070001-4
  11. 2015年1月 ISBN 978-4-04-070504-0
  12. 2015年3月 ISBN 978-4-04-070543-9
  13. 2016年3月 ISBN 978-4-04-070841-6
  14. 2016年4月 ISBN 978-4-04-070895-9
パラダイスウォー
原作:梶島正樹、著:水樹尋、イラスト:エナミカツミ。
講談社ラノベ文庫から発売されている本作の関連作品。山田西南他により銀河内の上位百強の海賊ギルドが壊滅および機能停止し、瀬戸等の将来の夢として語られる汎銀河連合が結成されるめどがついた未来が舞台になっている。

脚注

  1. ^ 御先祖賛江イメージボード集「梶島温泉 お祭り前日の夜平成版 5改」
  2. ^ アニメ版では「岡山県浅口郡金光町」とGP入隊申込書に記入されている。
  3. ^ 小説13巻
  4. ^ 小説10巻399頁
  5. ^ GP軍属でありGP内部の勢力としては、九羅密の陣営に属すると考えられている。
  6. ^ 鷲羽曰く「私が知った以上、未熟な技術は感化できない」とのこと
  7. ^ 「レセプシー」の『舞貴妃』の家出した長女。人並み外れた芸能の才能をもっている。
  8. ^ デュアル!ぱられルンルン物語』の真田三月
  9. ^ 第13巻にて美希がある情報の報酬として鷲羽に父を外弟子、末席の使いっ走りにと頼んだところ、鷲羽は博司・マナダならすでに自分の弟子・アイリの弟子(孫弟子の末席)になっていると返答している。
  10. ^ 『レセプシー』は事前通告さえしていれば、どこの勢力圏を通行することも認められているほか、一芸に秀でた者なら勢力・前歴に関係なく亡命を受け入れる。地球で言うジプシーのような面を持つ。
  11. ^ 夫である支配人との子は二名。他は違う男性との間に生まれた子
  12. ^ 9億5千~10億年後

外部リンク

日本テレビ 火曜24:50枠
前番組 番組名 次番組
天地無用! GXP