土佐くろしお鉄道中村線

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土佐くろしお鉄道中村線
路線総延長43.0 km
軌間1067 mm
STR
JR四土讃線
BHF
0.0 窪川駅
WBRÜCKE
BHF
4.4 若井駅
TUNNEL1
若井トンネル
tSTRrg tSTRq KRZt tSTRlg
tSTR DST tSTR
8.0 川奥信号場
tSTRlf TUNNELru ABZrf TUNNELe
←第一川奥トンネル
TUNNELru TUNNEL2q ÜWor
←JR四:予土線
ÜWo+l ÜWc4
TUNNEL1
BHF
13.8 荷稲駅
TUNNEL1
TUNNEL1
WASSERrg WBRÜCKE
伊与木川
WASSERlf WBRÜCKE WASSERlg
STR WASSER
WBRÜCKE WASSERrf
BHF
18.1 伊与喜駅
TUNNEL1
熊井トンネル
TUNNEL1
TUNNEL1
BHF
20.8 土佐佐賀駅
WBRÜCKE
伊与木川
TUNNEL1
トンネル5か所
BHF
22.9 佐賀公園駅
TUNNEL1
トンネル5か所
BHF
24.1 土佐白浜駅
TUNNEL1
トンネル5か所
TUNNEL1
伊田第一トンネル
WBRÜCKE
伊田川
TUNNEL1
トンネル2か所
BHF
27.6 有井川駅
WBRÜCKE
有井川
TUNNEL1
有井川第二トンネル
TUNNEL1
BHF
29.2 土佐上川口駅
WBRÜCKE
蜷川
TUNNEL1
上川口第三トンネル
BHF
30.1 海の王迎駅
BHF
31.7 浮鞭駅
WBRÜCKE
湊川
TUNNEL1
WBRÜCKE
加持川
BHF
34.3 土佐入野駅
WBRÜCKE
蛎瀬川
BHF
37.2 西大方駅
TUNNEL1
逢坂トンネル
TUNNEL1
WBRÜCKE
古津賀川
BHF
40.9 古津賀駅
WBRÜCKE
後川
BHF
43.0 中村駅
STR
土佐くろしお鉄道宿毛線

中村線(なかむらせん)は、高知県高岡郡四万十町窪川駅から高知県四万十市中村駅に至る土佐くろしお鉄道が運営する鉄道路線。旧国鉄特定地方交通線であった中村線を引き継いだ路線である。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ): 43.0km
  • 軌間: 1067mm
  • 駅数: 15駅(起終点駅含む)
  • 複線区間: なし(全線単線
  • 電化区間: なし(全線非電化
  • 閉塞方式: 自動閉塞式
  • 交換可能駅・信号場: 3(川奥(信)、土佐佐賀、浮鞭)
  • 最高速度: 120km/h(土佐佐賀駅以東は110km/h)
  • 最小曲線半径: 250m(伊与喜以南では300m)
  • 最急勾配: 23パーミル(川奥(信) - 荷稲間)

沿線風景

清流四万十川の河口に位置し、四国の小京都として知られた中村市(現四万十市)への路線で、南国の海岸線を走る。土佐白浜から浮鞭までは荒磯沿いを走り、入野松原を通って中村に至る。入野松原の沖はホエールウォッチングの名所で、観光船のフリをした漁船に乗ってニタリクジラを追いかけることができる。中村駅のすぐ手前で綺麗な川を渡るが、これは四万十川の支流の後川(うしろがわ)で、四万十川本流と交わるには同駅を越えて宿毛線区間に入らなければならない。

川奥信号場 - 荷稲駅間にはループ線がある。そのほとんどは第一川奥トンネル(長さ2,031m)内に収まっているためループ区間での見せ場はないが、川奥信号場通過中に谷間を眺めると、中村方面に続く2条のレールの存在を確かめることができる。

運行形態

優等列車

転換前と同様、岡山高知方面からの土讃線特急「南風」「あしずり」が乗り入れている。現在は「南風」が5往復、「あしずり」が下り5本、上り4本の運行となっている。そのうち「南風」のうち下り3本と上り2本、および「あしずり」のうちの1往復は宿毛線に直通する。この直通運転のため、土佐くろしお鉄道も四国旅客鉄道(JR四国)と同形の特急用車両(2000系気動車)を4両保有している。以前はJR車に混じって完全に共通運用されていたが現在は4両ともアンパンマン列車となっているので一応運用は分けられている。

2012年3月16日までは高松駅からの特急「しまんと」が中村線および宿毛線に乗り入れていたが、翌日のダイヤ改正において「しまんと」が高知駅発着に統一されたことにより、高知駅以西の運用を「あしずり」に置き換える形で中村線内での運用を終了した。なお、同ダイヤ改正以降、高知駅では「しまんと」と「あしずり」が同一ホームでの対面乗り換えとされたため、一定の利便性を保っている。

普通列車

ワンマン運転の各駅停車が窪川 - 中村・宿毛線宿毛間で運転されている。窪川 - 若井(川奥信号場)間は、土佐くろしお鉄道の列車のほかに、JR予土線の列車も乗り入れている。1日7往復(窪川 - 中村間)と特急よりも少なく、4時間ほど運行されない時間帯がある。

歴史

事実上国鉄土讃本線の延長線として建設された路線(改正鉄道敷設法別表第105号の3「高知県窪川付近ヨリ中村至ル鉄道」)であり、運行上も一体であったが、土讃本線に編入されず、独立の線名を名乗った。このことが、後に赤字83線、さらに特定地方交通線に指定される原因となる。

国鉄再建法施行により1986年に第3次特定地方交通線に指定、1988年に土佐くろしお鉄道に転換された。また、日本鉄道建設公団建設線を引き継いで開業した宿毛線は、中村線の延長線である。

  • 1963年(昭和38年)12月18日 中村線窪川 - 土佐佐賀間(20.7km)開業。後に開通する予土線との分岐点・川奥信号場までは土讃本線(現・土讃線)の延長と見なされ、窪川 - 若井間には多度津起点200kmの距離標があった。
  • 1968年(昭和43年)9月 - 赤字83線の一つに選定される(1972年計画中止)。
  • 1970年(昭和45年)10月1日 土佐佐賀 - 中村間(22.7km)開業(全通)。
  • 1972年(昭和47年)3月15日 ダイヤ改正に伴い、特急「南風」の運行開始(高松 - 窪川 - 中村)。
  • 1974年(昭和49年)3月1日 CTC
  • 1982年(昭和57年)11月15日 東大方駅を有井川駅に改称
  • 1984年(昭和59年)2月1日 貨物営業廃止
  • 1986年(昭和61年)5月27日 廃止承認(第3次廃止対象特定地方交通線)
  • 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化により四国旅客鉄道に承継
  • 1988年(昭和63年)4月1日 JR中村線廃止。土佐くろしお鉄道中村線(43.0km)開業。営業キロ改定で国鉄・JR時代に比べ全線で0.4km短縮。古津賀駅新設。また、乗り入れの急行「あしずり」は快速列車になる。乗り入れの特急はグリーン車も含めて線内は全席自由席となる。
  • 1990年(平成2年)11月21日 「あしずり」が特急列車になり、快速列車が廃止になる。
  • 1993年(平成5年)10月1日 佐賀公園駅新設
  • 1995年(平成7年)4月1日 乗り入れの特急の指定席扱いを導入。
  • 1997年(平成9年)10月1日 土佐くろしお鉄道宿毛線開業。中村線乗り入れの特急列車8往復のうち6往復が宿毛駅までの運転となる。
  • 2003年(平成15年)4月22日 海の王迎駅新設
    • 12月8日 荷稲 - 伊与喜間で大規模な土砂崩壊が発生し、その区間の列車運行が不通となる。11月27日 - 11月30日まで続いた豪雨が、連続雨量541mmに達し、地山水圧の上昇により発生
  • 2004年(平成16年)1月10日 荷稲 - 伊与喜間運転再開
  • 2006年(平成18年)3月18日 各駅停車の運行本数を削減、最終を3時間繰り上げる。
  • 2007年(平成19年)3月18日 宿毛線乗り入れの特急列車5往復のうち3往復が中村駅までの運転となる。
  • 2010年(平成22年)3月13日 宿毛線乗り入れの特急列車が2往復から3往復に増加、古津賀に特急列車停車開始(上り1本のみ)。

駅一覧・接続路線

全駅高知県に所在。

駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
TK26 窪川駅 - 0.0 四国旅客鉄道:土讃線(K26) 高岡郡四万十町
TK27 若井駅 4.4 4.4 四国旅客鉄道:予土線(G27)
  川奥信号場 - (8.0) 四国旅客鉄道:予土線の実際の分岐点 幡多郡黒潮町
TK28 荷稲駅 9.4 13.8  
TK29 伊与喜駅 4.3 18.1  
TK30 土佐佐賀駅 2.7 20.8  
TK31 *佐賀公園駅 2.1 22.9  
TK32 土佐白浜駅 1.2 24.1  
TK33 有井川駅 3.5 27.6  
TK34 土佐上川口駅 1.6 29.2  
TK35 *海の王迎駅 0.9 30.1  
TK36 浮鞭駅 1.6 31.7  
TK37 土佐入野駅 2.6 34.3  
TK38 西大方駅 2.9 37.2  
TK39 *古津賀駅 3.7 40.9   四万十市
TK40 中村駅 2.1 43.0 土佐くろしお鉄道:宿毛線(TK40)
*印は、転換時(後)の新設駅

関連項目