ソードアート・オンラインの登場人物

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ソードアート・オンライン > ソードアート・オンラインの登場人物

ソードアート・オンラインの登場人物では、川原礫ライトノベルソードアート・オンライン』、および同作を原作とするメディアミックス作品の登場人物について解説する。

凡例

  • 登場人物表記はアバター名(ローマ字表記) / 本名の順。
    • ただし、アリシゼーション編に登場する整合騎士は整合騎士としての名前 / 本名の順で表記する。
  • 担当声優はアニメ版・ドラマCD版・ゲーム版共通のもの。
  • 同じギルドに所属しているキャラクターはまとめて記載する。
  • 記事中で用いられる用語についてはソードアート・オンライン#設定を参照。
  • ゲーム版オリジナルキャラクターについてはソードアート・オンラインのゲーム作品を参照。
    • 原作の登場人物についても、ゲーム版における詳細はそちらに記載する。

主人公

キリト(Kirito) / 桐ヶ谷 和人(きりがや かずと)
声 - 松岡禎丞
本作の外伝を除いた全編を通しての主人公。誕生日は2008年10月7日[1]、SAO開始時の2022年11月時点では14歳、2年後のクリア時点で16歳。埼玉県川越市在住。
生まれて間もなく一家で事故に遭い両親を失い、母の妹夫婦である桐ヶ谷家の養子となる。10歳の時に自身の生い立ちを偶然知って以降、自分と他者との距離感が狂い出し、やがては関わりを恐れるようになっていく。結果、人付き合いが不得手な少年へと成長し、いつしか仮想世界に安寧を求めるようになっていった。だがSAOに囚われたことでその運命は大きく変わり、2年間のデスゲームで経験した多くの出会いと別れを経て成長を遂げていくことになる。
PCに関する知識と技術は高く、6歳の時には母親の部屋にあったジャンクパーツを使って自作マシンを組み立てたほど。アインクラッド編では、システムをクラッキングして消滅の危機に瀕したユイを救っている。
多くの激戦を戦い抜いて培ったVRMMOプレイヤーとしての実力は高く、SAOでは全プレイヤー中最速の反応速度からユニークスキル「二刀流」の所持者に選ばれている。SAOや新生ALOでは数々のシステム外スキル[注釈 1][注釈 2][注釈 3]を考案し、GGOでは射撃予測線を予測して銃弾を斬り払うなどの離れ業を見せた。
アインクラッド編では、定員1,000名のSAOベータテスト参加を経て製品版のデスゲームに囚われる。開始直後は生き延びるべく他のベータテスター同様に自身の強化に邁進するもそのことには負い目を感じていた。そして第1層ボス戦でのディアベルの死と直後の元ベータテスターへの憎悪の過熱をきっかけに自ら嫌われ役を買って出てSAO初の「ビーター」となる。元々のソロ行動に加え、この一件でより一層孤独な活動を強いられることになった。
ビーターへの憎悪と人恋しさは彼の精神を疲弊させ、偶然誘われたギルド「月夜の黒猫団」に身分を隠して加入してしまう。だがこの隠蔽が原因でギルドは壊滅、自責の念から自殺まがいの無茶な戦闘を繰り返すまでに追い込まれてしまう。サチの遺言でこの時は踏みとどまるも、自責の念から他者との関わりをより一層避けるようになる。
ゲーム進行の最前線で戦う「攻略組」に常に身を置き、血盟騎士団に入ったアスナと再会。彼女との交流が彼の深い心の傷を癒していき、やがて相思相愛となってシステム上の結婚を交わした。その約2週間後、第75層ボス討伐直後にヒースクリフの正体を看破、全プレイヤーの解放を賭けた1対1の「デュエル」に奇跡的な勝利を収める。このため、デスゲームは全体の四分三地点でクリアされ、「黒の剣士」の二つ名はSAO最強の剣士、そしてゲームクリアをもたらした英雄として広まることになる。
フェアリィ・ダンス編では、エギルの情報を手掛かりに、アスナを救うべくALOにダイブする。リーファやシルフ・ケットシー連合軍の協力でアスナの下に辿り着き、彼女を捕えていた須郷を撃破。SAO終盤に交わした「必ず現実世界に帰す」というアスナとの約束を果たし、改めて現実での交際を始めた。
ファントム・バレット編では、SAO事件で知己になった菊岡の依頼で、「死銃事件」の調査のためGGOにダイブする。そこで出会ったシノンとの共闘を経て、SAOクリア後も残っていた禍根に一応の決着をつけた。
マザーズ・ロザリオ編ではユウキとデュエルを行い敗北。その後はアスナやユウキ達のボス戦挑戦を阻む他ギルドを退けるため助っ人として現れた。
この間同作者の『アクセル・ワールド』の番外短編「バーサス」にゲスト出演している。
アリシゼーション編では、菊岡の紹介でUWにダイブしていたが、3日間の連続ダイブを終えた後、「死銃」の最後の1人、ジョニー・ブラックこと金本の襲撃を受けて昏睡状態に陥ってしまう。治療のために菊岡の手で秘密裏に「オーシャン・タートル」へ移送され、精神をUWに強制的にダイブさせられるが、襲撃前後の記憶を失っており自身を取り巻く状況が掴めないまま、再会[注釈 4]したユージオと共に現実世界への帰還方法を見つけるために世界の中心「セントラル・カセドラル」で管理者との接触を目指すことになる。内部時間で2年もの歳月を過ごし、その中でUWやそこに住まう人々の正体を知り、カセドラルでユージオの犠牲を経てアドミニストレータを倒すが、現実世界での「オーシャン・タートル」襲撃の影響で心神喪失状態に陥ってしまう。その後はアリスと共にルーリッド村付近の小屋で暮らしているが心神喪失してしまったことから常に無表情で言葉は発さず「あー」と掠れた声で発音するのみ。アドミニストレータとの戦いでは失った腕は治らず、食事から散歩、睡眠まで全てアリスに一任されている。しかし、ベルクーリがキリトを試すために放った心意の小刃をアリスを守るために同じ心意で弾き返したり、UWにログインしてきたアスナと再会した時には涙を流すなど、まだ完全に心は死んでいない。
アバターはどれも黒を基調とした装備で統一しており、SAO・ALOでは「ブラッキー(黒ずくめ)」の通称で呼ばれることもある。詳細は以下の通り。
  • SAO:第1層のボス戦で得た黒いコート「コート・オブ・ミッドナイト」を着用して以降、黒ずくめを通している。普段の戦闘スタイルは盾無しの片手剣。攻撃特化で手数よりも一撃の重さを重視した性能を持つ。防御能力は回避寄りだが特化しているわけではなく、攻撃力を生かして倒される前に倒すためのものである。STR(筋力要求)値が高い重い武器を好み、ゲーム末期にはレアドロップアイテムの黒の片手剣「エリュシデータ」をメインに、リズベットが鍛えた白の片手剣「ダークリパルサー」を二刀流剣技行使時の追加武装として使用していた。この他体術、索敵スキルをほぼ極めており、また乏しい防御力の代わりに戦闘中HPが一定期間ごとに自動回復する「戦闘時回復(バトルヒーリング)」スキルを習得している。
  • ALO:種族はスプリガンで、逆だった髪型をしている。旧ALOではSAOクリア時点でのスキル熟練度が一部引き継がれており、武器として大剣を使用していた。SAO事件の完全収束後「あの世界(SAO)でのキリトの役目は終わった」としててキャラデータを初期化している。 新生ALOでは髪を下ろし、ステータスは魔法の使用を度外視した「脳筋系」のビルド。物理耐性がある敵には苦戦しやすい[注釈 5]。武器はリズベット作の剣を使用し、短編「キャリバー」ではレア武器「聖剣エクスキャリバー」を入手している。
  • GGO:ALOから一時的にコンバートさせた結果、女性と見違う容姿のアバターを割り当てられる[注釈 6]。銃撃戦メインのゲームであるにもかかわらず、銃はFN Five-seveNを牽制用に所持するだけで、使い手がほとんどいないマニアックな近接武器「光剣(フォトン・ソード)」カゲミツG4を主装備とした従来通りの白兵戦を主体とする。「剣で銃弾を斬り払いつつ敵に接近し斬る」というそれまでのGGOになかった戦法で、初心者ながら第3回BoBで優勝している。
  • UW:容姿はリアルのまま。SAO時代のソードスキルを「アインクラッド流」の剣術として使用する。武器は超硬度の巨木「ギガスシダー」から削り出された漆黒の片手剣。当初は無銘だったが、死に際のユージオに「夜空の剣」と名付けられる。ユージオの死後は彼の形見である折れた「青薔薇の剣」を得ている。
アスナ(Asuna) / 結城 明日奈(ゆうき あすな)
声 - 戸松遥
本作のメインヒロイン。外伝編では主人公を務める。SAO開始時では15歳、2年後のクリア時点で17歳。誕生日は2007年[2]9月30日[3]東京都世田谷区宮坂在住。
いわゆる「エリートコース」を歩んでいた良家の令嬢。両親が求めるままの道を進む一方、狭く閉ざされつつある自分の世界に恐怖感と閉塞感、そして焦りを抱いていた。気まぐれで兄の「ナーヴギア」とSAOを借りたことで彼女の運命は一転し、命を賭けたデスゲームに囚われることとなる。
当初はエリートコースから脱落すること、そして両親が自分に向ける失望への恐怖から半狂乱に陥っていた。しかしキリトとの出会いで本来の明るい性格を取り戻し、彼に好意を抱くようになる。その後はS級食材に免じて自分の部屋を提供したり、半ば強引にパーティを組んだり、手作り弁当を作ってきたりなどと、積極的なアプローチをするようになっている[注釈 7]。一度は自分のせいで危険な目に遭うキリトを気遣い身を引こうとするが、キリトから告白され相思相愛を確認、システム上の結婚を交わし、現実世界においても恋人同士となる。キリトの周囲に女性が多く、また押しに弱い性格であることをやや不満に思ってもいるが、2人の関係は非常に良好であり、アスナ本人は将来キリトと現実世界でも家庭を持つことを最終目標としている。
SAOにおいて絶対的に少ない女性プレイヤーである上に、五指に入るほどの美貌を持つ。剣の実力も最強との名高きギルド「血盟騎士団(KoB)」の副団長を務めるほどで、SAOで知らぬ者はいないほどの有名人になっていた。攻略以外の全てを不要な物と断じ、ひたすら最前線を戦い続ける様は「狂戦士」または「攻略の鬼」とまで評された。一方で、幽霊や怪談話が大の苦手であり、ホラー系フロアの攻略をサボってしまうほど。後半ではトラブルに巻き込まれないようギルドから護衛を付けられているが、本人はそれを疎ましく思っている。
フェアリィ・ダンス編では、須郷の企みによりSAOから現実世界に帰還できずALOの世界樹上の鳥籠に幽閉される。現実世界のアスナの病室でキリトに会った事を須郷が口を滑らした事で脱出の希望を見出し、行動を起こす。鳥籠から抜け出し世界樹の中にある実験室でシステム管理用のアクセス・コードを入手、その後、世界樹の真下まで辿り着いたキリト達に気付き、自分の存在をカードに託した。現実世界への帰還後、キリトを始めとする「SAO生還者」が集められた学校に入学。エリートの道から外れたことを親戚達からは哀れまれているが、本人は全く気にしておらず現在の自分に誇りを持っている。
マザーズ・ロザリオ編では主人公を務める。母・京子との様々な軋轢から無力感に苛まれていたが、ユウキと出会い共に戦う中で、結果を恐れずぶつかっていくことの大切さを知る。ユウキの助言もあって京子と直接VRワールドで話し合い、自らの真意を伝え和解。ユウキとはその後も多くの思い出を作り、11連撃OSS「マザーズ・ロザリオ」を受け継ぎ、その最期を看取った。
アリシゼーション編では、昏睡状態のまま行方不明になった和人の行方を探すべく、茅場の恋人であった神代凛子にコンタクトを取り協力を依頼。ユイの力を借りて凛子の助手に成り済まし「オーシャン・タートル」に赴く。菊岡から「プロジェクト・アリシゼーション」の詳細を聞き出し和人の治療のため静観していたが、ガブリエル率いる強襲部隊による「ラース」占拠に際し、キリトの心神喪失からの回復とアリスの回収を自ら志願してUWにダイブ、キリトとアリス、そしてUWを守るべくダークテリトリー軍との戦いに身を投じる。
アバターは以下の通り。
  • SAO:ゲーム開始当初はケープを着用していたが、KoB入団以降はギルドのカラーである赤と白で彩られた軽装の鎧を着用。武器は細剣を使用し、終盤ではリズベットの会心作「ランベントライト」を愛剣としている。視認さえ困難なその高速の剣技から「閃光」と称えられるSAO最強クラスの剣士で、剣速と正確さはキリトが負けを認めるほど。また趣味として、戦闘とは無関係の料理スキルを完全習得している。
  • ALO:旧ALOでは妖精王の妃・ティターニアの役割で、リアルの姿をベースとしたアバターとなっている。ログアウトをはじめとしたプレイヤーとしてのあらゆる権限を奪われた上で、世界樹に設置された鳥籠に監禁されていた。新生ALOでの種族はウンディーネ。水色の髪を持ち、支援・回復魔法を主に使う治癒師(ヒーラー)として活躍する。ただしSAOでの愛用武器の細剣による近接戦闘も視野に入れたハイブリッド型のビルドであり、その戦いぶりから「バーサクヒーラー」という不本意な二つ名を頂戴した。また、予備アカウントで作成したシルフのダガー使い「エリカ」も併用している。
  • UW:ラースが保有するスーパーアカウント・創世神ステイシアを使用。GM装備の細剣「ラディアント・ライト」に加え、権限「無限地形操作」を付与されている。フィールド上に地割れなどを追加するなど強力な力だが、使用の度にフラクトライトに甚大な負荷をかけるため、使用回数は限られている。

主要人物

ユイ(Yui)
声 - 伊藤かな恵
キリトとアスナが新婚生活を送っていた「アインクラッド」第22層の森に倒れていた幼い少女。記憶の混乱やシステム回りに不審な点が見られていたが、その正体はプレイヤーの精神的ケアを司るカウンセリング用人工知能・MHCP[注釈 8]001。純然たる人工知能でありながら、人間顔負けの豊かな感情表現を見せる。
デスゲーム開始直後にシステムからプレイヤーに接触することを禁止され、プレイヤーの負の感情をモニタリングしつつその解決のための行動を起こせない矛盾状態から崩壊寸前に陥っていたが、偶然触れたキリトとアスナの感情が他のプレイヤーと違うことに引き寄せられて2人の前に出現した。名前以外の記憶を失っており、自身を保護してくれたキリトとアスナを「パパ」「ママ」と呼んで慕うようになる。ダンジョン内に設置されていたGM用コンソールに触れたことで記憶を取り戻し[注釈 9]、GM権限[注釈 10]を行使してキリト達の窮地を救う。その結果システムに検知され消去されそうになるが、キリトの尽力でアイテム「MHCP001」としてシステムから切り離されて彼のナーヴギアのローカルメモリに保存された。
フェアリィ・ダンス編では、SAOのシステム・セーブデータが流用されたALOにおいて、キリトの他のアイテムが使用不可になっている中で唯一残り復活を遂げる。「ナビゲーション・ピクシー」[注釈 11]としてキリト達にケアや情報提供でサポートし、母・アスナの奪還に臨む。事件解決後はキリトのPCに本体を置き、ゲーム内外でAIとして高い能力を発揮して情報収集に活躍する。
旧SAOアインクラッドでの2年間から引き続く人間観察を経たその感情模倣機能は、違和感を持つ人間がほぼいないレベルに達しており、キリトによるとトップダウン型AIの最先端。ストーリーが進むごとに機能の追加やAIとしての成長が見られ、ファントム・バレット編ではALO外のアスナの携帯に通信を送っており、さらに後にキリトの学校での研究成果により現実世界でも限定的ながら見る・聞く・話すことが可能となった。アリシゼーション編の時点ではクラッキングをこなすまでに成長している。その反面未だシステム的には脆い部分を持っており、人間の負の感情に対してあまり耐性がない。ALO内で出会ってからもリーファやシノン達も妹のように接している。
アリシゼーション編ではアスナの「オーシャン・タートル」潜入を手引きし、その後襲ってきたガブリエルたちの作戦を看破。日本に残っていたシノンたちに事情を説明して助けを求める。
リーファ(Leafa) / 桐ヶ谷 直葉(きりがや すぐは)
声 - 竹達彩奈
フェアリィ・ダンス編のヒロイン。和人の1歳下の義妹(血縁上は従妹)で、彼からは「スグ」と呼ばれている。2009年生まれ[2]
幼い頃から8年間剣道を続けている努力家で、中学最後には全国でベスト8に入った実力者。剣の腕は和人からは既に敵わないと思われている。高校では1年生ながらインターハイ玉竜旗のレギュラー選手に抜擢された。小柄であるが、胸はそれなりに育っている[注釈 12]らしく、本人の密かな悩みの種になっている模様。年頃ゆえかカロリーコントロールにも気を付けている節がある。
和人とは小さい頃は仲の良い兄妹だったが、祖父の命令で始めた剣道を自分だけが続け、兄が剣道から離れてコンピュータにのめり込むようになってからは疎遠になっていった。SAO事件を機に自分と和人の本来の関係を母から打ち明けられたこともあり、それまでの和人との関係に後悔し、和人がSAOの最前線で戦っていることを希望に献身的に世話をしていた。また、和人の愛したネットゲームの世界を知るために、嫌っていたネットゲームの世界に足を踏み入れていく。
ALOでの種族はシルフで、リアルで鍛えた剣の腕と反射神経で種族内五指に入るほどの実力者。飛ぶことに魅せられていて、「スピードホリック」と言われている。プレイスタイルは長刀を使った戦闘の他に、補助として風系の攻撃魔法や回復系も使いこなす魔法剣士型。
フェアリィ・ダンス編では、サラマンダーの集団に追い詰められていたところを、アスナを探してALOに現れたキリトに助けられ、お互いの素性に気づかないままキリトの目指す世界樹への案内役を買って出る。共闘するキリトに惹かれる一方、現実でも堰を切ったように兄・和人への恋心を自覚する。その後も密かに兄妹の枠を越えた彼への恋慕を抱き続ける。しかし付き添いで付いていった明日奈の病室で、和人が抱く彼女への想いの強さに気づいて身を引いた。世界樹攻略を目指している中でふとしたことから互いの素性に気付き、ショックと自己嫌悪から咄嗟にログアウトし逃げだしてしまうが、和人からかけられた言葉と、1対1の「デュエル」を通してお互いの気持ちを確かめ合い和解。レコンやシルフ・ケットシー連合軍と共に再び世界樹攻略を目指すキリトの戦いを援護し、アスナ奪還に大きく貢献した。事件後はゲームの中でもキリトを「お兄ちゃん」と呼ぶようになり、現実世界でも幼少期のすれ違いを埋めるかのように兄妹関係は良好になっている模様。
ファントム・バレット編では、 和人がキリトのアバターを黙ってALOからGGOへコンバートさせたことにいち早く気付いたが、事情があるのを察し、心配しながらも黙って送り出す。BoB本戦観戦中に「ラフコフ」の存在と「死銃事件」の概要を知り、菊岡を問い詰めると同時に、キリトが過去の因縁に決着をつけようとしていることを察した。
マザーズ・ロザリオ編では、キリトとアスナが2人きりで過ごすことにリズヘッドとシリカと共にあまり面白くない反応を示す。身を引いてはいても、まだ部分的にキリトに想いがある様子。
アリシゼーション編では、和人が意識不明の重体に陥った直後、明日奈から連絡を受け病院に駆けつける。その後、ALOの自身のホームでアスナ、シノン、ユイと「ラース」について意見交換を行う。
シノン(Shinon) / 朝田 詩乃(あさだ しの)
声 - 沢城みゆき
ファントム・バレット編のヒロイン。現実では女子高生。2009年生まれ[2]
幼い頃に父が交通事故で他界。母もその時に精神年齢が逆行したことから、母を守らねばという義務感を強く抱くようになった。そのためか自立心が強く同世代と比べても非常に大人びた性格で、辛辣かつドライな物言いをすることが多い(特に和人に対しては顕著)。
眼鏡をかけているが実際は度が入っておらず、弾丸すら防ぐとされる特殊材質で作られたオーダーメイドの特注品。外出時などに不安を軽減する「防具」の役目をしている。
11歳時に郵便局で強盗事件に巻き込まれ、母を守るため犯人から拳銃を奪い射殺してしまう。このことから銃器に対する強いPTSDに悩まされるようになり、トラウマの克服を狙ってGGOを始めた。現在ではGGOプレイ時には発作が起きなくなり、銃器に対する愛着すら生まれ始めているが、現実世界でのトラウマの克服までは至っていない。また、法的に罰せられこそしなかったが、事件に端を発するイジメや恐喝を受けており、それらから逃れるため、高校は東京の進学校に進み、文京区湯島のアパートで一人暮らしをしている[4]
ファントム・バレット編では、GGOにログインしたばかりのキリトに道を尋ねられた際、アバターの外見から自分と同じ女性だと勘違いし、親身に武装やゲームシステムをレクチャーした。その後キリトの本当の性別を知って憤慨するが、第3回BoB予選の待ち時間に目撃した「死銃」と出会った後の彼の尋常ではない怯え方に、自らと近しい苦悩の陰を感じ取る。大会本選ではキリトと共闘して「死銃」をリタイアさせようと試みるが、「死銃」の用いる五四式・黒星を見てPTSDの発作を起こしてしまう[注釈 13]。さらに「死銃」の手口と、自らもまた「死銃」のターゲットにされていると知り、恐慌状態に陥るも、キリトに助けられ、互いに過去の出来事を告白することで、彼の強さの何たるかを悟った。その後、冷静かつ的確な判断力と神業的な狙撃で「闇風」を撃破。「死銃」に追い詰められたキリトを救い、彼と同率[注釈 14]で念願であったBoB優勝を果たした[注釈 15]。試合後、自分を殺そうとしていた「死銃」の共犯者が友人であった恭二であることを本人の口から知らされ、錯乱した彼に襲われそうになるが、駆け付けた和人の助けでことなきを得た。事件解決後はキリト達の計らいにより、当時の事件で結果的に自分が救った母子[注釈 16]と対面し謝罪と感謝を受けて自分の抱える罪と向き合い、前に進むことを選んだ。事件後は平穏な暮らしを取り戻しており、キリトを介して出会ったアスナやリズベットとも親しくなりALOも始めた他、学校で昼食を取る友人も出来た模様。トラウマも少しずつ克服し始めている。特にアスナからは「シノのん」の愛称で呼ばれており、自宅に招かれるほど仲がいい。
GGOでのアバターは、対物ライフルウルティマラティオ・ヘカートIIをメインに使うスナイパー。愛銃の由来でもある「冥界の女神」の異名を持つトッププレイヤーとして名を馳せている。サブウェポンとしてH&K MP7A1(アニメ版ではロングマガジン仕様のグロック18に変更。OPでフルオート射撃をするシーンがある)を所持しているが、使用している場面は少ない。ALOでの種族はケットシー。癖があり使いこなすのが難しいとされるロングボウを得物とし、九種族最高のケットシーの視力とGGOで培ったスナイピング技術を応用することで、短期間でシステム規定を超えた腕前を身に付けた。地下世界ヨツンヘイムで落ちていくエクスキャリバーを弓で釣り上げるという芸道を披露し、キリトにエクスキャリバーを渡す寸前に使用の時は自分の事を思い出してほしいと条件を言いだし、それが原因でキリトはアスナ、リーファ、シリカ、リズベット、ユイに睨まれている。
アリシゼーション編では、第4回BoBで準優勝に終わったことから、次の大会で優勝するために和人に「キャリバー」獲得時の話を持ちだして協力を依頼。その直後に和人が「死銃」の共犯者に襲撃され、「死銃事件」の関係者として襲撃の事実を仲間内で唯一知らされる。その後、アスナ、リーファ、ユイと「ラース」について意見交換を行う。
ユウキ(Yuuki) / 紺野 木綿季(こんの ゆうき)
声 - 悠木碧
「マザーズ・ロザリオ」編におけるヒロイン。一人称は「ボク」。ALOにおいて「絶剣(ぜっけん)」と呼ばれ圧倒的な強さを誇るプレイヤーで、二刀を使わなかったとはいえキリトを2度倒した唯一の人物。現実では15歳の少女(2011年5月23日生まれ)。種族はインプで、使用武器は極細の片手直剣。その圧倒的戦闘力はアスナらに「SAO生還者」ではと疑問を持たれたほどである[注釈 17]
出生時に輸血用血液製剤からHIVに感染し、15年間闘病を続けてきた。両親と双子の姉はAIDSによりすでに他界しており、天涯孤独の身。薬の服用を続けながら通学し、小学校においては常にトップクラスの成績を維持し続けたが、HIVキャリアであることがリークされ転校を余儀なくされた。
その後AIDSの発症により入院、医療用VRマシンであるメディキュボイドの被験者になり、それ以来3年間を仮想世界で過ごしてきた。ALOでの異常なまでの戦闘力は、長期間の医療目的ダイブに由来している。
「スリーピング・ナイツ」のメンバーで、姉の死後リーダーを引き継ぐ。自身が作ったOSSを賭けて辻デュエルをしていた際、キリトを破ったことに興味を持って対戦を挑んできたアスナと出会いその強さを認め、最後の思い出作りのためのボス攻略戦の助っ人を依頼した。ボス攻略を果たした後、アスナに姉の面影を重ねて見てしまい、ALOから姿を消す。
病院を訪ねてきたアスナに「学校に行きたい」という願いを吐露し、和人らが作った視聴覚双方向通信プローブを利用してアスナと共に学校へと通う。キリトに対しては自分の出自を見破ったためか微妙に訝しんでいたが、プローブを提供されたためか打ち解けており、明日奈が理解できないレベルの討論を交わしている。その一方で「スリーピング・ナイツ」のみによるアインクラッド第29層攻略に貢献し、統一デュエル・トーナメントでは決勝戦で再びキリトを破り優勝。
アスナたちと京都旅行を楽しんだが、2026年3月末に容体が急変、駆けつけたアスナに自身が編み出した11連撃のOSS「マザーズ・ロザリオ」を託して遂に力尽き、最期は「スリーピング・ナイツ」や彼女と接した多くのプレイヤーに看守られながら、アスナの腕の中で静かに息を引き取った。彼女の葬儀には明日奈をはじめ、100人を超えるALOプレイヤーが参列した。
アリス・シンセシス・サーティ / アリス・ツーベルク
「アリシゼーション」編でのヒロイン。ルーリッドの村の村長の娘でキリトとユージオの幼なじみ。不思議の国のアリス風な青に白いエプロンドレスを着ている。子供達の中では一番の神聖術の使い手という優等生だが、その本性はキリトのいたずらの扇動役であった。
キリト、ユージオと共に、氷を採りに行った際に禁忌目録に反してダークテリトリーに侵入したため、整合騎士デュソルバートに捕縛、カセドラルに連行された。
その後は村に帰るべく奮闘していたが、2年の修練の後にシンセサイズされて騎士見習いとなり、その5年ほど後に30番目の整合騎士となる。連行から8年後、修剣学校にて禁忌目録を犯したユージオとキリトと再会、彼らをカセドラルに連行するが、脱走しカセドラルへ侵入したキリトと交戦中に2人ともカセドラルの外へ投げ出されてしまい、成り行きで彼と行動を共にすることになる。その途中、キリトの口から自分の過去と公理協会、最高司祭の真実を知らされる。わずかに残っていた妹・セルカの記憶から彼の言葉が本当だと悟り、自らの意志で右目の封印を破ってキリトに協力する。
カセドラルでの死闘の後は心神喪失状態になったキリトの世話をしながらルーリッド付近の小屋で生活していたところエルドリエの要請やダークテリトリーからの侵攻に対処すべく戦線に復帰する。
ダークテリトリーの軍勢との戦争ではダークテリトリー側に術を使わせないために大規模な神聖術を用いて空気中の神聖力を全て枯渇させるという大役を担い、見事に成功させダークテリトリー側に多大な損害と恐怖を刻み込んだ。
整合騎士になる前はとにかく明るく親友であるユージオを振り回すほど元気な女の子であった。しかし整合騎士になってからは目の色も同じ青であっても「凍てつく氷のように冷たい青」であり罪人に対する口調もその冷たさを彷彿とさせる他、キリトがミニオンに対して連撃系ソードスキルを使った時にはかなり上から目線で賞賛するなど自分の実力に自信を持っていると思われる。それにかなり真面目で手についた血を服で拭こうとするキリトを咎めハンカチを貸したりした。反面まだ整合騎士になってから若いことが災いしてか経験のないことには滅法弱いため外壁に投げ出された時は躊躇いながらもキリトに助けを頼んだ。
精神喪失したキリトとの同居生活を始めてからはキリトに好意を持ち始めており、アスナとキリトに関する情報交換をしている際には対抗心剥き出しで今までの生活の経緯を語っていた。
整合騎士としては2番目に若いが、最強の整合騎士、ベルクーリの手解きもありその実力は凄まじいもので、その一撃一撃の重さはキリトが頼みにしていた連撃系のソードスキルによる攻略を無に帰す程のもの。さらに神聖術の扱いにも長けており、上記のような大規模なものから、複数の小規模な神聖術を駆使して肉まんを蒸すなど。このように実力が高いため女性でありながらも手加減されることがなく、この点に関してはファナティオから強い嫉妬の目で見られていた。
アンダーワールドで最初に生み出された破壊不能オブジェクトである金木犀の樹で作られた神器「金木犀の剣」を持ちそれを先端の尖った幾千の黄金花に変えて広範囲の攻撃を可能にしている。さらに花一枚が巨人の一撃に匹敵する威力を持つなどありえないほど完全で万能な完全支配術を持つ。
クライン(Klein) / 壷井 遼太郎(つぼい りょうたろう)[注釈 18]
声 - 平田広明
キリトが正式サービス開始後のSAOで最初に知り合った人物。女性好きかつコメディリリーフな描写が目立つがその実は義理堅い気さくな好青年。SAO・ALO共に悪趣味なバンダナに野武士のような顔立ちが特徴で、装備も刀に武者鎧というスタイル。SAO末期の時点で24歳。
現実では小規模な輸入商社に勤めており、SAOから帰還後復職。社長の悪口を言いつつも真面目に働いており、自身の仕事のプレゼンを和人に手伝わせたことがある。リアル・ゲーム内共に酒飲みキャラクター。また女好きでもあり、SAOにてキリトと一緒にいたアスナに猛アピールしたり、ALOのエクスキャリバー獲得クエストでも美女姿のNPC相手に鼻の下を伸ばしていたが、皆の反対を押し切って彼女を牢から出したことがクエスト成功に繋がった。
ネットゲーマーとしての実力は高いがフルダイブはSAOが初めてであり、手慣れた様子のキリトにレクチャーを頼んだ。茅場によるデスゲーム宣言後、待ち合わせをしていた仲間を見捨てられずに先を急ぐキリトと別れたが、その後も彼のことを案じていた。
SAO以前からの友人総勢6人で構成されるギルド「風林火山」のギルドリーダーであり、仲間を1人も欠かすことなく守り抜き、自身のギルドをキリトやKoBと同じ「攻略組」の一角にまで育て上げ、第75層決戦を生き延びて無事生還を果たした。この他、キリト、アスナと共に「ラフコフ」討伐戦にも参加しており、ファントム・バレット編ではBoB本戦の中継画面に映った死銃の雰囲気や口調から、彼がラフコフの生き残りであることに気付いた。
ALOでの種族はサラマンダー。「侍たるもの、魔の一文字がついたスキルは取れねえ」という本人のこだわりから、魔法使用・対魔法抵抗ともに度外視した「脳筋系」のビルドで、魔法に対する抵抗力をほとんど持たない。得物はSAO時代と同じく刀。重い剣好きなキリトの「筋力」寄りの構成に対し、刀の技の切れのために「敏捷性」寄りにステータスを振っている。
エギル(Agil) / アンドリュー・ギルバート・ミルズ
声 - 安元洋貴
「アインクラッド」第1層からフロアボス戦に参加している斧使い。アフリカ系アメリカ人にして生粋の江戸っ子。180cm近い上背の筋骨逞しい体躯に鮮やかな黒い肌、さらに禿頭・髭面という物々しいルックスで笑顔はかなりの凄みがある。
御徒町に喫茶店「ダイシー・カフェ」を開き、結婚もして順風満帆な人生を歩もうとした矢先にSAOに囚われてしまう。
キリトにとってはぞんざいに接することの出来る、気を許せる人物で、数少ない理解者の1人で、第1層攻略後からも何回かビーターとして周りから省かれていたキリトを手助けをしていた。友人とともに彼をブラッキー(黒ずくめ)の愛称で呼んでいた。
ある時期から商人プレイヤーに転向し、第50層のアルゲードに故買屋を開いた。売買だけでなく、キリトが厄介事に巻き込まれた際の避難先として使うこともある。儲けを優先しているような言動をとるが、実は利益のほとんどを中層ゾーンのプレイヤーの育成支援に注ぎ込んでいた。年長者かつ既婚者らしい落ち着いた言動で、関わるプレイヤー達を見守る。商人キャラでありながら攻略組と遜色ない実力を持ち、キリトらと共に第75層決戦に参加し、無事に生還した。
SAOからの帰還後、妻が守っていた「ダイシー・カフェ」のマスターに復帰。ALOで撮られたアスナらしき人物のスクリーンショットの情報とALOのパッケージをキリトに提供し、彼を後押しした。VRMMORPG関係にコネを持っており、ALO事件後、キリトが持ち込んだ「ザ・シード」を解析後に秘密裏に無償サーバーにアップロードして拡散させた。キリト達と共に新生ALOを始めてからは、店をパーティーやダイブスペースなど集合場所として提供している。名前が長ったらしいせいか、リアルでもキリトたちから「エギル」と呼ばれている。
ALOでの種族はノームで、やはり商人キャラ。キリト達の資金援助を得て、ユグドラシルシティに店を開業している[注釈 19]
シリカ(Silica) / 綾野 珪子(あやの けいこ)
声 - 日高里菜
デスゲームに巻き込まれたSAOプレイヤーのひとり。ビーストテイマーの少女でダガー使い。小竜・ピナを使い魔としているため、「竜使いシリカ」と呼ばれている。誕生日は2010年[2]10月4日[6]で、SAO開始時では12歳、2年後のクリア時点で14歳。
現実世界への帰還後は、「SAO生還者」を集めた学校に通っている。ALOで知り合ったリーファとは同じ妹分[注釈 20]であるためか仲がいい。父親はフリーのルポライター
かわいらしい容姿や稀有なビーストテイマーであることから、中層域のアイドル的存在。ギルドへの勧誘や結婚の申し込みをたびたび受けた結果、男性プレイヤーに恐怖心を持っており、キリトにも初対面では警戒心を見せていた。
幼さに加えてMMOはSAOが初めてという極めて不利な状況でSAOの世界に放り込まれ、不安と寂しさに押し潰されそうになったが、ピナとの出会いでそれを乗り越えた。ついには中層クラスでハイレベルプレイヤーに名を連ねるまでになるが、他の低年齢プレイヤーの惨状を考えれば彼女のようなケースは例外中の例外であるといえる[注釈 21]
ピナの死後、自分も死の危機に瀕するもキリトに救われる。キリトからピナを蘇らせる方法を教えられ、共に上層の第47層のフィールドダンジョンに赴く。アイテム取得後ピナの蘇生に成功。その後もキリトとメールのやり取りをしていた模様。それ以来キリトに好意を寄せており、兄のように慕っている[注釈 22]。同じ相手を想っているリズとは馬が合うようであり、よく2人で行動している。アニメ版エクスキャリバー編では、キリトがシノンの尻尾を掴むというスキンシップを羨ましく思っていて、事実自分のも掴んでほしかったと自分の尻尾を掴んでそう思っていた。
ALOでの種族はケットシー。SAO同様ダガーを武器とする他に支援系の魔法を得意としている。SAO時代の相棒であるピナも引き続き彼女のペットモンスターとして傍らにいる。
ピナ
声 - 井澤詩織
シリカがSAO内で出会い、偶然が重なってテイミングに成功した使い魔。小さな水色のドラゴン型のレアモンスター「フェザーリドラ」で、名前の由来は、彼女が現実で飼っている同じ名前の猫から取ったもの。シリカがテイムに成功した直後は大きな話題となった。
戦闘能力は高くないものの、モンスターの接近を知らせる索敵能力や、多彩なブレスでシリカをサポートする他、少量ながらシリカのHPを回復するヒーリング能力を有する。特にヒーリングに関しては、アイテムによる回復しかないアインクラッドに置いて非常に貴重なものと言える。
戦闘中にシリカを庇って彼女の盾となるというアルゴリズムを超えた行動をとり死亡するが、シリカがキリトの助力を得て獲得した使い魔蘇生アイテムにより復活する。
ALO移行時にSAO時代のキャラクターデータが引き継がれたため、以前と同じくシリカの使い魔として彼女をサポートする。モンスターの技の発動を阻害する眩惑魔法や主であるシリカの滑空距離のブーストなど、多彩な能力を見せる。通常の使い魔は、主人からの命令に対する行動の実行率が100%ではないが、ピナはシリカの言うことに背いたことがなく、キリトが眠っている場面に遭遇すると彼の腹の上で眠ることが多いなど、相変わらず本来のアルゴリズムから外れた行動を見せている。
リズベット(Lisbeth) / 篠崎 里香(しのざき りか)
声 - 高垣彩陽
デスゲームに巻き込まれたSAOプレイヤーのひとり。「アインクラッド」第48層「リンダース」に店を構える鍛冶屋の少女で、アスナの親友。愛称は「リズ」。2007年生まれで[2]、SAO開始時では14歳、2年後のクリア時点で17歳。鍛冶屋であると同時に、熟練したメイスの使い手(マスターメイサー)。
SAO開始前は本人によると「童顔で真面目だけが取り柄の普通の中学生」。頬のそばかすが印象的で、現実での髪の色は茶色。アバターはアスナの趣味でカスタマイズが施され、赤いワンピースに白いドレスエプロン、ベイビーピンクの髪とかなり大胆に彩られたが、結果として店の売上が大幅に伸びてしまったため、それで通している。
自分が丹精込めて鍛えた業物を粉砕したキリトを見返すために彼と共に素材取りに行き、白龍の洞窟で得た素材でキリトの二刀のうちの一振り「ダークリパルサー」を鍛え上げた。仮想世界の全てをデータで出来た偽物と考える一方で「本物と呼べる何か」を欲しており、人の温かさに飢えていた。
素材取りの最中にキリトの優しさに触れて好意を抱き「ダークリパルサー」完成後告白しようとするも、その直前に工房を訪れたアスナのキリトに対する態度から2人の関係を察し、涙ながらに身を引いた[注釈 23]。原作ではSAO内でキリト、アスナ以外の主要人物達と出会っていた描写はないが、アニメ版ではキリトの「二刀流」スキル保有が知れ渡った後、エギルの店に逃げ込んできたキリトと会話しているシーンが追加されている。キリトに対する想いはまだ少しある様子。
現実世界への帰還後は、ALO事件後にキリトから連絡をもらい、病室を訪れてアスナと再会。その後「SAO生還者」達を集めた学校に通っている。高校生組の中でアスナと同じく最年長であるためか面倒見が良く、シリカからは「お姉さんみたい」と揶揄されている。また、同じ相手を想っている彼女とは馬が合うようであり、よく2人で行動している。
ALOでの種族はレプラコーン。ユグドラシルシティでSAO時代と同じく鍛冶屋を営んでおり、ALOではキリトの剣やシノンの弓を拵えている。
ヒースクリフ(Heathcliff) / 茅場 晶彦(かやば あきひこ)
声 - 大川透(ヒースクリフ) / 山寺宏一(茅場晶彦)
「ナーヴギア」をはじめとしたフルダイブ用マシンの基礎設計者にしてSAOの開発ディレクター。天才的ゲームデザイナー、量子物理学者として知られ、キリトにとっては憧れの人物だった。本作に登場するVR技術のほぼ全てが彼の理論を元に組み上げられている。
高校在学中より開発したゲームプログラムにより18歳で年収は数億を超え、日本有数の東都工業大学にストレート入学と同時に「アーガス」の開発部長の1人に迎えられるなど学生時代から天才としての頭角を表していた一方、自身の目的のためなら手段を選ばない危うさを垣間見せていた。マスコミを嫌っており、メディアへの露出は少ない。
幼少時から「真の異世界の具現化」を狂的に渇望しており、その実現のため、1万人のプレイヤーを道連れにSAOのデスゲーム化を宣言[注釈 24]。ゲームマスターとしてゲームを監視する一方、一般プレイヤーを装い団長としてSAO最強のギルド・KoBを育て上げ、進行役として攻略を先導しSAOプレイヤー達を導く。
初めて確認されたユニークスキル「神聖剣」の使い手であり、その有り得ないほどに高い防御力から他とは一線を画した強さを誇り、彼のアバター「聖騎士ヒースクリフ」は最強の名を欲しいままにしていた。本来なら、攻略が第95層に達した時点で正体を明かし、SAOの最終ボスとして第100層にてプレイヤーたちと雌雄を決する予定でいた。75層攻略直後にキリトにプレイヤーとしての彼の正体を看破される。その報酬として本来の予定を前倒しにして、SAOクリアを賭けたキリトとの激闘の末、相打ちに近い形で敗れた。
SAOがクリアされると同時に、脳に大出力のスキャンをかけることで自身の記憶・人格をデジタルな信号としてネットワーク内に遺すことを試みた。この際に脳は焼き切れ、肉体的には死亡したが、電脳化には成功する。データが拡散していた状態で電脳空間を彷徨っていたが、ALOでオベイロンと戦うキリトの叫びにより覚醒。その思考模倣プログラムがキリトにALOの管理者権限を与え、勝利に繋がった。戦闘後キリトを助けた代価として「世界の種子(ザ・シード)」を託し、再び姿を消した。
作品紹介に書かれている「―――これはゲームであっても遊びではない」という言葉は、元々彼がマスコミからのインタビューで語っていたものである。

ソードアート・オンライン

月夜の黒猫団(Moonlit Black Cats)

中層ゾーンで活動していた小規模ギルド。団員5人全員が現実世界で同じ部活の仲が良い友人同士。キリトを迎え入れた後、急速にレベルアップして当時の最前線付近まで活動域を広げるまでになった。2023年6月、ケイタ不在時に第27層迷宮区の結晶無効化エリアで、サチ、テツオ、ササマル、ダッカーが死亡。その事実に絶望したケイタが自殺したことで壊滅した。

サチ(Sachi)
声 - 早見沙織
「月夜の黒猫団」で紅一点の使い。常に死への恐怖に怯えていた気弱な性格の少女。
2023年6月、第27層迷宮区で他のギルドメンバーと共に死亡した。サチの死は、キリトの心に深く傷を残す。
彼女自身、生きようとする気概が薄い故にそう長くは生き残れないであろうと予感していて、時限式の録音アイテムに遺言を残していた。彼女の死の半年後に聴いた彼女の言葉は、キリトへの感謝と仮に自分が死んでいたとしてもその責はキリトにないこと、キリトには生き続けてくれるよう願っていた。
ケイタ(Keita)
声 - 豊永利行
「月夜の黒猫団」の団長で使い。ギルドメンバーを助けてくれたキリトをギルドに招きいれた。
2023年6月、念願のギルドホーム購入のためにギルドを離れていた間にギルドメンバーが全滅したことに絶望し「アインクラッド」外周から投身自殺した。自殺する直前にキリトへ遺した一言は、「ビーター」であることを隠していた彼の心にトラウマとなり刻まれた。
テツオ、ササマル、ダッカー(Tetsuo, Sasamaru, Ducker)
声 - 赤羽根健治(テツオ)、代永翼(ササマル)、江口拓也(ダッカー)
「月夜の黒猫団」のメンバー。チームの纏め役でもあるテツオは前衛のメイス使い。ササマルは槍使い。ダッカーはソード使い。第27層迷宮区でサチと共に死亡した。
キリト
途中から加入。詳細は「キリト」を参照。

血盟騎士団(Knights of blood)

SAOで最強といわれるギルド。略称はKoB。赤と白を基調とした装いが特徴で、第55層に本部を置く。30人ほどの少数精鋭の中規模ギルドで、元々は、ヒースクリフが1人ずつ声を掛ける形で結成された。ギルドの運営や作戦指揮は主に副団長のアスナが務めており、ヒースクリフは戦闘外では静観していることが多い。北米版での名称は「Knights of the Blood Oath」。

クリア直前は「神聖剣」ヒースクリフを筆頭に「二刀流」キリト、「閃光」アスナといった当時最強格の3人を擁していた。他のメンバーも歴戦の勇士が名を連ねているが、ヒースクリフこと茅場はKoBを第90層以上の強力なモンスター群に対抗するため戦力とすることを目論んでいた。

ヒースクリフ
KoBの団長。詳細は「茅場晶彦」を参照。
アスナ
KoBの副団長。詳細は「アスナ」を参照。
キリト
クリア寸前のごく短い間のみ加入。詳細は「キリト」を参照。
ゴドフリー(Godfree)
声 - 江原正士
KoBのギルドメンバーでKoBのフォワード隊の指揮官を務める使い。
原作とアニメ版では若干人物描写が異なり、原作では悪名高いキリトをあまり良く思っていない。
アニメ版では気さくで大らかな性格として描かれており、キリトにも始めからフランクに接する。戦闘訓練を兼ねてキリトとクラディールの和解役を買って出るが、クラディールにより仕掛けられた麻痺毒で身動きができなくなったところを殺害された。
クラディール(Kuradeel)
声 - 遊佐浩二
KoBのギルドメンバーであるが、殺人ギルド「ラフィン・コフィン」ともつながっていた。
アスナに対し偏狭的な執着を見せる。副団長であるアスナを護衛する任務を受けていたが、彼女と仲良く話すキリトを敵視したり、度を過ぎた監視をするなどのストーカー気味な行動から、アスナ本人から任を解かれることとなった。
キリトに決闘を挑み敗北したことを根に持ち、訓練中の事故に見せかけてキリトの殺害を謀るが、アスナの介入で失敗した。自ら命乞いを装い油断したアスナに不意打ちするが、身を呈して庇ったキリトにより殺された。
ダイゼン(Daizen)
KoBのギルドメンバーでKoBの経理係を務める。アスナが「タイゼンさん」と呼ぶ関西訛りの恰幅のいい中年男性。
根っからの商売人らしく「キリト対ヒースクリフ」のデュエルを「見世物」にした張本人。原作ではキリト達に「一月に一度はやってくれ」などと言っている。アニメ版ではチケットを売りさばくそれらしい人物が確認できるが、声優のクレジットは無い。

ラフィン・コフィン(笑う棺桶 - Laughing Coffin)

PoHが組織した最凶最悪の殺人ギルド。通称「ラフコフ」。ゲームオーバーが現実の死となるSAOにおいて公然とPK(プレイヤーキル)を行う快楽殺人集団。次々に新しいPKの手口を開発し、100人を超えるプレイヤーを殺害した。

2024年8月に捕縛を目的として「血盟騎士団」と「聖竜連合」を初めとする「攻略組」の有志50名による「討伐隊」がアジトを急襲しようとした。しかし、情報の漏洩により逆に奇襲を受け、討伐隊側11人、ラフコフ側21人が死亡する最悪の結果となったものの、PoHを除く12人が捕縛されたことで事実上壊滅した。この戦いは参加したキリトを始めアスナやクラインにとっても思い出したくない最悪の出来事として刻まれていた。

PoH(プー)
声 - 小山剛志(アニメ版[注釈 25])/ 藤原啓治(ゲーム版[7]
「ラフィン・コフィン」のリーダーにしてSAOで最も猛威を振るったPK(プレイヤーキラー)。躯で膝上までのポンチョで身を包みフードを目深にかぶっている。美貌と強烈なカリスマ性を持ち、少なくとも三ヵ国語を話すマルチリンガルで張りのある艶やかな美声にやや異質なイントネーションを潜めた話し方をする。
ユーモラスなキャラクターネームと裏腹に、冷酷で狂気的な思考を持った殺人鬼で、デスゲームとなったSAOにおいて「ゲームを愉しみ殺すことはプレイヤーに与えられた権利」という扇動を行い多くの「オレンジプレイヤー(犯罪者プレイヤー)」を誘惑・洗脳して狂的なPKに走らせた。最強クラスの武器の1つだったモンスタードロップの大型ダガー「友切包丁(メイト・チョッパー)」と凄まじい剣技で数多のプレイヤーを斬殺しており、殺戮の前には決め台詞として「イッツ・ショウ・タイム」と宣言する。
「ラフコフ」結成以前の第2層の時点から既にPKを画策しており、その下準備として攻略組にスパイを送り込んだり自ら情報を吹聴[注釈 26]するなどしていた。しかし、それらの策はキリトに悉く見抜かれており、彼を邪魔に思うようになる。
「ラフコフ」討伐戦では姿を現さなかったが、カルマを回復して圏内に潜伏、なおも暗躍を続けていた[8]
キリトとは因縁があるらしく、「圏内事件」で対峙した際には殺意を隠さずに一触即発状態になっている。しかしSAOの中で決着を付けることはなく、クリア後の動向も明らかになっていない[注釈 27]。SAOクリア後、「ラフコフ」の他のメンバーの名前を失念していたキリトも、PoHの存在だけははっきりと覚えていた。
ザザ(XaXa) / 新川 昌一(しんかわ しょういち)
声 - 保志総一朗
「ラフィン・コフィン」のトップ3の1人。通称「赤眼のザザ」。赤をイメージカラーにしており、特に髪と眼の色を赤にカスタマイズしている他、髑髏を模したマスクを着け、赤の逆十字[注釈 28]を彩ったフードマントを纏っている。エストックの達人で、他人のエストックを奪いコレクションしていた。言葉を短く切りながら話す癖がある。
現実では総合病院のオーナー院長の長男。病気がちで中学を卒業するまで入退院を繰り返したため父親に見限られる。
アインクラッド編では、ジョニーと組んで10人を超えるプレイヤーを殺害。「圏内事件」でキリトに恨みを持ち、「ラフコフ」討伐戦で交戦するも敗北、ゲームクリアまで牢獄に拘束される。
ファントム・バレット編では、弟の恭二の薦めでGGOを始め、恭二からキャラクター育成の行き詰まりを相談されたことを機に「仮想世界での銃撃と同時に現実世界でプレイヤーを殺す」という「死銃事件」を構想し実行に移す。犯行の際は現実世界でのプレイヤー殺害を担当していたが、BoB本選では恭二が現実で詩乃を殺害することに固執し、自身も予選で憎きキリトの参加を知ったことから、金本を仲間に加え、自ら第3回BoBに出場し銃撃役を担当した。標的の1人であるシノンへの銃撃こそキリトに妨害されるものの、シノン以外の標的2名を狩ることに成功し、最後はエストックを手にキリトと熾烈な白兵戦を演じた。剣の腕はSAO当時よりも上がっており[注釈 29]、全てが完成されていると思わせる程であったが、シノンの援護とキリトの変則的な二刀流攻撃[注釈 30]により敗れた。その後、詩乃殺害未遂で現行犯逮捕された恭二から辿られる形で自身も逮捕されたが、キリトに対しては「まだ何も終わっていない」という意味深な伝言を捜査員に言付けた。また、「死銃計画」はゲームと供述している事から和人は未だにアインクラッドに心が囚われていると感じた。
ジョニー・ブラック(Johnny Black) / 金本 敦(かなもと あつし)
声 - 逢坂良太[注釈 25]
「ラフィン・コフィン」のトップ3の1人で、ザザの相棒。頭陀袋を思わせる黒いマスクで顔を覆い、子どもっぽい態度と外見を持つ毒ナイフ使い。PoHのことは「ヘッド」と呼んでいる。
アインクラッド編では、ザザと組み10人以上のプレイヤーを殺害。「圏内事件」でも殺害までには至らなかったものの、「忍び足(スニーキング)」スキルで背後から忍び寄り、「鎧徹し(アーマービアーズ)」で鎧の隙間から彼の喉を毒ナイフで掻き切るという暗殺者じみた行動を見せ、攻略組最堅固といわれたシュミットを容易く沈めた。「ラフコフ」討伐戦で捕らえられ、ゲームクリアまで牢獄に拘束される。
ファントム・バレット編では、ザザに誘われて「死銃事件」に加担しGGOプレイヤーを2人殺害。新川兄弟の逮捕後はザザに渡された予備のサクシニルコリン入り注射器とともに行方をくらます。
アリシゼーション編では、半年をかけて「ダイシー・カフェ」を探し出し、和人を襲撃・薬液を注射するも、自身も傘で右太股を刺され相討ちになる。彼も昌一と同様に未だに心がアインクラッドに囚われており、自身を「ラフィン・コフィン」のメンバーと信じていた。

アインクラッド解放軍(Aincrad Liberation Force)

1000人以上のプレイヤーを擁する超巨大ギルド。シンカーの「MTD」をキバオウ率いる「アインクラッド解放隊(ALS)」が吸収合併して誕生した。通称は「軍」。「アインクラッド」で最大規模を持ち、第1層のはじまりの街を根城にしている。公認の方針として犯罪者狩りと効率のよい「フィールド」の独占に邁進する。

「アインクラッド解放隊(ALS)」は最初期に存在した攻略組の二大派閥の片割れ。第1層攻略後にキバオウの派閥によって結成[注釈 31]された。当初は真剣にゲームクリアを目指していたものの、第25層でとある事件に巻き込まれてギルドが半壊[9]。第25層の強力なフロアボスとの戦いで主力を失い、攻略組から脱落した。再起を図るべく、攻略組と袂を分かち第1層へと渡り、「MTD」を吸収し「アインクラッド解放軍」へ改名した。「MTD」はシンカーがデスゲームの開始直後に立ち上げたギルドであり、彼が運営していたwebサイト「MMOトゥデイ」の略称。

当初はプレイヤー間の相互補助を目的としており、アイテムや情報をなるべく多くのプレイヤーで均等に共有し合おうとしていた。しかし規模の拡大につれて統制が効かなくなり、入手したアイテムや情報の秘匿の横行や、派閥同士による粛清・反発が相次ぐようになった。それでもALSに吸収されるまでは最低限のマナーは守っていた模様。

キバオウ派の主導によって狩り場の独占や徴税と処した恐喝行為など徐々に暴走を始め、外部からだけでなく内部からも強い反発を受けるようになる。遂にはキバオウがシンカーの謀殺を図る事件が発生。サブリーダーであったキバオウ派は除名され、「軍」自体も解散した。

シンカー(Thinker)
声 - 水島大宙
「MTD」及び「アインクラッド解放軍」のギルドリーダー。現実では日本最大のネットゲーム総合情報サイト「MMOトゥデイ」の管理人をしていた。
争い事が苦手な性格で「軍」のリーダーとは思えないとても穏やかな人物。それ故に巨大組織を率いるにはリーダーシップが足りず、放任主義も災いして派閥争いやアイテムの隠匿などに対応しきれずに徐々に指揮力を喪失してしまった。
「MTD」がALFへ吸収された後はキバオウの台頭を許し、ゲーム開始から2年が経過する頃にはギルドリーダーの権限こそ持っているものの殆ど飾り物に等しい状態となっていた。遂には失脚寸前のキバオウにより「ポータルPK」を受けてはじまりの街の隠しダンジョンに取り残されてしまったが、ユリエールの要請を受けたキリトとアスナの活躍で救助された。その後キバオウ一派を「軍」から追放し、ギルド自体も解散。改めてプレイヤーの互助組織を作りなおすことを決意した。
現実世界への帰還後は、「MMOトゥデイ」の運営を再開。ALO事件後にユリエールと入籍した。ALOに新「アインクラッド」がアップグレードされた直後にはプレイヤーとして参加しており、アニメ版ではウンディーネとして描かれている。
ユリエール(Yulier)
声 - 白石涼子
「アインクラッド解放軍」の幹部でシンカーの副官。怜悧で長身の女性。
キバオウの専制を快く思っておらず、強引な徴税を行うキバオウ一派を撃退したキリトとアスナにシンカーの救助を依頼する。
シンカーのことを心から慕っており、ALO事件後に彼と入籍した。アニメ版でのALOのアバターは、シンカー同様ウンディーネとして描かれている。
キバオウ(Kibaou)
声 - 関智一
関西弁が特徴的な「アインクラッド解放隊」のリーダー(後に「軍」のサブリーダー)。
強者が弱者を教え導かなければ攻略は進まないという理念を持つ。それゆえに元ベータテスターに偏見を抱いており、第1層の攻略会議で彼らを糾弾しようとした。アニメ版では第1層フロアボス打倒直後にキリトを責め、彼に「ビーター」を名乗らせる直接の原因となった。逆に原作ではキリトが汚れ役を買って出たことに気づいた数少ない人間の1人であり、彼を認められないとしつつも感謝の意を示している。
ALS旗揚げ後もリンド率いるDKBと衝突を繰り返すなど攻撃的で感情的な言動を多く見せるが、根は話のわかる人物でありリーダーとしての資質は備えている。
しかし攻略組脱落後は「MTD」を吸収合併して自身に賛同する幹部とともに体制の強化を主導、ギルドの収入を激増させてギルド内での自身の権力を強化していく。その結果、ALFは彼の派閥を中心に次第に横暴な組織と化していった。デスゲーム開始から2年が経過する頃には「軍」の実質的支配者となるが、権力や収入へ傾倒しすぎたことで内部でも末端を中心に大きな反発を招いてしまう。これを抑えるために配下の中で最精鋭だったコーバッツの部隊を最前線のボス攻略に送り込むも攻略は失敗、コーバッツを含めた複数の死者を出して失脚寸前となる。追い詰められた彼はシンカーの謀殺を図るがこれもキリトらによって失敗し、一派共々ギルドから除名された。
アニメ版の14話では無事にログアウトしたことが確認できる。
ジョー
「アインクラッド解放隊(ALS)」所属のプレイヤー。ジョーとはキバオウが彼を制止する際に発した呼称であり、正式な名前は不明。
攻略組に参加していることから相応の実力は持っていると思われるが、攻略組に何か事件が起きるたびに喚き散らして周囲を煽り立てる問題人物。第1層フロアボス打倒直後の騒動でも火に油を注ぎ、「ビーター」を名乗らせる原因となった。
実は「笑う棺桶」の原型であるPK集団のスパイであり、先述の煽動行為やキバオウへのベータテスト情報提供など内部から工作を行っていた。
リーテン
ALS所属のプレイヤー。「重金属装備」スキルの恩恵で装備可能な全身鎧にロングメイスを携えた壁要員(タンク)。
実は女性であり、DKBのシヴァタと密かに交際している。また、リズベットと知り合いであり、鎧も彼女の作である。
コーバッツ(Kovats)
声 - 稲田徹
ALFの中佐でキバオウ配下。「アインクラッド」解放という使命感に燃える一方、頑固で融通の利かない性格。
ギルドの方針転換で最前線へ上がってきたが、上記の性格から対ボス戦の準備と危険性の認識を欠いていた。消耗した仲間を引き連れ、第74層迷宮区のボス「The Gream Eyes」へ戦いを挑むも、返り討ちに遭い部下2名と共に死亡した。

黄金林檎(Golden Apple)

「圏内事件」にて語られたギルド。リーダーはグリセルダだったが、ある日彼女が謎の死を遂げたことにより自然消滅した。アニメ版ではグリセルダを除き、グリムロックを含めた登場人物全員が生還している。

グリセルダ(Griselda) / ユウコ
「黄金林檎」のリーダー。高い技能とリーダーシップを持った女性剣士。グリムロックの妻であり、現実世界でも夫婦関係にある。
半年前たまたま倒したレアモンスターから敏捷力を上げる指輪をドロップした。ギルドで使う意見と売って儲けを分配する2つの意見が割れ、最終的には多数決により売却することに決定。競売屋に委託するため、グリセルダは1泊する予定で街に出かけたが、そのまま失踪。後にギルドへはグリセルダの死亡が知らされた。
ギルドメンバーたちは、彼女が持っていたレア指輪を独り占めにしようとしたメンバーの仕業だと思い込み、互いに疑心暗鬼となった結果「黄金林檎」は消滅することになるが、実際はグリムロックの依頼を受けた「ラフコフ」による指輪強盗に見せかけた暗殺だった。
デスゲームに巻き込まれる前はグリムロックに従順だったが、その後はただ怯える彼とは逆にデスゲームからの脱出を志し、積極的に行動するようになった。
ヨルコ(Yolko)
声 - 山本希望
「黄金林檎」の元メンバーだった女性で、当時指輪売却に反対していた1人。
指輪事件の犯人を追い詰めるためにカインズと共に「圏内事件」を演出。カインズが圏内PKを偽装した時は、その目撃者を演じ、事件の捜査に乗り出したキリトとアスナを情報を提供する振りをして巧みに誘導してシュミットを誘い出し、彼らの前で第2の犠牲者を演じた。
その後、恐怖と罪悪感に駆られたシュミットから首尾よく証言を引き出すも、直後にカインズやシュミット諸共「ラフィン・コフィン」に殺されそうになるが、キリトに救われる。彼の口から指輪事件の黒幕がグリムロックであったことを聞かされた際はひどいショックを受けたが、キリトに問い詰められたグリムロックが犯行を否認した際、彼に決定的な証拠を突きつけて自白を引き出したことから、キリトからは「現実に戻ったら検事弁護士になるといい」と言われた。
アニメ版ではカインズと共にエギルの店で開催された「アインクラッド攻略記念パーティー」に参加している。
カインズ(Caynz)
声 - 川島得愛
「黄金林檎」の元メンバーで、当時指輪売却に反対していた1人。
「圏内事件」の最初の犠牲者を演じ、後に死んだグリセルダに扮してヨルコを殺害する幻の殺人者を演じた。ヨルコと共にシュミットから証言を引き出した直後、「ラフィン・コフィン」に殺されそうになるがキリトに救われた。
「圏内事件」の犠牲者を演じた際、側で見ていたキリトと一瞬目を会わせており、「この人には偽装死のカラクリを見抜かれてしまうかもしれない」と予感していた。その後、キリトから指輪事件の真相と真犯人を聞かされる。
シュミット(Schmitt)
声 - 加藤将之
「黄金林檎」の元メンバーで、当時指輪売却に反対していた1人。解散後は「聖竜連合」に鞍替えしディフェンダー隊のリーダーとなった。「生き残るためには何より硬くならなくてはならない」という持論を持つ。
ギルド解散後に装備を一新して「聖竜連合」入りしたことでヨルコ達から指輪事件の犯人と疑われる。グリムロックに利用されてグリセルダの死の一因を作り、その一件で得てしまった金で装備を買い揃えたことから彼女の死には責任と負い目を感じていた。そのため当初は事件の調査に非協力的だったが、「圏内事件」の演出によって恐慌状態に陥りグリセルダの墓の前で自らの知る全てを告白した。その後は「ラフィン・コフィン」に謀殺されかかるが、キリトに助けられて指輪事件の真相を知り、彼にグリムロックに必ず罪を償わせることを約束すると、ヨルコやカインズと共にグリムロックを連行した。
アバターは攻略組でも最大級のHPとアインクラッド最堅固と言えるほどの防御力を誇り、フルプレートアーマーにタワーシールド、ガードランスで身を固めている。それらに反して本性は臆病な小心者であり、デスゲーム開始直後は始まりの街に留まり続ける事も考えていた。しかし現実ではスポーツマンであった彼は「ルールは往々にして変化するもの」という認識を持っており、万が一のルール変更で「アンチクリミナルコード有効圏内」が解除されることを恐れて前線で自身を鍛え続けることを選択した。壁役となっているのも、全キャラクター構成の中で壁戦士が最も死亡率が低いからである。
小心者だが仲間を思う一面もあり、ヨルコとカインズが自分共々殺人ギルドに抹殺されそうになった際も「これがグリセルダの復讐ならば自分は死んでも仕方がないが、なぜ犯人を追いつめようとしたヨルコとカインズまで巻き込むのか」と考えていた。
アニメ版では攻略会議や第75層ボス攻略戦に参加、「ラフコフ」討伐戦ではリーダーらしきものも務めており、その後も無事現実へ帰還した。
グリムロック(Grimlock)
声 - 成田剣
「黄金林檎」の元メンバーの1人。グリセルダの夫で、現実世界でも夫婦であった。
デスゲームに巻き込まれた事で変わった妻へ嫉妬にも似た歪んだ思いを抱き、指輪事件を起こして妻を殺害した。後に事件の犯人を探し出そうとするヨルコとカインズの接触を受け、事件を闇へ葬るために「ラフィン・コフィン」に依頼してシュミットも含めた3人の殺害を図った。
目論見に失敗して身柄を確保された後も犯行を否認していたが、ヨルコに決定的な証拠を突きつけられ全てを自白。アスナから自身がグリセルダに抱いていた感情は愛ではなく単なる所有欲だったと詰られた。その後、身柄はヨルコ達3人に引き渡された。

聖竜連合(Divine Dragon Alliance)

KoBと肩を並べる攻略組の大ギルド。最強のKoBに対してこちらは「最大」を特徴としている。亡きディアベルの派閥を中心に第3層で結成された「ドラゴンナイツ・ブリゲード(DKB)」を前身とする。ギルド名から「アインクラッド解放軍」と同様、「ドラゴンナイツ・ブリゲード」が他のギルドとの合併、あるいは吸収によって誕生したと思われるが、詳しい経緯は不明。聖竜連合に移行した時期も不明だが、第49層の時点で既に聖竜連合が組織されている。北米版での名称は「Holy Dragon Alliance」。

その力は「トッププレイヤー集団であること」に傾けられ、強引な手段[注釈 32]も辞さない危険な一面を持つ。「ビーター」であるキリトを勧誘したこともある。そのスタンスからかKoBへの対抗意識は強いようで、装いもKoBの赤とは対照的な青を基調としている(実際はDKB時代からのもの)。ギルドの本部を“KoB本部よりも”上層の第56層に移転した際には豪勢な記念パーティーを開くなど、ある意味ではデスゲームとなったSAOを一番楽しんでいる人種でもある。

アニメ版に登場した4名(リンド・シヴァタ・ヤマタ・シュミット)は第75層決戦へ参加し無事にログアウトしている[注釈 33]

『SAOP』では主要な勢力として登場し、ディアベル派閥、及びDKBの頃の彼らが描かれている。キバオウ率いるアインクラッド解放隊とは攻略組を二分して対立関係にある。

リンド
DKBのリーダーである曲刀使いでディアベルの仲間。原作では感情のままにキリトを糾弾し、「ビーター」を名乗らせる直接の原因となっている。ディアベル亡き後に派閥のリーダーを引き継ぎ、DKBを立ち上げる。アバターの髪色をディアベルと同じ色に染め直すなど彼への想い入れは強い。
攻略会議の壇上など普段はディアベルのようにリーダーらしく振る舞おうと務めているが、激しい感情を押し殺しているシーンも多く、キバオウとは対照的な人物。キリトはリンドを認めつつも、彼がディアベルに成り代わることは難しいと評している。
アニメ版ではSAO編時点で武器を両手剣に変更し、トサカのような金髪へと変えている。聖竜連合がレアアイテムを狙ってキリトを追跡した際にシヴァタ・ヤマタと共に軍勢を率いている他、様々なシーンで3人組で行動している姿が確認できる。
シヴァタ(Shivata)
DKBの幹部で、「レジェンド・ブレイブス」の武器強化詐欺の被害者の1人。キリトには頭に血が上ったリンドを諌められる冷静な人物と思われている。
アニメ版ではなぜか名無しの「聖竜連合」メンバーと同じ格好で、フルアーマーの盾持ち片手剣使いとなっている。
ヤマタ
髷と浅黒い肌が特徴の刀使い。今のところスポットの当たるエピソードが存在しないが、『SAOP』の挿絵[10]に彼らしき人物が登場している。この頃はまだ髷がない。
ハフナー
DKBのサブリーダーの両手剣使いで、武器強化詐欺の被害者の1人。シヴァタとともにネズハに詰め寄った。
シュミット
ディフェンダー隊のリーダー。詳細は「#シュミット」を参照。

レジェンド・ブレイブス

『SAOP』に登場するギルド。メンバーはSAO以前に他のゲームで遊んだ仲間であり、それぞれ有名な英雄の名前をキャラクターネームにしている。第1層での遅れを取り戻すべく、PoHに勧められ「強化詐欺[注釈 34]」に手を染めていた。第2層攻略後はまっとうなギルドとしてやり直しており、第3層ボス攻略への参加は見送っている。

ネズハ(Nezha)
片手武器作成スキルを持つ小柄な鍛冶職人プレイヤー。
遠近感覚がうまく掴めないフルダイブ不適合者で、そのハンディのせいで仲間達の攻略組参加を遅らせてしまったことへの引け目から、騙した側への罪悪感を感じながらも詐欺を行っていた。しかし手口を見抜いたキリトに諭されて職人を廃業し、チャクラムを用いた戦闘職に転向[注釈 35]。第2層ボス攻略に貢献した。その後、プレイヤーたちの前で自ら詐欺を告白。仲間たちのことは一切語らず、自分一人で全ての罪を背負おうとして、激怒したプレイヤーたちに断罪されそうになるも、その姿を目の当たりにしたオルランドたちも自白したためことなきを得た。
以降はボス攻略から遠ざかっていたものの、ALS・DKBに先んじて第5層ボス攻略をすることになったキリトに誘われパーティに参加した。
キャラクターネームの由来はナタク。本来は「Nezha」と綴って「ナーザ」もしくは「ナタ」と読むのが正しいが、難読であることを逆手に取って「ネズハ」と読ませ、英雄の名前ではなくリアルネームのもじりであると仲間に対して説明していた。原作では「ナタク」と呼ぼうとしたキリトらに「ネズハでいい」と返し本来の読みを知るキリトたちにもネズハと呼ばせていたが、コミック版ではそのように描写はなく手口を見抜かれてからは「ナーザ」と呼ばれている。
オルランドベオウルフクーフリンギルガメシュエルキドゥ
ブレイブスのメンバー。ネズハのことは「ネズオ」と呼んでいる。
詐欺の儲けで高性能の装備を揃え第2層ボス攻略に参加する。戦闘後、詐欺の罪を一人で背負って断罪されそうになったネズハを庇い全てを自供し、自らの装備品全てを差し出して他のプレイヤーに賠償を行った。

その他のSAOプレイヤー・NPC

アルゴ(Argo)
声 - 井澤詩織
「アインクラッド」で数少ない「情報屋」のパイオニア。元ベータテスター。頬にネズミのヒゲような3本線のフェイスメイクをしている風貌により、ベータテスト当時から「鼠のアルゴ」の名で通っている。敏捷性に特化したステータス振りで、小型のクローが得物。
金褐色の巻き毛でショートの女性だが、一人称は「オレっち」。キリトのことを「キー坊」、アスナのことを「アーちゃん」と呼ぶ[注釈 36]。笑い声は「にゃハハハ」。
サバサバとした男性的な口調で、語尾がカタカナになるのが特徴的。あざとい性格で、売れる情報は何でも売るというスタンスだが、情報屋としては優秀で、良識も持ち合わせている。デスゲーム開始直後には自らベータテスターであることを明かし、自分の持つ情報をガイドブックに纏めてプレイヤーたちに無料配布していた。
ヒゲメイクは、ベータテスト中に挑戦した「体術」スキル習得クエスト失敗の証で、NPCに付けられたもの。ベータテスト中はクエストクリアしなければ消えないペナルティであったが、クエストの難易度に負けてクリアを諦め、ヒゲメイクのまま活動している内に「鼠のアルゴ」というキャラが立ってしまった為、正式サービス開始後も敢えて自らペイントを継続している。
短編「ザ・デイ・ビフォア」では、大の犬嫌いであることを明かしている。
ディアベル
声 - 檜山修之
第1層のボス攻略のリーダーを務めていた剣士プレイヤー。バラバラだったプレイヤー達を纏め上げ、協力して第1層ボス攻略に当たった。周囲には隠していたが、自身もキリトと同じ元ベータテスターであり、その経験を元に攻略の指揮を執る。
リーダーとしては優秀な人物で、SAOプレイヤー達を守り導くためには強いリーダーが必要であるという認識を早くから持っており、そのためにボスがドロップするレアアイテムを狙っていた。同時に、同じベータテスターであるキリトに横取りされないよう、キバオウとアルゴを介して彼の剣を買収しようとした他、それが失敗すると彼をボス本体ではなく、取り巻きの雑魚モンスターの討伐役に回すといったしたたかな一面も見せた。
的確な指揮でボスを追い詰めるが、ラストアタックボーナスを狙うために突出したことが仇となり、ベータテスト時と違うスキルで反撃してきたボスモンスターに対処しきれず死亡。消滅する直前、キリトにボス攻略を任せた。
ベータ出身者でありながら真剣に非ベータテスターのことを気遣っており、一般プレイヤー、ベータテスター、ベータテスターを嫌悪するプレイヤーたちすべてを纏め上げた姿が、それまで自分が生き残ることだけを考えていたキリトを動かすことになる。
ニシダ(Nishida)
声 - 斎藤志郎
気さくで朗らかな性格な50歳過ぎの男性。現実世界では、ネットワーク運営企業「東都高速線」の保安部長。元々プレイヤーではなく、SAOの回線保守の責任者として「自分の仕事を自分の目で確認する」ためにログインしていたところを、デスゲームに巻き込まれた。
第22層で新婚間もないキリトとアスナと出会い、すぐに懇意の仲となった。趣味である「釣りスキル」は非常に高く、釣り上げた魚を見るに、スキル値が950以上あることがわかる。
ロザリア
声 - 豊口めぐみ
槍使いの女性中層プレイヤー。オレンジギルド「タイタンズハンド」のリーダー。グリーンの本人が手頃な獲物となるパーティに参加し安心させ、頃合を見て誘い出し犯罪者(オレンジ)プレイヤーの部下に狩らせる手口で、強盗や殺人を繰り返していた。
ピナ蘇生のために入手したレアアイテムを狙いシリカを襲ったが、「タイタンズハンド」の被害者からの「捕縛」の依頼を受け同行していたキリトに阻まれ敗北、部下共々牢獄へ送られた。
サーシャ(Sasha)
声 - 藤井京子
「はじまりの街」にある教会で、ゲームに適応できない低年齢プレイヤーたちの保護を行っている女性。面倒見がよくしっかり者。子供たちから全幅の信頼を置かれていて「先生」と呼ばれて慕われている。現実世界では、教職課程を取っていた大学生。
現実世界へ帰還してALO事件の後、ALOに新「アインクラッド」がアップグレードされた直後にはプレイヤーとして参加している。アニメ版では種族はシルフ。
ミナ(Mina)、ギン(Ginn)、ケイン(Kain)
声 - 三上枝織(ミナ)、村中知(ギン)、森優子(ケイン)
はじまりの街にある教会に保護されていた子供達。税金滞納を理由に「アインクラッド解放軍」のキバオウ配下の兵士達に絡まれていたところを、アスナとキリトに救われた。
コペル
キリトが第1層の武器入手クエストで出会ったプレイヤー。
SAOがデスゲームとなった後、死への恐怖から他人を蹴落としてでも生き残る決意を早々に固めていた。キリトと共同でクエストに挑む最中、おびき寄せたモンスターにキリトをPKさせようと目論むが、自身も襲われ、奮戦の末に死亡した。皮肉にもドロップしていたアイテムは、キリトによって彼の消滅地点に墓標の代わりとして置かれた。
コタロー、イスケ
ギルド「風魔忍軍」に属する元ベータテスターの二人組。
2人そろって全身灰色の布防具に、灰色のバンダナキャップとパイレーツマスク、得物である小型のシミターを背中に背負い、さらに語尾に「〜ござる」を付けるなど、名前、外見、中身含めて完全な忍者かぶれ。
ベータテスト時から敏捷性に特化し、素早さを武器とした目まぐるしい戦いを得意としている他、危なくなるとダッシュ力にものを言わせ、近くのパーティーにモンスターを擦り付けるといった行為を繰り返していた為、同じベータテスターからも嫌われていた。
第2層にてアルゴから「エクストラスキル」会得の為のクエスト情報を強引に聞き出そうとしたが、偶然通りかかったキリトに阻止され、直後に現れたモンスターに追いかけられてどこかへ逃げて行った。
キズメル(Kizmel)
キリトとアスナが第3層から始まる長期クエストで助けた黒エルフの女剣士で、クエスト終了まで2人と行動を共にする。意思の疎通が可能だが、システム的にはNPCではなくモンスター[注釈 37]である。
アインクラッドの世界観に合わせた知識や人間と大差ない人格を有しているが、NPC同様に自身が仮想世界の存在であることは知らない。
第3層攻略直後に一時2人と別行動をとるが、第4層の途中で再会、第4層ボスを倒した後2人が使用していた船「ティルネル号」を預かり別れた。
モルテ(Morte)
第3層からDKBに参加した元ベータテスター。楽観的な口調だが、そのうちには快楽殺人を肯定する危険な思想を秘めている。
後の「笑う棺桶」の原型であるPK集団のスパイ。ベータテスト時の経験を活かしてリンドに情報を提供するが、裏ではキバオウにも手を貸し、両者がクエスト攻略で衝突し、殺し合いに発展するよう仕組んでいた。同じクエストに参加していたキリトが計画の邪魔になった際は、デュエルを挑んでシステムの穴[注釈 38]を突き合法的にPKしようとしたが、予想よりも早くリンドとキバオウが遭遇したため見つかる前に退却した。
基本装備は片手斧と盾。DKBで暗躍する際には盾なしの片手剣に変更していた。
アシュレイ(Ashley)
「圏内事件」で名前が出た職人プレイヤー。アインクラッドで最も早く裁縫スキルをマスターしたカリスマお針子と呼ばれるが性別などの情報は不明。最高級のレア生地素材を持参しないと作ってもらえないらしいが、アスナはアシュレイの店のワンメイク品で全身をコーディネートしている。アニメ版ではアスナのフレンドリストでその名前を確認できる。
『ガールズ・オプス』でも登場。アインクラッドでお得意様だったアスナとALOで偶然再会し、裁縫スキルをマスターしたことを伝えていた。その縁で、破損したリズベット、シリカ、リーファの装備の補修を請け負い、ルクスの新装備も合わせて作成した。

アルヴヘイム・オンライン

レコン(Recon) / 長田 慎一(ながた しんいち)
声 - 村瀬歩
ALOのプレイヤー。アバターの種族はシルフ。
リアルでは直葉の中学校での同級生で、直葉に恋愛感情を抱いている。いわゆるゲームオタクで、ゲームの知識に疎い直葉からVRMMOについてアドバイスを求められ、ALOを勧めた。それが縁で、ALOではリーファと同じパーティで、よく行動を共にしている。武器は小刀
先行偵察を目的としたキャラメイクに特化しており、キリトからは「謎ビルド」と呼称されている。シルフながら闇魔法系の隠蔽魔法や隠密行動スキルに長けている。
シグルドの些細な言動に違和感を覚え、彼を尾行した結果、サラマンダーと内通しているという事実を突き止める。直後に気付かれて捕えられるも、ログアウトして直接電話で直葉にその事実を伝え、彼らの企みを阻止する切っ掛けを作った。
世界樹攻略戦の折、キリトとリーファの活路を開くために、通常に倍するデスペナルティと引き換えに闇属性の自爆魔法によってガーディアンの群れを屠った。その根性を買ったサクヤにスカウトされ、現在はシルフ領主館のスタッフとしてスイルベーンに常駐している。
シグルド
声 - 桐本琢也
ALOのプレイヤー。アバターの種族はシルフ。キリトに出会うまでリーファが所属していたパーティのリーダー。領主であるサクヤの側近で、シルフ領における軍務を預かっていた。
権力志向が強く、勢力的にサラマンダーの後塵を拝する状況を屈辱的に考えていた。そのためサラマンダー領主と密約を結び、近いうちに導入されるという噂だった「転生システム」によるサラマンダーへの種族替えを対価に、シルフ及びケットシーの領主を売り渡すことを画策するも、種族会議に駆けつけたキリトとリーファによって企みは阻止され、サクヤによってシルフ領から追放された。
サクヤ
声 - 矢作紗友里
ALOのプレイヤー。シルフの領主。領主の多忙さゆえに数値的ステータスはあまり高いわけではないが、デュエル大会では常に上位にランクインする実力者。武器は太刀
シグルドの裏切りによりサラマンダーの大部隊に襲われそうになるが、駆けつけたキリトとリーファによって救われ、シグルドをシルフ領から追放した。その後、アリシャと共に世界樹攻略に駆けつけた。
アスナが新「アインクラッド」第22層に旧「アインクラッド」時代と同じプレイヤーホームを購入してからは、しばしば食事に招かれている。
アリシャ・ルー
声 - 斎藤千和
ALOのプレイヤー。ケットシーの領主。独特の口調で話す。サクヤとは友人関係にある。闇魔法で、月光鏡を映し出し遠く離れた相手との会話ができる。
サクヤとともに、スクリーンショットの流出すらしていなかったケットシー族の最終戦力である「竜騎士(ドラグーン)隊」を率いて世界樹を攻略しようとしているキリトの応援に駆けつけた。
ユージーン
声 - 三宅健太
ALOのプレイヤー。サラマンダー領主・モーティマーの弟。サラマンダー部隊の指揮官。伝説武器(レジェンダリィ・ウェポン)である「魔剣グラム」を持ち、サラマンダー最強にしてALO最強プレイヤーと言われている。「SAO生還者」であるキリトとも互角に渡り合うほどの強豪。
領主会議にてキリトと激突し壮絶な白兵戦を演じるが、二刀流に切り替えたキリトには及ばず敗れる。
新「アインクラッド」がインストールされた時には部下たちとともに「アインクラッド」攻略の大パーティーに加わった。キリトたちとの親交も深まり第22層のキリトとアスナの家に招かれることもあり、そのときにサクヤと食事に同席していたこともあった。
大規模アップデートによってALOにSAOのソードスキルシステムが導入されてからは、必殺技級の8連撃OSS「ヴォルカニック・ブレイザー」を独自開発している。
カゲムネ
声 - 真殿光昭
ALOのプレイヤー。サラマンダーのランス隊の隊長。炎系の魔法を操る魔法騎士。シルフ狩の名人。武器は槍で黒い兜が特徴。
キリトのログイン直後、部隊を率いてリーファとレコンを襲っていたが、乱入したキリトにより撃退・見逃される。調印式襲撃でユージーンがキリトに敗れた後、見逃してもらった礼か、キリトのハッタリに口裏を合わせていた。
ジータクス
声 - 田中一成
ルグルー回廊でキリトとリーファを襲撃してきたサラマンダーたちのリーダー。メイジ隊のリーダーでもあり、以前からシグルドと内通していた。
キリトたちを追い詰めるが、幻属性の魔法によって巨大な悪魔に変身したキリトによって隊は壊滅し、ジータクスもキリトから逃れようと地底湖に飛び込んだが、そこに生息していたモンスターに倒された。
ルクス(Lux) / 柏坂 ひより(かしわざか ひより)
声 - 赤﨑千夏
『ガールズ・オプス』に登場。「SAO生還者」の女性プレイヤーで、長髪のおっとりとしたスタイルのいい少女。SAOをクリアしたキリトに憧れている。
SAO時代に大切な友人を亡くしており、帰還後もその心の傷が癒えずしばらく学校に通っていなかった。そんな中始めたALOのアバター・クロが憧れの対象であるキリトに似ていたことから、戦闘スタイルや装備、言葉遣いなど彼を模倣してプレイするようになる。
友人からのプレゼントだったアイテム「天使の指輪」を自力で獲得すべく単身クエストに挑む中、同じくクエストに挑戦しに来たシリカ、リズベット、リーファの3人と出会う。当初は彼女らを拒絶し1人でボス戦に望むが、追ってきたシリカの想いが通じ和解、共同でクエストをクリアした。
その後、「帰還者」の学校に編入して珪子や里香と対面し改めて友人となり、キリトの真似事を止めることを決め、SAOのデータをコンバートしたシルフの剣士・ルクスにアバターを変更する。
クロ(Kuro)
ひよりが当初ALOで使用していたスプリガンのアバター。女性型アバターでありながら、SAO時代のキリトと似た姿をしている。我流の二刀流で戦うがキリトには及ばず、左手の剣は防御専用になっている。また、ひよりの勘違いにより左右の剣の色がキリトと逆になっている。
セバ(Ceba)
abec画集の書きおろし短編クロマティックカラーズに登場。初出はゲーム作品のインフィニティ・モーメント[注釈 39]
ALOでの種族はレプラコーン。ビーストテイマーであり、ペットモンスターのよだれさんを連れている。
幼い頃から芸術家を志望し、高校卒業後に美術学校を目指すもSAO事件に巻き込まれてしまった。生還後は2年ものブランクもあって絵の道から離れていたが、無意識に街の絵を書くなど芸術への情熱は失っておらず、再び現実で絵を描くためにALOを始めた。

管理者

オベイロン(Oberon) / 須郷 伸之(すごう のぶゆき)
声 - 子安武人
総合電子機器メーカー「レクト」社員にして同社のフルダイブ技術研究部門の主任研究員。明日奈の父・彰三の腹心の息子で、結城家とは親密な付き合いにあり彰三の信頼も篤い。「アーガス」解散後のSAOサーバーの維持管理は「レクト」内の彼の部署に委託されており、さらにALO内ではゲームマスター・妖精王オベイロンとしてシステムに対し絶大な権限を持つ。
人のいい好青年を演じているが、本性は利己的な野心家で冷酷非道。能力的には優秀であるが、その人格から来る詰めの甘さが目立つ。明日奈の両親の前では猫を被っているが、目上の人間がいないと衝動のままに人をこき下ろすため浩一郎・明日奈兄妹からは嫌われていた。大学では茅場晶彦の後輩で同じ研究室に所属していたが、自身よりも優秀な茅場と競わされたこと、想いを寄せていた神代凛子が茅場の恋人であったことから茅場には嫉妬と憎悪を募らせていた。
ALOを運営する「レクト・プログレス」に携わる裏で、親会社にも内密で直属の部下ら[注釈 40]一部の人間と共に人間の記憶・感情・意識のコントロールの研究[注釈 41]を進めていて、そのための人体実験の被験体としてSAOプレイヤーに目をつけ、SAOサーバーのルーターに細工を施すことで解放されたプレイヤーからアスナを初めとした約300人をALO内の研究施設に拉致する[注釈 42]。さらには意識が戻らない明日奈と結婚[注釈 43]して「レクト」を手に入れ、研究成果と「レクト」を手土産にアメリカの企業に自身を売り込むことを企む。
しかし、ただの子供と侮っていたキリトによってアスナの監禁場所まで侵入され、管理者権限を活用して2人を蹂躙するもヒースクリフによってキリトに管理者権限を奪われ、ペイン・アブソーバLv.0の状態で滅多切りにされ敗北、アスナを奪還される。その後、覚醒した明日奈に会いに病院に来た和人を待ち伏せしナイフで切りつけるも、返り討ちにされそのまま警察に逮捕された。逮捕後[注釈 44]も黙秘に否定、挙句に全てを茅場に負わせようとするなど足掻きに足掻くも、部下の1人が重要参考人で連行された直後あっけなく全てを自白する。
裁判が始まってからも精神鑑定を申請するなど手段を選ばず足掻き続け、アリシゼーション編で海外逃亡を画策していたことで、保釈申請を却下されていることが明かされている。

スリーピング・ナイツ

木綿季(ユウキ)の姉・藍子(ラン)が立ち上げたギルド。バーチャル・ホスピス「セリーンガーデン」で知り合った重病患者たちがメンバー。ALOだけでなく、他の色々なVRMMOをプレイしている。結成当初はランをリーダーとする9人で構成されていたが、ランを含む3人が死去しており、第7巻本編の時点でユウキをリーダーとする6人構成となっている。

ユウキ
詳細は「ユウキ」を参照。
シウネー(Siune) / 安 施恩(アン・シウン)
声 - 嶋村侑
「スリーピング・ナイツ」のメンバーで、ウンディーネの女性。ボス攻略ではバックアップを務める。
現実では急性リンパ性白血病を患っている。一度は化学療法で寛解したものの再発してしまい、安らかに最期を迎えることを望んでいたが、ユウキと接するうちにくじけてはいけないと思い直す。
ユウキと死別した直後に白血病細胞が突如消滅した。主治医によると「治験薬の1つが劇的に効いた」とのこと。その後ユウキの葬儀に参列し明日奈と対面している。
Web版での名前は「シーエン」だったが、韓国人の女性名にその名前は存在しないため、文庫版では、韓国でメジャーな「シウン(施恩)」という名前に改められている[11]
ジュン(Jun)
声 - 山下大輝
「スリーピング・ナイツ」のメンバーで、小柄なサラマンダーの少年。ボス攻略ではフォワードを務める。
テッチ(Tecchi)
声 - こぶしのぶゆき
「スリーピング・ナイツ」のメンバーで、巨漢のノーム。ボス攻略ではフォワードを務める。
タルケン(Talken)
声 - 田丸篤志
「スリーピング・ナイツ」のメンバーで、眼鏡をかけたレプラコーンの青年。極度のあがり症で、女性の前ではオドオドしてしまうため、ノリにからかわれている。ボス攻略ではミドルレンジを務める。
ノリ(Nori)
声 - 田野アサミ
「スリーピング・ナイツ」のメンバーで、スプリガンの女性。ボス攻略ではミドルレンジを務める。
ラン / 紺野 藍子(こんの あいこ)
ユウキの双子の姉で、ユウキと同じくHIV感染者。アスナがユウキと知り合う1年前に他界している。
バーチャル・ホスピスで知り合った重病の患者達と共にギルド「スリーピング・ナイツ」を立ち上げ、初代リーダーとなった。ユウキによれば、自分よりもずっと強かったらしい。倉橋には「あまり似てない姉妹だった」「(藍子の)顔と雰囲気がどことなく明日奈に似ている」と言われている。
クロービス、メリダ
「スリーピング・ナイツ」の元メンバー。アスナが加わった時点で既に故人。

NPC

トンキー
象とクラゲが組み合わさったような姿をした邪神型モンスター。他のモンスターに襲われているところを世界樹を目指す途中のキリトとリーファに助けられ、以降リーファに懐くようになる。
その容姿から、キリトには「キモい」「個性的」と評されているが、リーファは「キモくない」「かわいい」と反論している。
エクスキャリバー獲得クエストではキリトらをダンジョンに送り届ける役割を担う。
ウルズ
声 - 桑島法子
ヨツンヘイムに住む《丘の巨人族》で「湖の女王」。2人の妹を持つ。身長3メートルの大きさで、金髪の髪の女性の姿だが、髪の先端が半透明の触手になっており、手足には真珠色の鱗がある。
《霜の巨人族》の王スリュムによって《ウルズの湖》にエクスキャリバーを投げ込まれたことでヨツンヘイムが世界樹の恩寵を失い、氷雪の世界とされてしまい、それを機に《霜の巨人族》の侵攻を受ける。
眷属の獣たちが狩られていくにつれ力を失っていき、状況を切り抜けるべく、眷属であるトンキーと絆を持ったキリトたちのパーティーにエクスキャリバーをスリュムヘイムから引き抜くことを依頼する。クエスト終了後には報酬としてキリトにエクスキャリバーを与えた。
ベルザンディ
声 - 中原麻衣
《丘の巨人族》の三姉妹の次女。姉のウルズを「高貴」とすると、「優美」というべき顔立ち。姉ほどではないが、巨大な身長。
スクルド
声 - 藤田咲
《丘の巨人族》の三姉妹の末妹。姉たちと違い、人間大の大きさで鎧兜を身に着けている。勇ましい印象の顔つきと口調。
クラインに一目惚れされ、クエスト達成後の去り際に連絡先を聞かれるが、微笑み返すというAIらしからぬリアクションを行なっている。
スリュム
声 - 飯塚昭三
ニブルヘイムに住む《霜の巨人族》の王。見ただけで判断できないほどの巨大な体躯を持つ。性格は狡猾で野心的で、狡猾さが最大の武器とウルズは評している。
姿を変えることもできるようで、オオカミの姿に変身して《ウルズの湖》にまで侵入し、エクスキャリバーを投げ込み、ヨツンヘイムを占領し、眷属たちを殲滅するため、妖精のプレイヤーたちをエクスキャリバーの偽物「偽剣カリバーン」を餌に利用した。そのときにウルズの依頼を受けたキリトたちと戦うも、嫁にするつもりで招き入れたフレイヤが実はトールの変装であり、「雷槌ミョルニル」を取り戻したことで元の力を取り戻したトールに倒される。
大公スィアチ
北欧神話でスリュムヘイムの真の主とされている存在。作中では、スローター・クエストの依頼者として名前のみが登場する。
トール(Thor)
声 - 玄田哲章(トール)、皆口裕子(フレイヤ)
北欧神話の雷神。スリュムヘイムに潜入した際には女神フレイヤ(Freyja)に変装していた。
氷の牢獄に入れられていたところをクラインに助けられ、パーティーに加わり、キリトからミョルニルを受け取ったことで正体を現し、スリュムを倒す。その後、クラインに人間大に扱えるサイズにした伝説武器「雷槌ミョルニル」を与え去って行った[注釈 45]
リヴァイアサン
声 - 阪脩
『Extra Edition』に登場。海の王。
クラーケンに追い詰められたキリトたちを救い、クエスト達成後彼らをクジラで海上に送り届けた。
クラーケン
声 - 羽佐間道夫
『Extra Edition』に登場。深淵の王。
当初はクエストNPCとして現れキリトらにアイテム奪還を依頼するが、実際は彼らを騙して宝を奪おうとしており、受け渡し直前に真実を知られて正体を現し戦闘に突入する。リヴァイアサンの途中参戦により撤退した。

ガンゲイル・オンライン

死銃(デス・ガン)

GGO世界に現れた謎のプレイヤー。仮想世界で銃撃したプレイヤーを現実に死に至らしめるという事件を起こしていたが、GGOプレイヤー間では都市伝説程度にしか思われなかった。

その実態は役割を分担した複数犯で、GGOにダイブしている共犯者がアバターを銃撃し、それを合図に現実世界にいる実行犯がそのアバターを操作しているプレイヤーの住居に侵入し、無抵抗状態の身体に猛毒であるサクシニルコリンを注射して心臓麻痺に至らしめるという方法で犯行を重ねていた。

ステルベン(Sterben) / 新川 昌一(しんかわ しょういち)
声 - 保志総一朗[注釈 46]
「死銃」の主犯。アバター名はドイツ語で〝死〟を意味する医療用語[注釈 47]であるが、そうと知らないキリト達は綴りの似た「スティーブン(steven)」のスペルミスだと思っていた。
武器は「沈黙の暗殺者(サイレント・アサシン)」の異名を持つ対人スナイパーライフルL115A3、「死銃」の象徴であるハンドガン五四式・黒星、さらに銃剣作成スキルにより手に入れた刺剣で、SAO時代同様の白兵戦も可能。また「フィールド」「圏内」を問わず透明化できる「メタマテリアル光歪曲迷彩」のマントを着込んでおり、常に身を隠しつつ暗躍していた。
BoB本戦において、処刑対象に対しては電磁スタン弾で相手を麻痺させ、中継カメラの前で十字を切るゼスチャーを示した後で黒星で撃って処刑し、それ以外のプレイヤーはマントで透明化した状態でL115A3で狙撃する方法で多くのプレイヤーを屠った。
その正体は元「ラフィン・コフィン」のトップ3「赤眼のザザ」。「死銃事件」当時19歳。詳細は「ザザ」を参照。
シュピーゲル / 新川 恭二(しんかわ きょうじ)
声 - 花江夏樹
詩乃の友人で、総合病院のオーナー院長の次男。昌一の弟。「死銃事件」当時16歳。アバターはGGO初期に流行った敏捷力(AGI)特化型。
いじめにより高校を不登校となり自宅学習をしていた。父とは2年後に大検に合格し、その年に父の卒業した有名私立大学の医学部に入学すると約束させられている[注釈 48]
ゼクシードが広めた情報によってキャラクター育成に行き詰まっていた所、兄から偶然ゼクシードの個人情報を入手していたことを知らされ、それを契機に兄弟で「死銃事件」の構想を練り始める。最初の2件では「ステルベン」を操作し仮想世界での銃撃を行っていたが、BoB大会本選では自分自身の手で詩乃を殺害すべく本選終了直後の彼女の家を訪ねる。そこで詩乃に自分の正体と、実際に人を撃ち殺した過去への憧れから詩乃に近づいたことを明かし、彼女と無理心中を図ろうとしたが、間一髪で助けに来たキリトが阻止、逮捕された。
取り調べでは完全黙秘し医療少年院に収容されたが、アリシゼーション編で半年間の料金未払いによりシュピーゲルのプレイヤーデータが消失してからは現実と向き合い始めていると明かされる。
金本 敦(かなもと あつし)
3人目の「死銃」。元「ラフィン・コフィン」のトップ3「ジョニー・ブラック」。詳細は「ジョニー」を参照。

その他のGGOプレイヤー

ゼクシード(XeXeeD[12]) / 茂村 保(しげむら たもつ)
声 - 神谷浩史
第2回BoB優勝者。武装はGGO内でレア武器として扱われているXM29 OICW
敏捷力最強という偽情報を広め強力なアイテムによってBoBに優勝したことから多くのプレイヤー達から反感を買っていた。特にそれが原因でキャラクター育成に行き詰まった恭二からは並々ならぬ憎悪を抱かれており、そのため「死銃」の最初の標的とされ、ネット番組の生放送出演中に殺される。
薄塩たらこ(うすしおたらこ)
GGOで最大級のスコードロンのリーダーだった男。シノンの記憶によれば前回のBoBでは5位か6位だった模様。スコードロンの集会中に乱入してきた「死銃」に殺される。「死銃事件」の2人目の犠牲者。
ダイン
声 - 鶴岡聡
シノンが参加しているスコードロンのリーダー。主武装はアサルトライフルSIG SG550でBoB本戦に三回連続で残った実力者。シノンからは「性格的にはまるで好きになれない」と述べられている。
対人スコードロン狩りの際は、用心棒として雇われていたベヒモスのガトリングガンの前に戦意喪失。ログアウトしようとしたところをシノンに叱咤され奮起。捨て身の特攻で敵を道連れに自爆し、シノンにガッツを称賛された。
第3回の本戦ではペイルライダーに散々追い回され、惨敗する。
ギンロウ
声 - 勝杏里
シノンの参加していたスコードロンのメンバーの1人、武器はサブマシンガンUMP45
下心丸出しでGGOで少ない女性プレイヤーのシノンをお茶に誘うなどしていたが、戦闘中にベヒモスのミニガンをまともに食らって無残に敗北した。
闇風(やみかぜ)
声 - 四宮豪
第2回BoB準優勝者。「ランガン[注釈 49]の鬼」と呼ばれるAGIに特化した能力構成のプレイヤーで、純然たるプレイヤースキルでは優勝者であるゼクシードを凌ぐと言われている。武器はM900Aとプラズマグレネードのみ。
第3回BoBでも優勝候補筆頭と目されていたが、本戦の終盤にキリトを強襲するべく接近した際、ステルベンがキリトを狙って放った弾が偶然近くに着弾。驚いた隙をシノンに突かれ敗退し、第4位に終わった。アニメでは着弾位置が遠方の廃ビルに変更されている。
銃士X(マスケティア・イクス)
第3回BoB本戦に残ったプレイヤー。シノン同様女性プレイヤーだが、直接は登場していない。武装は大型ライフルとスモークグレネード。
日本語で表示されたプレイヤーネームをシノンがそのまま「ジュウシエックス」と読んだことなどから「死銃」の正体と見当を付けて後を追ってきたキリトにライフルを一発撃ち込むも、強引なラッシュで斬られ敗北、さらに武装を強奪された。
ペイルライダー
第3回BoB本選に残ったプレイヤー。シールド付の黒ヘルメットと青い迷彩服が特徴で、武装はショットガンアーマライトAR17。アバターはSTR型だが、軽装備に加え軽業(アクロバット)スキルにより三次元機動力をブーストしており、ショットガンを用いた近接戦闘を得意としている。
BoB本選には初参戦だが、キリトに「かなり強い」と思わせる程の実力者であり、本選序盤でダインを圧倒しつつ無傷で撃破するも、直後に「死銃」の奇襲を受け、死亡する。
ギャレット
第3回BoB本戦に残ったプレイヤー。テンガロンハットがトレードマークでアンティークなウィンチェスターライフルを愛用していた洒落者。「死銃」の手にかかり死亡する。
夏侯惇(カコウトン)
声 - 荒井聡太
第3回BoB本選に残ったプレイヤー。中国武将然とした姿が特徴で、武器はアサルトライフル・ノリンコCQ
死銃がペイルライダーを殺害した直後、行動を共にしていたキリトとシノンを不意打ちしようとしたが、自分の弾を全てキリトに切り落とされ、装弾の隙を突かれてシノンに撃たれ返り討ちにされた。
獅子王リッチー
第3回BoB本選に残ったプレイヤー。BoB参加者としては珍しく、装備はヴィッカース重機関銃という高火力型。本選ではフィールドの最も高い場所に陣取って近づいてくるプレイヤーを掃射するというスタイルをとっていた為、シノンからは「立てこもリッチー」というあだ名で呼ばれていた。
第2回大会では弾切れを起こして敗北するという冴えない最期を遂げ、第3回大会でも同じ作戦で臨むが、キリトたちの気付かないうちにいつの間にか敗北していた。
シシガネ
第3回BoB本選に残ったプレイヤー。イノシシのような姿が特徴で、武器はサブマシンガン・ヤティと2個のプラズマグレネード。アバターはVIT一極型で、シノンも「自身のヘカートですら一撃でトドメは刺せない」と感じていた実力者。
腰に下げていた自身のプラズマグレネードを狙撃され、その爆発により敗北した。
餓丸(ウエマル)
声 - 山本兼平
キリトがBoB初戦にて戦ったプレイヤー。武器はアサルトライフル。
戦闘スタイルを掴み切れていなかったキリトに一時は数発弾丸を命中させたが、逆に戦闘スタイルを思いつかせる結果となり、敗北した。
スティンガー
シノンがBoB予選にて戦ったプレイヤー。武器はアサルトライフル・FN SCAR
ハンヴィーで岩を跳ね飛ばすフェイントを使ってシノンの照準予測線なしの一弾を奪ったが、逆に自らの位置を悟らせる結果となり、遠距離から撃ち抜かれ敗北した。
ベヒモス
声 - 松田健一郎
北部大陸を拠点に活動しているプレイヤー。2メートル近くある巨体が特徴で常に冷静な性格。
武器はガトリングガンM134ミニガンで、集団戦では無敵と言われるほどの実力者。その代わり、過重ペナルティを受けているため動きは非常に鈍重で、苦手な対人戦であるBoBには参加せず、スコードロンに傭兵として雇われて護衛を行っている。
ダイン率いるスコードロンのほとんどをミニガンで圧倒するも、シノンとの熱闘の末に敗北する。
サトライザー
第1回・第4回BoB優勝者。GGOを運営する「ザスカー」があるとされるアメリカから接続している。
第1回ではナイフとハンドガンだけで大会を制した。参加資格が日本国内からの接続のみになった第2回・第3回は不参加だったが、何らかの手段で第4回BoBに舞い戻り、今度は徒手空拳からの圧倒的な近接格闘能力で他のプレイヤーを制圧し、その際に奪った武器で応戦という離れ業を以て再び頂点に返り咲いた。シノンも交戦したが、まるで歯が立たなかったという。
その正体はガブリエル。詳細は「ガブリエル・ミラー」を参照。

アンダーワールド

ルーリッドの村の人々

アリス
詳細は「アリス」を参照。
ユージオ
キリトとアリスの幼なじみ。を天職としており、巨木「ギガスシダー」を切り倒すために毎日斧を振るっている。
アリスが連行された際に動けなかった後悔を抱えて生きてきた。セルカによるとアリスが居なくなってからほとんど笑わなくなっていたらしい。事件の後、北の峠より神器「青薔薇の剣」を持ち帰り小屋に保持していた。
キリトと共に「ギガスシダー」を倒すべく奮闘し、後に見事に切り倒したことで新たな職を選ぶ権利を与えられ、人界最高の秩序執行者「整合騎士」を目指すことを選びキリトと共に村を出た。
整合騎士になってアリスと再会することを目標に、キリトから彼によると「アインクラッド流剣術」という名のソードスキルを習う。剣士としては先達であるキリトが戦慄を隠せないほど天賦の才を内に秘めている様子。ノーランガルス帝立修剣学院の上級修剣士であったが、ロニエとティーゼを守るために右眼の封印を破り、ウンベールの腕を切り落として「故意に他者の天命を損失させる」という禁忌目録を犯したため、「セントラル・カセドラル」に罪人として連行された。そこでキリトと共に脱獄をし、エルドリエとの交戦のあとカーディナルによって大図書室に誘われる。そこで武器の「完全支配術」を学び、剣から氷を発することができるようになった。
禁忌目録を破ってからは違反指数が上昇したためか、脱獄や部屋への侵入など法に対する縛りや盲信が薄れており、デュソルバートやファナティオとの戦いで彼らに対し憎しみの感情をむき出すなどより柔軟で感情的になっている。
キリトとアリスがカセドラルの外へ投げ出された後、2人の生存を信じて一人カセドラルを上り、憧れの人物であった整合騎士長ベルクーリを倒すが、心の隙間に付け込んできたアドミニストレータに誘導を受けシンセサイズされ、32番目の整合騎士「ユージオ・シンセシス・サーティツー」となってキリトとアリスの前に立ちはだかる。キリトと本気で刃を交え、シンセサイズから間もなかったこと、そもそも記憶を奪われたのではなくもともとあった記憶の穴[13]に敬神モジュールを埋め込まれただけだったこともあり正気に戻り、アドミニストレータとチュデルキンと対峙、自分たちを救うため致命傷を負ったカーディナルの力で己を剣と化し立ち向かうも倒され、死亡した。彼の青薔薇の剣は、彼の遺志により赤薔薇の剣に変わった。アドモニストレーターを倒した後は元の青薔薇になっている。
セルカ・ツーベルク
アリスの妹。あまり神聖術がうまく出来ず悩んでいた。
キリトにアリスが連れて行かれた際の話を聞き北の峠へ向かうが、そこでゴブリンの偵察隊に見つかり捕られる。その後キリトとユージオによって救出され、危険な高位神聖術を行使して戦いの最中に重傷を負ったユージオを、キリトと自分の天命を分け与えることで救った。

修剣学院の人々

ロニエ・アラベル
キリトの傍付き見習い剣士。初等練士の時点で16歳。六等爵家という下級の貴族の出身で、他の格上の貴族たちからは下に見られている。他の上級修剣士たちから側付き練士として指名されなかったために、キリトの傍付きとなった。キリトのことを慕っている。
キリトが自分を助けるために禁忌目録を破り罪人として連れて行かれた時には、ティーゼとともに彼らの剣を届け泣きながら彼らを見送った。
ティーゼ・シュトリーネン
ユージオの傍付見習い剣士。初等練士の時点で16歳。ロニエ同様六等爵家の出身で、他の上級修剣士に指名されなかったことでユージオの傍付きとなった。ユージオに好意を寄せており、彼に「仮に整合騎士になれなかったときは、四帝国統一大会で爵位を得て自分の夫になって欲しい」という意の嘆願をした。
父の教えから「貴族は民の平和と幸せを守ることに努めなければならない」という考えを持ち、貴族の特権を利用して己の欲望を満たすライオスとウンベールのような誇りを持たない貴族に疑問と恐怖と抱いていた。
自分と同室の練士で、ウンベールの傍付きであるフレニーカが彼に辱めを受けていることにロニエとともに抗議をしにいった結果、懲罰と称して彼らに性的暴行を受けそうになる。その際にユージオとキリトが自分たちを守るために禁忌目録を破って罪人になってしまったことを悔やみ、ユージオに将来必ず整合騎士になって彼を助け出すことを誓った。
ソルティリーナ・セルルト
ノーランガルス帝立修剣学院次席でキリトを傍付きとした女性。
歩く戦術総覧と言われ、鞭や短剣など様々な武器を扱うセルルト流の伝承者。
ウォロ・リーバンテイン
ノーランガルス帝立修剣学院主席。
ハイ・ノルキア流秘奥義「天山烈波」というすさまじい剛剣の使い手で、「ギガスシダー」の先端から削り出した黒剣で4連撃ソードスキル「バーチカル・スクエア」を放ったキリトと引き分けた。
ゴルゴロッソ・バルトー
ノーランガルス帝立修剣学院三席でユージオを傍付きとした、とても二十歳前には見えない威丈夫。
貴族ではなく衛兵隊上がりであり、席次順の振り分けではなくあえて平民のユージオを指名した。勇壮なバルティオ流の使い手。
ライオス・アンティノス
キリト達と同期のノーランガルス帝立修剣学院主席。
三等爵家長子ということに強い自尊心を持っており、キリトとユージオを差別していたが、禁忌目録を犯したユージオを斬ろうとしてキリトと交戦。腕を切り落とされ、自分の天命と禁忌目録のどちらかを選ばざるを得ない状況[14]に陥り自己崩壊を起こした。
ウンベール・ジーゼック
キリト達と同期のノーランガルス帝立修剣学院次席。
ライオスと一緒にキリトとユージオを差別していたが、ロニエとティーゼを襲おうとしてユージオによって左腕を切り落とされる。

整合騎士

ベルクーリ・シンセシス・ワン
整合騎士長。アリスからは小父様と呼ばれ、慕われている。UWの創作当初からセントラル・カセドラルの壁に据えられていた神器「時計」の針で作られた「時穿剣」を用い、敵の動きを予測し先に虚空を切っておくことにより、その場に移動したときに相手に斬撃を浴びせる、つまり未来を斬る剣を有する。
整合騎士の長であり、最古の整合騎士であるが、自分たち整合騎士の出自や公理協会のあり方に疑念を感じていた。
カセドラルにてキリトとはぐれたユージオと対峙、剣の能力で一度は圧倒するも、彼の相討ち覚悟の攻撃を受け敗北する。その後、ユージオの口から整合騎士の真実と、自身が300年前にルーリッド村を拓き、初代衛士長となった剣士であったことを聞かされた。直後、元老長チュデルキンに用済みと見なされ、「ディープ・フリーズ」によって石に変えられるが、アリスの声に応じて意識を取り戻す。彼女が右目の封印を破ったのを悟り、キリトにアリスと浚われたユージオのことを託し、再び石像と化した。
カセドラルでの死闘が終わった後は石化が解け、アドミニストレータとチュデルキンの企みを整合騎士に関する一部の真実を伏せた上で明らかにし、公理協会の実権を一時的に握って来る最終負荷実験から人界を守護するために、急遽再編した軍を鍛え上げて備えようとする。しかし、アドミニストレータによって無為に消費された数百年という時間は如何ともし難く、決定的な戦力不足は否めないため苦労している。
ファナティオ・シンセシス・ツー
整合騎士副騎士長。ベルクーリの副官。鎧兜で顔を隠しているが実は妙齢の美女。本人的には性別を隠しているつもりでも仕草の端々からは女らしさが薫り、彼女に心酔する下位騎士もいる。一千枚の大鏡より生み出された神器「天穿剣」を用い、「武装完全支配術」は剣先は光線を放つというもの。「アンダーワールド」の騎士としては異例な連続技を得意とする。
昔は顔を隠していなかったが、美しい女であるという理由だけで今まで戦ってきた男達が皆自分に対して手加減をしてきたことに強いコンプレックスを持っており、兜で顔を隠すようになった。また武装完全支配術などで、極力剣での打ち合いを避けた戦法をとるようになった。後輩でありながら自分よりも強い上、美しい素顔を堂々と晒しながら戦うアリスに嫉妬も抱いていた(アリスはアリスでファナティオの女らしさに勝てないというコンプレックスを持っていた)。そのため2人は馬が合わず、一緒に揃うと場の空気が緊迫する。
キリト、ユージオとの戦いに敗れて瀕死の重傷を負うが、キリトの願いを受けたカーディナルによって治療のために引き取られた。その甲斐あって死闘の後は全快しており、自分が女であることを気にせず本気で剣を交わしたキリトに対し感謝の気持ちを抱くと共に、長年のコンプレックスを振り払って女性であることを隠さなくなり、化粧もするようになった。
デュソルバート・シンセシス・セブン
整合騎士の1人で堅物。焔の弓矢「熾焔弓」を操る。子供の頃のアリスを連行した張本人であり、ユージオからは並々ならぬ憎しみを抱かれている。
元々はノーランガルスの北辺境を守っていたが、幼いアリス、後に整合騎士アリス・シンセシス・サーティとなる少女を連行した功績によりセントラル・カセドラル守護の任を与えられる。だが、本人はアドミニストレータにより記憶を消され、アリスのことはおろか自身の功績がなんであったのかすら覚えていない。アリスと同様に記憶を消される前の、大切な者のことは微かに覚えていた。
セントラル・カセドラルに侵入したキリトとユージオを迎え撃つが、ユージオの秘奥義連携の前に敗れる。その後、自分たち整合騎士が元々人間であったこと、そして自分が8年前、禁忌目録を犯したアリスをルーリッド村から連行していたことを知らされた。
カセドラルでの戦いが終わってからは、ベルクーリの元でファナティオやエルドリエと共に軍の再編と来る最終負荷実験に向けた準備を行っている。
シェータ・シンセシス・トゥエルブ
整合騎士の女性。「無音」の二つ名を持ち、神器の「黒百合の剣」を所持している。無口で表情に乏しく、全くと言っていいほど他者と会話しない。
その本質は「何もかも斬りたい」という欲望に満ちており、他人と距離を置いていたのは「加減ができず相手を殺してしまうこと」を忌避していたためだった。
四旋剣(しせんけん)
ファナティオ配下の下位整合騎士。ダキラを始め、ジェイス、ホーブレン、ジーロの4人で構成される。個人での戦闘能力はそれほど高いわけではなく、複数人での連携を前提としている。全員ファナティオを尊敬している。
ダキラ・シンセシス・トゥエニツー
頭部を兜で覆い隠した女性騎士。同性愛者であり、それを教会に懺悔したことでカテドラルに連行、シンセサイズされた。記憶を封じられた後もかつて恋した相手への恋慕は残り、どことなく面影のあったファナティオにそれを向けながらも、その感情を長年押し殺していた。ダークテリトリー軍との戦闘中、ファナティオを庇って致命傷を負い、秘めていた想いを打ち明け死亡した。
レンリ・シンセシス・トゥエニセブン
整合騎士の少年。神器の「雙翼刃」を所持しているが、騎士になる以前に無二の友を誤って殺めてしまったトラウマがシンセサイズ後も残った結果、「武装完全支配術」を使うことができず、アドミニストレータからは「失敗作」と判断され封印されていた。
キリトとユージオの反乱の際に封印を解かれるが、完全に覚醒したときには既にアドミニストレータが消滅した後であり、そのままダークテリトリーとの戦争に突入、恐怖から戦線を放棄してしまう。
リネル・シンセシス・トゥエニエイト、フィゼル・シンセシス・トゥエニナイン
二人組の見習い整合騎士。アドミニストレータの蘇生神聖術の実験台の生き残りであり、人殺しの技術が高い。元々の28、29番目の整合騎士を殺害し、現在の地位についた。
キリトとユージオを油断させ、麻痺毒の剣で捕らえるも失言と武器の帯刀からキリトに見破られ逆に自分の毒剣により麻痺させられてしまう。ファナティオとの戦いのあとユージオから解毒薬を飲まされた。
その後「なぜキリトが自分たちを生かしたのか」を考えるようになり、その答えを見つけるためにダークテリトリーとの戦争に参加する。
アリス・シンセシス・サーティ
8年前に連行されたキリトたちの幼なじみ。詳細は「アリス」を参照。
エルドリエ・シンセシス・サーティワン / エルドリエ・ウールスブルーグ
脱獄したキリト達の前に現れた整合騎士。アリスを師と仰いでおり、騎士達の序列の中では最も新しいとされる。
本人によると「1か月前に天界より召喚された」とのことだが、実際はソルティリーナやウォロを破り四帝国統一大会で優勝した大剣士。たまたまエルドリエの名前を覚えていたユージオに記憶を刺激され、母親の記憶を無理に思い出そうとした結果、意識を失ってしまう。カセドラルでの戦いが終わった後はベルクーリの元で軍の再編を行っているが、キリトとの戦いに影響を受けたのか変化が見られ、以前の上の言うことには従順だった頃と違い自分の考えで行動するようになっている。
アリスを慕っているが、そのアリスを変えたキリトについては敵愾心を抱いており、心を失ったキリトを介護するアリスと再会して以降はいつもキリトの扱いに対して厳しい態度をとる。
ユージオ・シンセシス・サーティツー
キリトたちの幼なじみ。詳細は「#ユージオ」を参照。

セントラル・カセドラル

カーディナル
キリト達を助けた「ザ・シード」の調整プログラムを名乗る少女。その正体はアドミニストレータと融合したカーディナルシステムのサブプロセスであり、「メインプロセスの間違いを正せ」という命令に従い行動している。元々の肉体の持ち主であった少女の名前は「リセリス」。
かつてはアドミニストレータの感情に乱れがあった場合にしかその体を操作することしかできなかったが、アドミニストレータが魂の寿命から逃れるために他の若い少女のフラクトライトに自分の魂を上書きコピーした結果、その肉体を獲得する。直後に実力行使でアドミニストレータの削除を試みるものの、失敗し敗走、通常のフィールドから隔離された空間に逃げ込み、人界の時間で200年もの間アドミニストレータへの対抗手段を練っていた。そして現れたキリトとユージオに策を託して送り込むが、2人とアリスが追い込まれたため自分の身を差し出して救い、死亡した。
アドミニストレータ
公理協会最高司祭。元は「クィネラ」という名で、貴族同士の政略結婚によって誕生した、UWで最も大きな利己心と美貌を持つ女性。
かつて神聖術の修行の際に、生物を殺すことで自身の権限レベルが上がることに気づく。それからは人目を盗んで動物を狩り続けて権限レベルを上げ続け、さらに神聖術の式句の解析により天命回復や天候予測などの神聖術を身につけたことで周囲から聖女として崇拝されるようになり、公理協会や貴族などの制度、禁忌目録などを設け自分の絶対権力を確立した。
そんな彼女も「天命」というシステム上の寿命には抗えないはずであったが、彼女の執念か、あるいは外部からの手引きがあったのか、本来であれば決して知り得ないはずのシステムコマンド「全コマンドリスト閲覧」(UW内における全神聖術の式句を表示するシステムコマンド)に辿り着き、それを用いてカーディナルからシステム権限の全てを簒奪してUWの管理者となった。しかしその際にカーディナルシステムの基本命令である「秩序の維持」を己のフラクトライトに焼き付けてしまい、結果として人界は長い停滞を迎えてしまった。
しかし彼女が生まれて150年が経ち、彼女の「フラクトライト」そのものを納めた「ライトキューブ」の容量が限界に達しており、それから逃れるために魂のコピーを行うが、失敗しカーディナルを生み出してしまう。以後、カーディナル対策として整合騎士を作り出し、自身はこれ以上記憶を蓄積することがないようにセントラル・カセドラルの最上階で眠りにつくようになった。
自身の下に辿り着いたキリトたちと戦い、システム権限を利用して優位に立つも、心意によってそれらを打ち破られ敗北した。その後UWからの逃亡を図るも、彼女に執着したチュデルキンにより天命を削られ、完全に消滅した。
チュデルキン
アドミニストレータの側近の元老長。主同様の利己主義者で、醜悪で下劣な人格の持ち主。配下である整合騎士のことは「○○号」と道具扱いしている。
胴体に対して極端に肥大した頭部という、特異な体形を利用して逆立ちすることで、両手だけでなく両足の指からも神聖術を行使することができる。アドミニストレータへの執着心を利用され、キリトに斬られた。

ダークテリトリー

皇帝ベクタ、暗黒騎士ヴァサゴについては後述を参照。

ビクスル・ウル・シャスター
暗黒騎士団団長。人族男性。
リビア・ザンゲール
暗黒騎士第十一位の人族女性。
ディー・アイ・エル
ギルド総長。人族女性。
イスカーン
拳闘士ギルド第十代チャンピオン。人族男性。
ヨッテ
兎隊十人組長。女性。
ダンパ
イスカーンの副官。
フ・ザ
暗殺者ギルド頭首。元の名はフェリウス・ザルガティス。幼年学校時代、シャスターに剣の試合で叩きのめされ、屈辱のあまり水路で投身自殺を図って暗殺者ギルドに拾われたのち、彼への復讐の機会をうかがっていた。
シグロシグ
ジャイアント族。
リルピリン
オーク族長。男性。幼少期から容姿端麗と言われていた[15]が、人族の前では「醜いオーク」でしかない(前述の「容姿端麗」も「オークとしては」「わずかばかり人族に近い顔立ち」という意味であった)と知りショックを受けた過去を持つ。以来人族に強い敵意を抱くようになった。
レンジュ
女性オーガ。
フルグル
オーガ族々長。
ハガシ
山ゴブリンの長。
クビリ
平地ゴブリンの長。

現実世界の登場人物

VR技術に関わる人々

クリスハイト / 菊岡 誠二郎(きくおか せいじろう)
声 - 森川智之
総務省総合通信基盤局高度通信網振興課第二分室(通信ネットワーク内仮想空間管理課:通称「仮想課」)職員。SAO事件においては、被害者の搬送先となる病院の受入体制を整えるチームの中心人物。GGO編開始時の2025年時点での年齢は30代半ば[注釈 50]
「ザ・シード」によって混沌としたVRMMO世界の監視や調査を行っており、SAOクリア後覚醒した和人の元に駆けつけ事情聴取を担当した。ゲーマーとしての実力を見込んで、VRMMOに関わる仕事を依頼する。キリトからは胡散臭く思われているが、アスナ達親しい仲間の連絡先の情報提供に加えナーヴギアの所持を見逃すなど便宜を図ってもらったこともあって、頼みを断れずにいる。
ALOでの種族はウンディーネで氷結系魔法の使い手。メイジとしての腕前はユージーンが褒めるほどである。キリトやアスナ以外とはALOを介して交流があり、ALOをプレイする理由は「皆と仲良くなるため」だと言っているが、和人は情報収集の一環と推測している。キャラネーム「クリスハイト」の由来は英語で「」を表す「クリサンセマム」と丘を表す「ハイト」の合成。
出世コースから外れ左遷されたキャリア組を称していたが、本来の素性は防衛省から出向の自衛官で階級は二等陸佐。SAO事件以前より、兵器に搭載可能なAIの開発計画「プロジェクト・アリシゼーション」を推進している。総務省職員の身分を得たのも、事件経過を自分で見守るためだった。
ファントム・バレット編では、「死銃事件」にSAO事件との類似性を感じ、調査のためキリトに「死銃」との接触を依頼。第3回BoB本戦中に「死銃」が出現したことで依頼の件をアスナたちに知られ、ALO内に呼び出され厳しく問い詰められる。事件後、「死銃事件」の概略と新川兄弟の様子を和人と詩乃に伝える。
アリシゼーション編では、和人にSTLのモニターのバイトを紹介し、密かに「プロジェクト・アリシゼーション」に協力させる。しかし彼が襲われ意識不明に陥ったため、その治療を兼ね身柄を預かる。
神代 凛子(こうじろ りんこ)
茅場晶彦の1歳下の後輩で元恋人。自身も優秀な科学者で、茅場が遺したデータを基にメディキュボイドを発表・開発に携わった。アリシゼーション編時点で28歳。
SAO事件直後、行方を眩ませた茅場の居場所を突きとめ殺害を試みるも、結局手に掛けることが出来ずゲームクリアまで彼の世話をする。
ALO事件後にキリトと対面。茅場の最期の言葉と「ザ・シード」の存在を聞き「あなたの中に彼を憎む以外の気持ちがあるなら」とその処遇を一任している。本来ならば茅場の共犯として法的追求を受けるはずだったが、それを見越した茅場が生前に行った工作[注釈 51]により無罪放免となった。
アリシゼーション編では、アメリカに渡りカリフォルニア工科大学で研究のみに没頭するという半ば世捨て人のような生活を送っていたが、明日奈から協力要請の連絡を受け帰国、自身の身分を利用して明日奈と共に「オーシャン・タートル」に赴く。
比嘉 健(ひが タケル)
声 - 野島健児
「プロジェクト・アリシゼーション」に携わる若き天才エンジニア。茅場や凛子、須郷が所属していた大学の研究室の後輩。初出は『アクセル・ワールド』第10巻収録の「バーサス」。
小柄な体格で無骨なデザインの丸眼鏡を掛け、金髪の短い髪を逆立てアニメのキャラが描かれたTシャツを着こみ、「〜ッス」という軽い口調でしゃべるなど科学者に見えない風貌をしている。140近いIQを持つ。
韓国人の友人を兵役中に送られたイラクで自爆テロで失った過去があり、そのことも「プロジェクト・アリシゼーション」参加の動機になっている。
安岐 ナツキ(あき ナツキ)
声 - 川澄綾子
SAOクリア後の和人のリハビリを行っていた美人看護師。
ファントム・バレット編では、菊岡からの要請でGGOへダイブ中の和人のモニタリングを行っている。また、彼女の助言が事件の収束・アフターケアに大きな役割を果たした。
アリシゼーション編では、「オーシャン・タートル」のSTLで治療を続ける和人の看護を行っている。また、本来の素性は自衛隊付属の看護病院の卒業生で自衛隊員としての階級は二等陸曹であることが明らかになる。
平木(ひらき)
ラース六本木支部に勤務するエンジニア。彼を含む支部の職員は「プロジェクト・アリシゼーション」の存在を知らず、一ベンチャー企業のつもりで業務に従事している。
UWにて最終負荷実験が行われている最中、終電を逃して社内で一夜を明かしていたところ、直葉と詩乃の訪問を受け、菊岡へUWに危機が迫っている旨の伝言を伝える。
ベクタ / ガブリエル・ミラー
アメリカのPMC「グロージェン・ディフェンス・システムズ」の役員で最高作戦責任者(CTO)を務める男。GGOのトッププレイヤー・サトライザーの正体。
NSAからアリスの奪取を依頼され「オーシャン・タートル」を襲撃、メインコントロールルームを占拠する。「ラース」スタッフの手によりUWへの外部干渉をロックされたため、ダークテリトリーの皇帝の身分を持つスーパーアカウント・闇神ベクタとしてUWに侵入する。
「魂」に強い執着を持ち、それを知るためだけに10歳の頃にガールフレンドを殺害した過去がある。アリスに対してもその存在を知った瞬間から興味を持ち、作戦失敗を装って専有しようと目論んでいる。最終的にアリス以外にも多くの魂を仮想世界に集めて自分のものにすることを計画しており、第4回BoBで戦ったシノンやSAO生還者に目を付けている。
ヴァサゴ・カザルス
ガブリエルの部下でVR戦闘の専門家。上司であるガブリエルのことは親しげに「兄弟(ブロ)」と呼ぶ。
襲撃メンバーの中で唯一流暢な日本語を話せることから、暗黒騎士の身分を持つスーパーアカウントを用いてガブリエルと共にUWにダイブする。
戦争が始まった後は部下を連れて遊撃を開始、その途中でキリトが匿われていた馬車を狙ったが、ダイブしてきたアスナによって地割れに落とされた。その際に彼女のSAO時代の異名『閃光』を呟いたことから、彼もSAO生還者であることが示唆されている。
クリッター
ガブリエルの部下であるハッカー。眼鏡をかけており、ヴァサゴからは「四つ目(フォーアイズ)」という渾名で呼ばれている。作戦中は現実世界に残ってUW内のガブリエルをモニタリングしつつ、FLA倍率を下げUW内と現実世界の時間を同期、その後にアメリカのVRMMOプレイヤーを兵力として送り込む作戦を実行している。

キリト・アスナの親族

桐ヶ谷 翠(きりがや みどり)
声 - 遠藤綾
和人と直葉の母親。和人の実母の妹で、両親を事故で失った和人を引き取り養子とした。
パソコン情報誌の編集者で、〆切前は出版社に篭りがちになりほとんど帰ってこない。和人がパソコンやネットゲームに傾倒するにあたって、強い影響を与えている。かなりのゲーム好きで、本人によると小学生の頃からネットゲームをしていた模様。
桐ヶ谷 峰嵩(きりがや みねたか)
和人、直葉の父親。作中現在では名前のみ登場。
結城 彰三(ゆうき しょうぞう)
声 - 山路和弘
明日奈の父親。「レクト」の元CEO。結城本家は京都を中心に地方銀行を経営しており、彰三は三男にあたる[16]
家族ぐるみのつきあいで、実の息子のようにかわいがっていた須郷と明日奈の結婚を決意した直後、須郷の逮捕によってALO事件が発覚しCEOを辞任。辞任後、人を見る目がなかったと落ち込み、「須郷の開発・経営能力と上昇志向のみ評価して、人間性に目を向けなかったのは自分の不徳だった」と口にした。
家庭を顧みない仕事人間であり、結城家の冷めた家族関係や須郷の本性を見抜けないなどの落ち度が目立つが、娘への愛情は人並みに持ちあわせている。須郷と結婚させることを決意したのも意識が戻らない明日奈の将来を思ってのことであった。
和人とは明日奈がALOに囚われていた時の病室で何度か立ち会っている。和人とはメールのやり取りなどを通じてある程度の信頼を寄せており、明日奈との交際も認めている。
結城 京子(ゆうき きょうこ)
声 - 林原めぐみ
明日奈の母親。某大学の経済学部の教授[17]。生家は宮城県の山間部で米農家をしていたが、両親(明日奈の祖父母)はすでに他界し、家や棚田も売却されている。京都の結城本家に行くたびに家柄について嫌味を言われるため、その出自がコンプレックスになっている[18]
厳格な性格で、SAO事件により娘がエリートコースから脱落したことや、現在の学校を快く思っておらず、自身の大学附属の名門校に転校させようとする。その後ユウキからの助言を得た明日奈に連れられてALO内に赴き[注釈 52]、思っていることを語り合い、そこで娘の想いを知り和解。翌日の朝食の席で今の学校に通うことを許した。
結城 浩一郎(ゆうき こういちろう)
明日奈の兄。父親がCEOを務める「レクト」に就職している。作中現在では名前のみ登場。
明日奈がSAOに囚われるきっかけとなったナーヴギア及びSAOのパッケージを購入した人物。本人は正式サービス稼動初日から長期の出張予定が入ってしまい、実際にゲームをプレイすることはなかった。

その他の登場人物

遠藤(えんどう)
声 - 日笠陽子
詩乃のクラスメイトの不良少女。
入学当初は取り巻きとともに彼女を友達と呼んでおきながら、彼女の部屋を遊びの場や喫煙場所に利用していた。彼女に拒絶されると、強盗事件のことを調べ上げて校内に流布し、彼女の孤立を招き、さらには事件のことを知った恭二が詩乃に歪んだ憧れを抱く原因を作った[19]。また、詩乃の銃へのトラウマを利用し金を無心し続けていたが、「死銃事件」の後にトラウマと向き合い始めた彼女にモデルガンを向けられ撃退された。
倉橋(くらはし)
声 - 木内秀信
横浜港北総合病院の医師で、木綿季の主治医。メディキュボイドに希望を抱いている。
また、木綿季が使用した通信プローブの件で和人ともある程度面識がある。
佐田 明代(さだ あきよ)
声 - 小林さやか
結城家の家政婦。

脚注

注釈

  1. ^ SAOで考案した相手の武器の弱点を見抜き破壊する「武器破壊(アームブラスト)」。
  2. ^ 新生ALOで考案した魔法属性が付加されたALO仕様のソードスキルを魔法にぶつけることで対消滅させる「魔法破壊(スペルブラスト)」。GGOでの戦闘経験から編み出され、キリトによると「どんな高速魔法も対物ライフルの弾丸よりは遅い」らしく久しぶりにアスナを絶句させた。一時期キリトに付き合ってアスナ達も練習したが習得には至らなかった模様。
  3. ^ 新生ALOで考案した「剣技連携(スキルコネクト)」。左右の剣で交互に片手剣ソードスキルを発動させて終了後の硬直時間をキャンセルするが、本人によると成功率は5割以下。この技術を聞いたアスナばSAO時代の74層における経験からデジャブを感じるほどの驚愕だったらしい。ゲーム版『ホロウ・フラグメント』におけるOSSはほぼ剣技連携と同じ。
  4. ^ 2人ともルーリッド村で共に暮らした記憶を消されている。本来ならキリト自身の記憶もロックされるはずだったが、襲撃によるフラクトライトの損傷が影響し「桐ケ谷和人」のままダイブしてしまった。
  5. ^ 魔法がなかったため元SAOプレイヤーの殆どが同様の傾向。
  6. ^ 長時間プレイした場合出現するレアなアバターで、2年間プレイしたSAOから同じIDを使用していたため。
  7. ^ Extra Editionでは、このことを聞いたリズやシリカはあきれたり驚いたりしていた。
  8. ^ Mental Health Counciling Programの略。VRMMO第1号であるSAOは完全な無人管理が目指されており、参加するプレイヤーの精神面のケアも無人化が企図されていた。
  9. ^ 同時に、破損した言語機能も回復し敬語で話すようになる。
  10. ^ MHCPはシステム側に立つSAO内のGM的存在であり、ゲーム上のあらゆる動的オブジェクトからは攻撃不可・かつそれらを選択的かつ一方的に消去する権限を有している。
  11. ^ 本来ナビゲーション・ピクシーはゲームに関する基本的な質問に鄭文型で答えるだけの存在であり、どちらかといえばプレオープンの際に抽選配布された「プライベート・ピクシー」に近い。
  12. ^ リアルプレイヤーとは関連なくランダム生成されるALO内のアバター「リーファ」も、リアルの直葉同様発育豊かな少女の姿をしている。
  13. ^ かつて強盗を射殺した際、彼女が強盗から奪って発砲した銃がまさに五四式・黒星であったため。無論偶然の一致ではなく、詩乃に憧れていた恭二が「死銃」の武器にあえて黒星を選んでいた。
  14. ^ 本来は最後の1人になるまで戦わなければならないが、「死銃」との戦いでボロボロだったキリトに勝っても自慢にならないという理由で、彼と共にグレネードで自爆した。
  15. ^ ただし、状況があまりにも異常であったため、ノーカウントとした。
  16. ^ 事件現場だった郵便局の元局員と、当時彼女が身ごもっていた娘。
  17. ^ キリトは「もしそうなら『二刀流』スキルは彼女に与えられていたはず」と否定している。
  18. ^ Web時代の作者Q&AおよびTwitter[5]より。あくまでWeb時代の設定なので、本編では変わる可能性がある。
  19. ^ 初版のみに誤植あり。
  20. ^ キリトもシリカが妹(直葉)と似ていると語っている。
  21. ^ 10 - 12歳の子供も20人以上ログインしているが、そのほとんどが当初にパニックを起こして精神的に問題をきたしている。ゲームに適応してはじまりの町を出立するだけでも極めて例外的なケースである。
  22. ^ BD/DVD映像特典「そーどあーと・おふらいん」ではアスナの前でキリトを何度もお兄ちゃんと呼ぶなどその面が強調されており、人生相談では匿名ながらキリトとの関係の発展について相談した。スピンオフ作品である『ガールズ・オプス』ではキリトを真っ先にクエストに誘おうとして、後から誘われたリズが「抜け目がない」と感じている。
  23. ^ しかし2人との友情は以後も変わらず良好である。
  24. ^ このときは中身の無い赤い外套の巨大なアバターを使用している。ゲーム版ではSAO本来の(茅場にとっては偽の)ラストボス「The Hollow Avator」とされている。
  25. ^ a b アニメ版のクレジットでは「ラフィン・コフィン」となっている。
  26. ^ 他のプレイヤーに不正行為の手口を故意に広め、不正を働いたプレイヤーを他のプレイヤー総意に基づいて処刑させることで、PKの心理的ハードルを下げ殺し合いをし易い環境を作ろうとしていた。
  27. ^ ただし、アニメ14話で茅場の開いたログアウトリストに名前が確認できるので、現実世界には復帰した模様。
  28. ^ 血盟騎士団のイメージカラーと紋章を揶揄するような出で立ちのため、アスナはひどく嫌っていた。
  29. ^ キリトは「牢獄の中で復讐心を糧に反復練習を続けていたのではないか」と推測している。
  30. ^ SAOの二刀流ソードスキル「ダブル・サーキュラー」を拳銃と光剣で再現。
  31. ^ 厳密にはこの段階ではシステム上のギルドは結成できないので、正式結成は第3層となっている。
  32. ^ 場合によっては一時的なオレンジプレイヤー化も含まれる。
  33. ^ アニメ14話・茅場の開いたログアウトリストより。ここでようやく顔と名前が確認できる。
  34. ^ 鍛冶屋に強化が依頼された武器を、同じもののエンド品(強化の試行回数の限度を超え、次に強化を行えば消滅する装備品)と密かにすり替え、強化失敗と偽って本物を詐取して後で売買する行為のこと。
  35. ^ 元々ネズハは遠近感覚に難がある自分が唯一戦えるスキルとして「投剣」スキルを主体に鍛えていたが、対応武器である投げナイフ類は消耗品であるため、主要武器としては不向きとして戦闘職を諦めた。しかし、チャクラムは消耗品ではないため、モンスターからのドロップ品を持っていたキリトが譲渡して戦闘職転向を勧めた。
  36. ^ 他の面子に関しても「名前の最初の1文字を伸ばし敬称をつける」というあだ名の付け方をしている模様。ただしキバオウのことは「トンガリ頭」と呼んでいた。
  37. ^ 頭上には赤(レベル差の関係でキリトたちからは暗赤色に見える)のカーソルが見える。
  38. ^ 半減決着モードで戦いを挑み、相手のHPゲージが49%になるまでは小ダメージを蓄積した後、一気に50%以上のダメージを与えてHPを0にすると、システムに犯罪行為と認識されずにPKを行うことができる。
  39. ^ 原作挿絵を担当しているabecがbunbun名義でアバターコンテストに投稿、特別賞を受賞したキャラクター
  40. ^ ALOでは部下達(声 - 金光宣明沼田祐介)は巨大なナメクジの姿のアバターを使用。
  41. ^ 後日、ナーヴギアがなければ実現不可能で実験データから対抗措置の開発も可能と判明。
  42. ^ 『Extra Edition』では、SAO事件対策本部も茅場と同じ研究室だった須郷をマークしていたが、帰還した「SAO生還者」の健康チェックや社会復帰の対応で監視が手薄になり、また逮捕されるまで尻尾を掴ませなかったので気づかなかったと菊岡は説明している。
  43. ^ 明日奈本人の了解を得られない状態のため、形式上は彰三との養子縁組。
  44. ^ アニメでは、ペイン・アブソーバLv.0で肉体に受けた過剰痛覚と死の恐怖の影響からか、髪は白髪に変貌した。
  45. ^ ただし、ハンマー使いでないクラインにとっては無用の長物に等しい。
  46. ^ 「死銃」としての登場時は音声が加工されている。
  47. ^ アバターの名前は、医者である父親への反発ではないかとキリトは考えている。
  48. ^ しかし、成績は惨憺たるもので、詩乃には見栄を張り数値を改竄した模試の結果を見せていた。
  49. ^ ラン&ガンの略。
  50. ^ 1997年ポケモンショックと思われる事件当時に幼稚園児だったと菊岡は語っている。
  51. ^ 首にダミーの小型爆弾を取り付け、対外的に「凛子は自分の命を盾に茅場に脅され、犯行に加担した」と偽装した。
  52. ^ 明日奈が所有する予備アカウント「エリカ」を使用。

出典

  1. ^ kunoriのツイート(385422053823623168)
  2. ^ a b c d e kunoriのツイート(490858843329396736)
  3. ^ kunoriのツイート(383051506938687488)
  4. ^ kunoriのツイート(516228235575558144)
  5. ^ kunoriのツイート(233199703821533184)
  6. ^ 『ピナ・エディション』より
  7. ^ 【ソードアート・トゥデイ】悲劇の少女・サチが物語に参戦! 藤原啓治さん演じるPoHの声が確認できる最新PVやバトルシステムをチェック”. 電撃オンライン. 2014年2月11日閲覧。
  8. ^ kunoriのツイート(239385339188367360)
  9. ^ kunoriのツイート(249524760755699714)
  10. ^ 『SAOP』第1巻・494ページ
  11. ^ kunoriのツイート(67998635043987456)
  12. ^ kunoriのツイート(488335857183494144)
  13. ^ テストダイブしていたキリトの記憶があった場所と思われる
  14. ^ ウンベールに止血に使用している紐をよこせと指示したが、それでは自分が禁忌に違反することになるため(当初はパニックのためかそれに気づいていなかったが、言い返されそのまま思考がループ状態になってしまった)。
  15. ^ 名前にラ行の音が三つ含まれるが、アンダーワールドにおいてこの音は美しさを意味する。
  16. ^ kunoriのツイート(531449389508599809)
  17. ^ kunoriのツイート(536159787528896512)
  18. ^ kunoriのツイート(536161294701694977)
  19. ^ kunoriのツイート(516231202588467200)