アクティヴレイド -機動強襲室第八係-

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アクティヴレイド -機動強襲室第八係-
ジャンル 近未来SF
アニメ
原作 創通フィールズ
フライングドッグ
総監督 谷口悟朗
監督 秋田谷典昭
シリーズ構成 荒川稔久
キャラクターデザイン 佐伯俊(原案)
西田亜沙子
メカニックデザイン 森木靖泰、谷裕司
鈴木勘太
音楽 中川幸太郎
アニメーション制作 プロダクションアイムズ
製作 ACTIVERAID PARTNERS
放送局 TOKYO MX
放送期間 第1期:2016年1月 - 3月
第2期:2016年7月 - 9月予定
話数 第1期:全12話
漫画
原作・原案など 谷口悟朗
作画 植田耕平
出版社 集英社
掲載誌 少年ジャンプ+
発表号 2016年1月7日 -
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』(アクティヴレイド きどうきょうしゅうしつだいはちがかり)は、プロダクションアイムズ制作による日本テレビアニメ作品[1]2016年1月から3月まで第1期、同年7月から9月まで第2期の、2シーズンでの放送。

概要

創通フィールズフライングドッグの3社共同プロデュースによるオリジナルアニメ作品。

流砂でビル群の一部が泥に沈む災害「第三次流砂現象」から復興しつつある近未来(西暦2035年[2])の東京を舞台として、パワードスーツウィルウェア」を悪用する犯罪者に、同じくウィルウェアを使用して対抗する警視庁の特殊部隊「機動強襲室第八係」(通称・ダイハチ)の戦いを描く。

ウィルウェアや第八専用車両をはじめとする各種メカニックはオレンジによる3DCGで描かれているが、対象や状況によってはアニメーターによる旧来の手描きも併用されている。

前述したように2シーズンでの放送となっているが、総監督の谷口悟朗によれば、分割2クールではないとのこと[3]。また、後述するように普段はアニメを見ない一般人も対象とするため、アニメファンへの告知やグッズには特化していない。Twitterなどで自発的に宣伝に協力してくれるアニメファンたちのおかげで後述するイベントやインターネットラジオが急遽決まったこともあり、彼らがいなければ2クール目は制作できなかったかもしれないと、谷口は1クール目の放送終了後に感謝の弁を述べている[4]

製作

創通フィールズフライングドッグからオリジナル企画の相談をされた谷口悟朗が各社の要望を調整してまとめたものが、本作の企画の大元となった。それをテレビアニメとして制作しようというところから始まった本作に、全体の面倒を見てほしいということで総監督を担当することになった谷口は、各社の要望をまとめやすくするためにもチームものにしたいと考えた結果、警察もので主人公たちの捜査権が最初から限られている実験部署が良いという形に落ち着いた。本作までの作品ではテロリスト側ばかりを描いてきたが、初めて体制側を描く本作では体制側ゆえに現状維持で良いため、主人公たちがしょっちゅう飲み会をやっていることにもつながった。エンターテインメントとしての要素が必要という話になった当初、それが巨大ロボではないと考えた谷口は、一般人も対象にするためにどこかで見たことがある記号を意図的に使おうと、パワードスーツとして理解できるウィルウェアが生み出されることになった。そのため、作中時代も企画当時から見た近未来(2035年)に設定されている。本作の制作に際し、プロダクションアイムズの公式サイトで「きちんとしたテレビシリーズを作る」と宣言した谷口は、毎週気楽に楽しめるスタイルにこだわったため、脚本を複数の脚本家に依頼したり、次回予告も初めてノータッチとなったが、それらについても責任は取るという。本作ではドラマの要素は映像の影に隠そうと考えており、声優にもその旨は伝えている[5]

監督の秋田谷典昭は『ガン×ソード』(2005年放送)をはじめとする数々の谷口作品に参加してきたが、一旦は離れるもいつかまた一緒に仕事がしたいと思っていたところ、彼が総監督の企画があるとプロダクションアイムズから聞き、すぐに飛びついた。サブキャラクターの設定を担当すると共に、1クール目は作品を俯瞰して見るために絵コンテを描かず、各話数の演出でさばけない仕事を担当するなど、制作現場の取り回しや小ネタを担当したが、実際に回したそこが想像以上に何も頼れない状況であることに気付き、原作の無いオリジナルゆえの大変さも痛感したという[6]。色彩も含めてメリハリのある画面にしたい秋田谷は、ウィルウェアを装着したキャラクターを映す際に瞳の中の処理を何パターンもテストし、いかに映えさせるか試行錯誤を重ねたほか、プロダクションアイムズは若いスタジオゆえに「エピソードのメインとなるキャラには、スケジュールが少し押しても修正を入れたい」と相談してくる子が多く、「作品を少しでも良くしたい」という制作には「何かあれば責任を取るので、納得するまでやってほしい」とバックアップを行うなど、チームとして成長していることを実感した。メカものを単独で制作できるスタジオは今やほとんど存在しないため、オレンジのノウハウを借りて可能な限り任せた結果、アドリブでアクションやカメラワークをやってもらえたうえ、スケジュールギリギリまで折衝してくれたため、「スタッフ全員で作っている作品なんだな」と改めて思ったという[7]

本作の企画がプロダクションアイムズからシリーズ構成の荒川稔久に届いたのは、彼が『俺、ツインテールになります。』を担当していた2013年のことだった。かつて担当したスーパー戦隊シリーズ第28作『特捜戦隊デカレンジャー』(2004年放送)のような作風を依頼された荒川は、久々の警察ものを楽しみにしながら企画書に目を通したが、この時点ですでに時代や舞台の設定、組織の人員などは企画書にかなり固まっていたため、その意味ではやりやすかったという。素材としての面白味に加え、舞台設定とキャラクターに膨らませる余地を感じ、キャラクターの立場をいじったことで、役職が入れ替わった者もいる(#登場人物を参照)。この結果に荒川は、「アニメならではという感じが出たのではないかな」と分析している[8]。谷口と組むのは本作が初であり、彼の過去作品の印象から「痛快にやっていい」と信じられるようになるまで約2か月はかかった[2]うえ、当初に執筆したのはハードな内容だったが、「もっと痛快に」と要請されて書き直した結果、各話に必ず1つ、さまざまな形で「痛快な見どころ」が用意されることになった[9]。キャラクターを物語の潤滑剤として、「小難しい要素も入れたい」という谷口の要望に応えられたのは、アニメーションキャラクターデザインの西田亜沙子の功績が大きいという[注 1]。小難しい要素をやりすぎないように気を付け、谷口との相談でだんだん積み重ねながら形にした荒川は、谷口の「どこから見ても面白いうえ、最初から見ても物語のつながりで二度楽しめるようにしたい」という1話完結の提案に応えたが、当初は1クールものになる予定であり、「裏設定的なものも含めて広げられるだけ広げて回収できなかったものは、第2期が制作できるならそっちで」というゆるさだった。それゆえ、2クールと決定した後は各話の密度を上げるため、2クール目へ回された要素もあるという[11]

オレンジの3DCGは、谷口の「指導しなくちゃいけないかな」との覚悟を良い意味で裏切り、基礎的な打ち合わせだけで彼の要求をかなり満たした。第1話でウィルウェア装着者2人がそれぞれ警察手帳を出すカットは手違いから谷口が指示を出す前に制作されたが、上がってきたカットにはオレンジなりに2人の性格を踏まえた別々の芝居付けがされていたため、その出来を見た谷口には特撮のスーツアクターに例えて高評されている[3]

プロモーション

マスコミへの制作発表は2015年10月10日に行われ、メインスタッフ、公式サイト、ティザービジュアルがそれぞれ公開された[12]

それ以降、2015年10月23日にはPV第1弾、メインキャスト、キャラクター設定画が[13]、同年11月5日には追加キャスト、オープニングテーマ、エンディングテーマが[14]、同年12月4日にはさらなる追加キャスト、TOKYO MXの放送開始日時、先行上映イベントの告知が[15]、同年12月10日には分割2クール放送であることやバーチャルキャラクター「Liko」の声優が[16]、同年12月20日には各局放送日時、PV第2弾、CD詳細、エンディングテーマのミュージッククリップが[17]、それぞれ公開された。

2015年12月25日にはヒューマントラストシネマ渋谷で先行上映イベントが行われ、メイン声優やメインスタッフが登壇して舞台挨拶を行ったほか、円谷プロダクションの制作による実物大ウィルウェアが登場した[9]。同年12月30日にはコミックマーケット89の企業ブースに本作が出展され、展示物や映像などが公開されたほか、コスプレコンパニオンや実物大ウィルウェアが登場した[18]

2016年1月4日には吉祥寺駅が本作の広告で埋め尽くされ[19]、同年1月6日には渋谷モディのソニービジョン渋谷へLikoが登場した[20]

2016年1月29日には翌日劇場公開の実写映画『さらば あぶない刑事』とのコラボレーションイラストが、公式サイトにて期間限定公開された[21]

2016年2月19日には警視庁生活安全部とのコラボレーション仕様の万引き防止ポスターが発表され、同年2月下旬から東京都内各所に掲示された[22]

2016年3月11日には警視庁生活安全部とのコラボレーション仕様の万引き防止ムービーが発表され、東京都内各所の街頭ビジョンで上映された[23]

2016年7月3日には豊洲PITにてBD/DVD発売記念イベントが、昼夜2部構成で開催予定[24][25]

評価

ティザービジュアルが発表されると、それと同時に発表された総監督の谷口悟朗やアニメーションキャラクターデザインの西田亜沙子などの名と共にインターネット上で期待の声が上がったことを報じたおたぽるには、公式サイトのイントロダクションから「どこか『機動警察パトレイバー』を思わせる」と評されている[26]

鉄道やアニメにも造詣が深いファッションモデルタレント市川紗椰には、「ストーリーが秀逸な谷口悟朗氏の久々の新作オリジナル」と評されている[27]

主人公・黒騎猛を演じる声優島﨑信長には、「ダイハチ視点で進行する『チームのドラマ』」と評されている[28]

あらすじ

シーズン1
2035年の東京。第三次流砂現象によって泥に沈んだ東部の復興が進むそこで、パワードスーツ「ウィルウェア」を用いた凶悪犯罪に対処すべく、警察庁警備局は吉祥寺分室に第五特別公安課第三機動強襲室第八係、通称「ダイハチ」を新設した。ダイハチのメンバーは、さまざまな法的制約としがらみに縛られながら、知恵と勇気と口八丁で対処していく。
こうしてダイハチは数々の事件を解決していくが、それらの裏には日本社会に混乱を起こそうと画策する犯罪集団「ロゴス」の存在があった。やがてダイハチの捜査で判明したロゴスの正体は少年・ミュトスを中心とする少数だったが、インターネットを介して暗躍する彼の手腕は、ダイハチはおろか日本の政治基盤やライフラインすら手玉に取るものであり、一時は事態を危惧した諸外国による軍事介入すら危ぶまれる事態にまで発展する。しかし、ミュトスの悲惨な過去を知ったダイハチによる尽力や、清濁併せ呑む日本政府による超法規的措置もあり、ミュトスが投降して事態は収拾する。

登場人物

特記の無いものは公式サイトでの記述[29][30]による。

声優陣は総監督の谷口悟朗だけが最終決定を下したわけではなく、音響監督の明田川仁などと意見を持ち寄ったうえで決定されたが、ミュトス役の花江夏樹だけは『純潔のマリア』(2015年放送)のジルベール役での声質を高評した谷口から、「どうしてももう一度仕事をしたかった」と依頼されての決定となった[3]

ダイハチ

黒騎猛(くろき たける)
声 - 島﨑信長
ダイハチのウィルウェア装着者。警部補。空手の有段者。左頬には大きな傷跡がある。マイペースな性格に加えてデリカシーに欠けており、細かいことはあまり気にしない。ゴミの分別すらおろそかであるため、瀬名には何かにつけて注意されている。
ウィルウェアは近接戦闘特化タイプ・ストライクインターセプターを着用し、コードネームはオスカー2を使用。
シリーズ構成の荒川稔久によれば、総監督の谷口悟朗による最初のオーダーそのままだという[8]。また、担当声優の島﨑によれば、「明朗快活な性格に大人としての自覚やプロとしての信念を持ち、バランスが取れた黒騎のキャラクター性は、本作を痛快に楽しめる大きな要素の1つ」という[31]
瀬名颯一郎(せな そういちろう)
声 - 櫻井孝宏
ダイハチのウィルウェア装着者。警部補。黒騎とは正反対に、細かいルールにこだわる几帳面な性格をしている。その性格上、ゴミの分別などにもかなりうるさい。
ダイハチへの配属以前は統合自衛隊の隊員であり、メンバー唯一爆弾処理の実績を持つ。
ウィルウェアは遠距離射撃特化タイプ・エルフΣを着用し、コードネームはオスカー1を使用。
当初はダイハチへの配属をおもしろく思っていない知性派に過ぎなかったが、荒川がどうにか人間味を持たせようとした結果、現在の設定となった[8]
花咲里あさみ(かざり あさみ)
声 - 小澤亜李
ダイハチに配属されたてのウィルウェア装着者の女性隊員。年齢は19歳[注 2]。海外で就学していたためもあって口調は英語をはじめとする外国語交じりであり、感情が高ぶるとその頻度もさらに高まる。未成年の時点で警部補まで登り詰めた天才であることから、ダイハチのメンバーを更正する目的で配属されたところ、逆に彼らに振り回されて戸惑ってしまう。黒騎には気に入られているが、瀬名には「黒騎以上の問題児」と評されている。
ウィルウェアは最新型多機能タイプ・ファインファミリアを着用し、コードネームはオスカー6を使用。
当初はあさみに相当する人物は設定されておらず、ダイハチを説明する狂言回し役として後から設定されたうえ、谷口には「メインの話に絡めなくて構いません」とまで言われていたが、「切れ者に見えるけれどもポンコツ」であるあさみの変化もミニテーマとして設定されたため、荒川は「一人前に成長していく姿が共感を与えられる」点を重視している[8]
星宮はるか(ほしみや はるか)
声 - 石上静香
ダイハチのオペレーター兼ウィルウェア装着者の女性隊員。巡査部長。ダイハチの女性陣では大きい方のバストサイズの持ち主であるため、あさみに注目されることもある。科学や医学などに幅広く詳しいうえに口数が多いほか、鉄道や自販機などには周囲からおそれられるほど詳しく、非番時は鉄道をよく見に行っている。
ウィルウェアは索敵能力タイプ・メーティストラクチャーibukiを着用し、コードネームはオスカー3を使用。
前述の博識さは荒川に足された要素であり、当初は一番しっかりしているだけのオペレーターだったが、非番時の行動を描きたいという要望や捜査時に違う視点から糸口をつかめるようにしたいという要望から、現在の設定となった[8]
舩坂康晴(ふなさか やすはる)
声 - 大川透小松未可子(少年時代)
ダイハチの係長兼ウィルウェア装着者。警部。メンバー内では最年長で、室長をはじめとするメンバー全員の過激な言動のフォロー役となっている。また、各方面に強力なコネを持つネゴシエイターであるうえ、かなりの巨大ロボット好きでもある。
物語開始の4年前は前線に立つ刑事であり、非合法のカジノを取り締まろうと伝説の女性ギャンブラー「ブラッディマリー」を追っていたが、彼女の正体が未成年の少女であることを知り、あえて取り逃がす。しかし、その責任を取らされて左遷された結果、ダイハチへ配属された。
ウィルウェアはパワータイプ・甲徹陣七竈を着用し、コードネームはオスカー4を使用。
当初の設定ではダイハチの室長で警視正だったが、荒川が「船坂がトップにいると『パトレイバー』っぽくなってしまう」と考え、谷口へ依頼して凛と立場を入れ替えさせた[8]
山吹凛(やまぶき りん)
声 - 倉田雅世
ダイハチの室長兼ウィルウェア装着者。警視正。小柄な身体に頭が切れて弁も立ち、正義や人情よりも職務を重じる冷徹さを持っているが、私生活ではかなりズボラで妹の陽と同居中。任務終了後は各部署に頭を下げている。
ウィルウェアはスピードタイプ・プリマヴェーラパンテーラを着用し、コードネームはオスカー5を使用。
現実世界での警視正は最速でも採用後15年の経過が必須である(詳細は警視正#任官を参照)が、本作ではダイハチの設立時に特例として凛が室長に任命され、警視正へ昇進している。
当初の設定ではダイハチの係長で警部だったが、前述の理由から舩坂と立場を入れ替えられたうえ、体形も荒川の好みで小柄に設定された[8]
天野円(あまの まどか)
声 - 大西沙織
ダイハチのオペレーター。巡査。地味で無口な女性隊員。必要最低限のことしか口にせず、あさみの自己紹介時はモニター画面の表示を介して名乗っていた。辛いものが好きで、特にレバニラを好む。
かつてはブラッディマリーとして暗躍していた過去を持ち、舩坂に取り逃がされてから紆余曲折を経て現在に至る。第5話では東京へのミサイル発射を盾にした犯罪者とのポーカー勝負で窮地に追い込まれたダイハチを救おうと、失職を覚悟のうえで再びブラッディマリーになるが、事件解決以降もメンバーには円として受け入れられ、失職せずに済む。
荒川には口数の多いはるかとの対比として無口と設定されたが、それはメインとなる回で一気にしゃべるという想定にもとづく。なお、ブラッディマリーとしての設定は第5話の脚本を担当した井上敏樹によるものである[8]
協会さん
声 - 鳥海浩輔
ダイハチのメカニック。ウィルウェアの整備と調整を担当。運用の平等を図るべく、業務提携をする日本外骨格協議会から派遣されてきた民間の技術者。「協会さん」はダイハチのメンバーによる通称に過ぎず、本名は「さど なみへい」(表記不明)と申告してある。しかし黒騎は偽名と思っており、本人も黒騎の追求に対し曖昧な態度を取っている(なぜさどなみへいでは本名に思えないのかは不明)。軽口で話すお調子者であり、ウィルウェアの調整を目的に偽の出動命令をあさみに出した結果、専用車両で下着姿となった彼女にセクハラとたしなめられたこともある。
谷口の「小難しい要素」を生真面目な人が演じるとどうしても重苦しくなるため、「チャラチャラした感じの人が語った方が良かろう」という要望にアニメーションキャラクターデザインの西田亜沙子が応えてデザインされた[11]

光貴教育学園

八条司稀(はちじょう ともき)
声 - 村田太志
品川に存在する光貴教育学園(こうききょういくがくえん)の生徒会長。正体はロゴスのメンバー「バード」。詳細は#ロゴスを参照。
山吹陽(やまぶき ひなた)
声 - 相坂優歌
凛の妹で学園生徒。凛とは年齢がそれなりに離れているが、容姿は瞳の色や彼女よりやや大きなバストサイズ(第1話の次回予告では陽を映して「凛の胸が成長している」と語られるなど、明確にバストサイズの違いが明かされている)以外は同一であり、ダイハチのメンバーにも見間違われるほどである。凛にはダイハチのボスであることを知らされておらず、八条の逮捕の際に知った。そのため、八条がロゴスの1人だったという事実も重なり、身近な者に嘘を吐かれていたことに落胆してしまう。
その後、登校拒否を経て自身のノートパソコンに八条による細工が施されていた事実が発覚したうえ、それには以前彼が自身に気があるかのような台詞を言った時の会話から録音した自身の声を、パスワード解除のコードとして利用されていたことも発覚し、八条が凛との関係を承知済みで近づいてきた真実を悟った結果、さらに深く傷ついてしまう。

ロゴス

ミュトス(Mythos)
声 - 花江夏樹
ウィルウェアを悪用した事件の裏側で暗躍する謎の少年。本名は「巴弥(ともひさ。名字は不明[注 3])」。
あらゆるウィルウェアをハッキングできる超天才ハッカーにして、凄腕のゲーマーでもある。人々や社会に混乱を起こすことを楽しむ。一方、心の根底では「仲間」が欲しいという欲求があり、バードに対しては必要以上に信頼を抱いていた。それゆえ、さまざまな少女と金銭で契約して疑似家族となっているほか、生き別れになった妹・恵実利(えみり)の姿を模したホログラフを連れ歩いている。
5歳の頃は多数の人々を巻き込む集団自殺事件「惨劇の果実」を起こしたカルト集団の教祖として祭り上げられており、騒ぎになるために小学校にすら行けなかった。恵実利は誹謗から逃れるために海外に移住したが、信者たちの一部が海外逃亡中であることから、巴弥には危険であると渡航許可が下りなかったため、生き別れとなってしまう。それゆえ、日本の社会というシステムから弾き出されたことに憤って行動する。ただし、あくまでも日本のシステムの支配が目的であるため、無闇に人を傷つけることは望んでおらず、短絡的で悪戯に人を傷つけようとするドックには苛立ちを覚えていた。
最終的には、オロチの半分近くを掌握して首都圏の交通・通信網の大半を遮断したうえで海外逃亡を企てるが、バード(八条)に裏切られてダイハチに突き止められる。孤立状態になってなお、EUで開発された軍用ウィルウェアで抵抗し、黒崎たちの説得にも応じなかったが、八条からメールで見限られて愕然となったうえ、Likoが集めた情報を元にした舩坂の説得を受け、恵実利が生きているかも知れないという希望に泣き崩れ、投降する。
なお、第12話での回想によれば、父・零一(れいいち)と母・香菜恵(かなえ)は、惨劇の果実を引き起こした中心人物として死刑にされた模様。
バード / 八条司稀(はちじょう ともき)
声 - 村田太志加隈亜衣(バード時)
物語序盤からミュトスと共にロゴスで暗躍する存在にして、第4話の実行犯。女性の声でカラスのアイコンを用いるその正体は、光貴教育学園の生徒会長・八条司稀である。
表向きは誠実な紳士を装い、陽には半ば思慕を寄せられるほど深く信頼されており、学園襲撃事件の際には逃げ遅れた生徒の確認に単身行動するという正義感に溢れる姿を見せるが、それらは演技に過ぎない。陽への誠実さも凛のことを知ったうえで利用するためであり、陽のノートパソコンをLikoの幽霊騒ぎのために悪用しただけでなく、サンプリングした彼女の声をパソコンに潜ませていた隠しファイルを閲覧するために使っていた。ミュトスからも信頼されているが、心の底で仲間を求めている彼のことを、本心では見下していた。
自身の正体を突き止めた警察に抵抗せず逮捕されるが、その後も終始余裕を見せた態度を取り続け、最終的にはミュトスの逃走手段を警察に売り渡して超法規的措置で釈放されると、追い込まれた彼に見限るメッセージを送り、海外へ逃亡する。
ドック / 堂本カケル(どうもと カケル)
声 - 山下大輝
第3話・第9話の実行犯。冷酷無比かつ自己中心的な性格で、残忍なやり方にも躊躇を見せない。また、お調子者で自己顕示欲も非常に強い。使用するウィルウェアは、釣具メーカーのレジャー用機体を改造したものであるため、ダイハチに「フィッシャーマン」とのコードネームで呼称される。
ミュトスら他のメンバーとは違って金銭や女性に執着しており、たびたび命令を無視して行動する。ロゴスの方針についても自分に都合の良い解釈をしており、最終的には自分の目的のためにロゴスを使い捨てようと考えている。自身のことはミュトスやバードと同格に思っており、彼らのことを見下してまでいるが、彼らには身勝手さを散々に酷評されているうえ、やり方が非常に短絡的かつ荒っぽいことから、ダイハチや警察の上層部からもロゴスとのつながりは無いと見なされていた。
第3話の神明天夢の件では殺人沙汰になりかねない暴走を、第4話の飛行機爆破の件では身代金の要求をそれぞれ企てたが、いずれもミュトスらによって妨害されている。第9話ではミュトスらに無断で自分からウィルウェアを装着し、銀行点や宝石店の襲撃やホログラフによる混乱で世間からの注目を集めようとした結果、彼らが雇ったマフィアに粛清されそうになったところ、強奪した冷凍弾で返り討ちにする。その後、ミュトスらへの復讐に研究所を襲撃するが、プリマヴェーラパンテーラを装着した凛に追い詰められて逆上し、最終的には敗北した際に最後の冷凍弾を暴発させて超低温に巻き込まれ、意識不明となる。

その他

Liko(リコ)
声 - 黒沢ともよ
プラットフォームを問わず、一定のスペックさえ満たせば多種多様のデジタルデバイスに導入可能な汎用支援ソフト。劇中ではパソコンや携帯電話やテレビなどさまざまな電子機器にインストールされている。バックドアとしてミュトスにより制作され、ばら撒かれた。
少女の姿をしたバーチャルキャラクターでもあり、次回予告も担当している[注 4]
ベヌウ
声 - 古川慎
LikoのインストールされているPCにて、Likoに代わって強制的に起動し、支配するソフト。アイコンはリンゴの姿をしており、ノイズ調の読み取れない音声を発する。
小湊恵里子(こみなと えりこ)
声 - 大原さやか
テレビ局に勤める女性ニュースキャスター。悪名高いダイハチを取材するたびに危険な目に遭うこともあって彼らのことをひどく嫌っており、何かにつけて非難している。
稲城光太郎(いなぎ こうたろう)
声 - 緑川光
国会議員の秘書で、仕える議員は和平党所属で都知事選出馬予定の長沼(ながぬま。声 - 松本忍)。警察庁内で凛が気軽に話せる話し相手で、ダイハチの唯一の理解者。長沼が不可解な事件に巻き込まれた直後急死したため、自身が都知事になる決意をする。
谷口の「政治の世界で味方になってくれる人がいないと、主人公たちが身動き取れなくなる」という懸念から設定された[3]
神明天夢(しんめい あむ)
声 - 小澤亜李
今をときめく男の娘アイドル。第3話で初登場。コンサート会場で、ウィルウェアに乗ったファンの男性に襲われそうになる。
凡河内みほ(おおしこうち みほ)
声 - 渡辺明乃
瀬名の同期生で、統合自衛隊時代の同僚にして元彼女。第8話では統自の試作型ウィルウェア「閃舞改」の装着者として、数々の事件現場へ介入して解決する姿を、一般人に「アルティメイド」と呼称される。しかし、やがて任務中に閃舞改のIFFが暴走して瀬名を攻撃した後、統合自衛隊隊員たちによって取り押さえられたうえ、アルティメイドの正体がマスコミに流れたため、質問攻めとなる。
A子(エーこ)
声 - 木村珠莉
第1話に登場したスリの女性。通称「スリ子」。あさみの警察手帳を盗んだため、黒騎によって逮捕された。その後は釈放されており、第2話以降にも毎回必ずどこかに登場している。

登場メカニック

特記の無いものは公式サイトでの記述[29][30]による。

ウィルウェア

ストライクインターセプター
コードネームはオスカー2。黒騎猛が装着する近接戦闘特化型のウィルウェア。背部にフライトユニットを装着することで、飛行も可能。腕部にはウィルウェア本体の予備電力を衝撃波として直撃時に放出する、破砕衝角震電砲という武装を持つ。
一部機能は戦闘中の行動入力の簡略化や誤動作の防止を目的に、大声による音声入力で発動するように設定されている。
エルフΣ(エルフシグマ)
コードネームはオスカー1。瀬名颯一郎が装着する遠距離射撃特化型のウィルウェア。別視点からの撮影用にウィルウェア本体から分離してプロペラで浮遊する、小型のドローン4機も持つ。二一式荷電粒子砲(ふたひとしきかでんりゅうしほう)という武装を持つ。
ファインファミリア
コードネームはオスカー6。花咲里あさみが装着する最新型多機能型のウィルウェア。強烈な蹴りを浴びせる、一蹴吶喊ι(いっしゅうとっかんイオタ)という武装を持つ。
初心者用のサポートシステムが搭載されているため、初期設定が不十分な状態で稼働させるとシステムによる多数の案内に忙殺されることとなる。
メーティストラクチャーibuki(メーティストラクチャーイブキ)
コードネームはオスカー3。星宮はるかが装着するマルチタスク情報処理特化型のウィルウェア。はるかのバストサイズに配慮し、胸部は大きめに作られている。
甲徹陣七竃(こうてつじんななかまど)
コードネームはオスカー4。舩坂康晴が装着する防御特化型のウィルウェア。腕に装備された盾状のパーツからシールドを展開し、攻撃を防ぐ。
プリマヴェーラパンテーラ
コードネームはオスカー5。山吹凛が装着するスピード特化型のウィルウェア。肉眼で追尾できないほどの高速移動が可能。
閃舞改(せんぶかい)
一般人による通称は「アルティメイド」。凡河内みほが装着する統合自衛隊の試作型ウィルウェア。一般用以上に軽量化と俊敏性を向上されて統自用に改良された機体「閃舞」が、さらなる出力の向上を経て強行偵察用に改良された機体であり、稼働時間も向上されている。背部には、ブースター兼偵察用のドローンを装備している。

第八専用車両

ダイハチのメンバーが出動する際に搭乗する、専用の鉄道車両。2両編成の1両目が第八総合室、2両目がウィルウェアの装着用システムと射出用カタパルトを備える。現場に向かう際には専用基地から出発して他の鉄道路線に入り、営業用車両の後部に連結して現場に移動する。

車道走行用のタイヤを備えているうえ、追加装備を装着することで飛行も可能となる。

その他(メカニック)

猛銃號(モーガンごう)、怒龍號(ドリューごう)
どちらも第6話に登場する巨大人型重機。かつては復興のために用いられていたが、あまりにも燃費が悪いことに加えてウィルウェアが普及したことにより、お払い箱となっていた。犯罪者に強奪されて悪用される猛銃號を止めるため、設計者・霞ヶ関博士たちに修復された怒龍號を舩坂が操縦し、立ち向かうこととなる。
メインスタッフにかつてサンライズの「勇者シリーズ」でも知られた山根まさひろが参加しているため、第6話は「せっかくなら巨大ロボットの回をやりたい」という要望に監督の秋田谷典昭が応えてスタッフが招集された「お祭り回」となった。総監督の谷口悟朗も本作の方向性とは異なる昔のサンライズのイメージ色彩に変更したり、山根が猛銃號と怒龍號の陰影の半分を黒で塗りつぶすなど、制作現場は勇者シリーズ当時のノリだったという[7][注 5]

用語

特記の無いものは公式サイトでの記述[29][30]による。

第三次流砂現象(だいさんじりゅうさげんしょう)
21世紀初頭、東京東部の地下水位の急激な上昇によって発生した、大規模な液状化現象河川敷埋め立て地から始まり、隅田川江戸川の間の地域が水没したことから、流砂で一般的な家屋はおろか巨大な建造物さえ倒壊する大被害となった。
泥濘化地帯(でいねいかちたい)
第三次流砂現象によって居住が困難となった地帯。そのうち東京東部は、「関東ボトムレスベルト」とも呼称される。物語開始時点では復興中の箇所も存在するが、大被害ゆえにまるで追いついておらず、堰堤付近を走る山手線の車内からは泥濘と残骸が広がっている。住民の多くは東京西部などに移住したが、一部の者は戻って水上生活を行っている。
ダイハチ(第五特別公安課第三機動強襲室第八係)
かつては「特別公安第五課第三機動強襲第八係」と称されていたが、ウィルウェアによる犯罪の広域統括部署として格上げされた際に「特別機動強襲室」が新設され、通称の部隊番号も引き継がれている。建造物の破壊や常識にとらわれない方針はたびたび問題視されており、周囲には公務のやり方がかなり問題視される悪名高い部署として認知されている一方、一部の一般市民には正義のヒーローとも見なされている。
実験部署ゆえに関係者の情報は一般人には秘匿されており、関係者の近親者にも基本的には明かされていない。ウィルウェア装着者が誰であるかも明かしておらず、出動中に強制解除を迎える場合には一般人の視線を遮断する必要があるため、第1話では第八専用車両から出動できる状態にあったあさみが遮断用テントを担ぎ、事件現場へ駆けつけることとなった。
ウィルウェア
作中に登場するパワードスーツの総称。日本では泥濘化地帯での復興作業などに用いられるうえ、民生用のために入手や改造が容易であるが、能力や汎用性の高さから犯罪にも用いられている。
世界的に増加する凶悪犯罪への対処に設立された「アクティヴプロジェクト」(「アクティヴ」は "Armored Combined Tactical Intelligence Vanguard Element" 〈装甲複合戦術諜報前衛部隊〉の略)の傘下にあるダイハチも、ウィルウェアを用いる。武装が強力無比なものであるため、ダイハチのウィルウェアの扱いは厳重であり、法的制約や政治的なしがらみが常につきまとい、毎回の出動や武装の使用にも法的な手続きで決裁を完了させなければならない。そのため、事件現場の担当者だけでなく、ダイハチ全体のチームワークが重要になる。
ダイハチのメンバーの場合は専用車両へ入室して下着姿となった後に全身スキャンなどを経て、最低限の生命維持装置を内蔵するインナースーツをはじめとする、ウィルウェアの各パーツを装着していく過程が描かれる。ウィルウェアはカートリッジ式の外部バッテリーで稼働するために充電が必要であり、未装着の状態では内部バッテリーによる短時間の稼働しか行えない。内部バッテリーすら切れると、装着者の生命保護を優先してウィルウェアはインナースーツごと強制解除される。そのため、第1話では事件現場へ駆けつけたあさみが強制解除を迎えた黒騎の下着姿を目の当たりにさせられ、悲鳴を上げることとなった。
なお、自動車の運転手と同じく、血中アルコール濃度が検出された者にはウィルウェアの装着が認められない。
昇華機構(しょうかきこう)
ダイハチのウィルウェアに搭載されている機能の1つ。いわゆる「必殺技」にも相当する強大な機能であり、ダイハチの承認が完了したうえで使用可能となるが、バッテリーの消費量も膨大であるため、自ずと使い所は限られる。
統合自衛隊(とうごうじえいたい)
略称は「統自」。日本国内でのウィルウェアの発達に伴い、陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊の装備を合わせて設置された、少数精鋭の統合任務部隊。試作型ウィルウェア「閃舞改」が導入されているほか、状況によっては重大な任務を迅速に進めるため、人命を軽視した行動に出る場合もある。
オロチ
泥濘化現象に見舞われた東京を再構築する際、日本国内の公的機関を統括管理してあらゆる情報を電子化して集積したシステム「国家公共統合情報基盤」の通称。

スタッフ

  • 原作 - 創通フィールズフライングドッグ
  • 総監督 - 谷口悟朗
  • 監督 - 秋田谷典昭
  • 副監督 - 福島利規
  • シリーズ構成 - 荒川稔久
  • SF考証 - 鈴木貴昭
  • キャラクター原案 - 佐伯俊
  • アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督 - 西田亜沙子
  • サブキャラクターデザイン・アクション監督 - 山根まさひろ
  • メカデザイン - 森木靖泰、谷裕司、鈴木勘太
  • コンセプトデザイン - 寺岡賢司
  • デザインワークス - 森前和也
  • 総作画監督 - 渡辺浩二甲田正行、小林真平
  • メインアニメーター - 神戸洋行
  • アクションアニメーター - 石本英治
  • 美術監督 - 池田繁美、丸山由紀子
  • 美術設定 - 池田繁美、大久保修一、友野加世子
  • 色彩設計 - 横山さよ子
  • 撮影監督 - 江間常高
  • 3DCG - オレンジ
  • CGディレクター - 都田崇之
  • 編集 - 武村英紀
  • 音響監督 - 明田川仁
  • 音楽 - 中川幸太郎
  • 音楽制作 - フライングドッグ
  • 音楽プロデューサー - 石川吉元、福士洋介
  • エグゼクティブプロデューサー - 難波秀行、清水憲忠、小松茂明
  • プロデューサー - 梅田和沙、沢田朋久、尾留川宏之
  • アニメーションプロデューサー - 黄樹弐悠
  • アニメーション制作 - プロダクションアイムズ
  • 製作 - ACTIVERAID PARTNERS(創通、フィールズ、フライングドッグ)

音楽

劇伴

ほとんどの谷口作品で音楽を担当してきた中川幸太郎は本作でも音楽を担当しており、自身をして「最高傑作」と言わしめた。話の流れになっている注文に応じる一方、「今までと違うものを作りたいのかな」と感じた中川は、「とにかくツカミがある曲を作ろう」とイントロが長めの曲を多く作ったが、警察ものということはあまり意識せず、チームプレーみたいなものを最初のイメージに置いたという[32]。最初のキービジュアルに『踊る大捜査線』のような熱いやり取りを感じ、メインテーマのつもりでPV用の音楽を作ったが、感想は振るわなかったうえに「メインテーマとしてはもっと明るくてスポーツ的で、メジャーな感じにするように」と改めて依頼され、なかなかできずに後回しにして他の曲を作っていく中、今のメインテーマに辿り着いた。先にPV用を作って感想を聞けたのはありがたかったそうで、「もしあのまま一気に作っていたら、全体的に重苦しい感じになっていた」という。オーケストラだけでなくデジタル音も使って作った軽やかな楽曲を「戦隊シリーズみたい」と意見されたこともあったが、同シリーズでは連綿と続くフォーマットの流れに乗って作るため、「好き勝手に作った本作の楽曲は本作用だ」と思っている。レコーディングミュージシャンは、トランペットにエリック・ミヤシロ、サックスに本田雅人、トロンボーンに中川英二郎を揃えたが、40曲ぐらい作る中で「自分1人でやっていると偏っているんじゃないか」と心配になり、彼ら以外にも色んなミュージシャンに参加してもらったほか、編成的にも普通なら頼めないようなホールで録音するなど、なかなか試せないことができたので、「前からやりたかったことをほとんどやってしまった」という[33]

主題歌

オープニングテーマ「Golden Life」
作詞 - 藤林聖子 / 作曲・編曲 - 鴇沢直 / 歌 - AKINO with bless4
オープニングアニメーションは冒頭のナレーションを各話の中心人物が担当するほか、登場するダイハチのウィルウェアは途中から本編の進行に伴って解禁されていく。
エンディングテーマ「透明な夜空
作詞 - 山本メーコ / 作曲・編曲 - 鴇沢直 / 歌 - 相坂優歌
相坂にとっては本曲がデビュー曲となる[14]
初期のエンディングアニメーションは何体ものLikoが並んで走っていくだけのものであったが、途中から本編の進行に伴って登場するウィルウェアが解禁されたり、Likoがベヌウへ置き換えられるなど、変化していく。
劇中歌「ミナクル☆ラッキー」(第3話)
作詞 - 山本メーコ / 作曲・編曲 - 405+D / 歌 - 神明天夢/花咲里あさみ(CV:小澤亜李

各話リスト

話数サブタイトル脚本絵コンテ演出作画監督DN作画
File 1コード No.538 荒川稔久谷口悟朗守田芸成丸山修二、清水勝祐斎藤久
File 2学園崩壊 藤本次朗中原清隆、柴田篤史
馬場一樹、五月麻帆
神戸洋行
File 3アリーナからの挑戦 須永司工藤寛顕小松真梨子、飯飼一幸
池田弘明
---
File 4旋回空域 平野俊貴政木伸一斉藤大輔、徳倉栄一
小島絵美、秋月彩
森川侑紀
斎藤久
File 5消失のポーカーフェイス 井上敏樹須永司守田芸成谷口繁則---
File 6夢は、彼方の黄昏 荒木憲一平野俊貴本間修小澤苑、馬場竜一
山根まさひろ[注 6]
斎藤久
File 7ロングレールライフ 石橋大助福島利規阿部雅史清水勝祐、中島美子
竹内アキラ
石本英治、神戸洋行(メカ)
神戸洋行
File 8アルティメイドロンド 井上敏樹吉田秀俊藤本次郎中原清隆、鈴木奈都子
五月麻帆
File 9ロゴスの名のもとに 荒木憲一大石康之垣野内成美、滝川和男
File 10姿なき征服者 荒川稔久須永司鳥羽聡斎藤大輔、徳倉栄一
小島絵美、飯飼一幸
松尾真彦
---
File 11ジャパン スタイル 荒木憲一平野俊貴阿部雅司藤田正幸、垣野内成美
池田広明、石本英治
神戸洋行
斎藤久
File 12誰がための秩序 荒川稔久谷口悟朗秋田谷典昭小林真平、清水勝祐
甲田正行、渡辺浩二
斎藤久

放送局

注記のない限り独立局 / 放送期間および放送時間[34]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [35] 備考
2016年1月7日 - 3月24日 木曜 22:00 - 22:30 TOKYO MX 東京都
2016年1月8日 - 3月25日 金曜 0:30 - 1:00(木曜深夜) サンテレビ 兵庫県
金曜 1:00 - 1:30(木曜深夜) KBS京都 京都府
金曜 2:35 - 3:05(木曜深夜) テレビ愛知 愛知県 テレビ東京系
2016年1月11日 - 3月28日 月曜 0:30 - 1:00(日曜深夜) BS日テレ 日本全域 日本テレビ系
BS放送
日本国内 インターネット / 配信期間および配信時間
放送期間 放送時間 配信元 備考
2016年1月18日 - 2月1日(第3話まで)
2月7日 - 4月3日(第4話以降)
月曜 23:00 - 23:30 (第3話まで)
日曜 0:30 - 1:00(土曜深夜)(第4話以降)
ニコニコ生放送
月曜 23:30 更新 (第3話まで)
日曜 1:00 更新(土曜深夜)(第4話以降)
ニコニコチャンネル 第1話無料、第2話以降1週間無料

BD / DVD

発売日 収録話 規格品番
BD DVD
第1期
1 2016年3月23日 第1話 - 第4話 VTZF-71 VTBF-174/5
2 2016年5月18日予定 第5話 - 第8話 VTZF-72 VTBF-176/7
3 2016年6月22日予定 第9話 - 第12話 VTZF-73 VTBF-178/9
第2期
1 2016年9月21日予定 第1話 - 第4話 VTZF-74 VTBF-180/1
2 2016年11月23日予定 第5話 - 第8話 VTZF-75 VTBF-182/3
3 2016年12月21日予定 第9話 - 第12話 VTZF-76 VTBF-184/5

Webラジオ

アクティヴレイドRADIO』のタイトルで2016年3月7日より音泉にて配信される[36]。毎週月曜に更新。パーソナリティは、小澤亜李(花咲里あさみ 役)、石上静香(星宮はるか 役)、相坂優歌(山吹陽 役)による女性キャスト版と、島﨑信長(黒騎猛 役)、花江夏樹(ミュトス 役)による男性キャスト版とに分かれ、女性キャスト版から交互に2回の全4回を予定している。

漫画

少年ジャンプ+』(集英社)にて、2016年1月7日より連載中。隔週木曜日に最新話が公開。作画は植田耕平。

脚注

注釈

  1. ^ 西田は、本作でキャラクターデザイン原案を担当した漫画家の佐伯俊が原作の作画を担当しているテレビアニメ『食戟のソーマ』(2015年放送)を見ながら、作業していたという[10]
  2. ^ 誕生日を迎えた第12話以降は20歳。
  3. ^ 本名が映る際には「…々枝」と表示されるだけで、前の文字(1文字とは限らない)は隠れている。
  4. ^ 次回予告に登場するディフォルメ姿のLikoのデザインは、木村貴宏が担当している。
  5. ^ 山根と同じく勇者シリーズでも知られた大張正己なども参加しており、戦闘に入るまでは3DCGだった猛銃號と怒龍號の戦闘を、当時のまま手描きしている。
  6. ^ 舩坂主観作画監督

出典

  1. ^ 『コードギアス』谷口悟朗さんが総監督の新作TVアニメ『アクティヴレイド』が2016年1月放送開始”. アスキー・メディアワークス (2015年10月10日). 2015年10月24日閲覧。
  2. ^ a b 『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』第1話先行上映会にウィルウェア登場!さらにディレクターズカット版Blu-ray VOL.1がBOX付き初回仕様で2016年3月23日発売決定!”. リスアニ!WEB (2016年12月26日). 2016年4月5日閲覧。
  3. ^ a b c d 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」特集 スタッフ連続インタビュー 第4回 谷口悟朗総監督 P3 - アキバ総研
  4. ^ activeraidのツイート(714378233081237504)
  5. ^ 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」特集 スタッフ連続インタビュー 第4回 谷口悟朗総監督 - アキバ総研
  6. ^ 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」特集 スタッフ連続インタビュー 第2回 秋田谷典昭監督 - アキバ総研
  7. ^ a b 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」特集 スタッフ連続インタビュー 第2回 秋田谷典昭監督 P2 - アキバ総研
  8. ^ a b c d e f g h 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」特集 スタッフ連続インタビュー 第1回 シリーズ構成・荒川稔久氏 - アキバ総研
  9. ^ a b 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」イベントで実物大ウィルウェア登場に島﨑信長も大興奮”. アニメハック (2015年12月26日). 2016年1月8日閲覧。
  10. ^ asakonishidaのツイート(672405483299274752)
  11. ^ a b 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」特集 スタッフ連続インタビュー 第1回 シリーズ構成・荒川稔久氏 P2 - アキバ総研
  12. ^ 谷口悟朗総監督の新作は爽快ポリスバトルアクション!? 完全新作オリジナルTVアニメ『アクティヴレイド』放送決定”. アニメイトTV (2015年10月10日). 2016年1月8日閲覧。
  13. ^ 谷口悟朗総監督の最新作『アクティヴレイド』島﨑信長さん・櫻井孝宏さんらメインキャスト4名が判明! 第一弾PVも解禁”. アニメイトTV (2015年10月23日). 2016年1月8日閲覧。
  14. ^ a b 谷口悟朗総監督の最新作『アクティヴレイド』声優・相坂優歌さんが今作でソロデビュー!? 花江夏樹さんら追加キャストも解禁”. アニメイトTV (2015年11月5日). 2016年1月8日閲覧。
  15. ^ 『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』ついに放送日時が判明! 大川透さん・鳥海浩輔さんら追加キャスト6名も発表”. アニメイトTV (2015年12月4日). 2016年1月8日閲覧。
  16. ^ 『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』実は分割2クール!? バーチャルキャラ「Liko」のキャストも明らかに”. アニメイトTV (2015年12月10日). 2016年1月8日閲覧。
  17. ^ 『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』最新情報が到着! 各局放送日時、CD詳細など情報発表”. アニメイトTV (2015年12月20日). 2016年1月8日閲覧。
  18. ^ Liko(CV:黒沢ともよ)と会話ができる!? TVアニメ『アクティヴレイド』企業ブースレポート【コミケ89】”. アニメイトTV (2015年12月30日). 2016年1月8日閲覧。
  19. ^ 放送開始直前の『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』が吉祥寺駅をジャック!? 巨大フロアステッカーなどが掲出に”. アニメイトTV (2016年1月4日). 2016年1月8日閲覧。
  20. ^ ソニーさん何やってんすか アニメ美少女、渋谷ビジョンに召喚”. ASCII.jp (2016年1月7日). 2016年1月8日閲覧。
  21. ^ 「アクティヴレイド」が「あぶ刑事」とコラボ!タカ&ユージが公式サイトもジャック”. アニメハック (2016年1月29日). 2016年1月30日閲覧。
  22. ^ 警察アニメ「アクティヴレイド」、警視庁生活安全部とコラボ! コラボ仕様の万引き防止ポスターを都内各所に掲示”. アキバ総研 (2016年2月19日). 2016年4月2日閲覧。
  23. ^ 警察アニメ「アクティヴレイド」、警視庁生活安全部とのコラボ第2弾がスタート! 万引き防止動画を街頭ビジョンで上映”. アキバ総研 (2016年3月11日). 2016年4月2日閲覧。
  24. ^ 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」Blu-ray&DVD発売記念イベント【昼の部】”. アニメハック (2016年3月30日). 2016年4月2日閲覧。
  25. ^ 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」Blu-ray&DVD発売記念イベント【夜の部】”. アニメハック (2016年3月30日). 2016年4月2日閲覧。
  26. ^ 「谷口ロボアニメとか絶対面白い」 TVアニメ『アクティヴレイド』は「約束された勝利」? 豪華スタッフに期待大!!”. おたぽる (2015年10月15日). 2016年4月5日閲覧。
  27. ^ 「モデルがオタクなんじゃなくて、オタクがモデルやってる」 市川紗椰の期待するアニメ&マンガにオタク男性も納得!?”. おたぽる (2016年1月6日). 2016年4月5日閲覧。
  28. ^ 主演・島﨑信長が語る痛快エンターテイメント「アクティヴレイド」のリアリティ (2)”. アニメハック (2016年1月14日). 2016年4月5日閲覧。
  29. ^ a b c CHARACTER”. TVアニメ「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」公式サイト. 2016年4月5日閲覧。
  30. ^ a b c STORY”. TVアニメ「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」公式サイト. 2016年4月5日閲覧。
  31. ^ 主演・島﨑信長が語る痛快エンターテイメント「アクティヴレイド」のリアリティ”. アニメハック (2016年1月14日). 2016年4月5日閲覧。
  32. ^ 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」特集 スタッフ連続インタビュー 第3回 音楽・中川幸太郎氏 - アキバ総研
  33. ^ 「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」特集 スタッフ連続インタビュー 第3回 音楽・中川幸太郎氏 P2 - アキバ総研
  34. ^ ON AIR”. TVアニメ「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」公式サイト. 2015年12月23日閲覧。
  35. ^ テレビ放送対象地域の出典:
  36. ^ ネットラジオ特番配信決定!”. TVアニメ「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」公式サイト (2016年2月5日). 2016年2月8日閲覧。

外部リンク

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