あいの風とやま鉄道線

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あいの風とやま鉄道線
普通列車の主力車両、あいの風とやま鉄道521系
普通列車の主力車両、あいの風とやま鉄道521系
概要
起終点 起点:倶利伽羅駅
終点:市振駅
駅数 21駅(貨物駅含む)
運営
開業 1898年11月1日 (1898-11-01)
経営移管 2015年3月14日
所有者 鉄道作業局→帝国鉄道庁鉄道院→鉄道省運輸通信省運輸省
日本国有鉄道(国鉄)→
西日本旅客鉄道(JR西日本)→
あいの風とやま鉄道
運営者 あいの風とやま鉄道
(第1種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(JR貨物)
(第2種鉄道事業者)
使用車両 使用車両を参照
路線諸元
路線総延長 100.1 km (62.2 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 交流20,000V・60Hz
運行速度 最高130km/h
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あいの風とやま鉄道線(あいのかぜとやまてつどうせん)は、石川県河北郡津幡町倶利伽羅駅新潟県糸魚川市市振駅を結ぶあいの風とやま鉄道鉄道路線である。元は北陸本線の一部で、2015年3月14日北陸新幹線長野駅 - 金沢駅間開業の際に西日本旅客鉄道(JR西日本)から経営分離された区間の一部である。

路線データ

  • 管轄・路線距離(営業キロ):
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:21駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線(交流20,000V・60Hz)
  • 閉塞方式:複線自動閉塞式
  • 保安装置:ATS-SW
  • 最高速度
    • 倶利伽羅駅 - 小杉駅間、呉羽駅 - 東富山駅間、泊駅 - 市振駅間:130km/h
    • 小杉駅 - 呉羽駅間、東富山駅 - 泊駅間:120km/h
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 運転指令所:金沢総合指令所(JR西日本)

運行形態

旅客輸送

富山駅を中心に北陸新幹線や沿線各駅で接続する路線との連絡を考慮し、かつ通勤・通学需要に合わせたダイヤが編成されている。毎日運行される1時間あたり1 - 2本程度の普通列車(各駅停車)と、金沢駅 - 富山駅間で座席指定制(ライナー料金が別途必要)[注 1]の快速列車として「あいの風ライナー」が平日に運行されている。「あいの風ライナー」は、2015年3月14日のあいの風とやま鉄道線開業時に上下各3本[注 2][1]が設定されたが、2016年3月26日のダイヤ改正で上りの6号が普通列車に格下げされ[2]、下り3本・上り2本[注 3]の運行となっている。

倶利伽羅駅 - 富山駅間

IRいしかわ鉄道とは金沢駅 - 倶利伽羅駅 - 富山駅間で相互直通運転を行っている。金沢駅 - 倶利伽羅駅 - 富山駅間と高岡駅 - 富山駅間を中心に運転され、これらの電車の一部は黒部駅・泊駅・糸魚川駅発着で直通している。

JR北陸本線の末期(2014年10月18日から)に金沢駅 - 富山駅間で日中の一部列車で行っていたワンマン運転については、IRいしかわ鉄道を含む金沢駅 - 石動駅間では実施せず、すべての列車に車掌が乗務する。あいの風とやま鉄道線内の石動駅 - 富山駅間においては引き続きワンマン運転が実施される。運転士・車掌は、IRいしかわ鉄道運転センター・あいの風とやま鉄道運転管理センターがそれぞれ分担して担当している。

平日・土曜日の朝に城端線から高岡駅 - 富山駅間を直通するJR西日本の気動車列車については、運行業務をJRへ委託する方式で運行を継続している[注 4]

富山駅 - 泊駅間

富山駅 - 泊駅間の運転が中心で、朝夕のラッシュ時には黒部駅やえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの糸魚川駅発着の電車も設定されている。経営移管前のJR時代と比べて黒部駅と糸魚川駅発着は大幅に減少し、泊駅発着が増加した。また、富山発泊行きの終電も22時台終わりから23時半に繰り下げられた(逆の泊発富山行きは23時台から22時台後半に繰り上げ)。前述の通り、一部の電車は高岡・金沢方面と直通し、金沢駅 - 泊駅間の電車は日中の時間帯も運転されている。

日中の一部列車はワンマン運転が実施されている[1]。富山駅 - 泊駅間の乗務員は、あいの風とやま鉄道運転管理センターが担当。

泊駅 - 市振駅間

県境区間である泊駅 - 市振駅間については、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインが乗り入れる形を基本とし、泊駅 - 糸魚川駅・直江津駅間の折り返し運転となっている。ただし1日2往復に限り、あいの風とやま鉄道の車両が糸魚川駅まで乗り入れている。えちごトキめき鉄道の車両の泊駅以西への乗り入れは通常実施されない[3]。泊駅 - 市振駅間は、運転する各社の乗務員が担当している。

貨物輸送

北陸本線時代から引き続き、日本貨物鉄道(JR貨物)による日本海縦貫線の貨物列車が多数経由する。線内で定期貨物列車の停車がある貨物取扱駅として、富山貨物駅がある[4]

使用車両

自社線内で直流電化区間は存在しないが、自社で所有している車両はすべて交直流電車である。

歴史

  • 2014年平成26年)
    • 2月28日 - 市振(新潟県糸魚川市) - 富山(富山県富山市) - 倶利伽羅(石川県津幡町)間 100.1kmの第一種鉄道事業許可を取得[5]
    • 12月19日 - 開業ダイヤの概要を発表[6]
  • 2015年(平成27年)
    • 3月14日:開業[7]
    • 9月7日:平日のみダイヤ改正を実施。朝の高岡発富山行を黒部まで、夜の泊発富山行を高岡まで延長[8]
  • 2016年(平成28年)
    • 3月26日:ダイヤ改正を実施[2]。あいの風ライナー6号を普通列車に格下げ。泊発富山行始発列車を7分繰り上げ、泊5:19分発とし、富山発泊行最終列車を8分繰り下げ、富山23:38分発とする。

問題点

JR西日本時代は朝夕ラッシュ時最大6両編成だった車両が、あいの風とやま鉄道移管後は最大4両編成となった上、一部2両編成で運行されるようになり、混雑に拍車がかかっている。開業直後には朝ラッシュ時に積み残しが発生した。現在に至っても朝夕ラッシュ時を中心に激しい混雑が続いており、問題となっている[9]

駅一覧

  • (貨):貨物専用駅、◇・■:貨物取扱駅(貨物専用駅を除く。◇は定期貨物列車の発着なし、■はオフレールステーション
  • 停車駅
    • 普通…すべての駅に停車
    • 快速…あいの風とやま鉄道線内すべての駅に停車(泊駅 - 市振駅間で運転)
    • あいの風ライナー…●印の駅に停車、|印の駅は通過
  • 線路 … 全線複線
駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
米原
からの
営業
キロ
あいの風ライナ丨 快速 接続路線 所在地
倶利伽羅駅 - 0.0 194.4   IRいしかわ鉄道IRいしかわ鉄道線金沢駅まで直通運転) 石川県河北郡津幡町
石動駅 6.8 6.8 201.2     富山県 小矢部市
福岡駅 7.2 14.0 208.4     高岡市
西高岡駅 3.5 17.5 211.9    
高岡駅 5.3 22.8 217.2   西日本旅客鉄道城端線氷見線
万葉線高岡軌道線高岡駅停留場
越中大門駅 3.7 26.5 220.9     射水市
小杉駅 3.7 30.2 224.6    
呉羽駅 6.6 36.8 231.2     富山市
富山駅 4.8 41.6 236.0   西日本旅客鉄道:■ 北陸新幹線高山本線
富山地方鉄道本線電鉄富山駅
富山地方鉄道:市内軌道線富山駅停留場電鉄富山駅・エスタ前停留場
富山ライトレール富山港線富山駅北停留場
(貨)富山貨物駅 2.8 44.4 238.8    
東富山駅 3.8 48.2 242.6    
水橋駅 4.9 53.1 247.5    
滑川駅 5.5 58.6 253.0   富山地方鉄道:本線 滑川市
東滑川駅 3.5 62.1 256.5    
魚津駅 5.0 67.1 261.5   富山地方鉄道:本線 …新魚津駅 魚津市
黒部駅 6.3 73.4 267.8     黒部市
生地駅 4.0 77.4 271.8    
西入善駅 4.2 81.6 276.0     下新川郡 入善町
入善駅 3.9 85.5 279.9    
泊駅 5.2 90.7 285.1   朝日町
越中宮崎駅 4.7 95.4 289.8    
市振駅 4.7 100.1 294.5   えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン(糸魚川方面) 新潟県糸魚川市

脚注

注釈

  1. ^ JRグループ各社のホームライナーに相当する方式で、移管前に運行されていた「おはようエクスプレス」等の特急列車を補完するもの。同様の列車は並行在来線他社でも先例があり、しなの鉄道では「しなのサンライズ・サンセット」を運行していたが、本列車の運行開始と入れ替わる形で、2015年3月14日の改正より全車自由席の快速列車へ形態変更された。
  2. ^ 金沢 - 泊間:下り3本・上り2本、泊 → 富山間:上り1本。土曜・休日は全便運休。
  3. ^ すべて金沢 - 泊間。土曜・休日は全便運休。
  4. ^ 高岡駅 - 富山駅間で城端線からの直通列車を下り2本、この車両が高岡駅へ折り返す列車を上り2本運行している(平日のみ。土曜は上下各1本、日曜・祝日は運休)。

出典

  1. ^ a b "開業時の列車運行ダイヤについて" (Press release). あいの風とやま鉄道. 8 January 2015. 2015年1月8日閲覧
  2. ^ a b 平成28年春ダイヤ改正について (PDF) - あいの風とやま鉄道、2015年12月18日。
  3. ^ あいの風とやま鉄道利用者説明会・配布資料 (PDF) - あいの風とやま鉄道株式会社・富山県、2015年1月8日付。2015年1月8日閲覧。
  4. ^ 『貨物時刻表 平成27年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2015年。 
  5. ^ "しなの鉄道(株)、えちごトキめき鉄道(株)、あいの風とやま鉄道(株)及びIRいしかわ鉄道(株)申請の第一種鉄道事業許可について" (Press release). 国土交通省. 26 February 2014. 2015年1月26日閲覧
  6. ^ "開業ダイヤの概要が決まりました" (PDF) (Press release). あいの風とやま鉄道. 19 December 2014. 2015年1月8日閲覧
  7. ^ 広田和也、田嶋豊(2015年3月15日). “あいの風鉄道 三セク再出発 県内19駅「生活路線の役割果たす」”. 北陸中日新聞 (中日新聞社)
  8. ^ "列車増発のお知らせ" (PDF) (Press release). あいの風とやま鉄道. 13 August 2015. 2015年10月10日閲覧
  9. ^ 「車両・本数増やして」 あいの風鉄道、新学期で混雑拍車 - 北日本新聞、2015年4月10日

関連項目

外部リンク