JPタワー大阪

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JPタワー大阪
JP TOWER OSAKA
建設中のJPタワー大阪(2023年3月)
建設中のJPタワー大阪(2023年3月) 地図
施設情報
所在地 大阪市北区梅田三丁目2番2号
座標 北緯34度42分1.77秒 東経135度29分38.41秒 / 北緯34.7004917度 東経135.4940028度 / 34.7004917; 135.4940028座標: 北緯34度42分1.77秒 東経135度29分38.41秒 / 北緯34.7004917度 東経135.4940028度 / 34.7004917; 135.4940028
状態 完成
着工 2020年9月30日
竣工 2024年3月12日
開業 KITTE大阪:2024年7月31日(予定)
用途 事務所ホテル劇場店舗(飲食・物販)・自動車車庫・公衆浴場・倉庫
地上高
高さ 188.00 m
各種諸元
階数 地上39階、地下3階、塔屋2階
敷地面積 12,893.31
建築面積 9,800.00
延床面積 229,000.00
構造形式 鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造鉄骨鉄筋コンクリート造
エレベーター数 18
関連企業
設計 日建設計一級建築士事務所
施工 梅田3丁目計画(仮称)建設工事JV竹中工務店西松建設錢高組
デベロッパー 日本郵便西日本旅客鉄道大阪ターミナルビルJTB
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JPタワー大阪(ジェイピータワーおおさか)は、大阪市北区梅田三丁目(大阪駅前)に建設中の複合商業施設超高層ビル。高さ188.00メートル、地上39階・地下3階建てで、2024年3月の竣工を経て、同年7月のグランドオープンを予定している。

概要[編集]

日本郵政JR西日本のグループ会社[注釈 1]JTB大阪駅西地区(大阪中央郵便局旧局舎の跡地を含む西梅田エリア)で推進している再開発計画(「梅田3丁目計画)の一環として建設[1]。『JPタワー大阪』という名称には、日本郵政グループが東京名古屋で「JPタワー」を既に運営していることを背景に、「東京・名古屋の『JPタワー』に続く物件として、多くのお客様に御利用いただきたい」「大阪駅西地区のランドマークとして、多くのオフィスワーカーや地域の方々から愛される施設を目指したい」という想いが込められているという[1]

ビルの所在する梅田地区は、大阪国際空港(伊丹空港)から直線距離にして10キロメートル程度しか離れていないため、航空法が定める制限表面(円錐表面)の区域に含まれている[2]。このような事情から地区内の建物の高さに「180メートル前後」という上限が設けられているため、当ビルの高さ(188メートル)は地区内の建物でトップクラスに当たる[3]

また、梅田地区では当ビルのグランドオープンを前に、歩行者が当ビルと周辺の施設(大阪駅など)を短時間で往来できる連絡通路網(歩行者ネットワーク)を整備。当ビルではオフィスフロアの供用を2023年11月1日に開始したため、当ビルと大阪駅の連絡橋口改札(サウスゲートビルディング)をつなぐ歩行者デッキおよび、当ビルと「ガーデンアベニュー」(西梅田地区に所在するオオサカガーデンシティ地下歩行者通路)をつなぐ連絡通路が同日から利用できるようになった[4]。2024年には、当ビルの地上1階フロアと大阪駅の「西口改札」(JR西日本が2023年3月18日うめきたエリア開業に合わせて新設)をつなぐ通路[5]や、秋に開業する予定の『イノゲート大阪』(「梅田3丁目計画」の一環として当ビルの北側で建設されている高さ約120メートルの超高層ビル)との連絡通路を開通させることが告知されている[6]

建物[編集]

下記は「建築計画のお知らせ」等による。

事業継続計画[編集]

BCP対応として、建築物には制震構造を採用し、地震の揺れを軽減する制振装置を各階に設置し、震度6強の地震に対しても安全性を発揮するJSCA基準耐震グレード「上級」の取得を予定している。また、電力供給に3回線スポットネットワーク受電方式を採用し、変電所からの電力を3回線で受電する。このため、送電系統のトラブル等で1回線が機能しなくなった場合でも、他の2回線から電力供給が行われるので停電リスクが低減されるほか、万が一の停電時には非常用発電機により共用部の照明や避難防災設備等に対して最大72時間の電力供給が行われる[7]

フロア構成[編集]

日本郵政不動産が手掛ける「KITTE」ブランドでは全国で4ヶ所目(近畿地方では初めて)の商業施設「KITTE大阪」(キッテおおさか)[1]が、地下1階 - 地上6階のフロアに計107店舗が入居。1階には旧大阪中央郵便局の正面部分(一部)を保存・移設した空間が設けられる[5]

また、5 - 8階のフロアの一部を劇場に充当。総座席数はおよそ1,200席で、MBSライブエンターテインメント[注釈 2]に対する運営業務の委託・Sky株式会社による施設命名権(ネーミングライツ)の取得[8]などを経て、「SkyシアターMBS」という名称で2024年3月27日(水曜日)から営業している(こけら落とし公演は『舞台 中村仲蔵』)[9]

7・8階および、29 - 38階のフロアは、株式会社ジェイアール西日本ホテル開発が運営する「THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection」(大阪ステーションホテル、オートグラフ コレクション)に充てられている。このホテルは、マリオットホテルグループのオートグラフコレクションに加盟。客室の総数は418室[10]で、2024年7月の開業を予定している。

他のフロアに先駆けて2023年11月から供用されている「オフィスフロア」は、オフィス(事務所)としての利用を想定した賃貸フロアで、11 - 27階の「中層部」(長辺109.2メートル×短辺54.4メートル)に設定。基準階のフロアにおける貸室(整形無柱空間)の総面積は、「オフィス空間としては西日本最大級」とされる約4,000平方メートル(約1,200)で、「ビジネスサポートフロア」(8・9・17階)「共用会議室」やオフィスワーカーのリラックスに資する施設(屋上庭園、ダイニング&カフェテリアサウナ、フィットネスルーム)も併設されている。ちなみに、「中層部」はカタカナの「ロ」の字に似た平面で、上記の共用施設を中央部に集約。ただし、南東側と北西側は「高層部」より若干張り出している。

アクセス[編集]

以下は公式サイトのオフィス紹介ページ「ACCESS」による[7]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 日本郵便日本郵政不動産JR西日本大阪ターミナルビル
  2. ^ 大阪市北区に本社を置くMBSメディアホールディングス傘下の劇場運営会社で、会社法上は毎日放送(「MBS」の通称で知られるテレビ単営局)MBSラジオ(ラジオ単営局)などと同格(MBSメディアホールディングスの連結子会社)。

出典[編集]

  1. ^ a b c 梅田3丁目計画(仮称)の建物名称および同建物内商業施設名称を「JPタワー大阪」および「KITTE大阪」に決定」『PR TIMES』、2023年3月7日。2023年3月7日閲覧。
  2. ^ 大阪国際空港周辺における物件の設置制限について”. 関西エアポート. 2023年8月17日閲覧。
  3. ^ 中央郵便局跡地の建物名「JPタワー大阪」に 来年7月開業へ」『NHKニュース』、2023年3月7日。2023年3月7日閲覧。
  4. ^ JR大阪駅に新たな歩行者デッキ 新施設「JPタワー大阪」とつながる」『トラベルWatch』、2023年10月27日。2023年1月18日閲覧。
  5. ^ a b 梅田3丁目計画の建物名称が「JPタワー大阪」に。商業施設「KITTE大阪」は2024年7月オープン」『トラベルWatch』、2023年3月7日。2023年3月7日閲覧。
  6. ^ イノゲート大阪、うめきた2期と直結、西梅田へにぎわい」『産経新聞』、2023年5月16日。2023年8月19日閲覧。
  7. ^ a b JP TOWER OSAKA オフィス概要
  8. ^ Sky株式会社が、MBS新劇場のネーミングライツ契約を締結しました」『PR TIMES』、2023年4月5日。2023年7月29日閲覧。
  9. ^ MBS新劇場発表記者会見を開催しました」『MBSグループ』、2023年4月5日。2023年7月29日閲覧。
  10. ^ 大阪駅西地区「JPタワー大阪」内のJR西日本ホテルズ新ブランドホテル名称が決定!」『JR西日本ホテル開発』、2023年3月27日。2023年7月29日閲覧。

外部リンク[編集]