月光条例
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| 月光条例 | |
|---|---|
| ジャンル | バトルアクション・ファンタジー漫画 |
| 漫画 | |
| 作者 | 藤田和日郎 |
| 出版社 | 小学館 |
| 掲載誌 | 週刊少年サンデー |
| レーベル | 少年サンデーコミックス |
| 発表期間 | 2008年17号 - 連載中 |
| 巻数 | 既刊4巻 |
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『月光条例』(ゲッコージョーレイ、Moonlight Act)は、藤田和日郎による日本の少年漫画作品。話数の単位は「第○条」。
目次 |
[編集] 概要
『うしおととら』・『からくりサーカス』に続く藤田和日郎の連載作品。『週刊少年サンデー』(小学館)にて2008年17号より連載中。基本的に一話完結から数話完結形式の構成になっている。
御伽噺を題材としており、和洋問わず様々な御伽噺が登場し、物語に彩りを添える。登場する御伽噺は誰もが知っているメジャーなものから、マイナーなもの、作者自身のオリジナルなど様々であり、藤田の御伽噺への造詣の深さがうかがえ、さらにその御伽噺(およびディズニー)に対するアンチテーゼ的な側面[1]も持ち合わせている。
同氏のこれ以前の作品と比べ、残虐な描写はあるが直接的に描くことは抑えられており、コメディ・アクションの体制を保っている。また、スター・システムを取り込み、過去の作品のキャラクターのデザインの流用が多い登場のも特徴。
なお、当初は「月狂条例[2]」というタイトル案が挙がっていたが、諸事情で変更となったという[3]。
[編集] あらすじ
何十年かに一度、真っ青な月の光が「おとぎばなし」の世界をおかしくする。
おかしくなってしまった「おとぎばなし」の世界を正すべく、「月光条例」の使者である「鉢かづき姫」は「〈読み手〉」の世界に助けを求めやってくる。
偶然「月光条例」の極印が刻まれ執行者となった岩崎月光は、おかしくなってしまった「おとぎばなし」を正すための戦いを始めることに……。
注意:以降の記述で月光条例に関する核心部分が明かされています。 →[記述をスキップ]
[編集] 登場人物
[編集] 〈読み手〉の世界
[編集] 主要人物
- 岩崎 月光(いわさき げっこう)
- 本作品の主人公。現高校に通う不良。腕っ節が強く、非常に喧嘩っ早い。超が付くほどのひねくれ者で、口も悪い上に粗暴粗野だが、その性根は真っ直ぐで行動力に優れており(近親者以外にはあまり注目されていないが)、弱い者いじめを嫌う正義漢でもある。頭があまりよろしくないものの、相手の本心に食い込む鋭い洞察力を見せる上、話し掛けられた言葉には耳を傾け、事情を理解しようとしっかりと会話しようとする。苦手なモノは、「お月サマ」、「本当のコトを言うコト」、「演劇部(エンゲキブ)」、「オヤジさん」の4つ。貧乏なラーメン店「ラーメンいわさき」に住んでおり、商売の手伝いをしている。実は捨て子(養子もしくは拾われっ子)で、岩崎家とは血縁関係は無いが、不器用ながらも養(祖)父・徳三を実の父親のように慕っている。それゆえ暴力でチンピラ達から金を巻き上げてレジに投入しようとしたり強引に客引きしてしまったことがある(作中で彼が不当な暴力をふるったのはこれのみである)。また、帰る場所がありながらそれを拒絶するシンデレラには強い怒りを見せていた。
- 偶然鉢かづき姫を救った際に顔に月光条例の極印が刻まれ、執行者となってしまった。最初はやる気が無かったが、一寸法師の一件で、鉢かづき姫に使者としての覚悟を見せつけられ、徐々に執行者としての自覚と覚悟を備えていく。極印の力なのか不明だが、シンデレラ編で300キロを超えた彼女の車を走って追い抜くなど明らかに尋常でない身体能力を発揮した。
- 演劇部(エンゲキブ)
- 本作品のヒロインの一人で、本編において代表的な語り部。今時な性格をした女子高生。岩崎月光の幼馴染でもあるため、月光の秘密を大量に知っており、それをネタに月光を脅すことが多々ある。正真正銘の八方美人で、活発明朗な性格から男女ともに人気があり、友好関係は幅広い半面、妬みを持つ者や後述の男遊びが多い彼女を快く思わない者も多い。家は裕福であるが、両親が多忙なため、家族愛には恵まれていない模様。男性アイドルであるイデヤの大ファンでもあり、月光そっちのけになる程ミーハーな一面がある。
- 「演劇部」はあだ名で、本名は今のところ不明だが、学校の教師にまでそのあだ名で呼ばれる程に浸透している。その名のとおり演劇部に所属していて、演劇のトレーニング(体作りやダンス、バレエ、発声練習など)は熱心にやっていて、まさに演劇人と言うべき人物でもある。しかし、それに反して「おとぎばなし」などといったものにまったく関心がない故、演劇でやる物語以外は読書もしない(これは物語が進んでも変わることはない)ため、「鉢かづき姫」や「シンデレラ」、「ブレーメンの音楽隊」等、ほとんどすべての「おとぎばなし」を知らず、同知識に欠ける月光を助けることは出来ないでいる。母親の紹介でヒーローショーのアルバイト経験もあり、そのおかげで、ドレス姿でも本物の衛兵数人を負かすほどの強さを持っている。付き合っている彼氏の影響を受けやすい(それが興味の方に出ている)。月光に好意を持っているようだが、それを素直に表せず(この好意について十分理解しているのは、同じ演劇部の友達2人とシンデレラだけである)、そのため色々な男をすぐに取り替え、付き合う様子を見せつけることで、彼の気を引こうとしているようだ(そのため男達には手も握らせてない)。また、いざという時に言う言葉には何かしらの説得力があり、三条大臣の姫やシンデレラに大きな影響を与え、月打を解くのに役立っている。
- 高木 天道(たかぎ てんどう)
- 暴走族の間では「走り屋天道」として恐れられている、演劇部の元彼氏。月光とは死ぬほど仲が悪くしょっちゅう殴り合いをするが、なんやかんやで決着がつかない。幼い頃は自衛隊の曹長だった父から鍛えられていた。その父親の死後は、再婚を理由に実母に捨てられ、自動車などの修理を行っている叔父の所に引き取られて、やがてメーカーとして発展し社長になった叔父の養子になった。チンピラに脅されている老婆を助けたり、エンゲキブにプレゼントを渡そうとするなど、意外と繊細な一面も持つ。その人柄のためか、不良仲間や実家の会社を勤める社員達に慕われている。また、シンデレラの本音に戸惑う一寸法師に他人を気にしていては幸せになれないと語るように、幸福になることについてはシビアな考え方をしている。
- 月打されたシンデレラに巻き込まれた事で、月光達に協力するようになった。月打時の記憶を持ち合わせるため、月光らの戦闘の援助を行っている。
[編集] キーキャラクター
- 岩崎 徳三(いわさき とくぞう) / オヤジさん
- 「ラーメンいわさき」の店主で、月光の育て親。常に自店のTシャツ(「麺 on the silver mountain」のロゴ付き)を着ている。彼が作るラーメンの味は珍味らしく(雑誌でも褒めているのか貶しているのか微妙な評価されている)、借金があるほどの貧乏生活を送っている。にも関わらず、客のツケを受け取ったりしている。
- 17年前の12月、妻との間に子供ができなかったため、里親(養孫縁組)の相談をしていたところ、捨てられていた赤ん坊の月光を見つけた。現在の月光の性格を作成した張本人だが、当の月光は不器用ながらも彼の事を慕っている。月光がケンカをしても警察沙汰になってない事が自慢らしい(実際は署長の手回しにより無い事になっている)。
- 容姿は『からくりサーカス』に登場した生方法安とそっくり。
- 工藤(くどう) / 図書委員(トショイイン)
- 本作品のヒロインの一人。月光らが通う現高校の図書委員を勤める女子高生。下の名前は現在不明だが、祖父母からは「かっちゃん」と呼ばれている。演劇部とは正反対ともいえる性格で、クールで冷徹な文学系。あらゆる種類の本に愛着があり、おとぎ話の造詣も非常に深い。「暴力的な者」「本を大事にしない者」を毛嫌いしており、そういったイメージが定着した月光や演劇部らとは、当初壁を一つおいた関係となっていた。本人の両親は既に他界しており、祖父母が営む古本屋に住んでいるが、関係は良好で普段の態度とは一転して柔和な姿を見せており(この点でも演劇部とは正反対といえる)、古本屋も大学には行くが継ぐ予定でいる。
- ひょんな事から長靴をはいた猫(=イデヤ)と接触、新たにツクヨミ側の執行者としてイデヤと組むことになる。「あなた達(月光達)にできた事がこの私にできないとでも?」と言ってる事から、執行者となった事にはかなりプライドがあったようで、おむすびの件で月光らに自身の器量を抜かされて、月光らに悔しさを覚えていた。しかしその後、月光が見せる姿に、彼への評価が変化し、更には赤ずきんの一件を機にツクヨミの使者辞退を申し出た(決定したのかは不明)。また、月光のタイミングの良さから、彼女も月光に好意を持ったようである。
- 現在はおとぎばなしの知識に欠ける月光らをサポートするポジションに立っている。ただし、物事を一つの観点でしか見れないという決定的な欠点があり、そのせいでイデヤの当初のやり方や、赤ずきんや浦島太郎らの真意に気付けない事が多い。
- ちなみに容姿は『からくりサーカス』に登場した阿紫花菊とそっくりである。
- 署長 / ショチョーさん
- 月光たちの住む町の警察署の署長。本名は不明。オヤジさんとは「トクちゃん」と呼ぶほどの友人。オヤジさんのラーメンも気に入っている。月光のケンカに関する警察沙汰は、オヤジさんの耳に入らぬよう、彼が手回しをしている。
- 本庁の方から、月光条例およびツクヨミに関する知らせは聞いていたようだが、演劇部の話やイデヤの姿を見るまでは信じていなかった。警察であるため、彼の所属する警察署も、ツクヨミの協力をすることになっている。
- ちなみに容姿は『からくりサーカス』に登場した仲町サーカス団長・仲町信夫とそっくりである。
- 平賀(ひらが)
- ツクヨミ側の使者であるイデヤと、その執行者である工藤をサポートしている謎の人物。イデヤとの繋がりからエリートと思われる。おとぎばなしの世界の事情や月光条例の事などについて知っている。
- 本人もまた月光・鉢かづき姫のペアを「違法執行者」と称している。おむすびの件で、月光達に先を越されたイデヤに対し、「失望した」と言い放ち、次はない事を彼に警告した。
[編集] その他の人物
- 藤木 裕美(ふじき ゆみ)
- 工藤の近所で花屋を営む家の娘で、工藤の中学時代までの同級生で幼馴染の仲。現在はミッション系の高校に通っている。
- ある日、月打された「きき耳ずきん」の主人公の若者に、「お前は長者どんの娘でオラの嫁だ」と言われ、何度も何度も彼に狙われていた。動物園でとうとう捕まり絶望に瀕していたが、そこへ駆けつけた月光らによって助けられる。
- 若者が元に戻った事で一連の出来事はほとんど忘れてしまったが、月光の事だけはおぼろげに覚えていて、彼のタイミングの良さから、彼に好意を持ったようである。
- ユミカ
- ごく普通に暮らす小学生の女の子。母親が入院した祖母がいる病院に行ったため、一人で留守番していた。代わりに面倒を見てくれるカナエおばさんの来訪を待っていた際、月打したうりこひめに襲われ成り代わられてしまうも、鉢かづき・演劇部・月光に救助された。
- たいぞう
- 小学2年生の男の子。母親に商店街に連れてこられた時に、月打されたおむすびに取り込まれたが、月光達に救助された。
- 神林 佳代(かんばやし かよ)
- 50年前にごく普通に暮らしていた女の子で赤ずきんにとっての「おひさま」。「赤ずきん」の本を非常に愛読していて、同時に赤ずきんも彼女の事が大好きだったが、神林ら3人が起こした火事の際に、その本を取りに行くため燃え行く家の中へ戻り、そのまま家の中で倒れ、亡くなってしまった……と思われていたが、実は神林によって助けられていた事が判明する。現在、神林の妻になっている。赤ずきんを見たとき、自分が昔読んでいた赤ずきんである事は分からなかったが、今でも孫娘の果歩には「赤ずきん」の絵本を読んであげているようである。
- 神林 剛三(かんばやし ごうぞう)
- 元刑事。演劇部曰く30年間定年退職までバリバリと警察業を勤め上げた人物。50年前、当時学生であった彼と仲間2人が日々のストレス解消のため、ボヤを起こそうと火をつけた(神林本人はあまり乗り気ではなかった)が、それがやがて一軒の家を火事にしてしまった。そしてその場で家の中へ戻っていく佳代を見て、意を決して家の中へ飛び込み、中で倒れていた彼女を発見し、救出することに成功した(赤ずきんは本が燃え尽きてしまっていたためこの場面を見ることができなかった)。しかし、その時の罪悪感は未だ燻り続けているらしく、赤ずきんには命を差し出してでも謝罪しようとした。助けた佳代と結婚、今では孫娘・果歩もいる。
- 神林 果歩(かんばやし かほ)
- 神林剛三と佳代の孫娘。容姿は少女時代の佳代とよく似ている。佳代の不注意で起きた火事で、家の中に取り残されていたが、そこへ赤ずきんが現れて、彼女に助けられ、そのまま一緒に空へ飛んだ。その後、赤ずきんから本の世界の住人ゆえの悲しい事情を聞いて、「赤ずきんちゃんを忘れるわけない」と言いながら、彼女の頭を撫でてあげた。そしてその後、赤ずきんのバスケットに乗せられて地上に降ろしてもらい、無事に剛三達の元に戻って行った。
[編集] 「おとぎばなし」の世界
[編集] 月光側
- 鉢かづき姫(はちかづきひめ)
- 本作品のヒロインの一人で、おとぎばなし「鉢かづき姫」の主人公。亡き母親から与えられた大きな鉢を頭に被った日本昔話のお姫様。通称「鉢かづき(ハチカヅキ)」。また、呑舟(どんしゅう)という異名を持つ。鉢の中は真っ暗であり、下から覗き込んでも彼女の鼻から上の顔は見えないが、この鉢こそが数十年繰り返し起こった〈月打〉から彼女を守ってきたのである。ただし、逆に鉢が邪魔で〈読み手〉界では苦労が多い。物語では働くことで自分の居場所を作っていたため、月光への恩も含めて、オヤジさんの営むラーメン屋の手伝いをしている。
- 来るべき「月打」に備えて、鉢に極印があり、執行者の武器となるための修行を欠かさずに行ってきていた。おとぎばなしの世界が「月打」でおかしくなって、生き延びた「一寸法師」を連れ、〈読み手〉の世界へと助けを求めに来て、月光達と出会う。その執行者としての覚悟は非常に強く、自分を気遣って執行に手間取る月光に執行者としての真の覚悟を促した。
- 武器を呑み込むことにより、呑み込んだ武器と同じ姿になることが出来る能力を持ち、変化した武器は元の10倍の威力を持つようになる。鉢を巨大化させて盾として使ったり鉢を回転させて飛行する事も出来る。また、格闘の心得を持つ。ただし、あんこ以外の菓子は苦手といった弱点がある。
- 一寸法師(いっすんぼうし)
- おとぎばなし「一寸法師」の主人公。鉢かづき姫と同じ『お伽草子』出身。鬼の一人・太郎丸の助けによって鉢かづき姫と共に〈読み手〉の世界へとやってきた。鬼の金棒の件が片付いた後、おとぎばなしの世界に帰ったが、「負け犬」と呼ばされた月光を見返すために〈読み手〉の世界に戻ってきた。
- 物語の中においての最終的な地位が「中納言」であるために、基本的に他者を見下す自己中な性格をしている(いわゆるオレ様キャラである)が、実際は自分の小さな躯体を気にして強がっている姿でもある。日本では甘味が乏しかった時代の物語の出身であるため、〈読み手〉界に満ちあふれる甘い菓子が大好物となり、お菓子の家を食べて進んでしまうほど。
[編集] ツクヨミ側
- 長靴をはいた猫(ながぐつをはいたねこ) / イデヤ・ペロー
- おとぎばなし「長靴をはいた猫」の主人公。ツクヨミの一員。〈読み手〉の世界ではイケメンの姿に変化して、芸能界でも有名なアイドルグループ「スプラッシュ」に所属している。背中に穴のようなものを作り、契約した執行者に手を入れてもらい、執行者の思った通りに体を動かす能力「マペティカ」を持つ。使用武器は剣。
- 飄々としているが、性根は悪賢く傲慢。月打による物理的被害は条例執行で元通りになるため、執行までの過程で一般の人間たちへの被害も月打された住人の事情も考慮せず「条例執行の為には仕方ない」として無視してドライかつ性急なまでに執行に及ぶ(いわゆる「終わり良ければ全て良し」主義)。月光と鉢かづきの事を「違法執行者」と呼び、見下している。
- 工藤を自身の執行者として選び、彼女と組むことになるが、月打されたおむすびの件で月光達に先を越され、更には赤ずきんの一件を機に工藤本人が執行者辞退を申し出てきたため、現在は大変危うい立場にある。彼女のツクヨミ脱退を引き止めるため、傍から聞けば性行為を示唆する説得(実際はマペティカの能力のこと)をするなど、嫌がらせに近い行為に走ってしまっている。更に、本の世界の住人でありながら、工藤が住む古本屋の本をぞんざいに扱い、完全に彼女の逆鱗に触れてしまった。
[編集] 青き月光に照らされた「おとぎばなし」の登場人物
- 兄嫁(あによめ)
- おとぎばなし「鉢かづき姫」に登場する脇役で、鉢かづき姫の恋人の兄嫁達。青き月光に照らされたことにより凶暴化し、薙刀・三節棍・釵を手にして鉢かづき姫を襲うが、太郎丸によって阻まれた。薙刀を持った一人が〈読み手〉の世界まで追いかけるが、月光によって正気に戻される。その後、残りの2人は月光一行が太郎丸を救出する際に再び道を阻んだが、鉢かづき姫により倒された。
- 現在、最初に正気に戻った一人が鉢かづき姫の代理を務めている。
- 宰相(さいしょう)
- おとぎばなし「鉢かづき姫」の登場人物で、鉢かづき姫の恋人。冷遇され続けた鉢かづき姫に優しく接し、物語の最後で「鉢かづき姫がいなければ自分も生きていけない」と彼女に告白したのだが、その直後に青き月光に照らされ凶暴化、口調が変化し、彼女に「まだお前はバケモノのままだ」と言い放った。
- 上記の兄嫁3人の内、「一寸法師」の世界で倒された2人はまだ月打が解けてないことが分かっているが、宰相がどうしているのかは作中では言及されていない。ただし鉢かづき姫と演劇部の会話からして、少なくとも本の中にはいる模様。
- オオカミ
- おとぎばなし「三匹のこぶた」に登場するオオカミ。青き月光に照らされたことにより凶暴化し、三匹のこぶたたちを追いかけ〈読み手〉の世界へとやって来た。途轍もない量の息で建物を破壊することができ、その威力は金閣寺や国会議事堂をも破壊するほど。しかし、月光によって倒され正気に戻り、三匹のこぶたと共に物語の世界へ帰っていった(元々頭が悪い設定を持つためか、オオカミ本人は何も覚えていない様子である)。
- 三条の大臣の姫(さんじょうのだいじんのひめ)
- おとぎばなし「一寸法師」に登場する一人で、一寸法師の恋人。通称「姫」。月打を受けた鬼の金棒に取り憑かれ、血の涙を流す「鬼」となり、醜くなった自らの顔を隠すため蝶番の面で覆い、牛車を牽いている。どんな願いも叶う「打出の小槌」を持っている。金棒に操られて、物語で自身を陥れた一寸法師への憎悪の念で満たされてしまっていたが、演劇部の説得で一寸法師への恋慕の情を思い出す事ができ、金棒の粉砕によりついに元の姿に戻る事が出来た。一寸法師と共に「おとぎばなし」の世界に戻るが、〈読み手〉の世界に戻る彼の為に、打出の小槌で一寸法師の身代わりを作り出した。
- 鬼の金棒(おにのかなぼう)
- 「一寸法師」に登場する鬼の次郎丸が持っていた武器。青き月光に照らされた結果、1つ目の妖怪の様な外見になり、意思を持つようになった。自分が暴れたいが為に、近くにいた三条の大臣の姫に取り憑く。姫に「打出の小槌」を使わせ、一打ちでクレーターを作れるほどに自身を強化させたが、月光に倒され粉々に砕け散った。それによって元に戻り、恐縮しながら太郎丸たちと共に物語の中に帰った。
- シンデレラ
- おとぎばなし「シンデレラ」の主人公。青き月光に照らされ月打されてしまった結果、黒いドレスを着用して、遅い者を置き去りにすることでしか快感を得られないスピード狂になってしまった。またこのとき既に、彼女には「遅い乗り物に乗る者はエラくない、バカにしてもいい、蹴散らしてもいい」というかなり危険な思想が宿っていた。彼女がこのようなスピードへの考え方をしたのは、物語でガラスの靴が足に合って、王子の結婚相手として城に行く際に乗った馬車が、今までにないくらい速い馬車であったためである。そしてスピードを求め「遅すぎる」おとぎばなしの世界から、速いものがたくさん居るという〈読み手〉の世界へとやって来た。圧倒的なスピードを得たかぼちゃの馬車に乗って各地の走り屋達のレースに乱入し、負かした車を自身のガラスの靴による強力な蹴り技で破壊して回り、ついには新幹線を破壊しようとしたところで、月光らに阻止され、彼らにレースを挑まれる。その後馬車とガラスの靴を壊され、自身も月光の攻撃を受けて半分ほど正気に戻った彼女は、何も選ばず、流されてただ幸せを迎えた自分に不満を抱いていた本心を吐露する。その後に代役を終えて「シンデレラ」の世界から戻った演劇部と競走でレースを再開。走りながら彼女と愚痴を語り合い、また彼女の口から、シンデレラが本当に欲しかった同情の言葉を聞き徐々に正気に戻り、勝利してゴールで待っていた王子に迎えられた。物語の世界に帰って国のために力を尽くして国民から結婚を祝ってもらい、天道の口利きで週2日だけ〈読み手〉の世界に行き、アメリカの小さなモーター屋で働くことになった。
- ドライヴァー
- おとぎばなし「シンデレラ」に登場する、魔法で人間の姿になったネズミ。馬二頭の馬力でも、新幹線を追い抜くほどのスピードを出すシンデレラのかぼちゃの馬車[4]を操縦する、サングラスを掛けた老御者。元がネズミなので「~でちゅ」という話し方をする。シンデレラに対し絶対の忠誠心を持ち、レースで馬車を壊された際は元のネズミの姿に戻り、彼女のために月光達を妨害したものの、天道のテクニックと車を飲み込んでその姿になった鉢かづきに撃破された。
- 麦つかい(むぎつかい)
- おとぎばなし「天女と麦つかい」の主人公。青き月光に照らされ、〈読み手〉の世界へ逃げ出して5日間帰らなかったため、条例執行直前に本もろとも消滅してしまった。
- 若者(わかもの)
- おとぎばなし「きき耳ずきん」の主人公。元は誠実な性格だったが、青き月光に照らされ凶暴化し、〈読み手〉の世界である女子高生・裕美を「長者の嫁」だと思い込み追いかけ回した。動物の声が聞ける頭巾を使って彼女を追い詰めたが、月光によって倒され正気に戻される。物語の世界へと帰っていったが、被っていたきき耳ずきんは何故か残されていて、後に月打されたおむすびの件で月光がネズミの言葉を聴くのに役に立った。
- ピノキオ
- おとぎばなし「ピノキオ」の主人公。青き月光に照らされ凶暴化し、執行者・月光を殺す為〈読み手〉の世界へとやって来た。本来とは逆に「正しい事」を言うと鼻が高速で伸び、それを相手に突き刺して攻撃する(鼻は伸ばす度に自分で折り、また自分で伸ばす)。月光と演劇部が説教を受けていた職員室に置いてあった本から出たため、月光の止めは演劇部が口にした「演劇部は月光の事が大キライ」では鼻が伸びることはなく、その隙に鉢かづきが変化したボウガンの一撃を受け正気に戻される。
- わらしべ長者(わらしべちょうじゃ)
- おとぎばなし「わらしべ長者」の主人公。青き月光に照らされ凶暴化し、〈読み手〉の世界へとやって来て、自身が所持している一本の藁と人の物品や使用人等を、無理矢理に取り換えてきた。月光から演劇部を取り替えてバカンスで過ごしていたが、やってきた月光からスリルに満ちた話を聞くが嘘だと思い込む。鉢かづきが変化した飛行機に突進され正気に戻される。
- ヘンゼル
- グレーテル
- おとぎばなし「ヘンゼルとグレーテル」の主人公である兄妹。青き月光に照らされ月打されて、物語での魔女のような鼻になり、子供を食う快感に目覚めてしまった。口が出来て動くようになったお菓子の家と共に〈読み手〉の世界へとやって来た。月光達をお菓子の家で捕食し、夜中の保育園で子供達を待っていたが、閉じ込められていた天道の策略で呼び出された不良仲間(実は天道と同じく甘党の暴走族達)によりお菓子の家を食べられてしまい、脱出した月光によって倒され正気に戻される。
- うりこひめ
- おとぎばなし「うりこひめとあまのじゃく」の主人公。元はおとなしい性格をした田舎の少女だったが、青き月光に照らされ、普段の姿と欠け離れた風貌になった。話の中で「あまのじゃく」が自分にした事と同じように、他者の姿を真似て成り代わるようになった。〈読み手〉の世界にやって来て、一人の女の子・ユミカと成り代わって、鉢かづき姫を手にかけようとしたが、彼女に自分の正体を言い当てられ、月光によって倒され正気に戻される。ユミカに謝罪をして、物語の世界へと帰っていった。
- ニワトリ
- ネコ
- イヌ
- ロバ
- おとぎばなし「ブレーメンの音楽隊」の主人公である4匹の動物。青き月光に照らされ月打されてしまった結果、気に食わないものを持ち前の鳴き声による超音波で破壊する快感に目覚めた。自衛隊にも襲い掛かり、一度は月光達を退けるが、二度目の戦いで心理攻撃を受けてしまい戦意喪失し、月光と鉢かづきに止めをさされる直前、乱入したイデヤに一掃された。
- おむすび
- おとぎばなし「おむすびころりん」の主人公のおじいさんが持っていた食べ物。青き月光に照らされ巨大化し、意思を持つようになった。食物である自身が人間に食べられることに不満を感じ、大量の人間で握ったおむすびを食べようと〈読み手〉の世界へとやって来た。空中を回転飛行し、人間を米の体に取り込んでネズミ達から奪った穴に監禁させた。体とその穴とは繋がっており、攻撃が穴の方へ流れるようになっていて、つまり外部からのおむすびへの攻撃は中の人間達に及んでしまう。月光組と工藤組を取り込んだが、鉢かづき姫により内側から食べられてしまい、月光が振るった鉢かづき姫に食べられてしまった。最後に残った一欠片は正気に戻ったようで、ネズミ達の一匹に食べられた。
- 赤ずきん
- おとぎばなし「赤ずきん」の主人公。可愛らしい雰囲気と幼い外見の割に言葉遣いが汚く、よく出す決めゼリフは「だぁむ、ですとろぉい(英語:Damn,destroy)」。自身の顔を巨大化させて、目でさまざまなものを飲み込んだり吐き出したりすることができ、さらに両耳を巨大化して刃物に変化させて、コンクリートをも切り裂くことができる。また、同じ物語の住人である「おばあさん(剛腕で鋭い爪を持つ)」と「猟師さん」を作り出し操り、更には空を自由に飛ぶこともできる。
- 作中で50年前、自分の本を愛読していた佳代が神林らが起こした放火で命を落とたと誤解し(この時赤ずきんと佳代は何故か意思疎通が取れていた)、放火した三人組を憎み、自ら月打を望むようになった。青き月光に照らされた事で〈読み手〉界へとやって来て、放火犯の元に訪れるが、神林を除く2人は罪悪感どころか行為すら忘れていたために殺害する。最後の標的となった神林剛三を狙い、警察署を襲撃して彼を見つけ出す。途中現れたイデヤらも軽くあしらって、彼に手を下そうとしたが、駆けつけた月光達に阻まれその場を撤退する。しかし、先を読んでいたイデヤによって用意されたツクヨミの部隊から、対本の住人用の特殊銃弾で満身創痍となり、「おばあさん」と「猟師さん」を倒され、逃げるも街中で包囲され、イデヤから条例執行寸前まで追い詰められる。
- 剛三から50年前の真相を聞いた月光らに守られ、佳代の生存を知って正気を取り戻し始める。しかしその直後、火事の音と佳代の泣き声を聞いて神林家へ向かい、ついに佳代に再会するも、肝心の彼女は赤ずきんの事がわからなかった。しかしそれでも、中に取り残された孫娘・果歩を思う佳代を気遣い、果歩を助けるために燃え盛る家の中へ飛び込み(この直前に剛三の口から謝罪の言葉を聞いた)、瓦礫を粉砕して彼女を空へと連れ出した。そして果歩に、どんなに自分の物語を愛してくれても皆が忘れていってしまう事に不満をこぼすも、彼女から「赤ずきんちゃんを忘れるわけない」と慰められながら、頭を撫でてもらった。そして果歩から、佳代が彼女に「赤ずきん」の絵本を読み聞かせ、今でも「赤ずきん」の物語を愛している事を聞いて、嬉し涙を流した。その後、果歩をバスケットに乗せて(中に月光とイデヤ宛ての手紙を入れて)地上へ降ろし、本の世界へ戻って行った。
- 果歩に頭を撫でてもらった事と佳代が自分の物語を覚えていた事がよほど嬉しかったのか、彼女が本に戻ってから、「赤ずきん」の絵本での彼女の挿絵が、どのページでもニヤケ顔になっていた。
- 余談だが、ワインボトルが見えるバスケットを持ってることから、彼女は「グリム版の赤ずきん」である。
- 雀(すずめ)
- おとぎばなし「舌切り雀」に登場する雀。一人称は「あたい」。青き月光に照らされて、同作の登場人物のおばあさんの糊を舐めて舌を切られた事に怒り狂い、「女王」として名を挙げ、憂さ晴らしのために数千羽の部下の雀を率いて、〈読み手〉界の人間(特に老婆)を高速で襲って、自前の鋏で舌を切りまくるようになってしまった。ある地下鉄の駅を根城にしていたが、月光に大きいつづらと小さいつづらを選ばされ、大きいつづらを選んだが、お化けに扮した鉢かづき姫と共に大量の粉末が出てきただけだったため、月光らの作戦に気づかず、月光らの舌を切ろうとした。しかし、失敗したふりをして口に火打石(石英)を銜えた月光に攻撃を加え、その火花で起こった粉塵爆発に巻き込まれ気絶。後に条例執行をされ、本の世界に戻って行った。
- パトラッシュ
- おとぎばなし「フランダースの犬」の主人公・ネロの愛犬。月打されて凶暴化、老犬ながら筋肉が著しく発達して、飼い主であるネロとおじいさんを〈読み手〉界まで追って来た。窮地まで2人を追い詰めるが、そこへ現れた月光と天道から、物語への文句とパトラッシュの不甲斐無さを罵られながら殴られ蹴られ、一時退散した。
- 乙姫(おとひめ)
- おとぎばなし「浦島太郎」に登場する竜宮城のお姫様で、長老の一人。他の登場人物達とは違い、彼女や部下のタイ達は発作的な月打を受けたため、完全に凶暴化したわけではない(それでもだんだんと月打に意識が蝕まれている模様)。「アイ ヘイト ア ドッグ(I hate a dog)!」と叫ぶほどの犬嫌い。竜宮城を空飛ぶ戦艦に改造した「竜宮丸」を操り、浦島太郎と彼の持つ玉手箱を追って〈読み手〉界にやって来た。
- 月打時は「海!愛!」というスローガンを出すほど海を溺愛しており、〈読み手〉界を海水で沈めてしまおうとしている。大量の海水を自在に操り、対象物を溺れさせる、動きを封じるといった攻撃をする。更には口から大量の蟲を出して、人間の足の骨を砕き、魚の尾びれにしてしまおうと目論んでいる。しかし当の目的は、浦島太郎や〈読み手〉界を海水で沈める事ではなく、彼の持つ玉手箱を開けさせ、月打を治す薬を作る事にある。月打時の自分が〈読み手〉界の人間に迷惑をかけてる事を良しと思っていない為、玉手箱を開けるのに躍起になっているが、逆にそのためなら手段を選ばなくなっている。
- タイ
- ヒラメ
- フグ
- オコゼ
- おとぎばなし「浦島太郎」に登場する、乙姫の部下達。ただし魚の姿ではなく、額にそれぞれと同じ名前の魚を付けた美青年の姿をしている。戦闘能力も月光と並ぶほど高い。シンデレラ編で登場した(ネズミの)ドライヴァー同様、乙姫への絶対の忠誠心を持っており(ただしヒラメなどは不良口調が目立つ)、月打の発作も、乙姫が正気になるまで正気を取り戻せなかった。タイは相手に追い討ちをかける「タイブーメラン」を繰り出す。
[編集] その他の「おときばなし」の登場人物
- はだかの王様(はだかのおうさま)
- おとぎばなし「はだかの王様」の主人公。月打によって不遇な状況になったにも関わらず、鉢かづき姫を〈読み手〉の世界へ行くための手立てをしてくれた。その後どうなったのかは現在不明。
- 三匹のこぶた(さんぴきのこぶた)
- おとぎばなし「三匹のこぶた」に登場する主人公達。青き月光に照らされてしまったオオカミから逃げるために〈読み手〉の世界へとやって来た。兄弟が次々に食べられ、一匹だけになったところで月光に助けられる。
- 太郎丸(たろうまる)
- おとぎばなし「一寸法師」に登場する鬼の一人。月打を免れて、鉢かづき姫と一寸法師を〈読み手〉の世界へ行くための手助けをしたが、2人の兄嫁に捕まった。だが、後に「一寸法師」の世界にやってきた月光一行により無事救出された。
- なお、名前は同作者の読み切り作品『からくりの君』に登場するからくりと同名である。
- 次郎丸(じろうまる)
- おとぎばなし「一寸法師」に登場する鬼の一人。兄・太郎丸と同様に月打を免れていたが、取り憑かれた三条大臣の姫に捕まってしまい、牛車に乗せられていた。月光一行により無事救出される。
- なお、太郎丸と同じく同作者の読み切り作品『からくりの君』に登場するからくりと同名。
- 王子(おうじ)
- おとぎばなし「シンデレラ」に登場する一人で、シンデレラの結婚相手。惚れっぽい性質を持つ。「シンデレラ」の物語を存続させるため180名の精鋭の騎士達を連れ月打されたシンデレラの、〈読み手〉界への逃亡を阻止しようとしたが、圧倒的な速さを持ったシンデレラのスピードカーに敵わず彼女を〈読み手〉界へ逃がしてしまった。消滅を防ぐために、演劇部に代役を頼んでおとぎばなしの世界につれて行き、自分の足(格闘術)で勝利した(暴走状態の)シンデレラ(演劇部)を迎えた。シンデレラは彼の事を「優しく勇ましく、あれ以上の男性はいない」と語っており、〈読み手〉界でシンデレラの真意を聞くまで自分の心得違いに気づくことが出来なかったが、演劇部との競争中に彼女の本音と愚痴聞き、己の非を悟って勝った彼女をゴールの駅で迎えると同時に、自分の心得違いを詫びた。
- 仙女(せんにょ)
- おとぎばなし「シンデレラ」の長老で、シンデレラに助力を与える魔法使い。割と明るい性格をしている。
- 容姿は『からくりサーカス』のアルメンドラおよび読み切り漫画『美食王の到着』の占い師と瓜二つである。
- ランズデール
- おとぎばなし「シンデレラ」の近衛隊長。当初、「舞踏会」を「武道会」と勘違いした演劇部に分からせるために尽力した。
- 赤ジュータン
- おとぎばなし「シンデレラ」に登場する魔法使いの仙女が月光達を手助けするために、命を与えられた赤い絨毯。自身を行き先まで伸ばして道案内することができる。
- 『からくりサーカス』のギャンブラー・ジョーンズからデザインを流用している。
- 物乞いの娘
- おとぎばなし「シンデレラ」においての、背景的存在の貧しい女性。シンデレラがガラスの靴に足が合い、城に行く馬車に乗る際に、その様子を見ていた観衆の中にいた一人。実際には彼女は何も言っていないが、その羨望を込めた眼差しはシンデレラにとっては、「貧しい私とあなた(シンデレラ)は何がどう違うの?」と問い掛けているように思え、その疑問こそがシンデレラに、彼女の「幸せ」というものへの疑問を起こすものとなった。
- 天女(てんにょ)
- おとぎばなし「天女と麦つかい」の登場人物。シンデレラの王子と共に麦つかいを追っていたが、麦つかいの消滅直後に自らも消滅した。
- ネズミ
- おとぎばなし「おむすびころりん」に登場するネズミ達。月打されてしまったおむすびに全員が食べられてしまったが、その中の一匹が無事に逃げ出して、おむすびの事を執行者たちに知らせようと〈読み手〉の世界へとやって来た。おむすびが倒されたことで外に出られて、月光達を警察に逮捕させようとしたイデヤを長老格のネズミが諌め、物語の世界へと帰っていった。
- ネロ
- おとぎばなし「フランダースの犬」の主人公。元の物語の内容が内容のためか、とても内向的な性格で、自虐的な言動が目立つ。
- 月打されたパトラッシュから月光らに助けられるが、彼の物語での悲劇的な結末に憤りを覚えた月光にしごかれる羽目になった。しかし、その直後に月打状態の乙姫らの襲撃を受け、月光らとはぐれてしまい、乙姫らに竜宮丸に乗せられる。浦島太郎の犠牲により月打の治療薬が作られる事に最初は可哀想に思っていたが、乙姫の口から、物語でネロは「貧しくも清く生きたが、全く誰の役にも立たずに死んでいった」と言われ、ネロ達の無駄死によりも、浦島太郎の犠牲はより人のためになると言われ、渋々納得して乙姫の傘下に加わってしまった。
- おじいさん
- おとぎばなし「フランダースの犬」の主人公・ネロの祖父。月打されたパトラッシュに追われて、ネロと共に〈読み手〉界に逃げてきた。パトラッシュに追いつめられたところで、月光達に助けられ事無きを得るが、その後乙姫らの襲撃により、鉢かづき姫らと共に、元の本の世界へ避難の形で戻っていった。しかし、この騒ぎでネロとははぐれてしまった。
- 浦島太郎(うらしまたろう)
- おとぎばなし「浦島太郎」の主人公。典型的な田舎っぺ口調で一人称は「オラ」。物語での彼のイメージに似合わないかなり小心的な性格をしている。だが、亀にとっては「優しい恩人」にあたる存在。
- 月打された乙姫らに追われ〈読み手〉界へ逃げ、月光に助けを求めに来た。彼が本の世界から逃げて来た理由は、彼の持つ玉手箱を開ける事により、老人になってしまう事を恐れた為だったが、さらに亀の口から、箱の秘密と乙姫の真意を聞き、尚更逃げ腰になってしまう。貧しい生活の中、母のために必死で働き、亀を救うためにわずかな稼ぎを差し出すなど善人ではあるが、自分の手に負えない危険の中では「自分は亀を助けたのだから亀はその礼をするべきだ」や、「月光は自分を守れと亀から頼まれたのだから自分を守るべきだ」等と主張しており、卑屈で他力本願かつ自己中心的な面が丸出しである。
- 亀(かめ)
- おとぎばなし「浦島太郎」に登場する亀。一人称は「あっし」。〈月打〉を治す薬を作る道具である玉手箱を、物語の最後に年老いた浦島太郎から持ち去るという隠れた役目を担っている。物語冒頭でいじめっ子達から自分を助けてくれた浦島太郎には恩義を感じている義理堅い性格の持ち主である。
- 月打された乙姫らに追われ、浦島太郎と共に〈読み手〉界へ逃げてきた。追ってきた乙姫らから逃げるために、月光・工藤・浦島太郎らを背中に乗せて空を飛び、月光達の高校まで三人を乗せてあげた。必然的な役目とはいえ、何の罪も無い善人の浦島太郎を騙して恩を仇で返す結果を悔いており、三人を逃がして一人でフグやオコゼの部隊と戦うも、タイからの不意打ちにやられ、捕まってしまう。
[編集] 世界観
- 〈読み手〉界(ニンゲンかい)
- 月光たち普通の人間が暮らす世界。
- 〈おとぎばなし〉界
- 世界中に存在する「おとぎばなし」の登場人物達が住む世界。 その物語内での設定や時代などを明確に出している。また、この世界では、空を見ると自分たちの物語を読んでいる〈読み手〉の姿が本を開いた形で見る事ができ、それがその物語の人気を表しているようである。特に自分たちの本を愛読してくれている〈読み手〉は、赤ずきん曰く「おひさま(太陽)」(後述を参照)なのである。
- これまで登場した物語から踏まえて、物語の登場人物達はこの「おとぎばなし」という名の舞台の上で、それぞれに与えられた役柄を演じているのである。言うなれば、本の世界は劇のステージ、登場人物達は役者、読者達は「おひさま」もしくは観客、ストーリーは台本にあたるものとなっている。
[編集] 用語
- 月光条例(げっこうじょうれい)
- 「おとぎばなし」の世界でたった一つの条例。「月打」でおかしくなった世界を正すために、「おとぎばなし」の世界の長老らが作り出した。条文内容はただ一つ、「青き月光でねじれた『おとぎばなし』は猛き月光で正されねばならない」のみ。
- 条例の「執行者」は、使者から執行者の証である三日月形の「極印」を授けられ、使者である「鉢かづき姫」を武器として扱って、「月打」によっておかしくなった登場人物を正気に戻すため戦うこととなる。
- 月打(ムーンストラック、げつだ)
- 何十年かに一度起こる不可解な現象。青き月光が「おとぎばなし」の世界を照らすと、「おとぎばなし」の世界の住人がおかしくなってしまい、性格や思想も歪み破壊や殺戮の限りを尽くすようになる。おかしくなった登場人物らは〈読み手〉の世界へやってくる。
- 月打によっておかしくなった「おとぎばなし」の住人が執行者の手によって正気に戻ればその登場人物が行った悪事は全てなかったこととなり、破壊されたものや負傷した人々などは全て元の状態に戻る。しかし、被害に遭った記憶は完全には消せない模様。また、一寸法師編やシンデレラ編のように、登場人物が正気に戻った際にストーリーの細部が月打前とは変わる例も見られる。
- なお、青き月光に照らされなかった者は正気を保ち続け、一部の者は長老を通じて月打対策の援助を行ってくれる。
- 消滅(デスアピア)
- 上記の月打が起こす最悪の事態。物語登場人物の中でも、桁違いの責任が課せられている主人公が月打されて、(月打されてなくても)5日以上本の世界に戻らなかった場合に起こる。
- 5日のタイムリミットになると、その物語における全ての登場人物が本ごと消滅し(黒い霧状に霧散する)、同時にそれを読んでいた〈読み手〉からもその物語に関する記憶が完全に消えてしまう。一寸法師曰く「それがし達の住まう本にとっての完全なる『死』」。
- これを防ぐには、本の世界にその主人公に代わる代役を置く必要があり、例として、鉢かづき姫は兄嫁(脇役であるため、本の世界に影響は無い)に、一寸法師は打出の小槌で出した分身に代役をやってもらっている。ただし代役を置いたとしても、その物語でのいわゆる「見せ場」となる場面の演技をせず、元のストーリーの大筋からずれてしまうと、それでも消滅が進んでしまう模様。
- ちなみに、本来の「消滅」の発音は「ディサピア(Disappear)」であるが、作中では「死」を意味する「デス(Death)」とかけているようである。
- 長老(ちょうろう)
- それぞれの「おとぎばなし」の世界の責任者。「シンデレラ」では「仙女」、「白雪姫」なら「継母」、「花咲か爺」では主人公が長老である。各「おとぎばなし」の代表の長老達が集まって「長老会」を開く。
- ツクヨミ(漢字表記は月へんに神)
- 10人以上の「おとぎばなし」の世界からの使者が属している秘密の公務員の団体で総数は1277名。執行者をサポートをするために警察や自衛隊が協力している。
- 「おとぎばなし」の世界の住人には、「おとぎばなし」の世界の武器しか効かないという理由上、彼らの使う武器は非常に特別な武器となっている。例として赤ずきんの件で彼女の動きを封じるのに銃弾を放ったが、この銃弾の先端にはおとぎばなし「ラプンツェル」の主人公ラプンツェル(髪長姫)の髪の毛が螺旋状に仕込まれている。
- おひさま(太陽)
- 本の世界の住人から見て、おとぎばなしを読む〈読み手〉の中でも、特にその物語を非常に愛読している人物を指す言葉。例えば、赤ずきんにとっては神林佳代がこれにあたる。
- 物語の登場人物たちはこの「おひさま」にあたる〈読み手〉のことを忘れることは決して無く、またその人物を裏切る行為や、悲しませる(赤ずきん曰く「おひさまが曇る」)行為は絶対に行わないのだという。また同時に、「おひさま」にあたる〈読み手〉に頭(鉢かづき姫なら頭の鉢)を撫でてもらうことは、住人たちにとってはこの上ない喜びなのだという。つまり、本の住人であると同時に月打などの特別な事情がない限り本の世界からは出られないため、ほとんど叶うことのない事なのである。
- 玉手箱(たまてばこ)
- おとぎばなし「浦島太郎」は、月光条例の執行を除けば、唯一月打から登場人物を治す方法が記されている物語となっている。そして、主人公の浦島太郎が物語の最後にもらう「玉手箱」は、その治療薬を作る道具という事になっている。亀によれば、この薬を作るのに必須なのは「絶望の気」であり、つまり月打で有頂天となった登場人物に絶望のどん底まで落とされた気分を味わわせるのが必要なのである。
- 「浦島太郎」の内容で、浦島太郎は竜宮城で至高の悦楽を堪能し、そのまま300年経った地上に戻り、絶望のどん底に落ちた気分を味わい、玉手箱を開ける。この瞬間に、玉手箱は彼から絶望の気を吸い取り、同時に老化させるシステムを発動させる。その後、亀が玉手箱を回収し、カクテルのように箱を振り、絶望の気を薬に変えるのである。つまり裏を返せば、この薬を作るには、浦島太郎の犠牲が必然となってしまうのである。
[編集] 作中で登場したおとぎばなし
- 鉢かづき姫
- はだかの王様
- 一寸法師
- 三匹のこぶた
- シンデレラ
- 天女と麦つかい[5]
- きき耳ずきん
- ピノキオ
- わらしべ長者
- ヘンゼルとグレーテル
- うりこひめとあまのじゃく
- ブレーメンの音楽隊
- 長靴をはいた猫
- おむすびころりん
- 赤ずきん
- 舌切り雀
- フランダースの犬
- 浦島太郎
同じ出典や作中での時代が近い場合、話の枠を超えて親交があり、例として同じ御伽草子に掲載された鉢かづき姫と一寸法師の2人は親交があった。
[編集] 章タイトル一覧
- 本条例の目的
- 一寸法師
- 居場所
- シンデレラ
- きき耳ずきん
- ピノキオ
- わらしべ長者
- ヘンゼルとグレーテル
- あまんじゃくとうりこひめ
以上で月光条例に関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] 単行本
- ISBN 9784091214201 2008年6月18日発売
- ISBN 9784091214690 2008年9月18日発売
- ISBN 9784091215192 2008年12月18日発売
- ISBN 9784091216106 2009年3月18日発売
[編集] 脚注
- ^ 例えば、「シンデレラ」ならば『流されて手に入れた幸せ』、「フランダースの犬」ならば『人の役に立たずに死んだネロ』等
- ^ イギリスで19世紀に制定された月狂条例 (Lunacy Act)より
- ^ BACKSTAGE vol.26
- ^ スピードカーにも変形する。また、馬車は月打された影響なのか、演劇部が乗った馬車に比べ、外観が少々歪んでいる。
- ^ 本作オリジナルのおとぎ話。作中ではテレビアニメ化もされるなど非常に有名だったが、「消失」によって人々の記憶から失われてしまった。また、シンデレラと出典や時代が近い。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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