月光条例
| 月光条例 | |
|---|---|
| ジャンル | バトルアクション・ファンタジー漫画 |
| 漫画 | |
| 作者 | 藤田和日郎 |
| 出版社 | 小学館 |
| 掲載誌 | 週刊少年サンデー |
| レーベル | 少年サンデーコミックス |
| 発表期間 | 2008年17号 - |
| 巻数 | 既刊14巻 |
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『月光条例』(ゲッコージョーレイ、Moonlight Act)は、藤田和日郎による日本の少年漫画作品。話数の単位は「第○条」。
目次 |
[編集] 概要
『うしおととら』・『からくりサーカス』に続く藤田和日郎の連載作品。『週刊少年サンデー』(小学館)にて2008年17号より連載中。基本的に一話完結から数話完結形式の構成になっている。
御伽噺を題材としており、和洋問わず様々な御伽噺が登場し、物語に彩りを添える。登場する御伽噺は誰もが知っているメジャーなものから、マイナーなもの、作者自身のオリジナルなど様々であり、藤田の御伽噺への造詣の深さがうかがえる。藤田のお伽噺に対する感想や歯痒さが動機で描かれている。また、「おとぎばなし」の世界の存在は、物語のような英雄的、あるいは清廉潔癖で高潔な人物ではなく、時に不遇な身を嘆き、描かれる幸福に疑問を抱く1人の人間として描写され、その御伽噺(およびディズニーや世界名作劇場)に対するアンチテーゼ的な側面[1]も持ち合わせている。
同氏のこれ以前の作品と比べ、残虐な描写はあるが直接的に描くことは抑えられており、コメディ&アクションの体裁を保っている。また、スター・システムを取り込み、過去作品のキャラクターやデザインの流用が多く登場するのも特徴。
なお、当初は「月狂条例[2]」というタイトル案が挙がっていたが、諸事情で変更となったという[3]。
[編集] あらすじ
何十年かに一度、真っ青な月の光が「おとぎばなし」の世界をおかしくする。
おかしくなってしまった「おとぎばなし」の世界を正すべく、「月光条例」の使者である「鉢かづき姫」は「〈読み手〉」の世界に助けを求めやってくる。
偶然「月光条例」の極印が刻まれ執行者となった岩崎月光は、おかしくなってしまった「おとぎばなし」を正すための戦いを始めることに……。
注意:以降の記述で月光条例に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。 →[記述をスキップ]
[編集] 登場人物
[編集] 〈読み手〉の世界
[編集] 主要人物
- 岩崎 月光(いわさき げっこう)
- 本作品の主人公で、現高校に通う不良。腕っ節が強く、非常に喧嘩っ早い。超が付くほどのひねくれ者で友達もいない。性根は真っ直ぐで行動力に優れ、弱い者いじめを嫌う正義漢だが、口の悪さと粗暴粗野な面が注目されて、近親者以外は本質に気付いていない。学業はよろしくないが、意見を汲んで集団を理屈でまとめたり、執行時に策を用いる事も多く、頭の回転は良い。相手の本心に食い込む鋭い洞察力と相手の言葉には耳を傾けて事情を理解しようとしっかりと会話しようとするため、他人の心情を理解できる。苦手なモノは、「お月サマ」、「本当のコトを言うコト」、「演劇部(エンゲキブ)」、「オヤジさん」の4つ。
- 貧乏なラーメン店「ラーメンいわさき」に住んでおり、配達などをしている。実は捨て子(養子もしくは拾われっ子)で、岩崎家とは血縁関係は無いが、不器用ながらも養(祖)父・徳三を実の父親のように慕っている。(こうした家庭事情により、帰る場所がありながらそれを拒絶するシンデレラには強い怒りを見せていた。)それ故暴力でチンピラ達から金を巻き上げてレジに投入しようとしたり強引に客引きしてしまったことがある(作中で彼が不当な暴力をふるったのはこれのみである)。幼馴染の演劇部とは兄妹同然の間柄だが、あまりにも多くの弱みを握られており、脅迫に屈して従わせられることも多い。悪友の天道を除き、人間の友達はいないがおとぎ話の住人たちからは慕われる。演劇部に図書委員、ホウソウブをはじめとして好意を寄せる女性キャラは多いが朴念仁で恋愛には極めて疎い。演劇部に対しては特別な感情を持っているらしいが、自覚はまだないらしい。
- 鉢かづき姫や演劇部の求めで動くが、徳三譲りの頑固さで自分の信念に従い行動するため、人々の求める助けとは別の答えを出すことが多い。このため月打とは別に、おとぎ話の世界の住人たちが抱える性格的な弱さや歪みを正して根本的な解決に導くことも多い。
- なりゆきで鉢かづき姫を助けた際に顔面に月光条例の極印が刻まれ、執行者となってしまった。最初は全くやる気が無く、女性である鉢かづき姫を武器として振り回すことにも抵抗していたが、「一寸法師」の世界で、鉢かづき姫の使者としての覚悟を見せつけられ、徐々に執行者としての自覚と覚悟を備えていく。しかし一方で「薙刀の一撃を顔面で受け止める」、「300キロを超えたシンデレラの車を走って追い抜く」、また「鉢かづき姫が不在で極印が出ないにも関わらず素手で条例執行をする」、「強力な刀の一撃を兜等付けてないにも関わらず弾き返す」など、明らかに普通の人間では有り得ない身体能力が浮き彫りになってきている。基本的には鉢かづき姫を武器として使い執行するが、顔面頭突きや極印の力を拳に宿してのパンチで執行することもできる。桃太郎との戦いにおいて自分が人間ではない事を悟る。はだかの王様は月光の正体を知っている模様。また、乙姫が浦島太郎の世界に帰る際にも、人間ではないことをいわれていた
- 演劇部(エンゲキブ)
- 本作品のヒロインの一人で、本編において代表的な語り部。今時な性格をした女子高生。岩崎月光の幼馴染でもあるため、月光の秘密を大量に知っており、それをネタに月光を脅すことが多々ある。また、月光とは強烈なスキンシップ(「お互いの首を絞め合う」「尻をつねり合う」「顔面に膝蹴りを入れる」等)をみせる。正真正銘の八方美人で、活発明朗な性格から男女ともに人気があり、友好関係は幅広い半面、妬みを持つ者や後述の男遊びが多い彼女を快く思わない者も多い。家は裕福であるが、両親が多忙なため、家族愛には恵まれていない模様(しかし母親の紹介でヒーローショーのアルバイト経験があり、そのおかげで、ドレス姿でも本物の衛兵数人を負かす程の強さを身に付けている。)男性アイドルであるイデヤの大ファンでもあり、月光そっちのけになる程ミーハーな一面がある。鉢かづき姫を「ハッちゃん」、一寸法師を「イッスン」と呼ぶ。「ラーメンいわさき」のラーメンはお気に入りで、ほとんど毎回「ラーメンいわさき」で食事をしている。
- 「演劇部」はあだ名で、本名は今のところ不明だが、同じ演劇部の部員はおろか学校の教師にまでそのあだ名で呼ばれる程に浸透している。その名のとおり演劇部に所属していて、演劇のトレーニング(体作りやダンス、バレエ、発声練習など)は熱心にやっていて、まさに演劇人と言うべき人物でもある。しかし、それに反して「おとぎばなし」などといったものにまったく関心がない故、台本以外は読書もしない(これは物語が進んでも変わることはない)ため、「シンデレラ」、「ブレーメンの音楽隊」等、誰でも知っている有名な「おとぎばなし」でさえ知らない(逆に「鉢かづき姫」は舞台で姫を演じるため知っていた)為、同じく無知な月光を助けることは出来ない。(ただし、いざという時に言う言葉には何かしらの説得力があり、三条大臣の姫やシンデレラに大きな影響を与え、結果的に月打を解くのに役立っている。)
- 付き合っている彼氏の影響を受けやすい(それが興味の方に出ている)。過去に天道と付き合ったことがあり、身の上話を知っていた。月光に好意を持っているようだが、それを素直に表せず(この好意について十分理解しているのは、同じ演劇部の友達2人とシンデレラだけである)、そのため色々な男をすぐに取り替え、付き合う様子を見せつけることで、彼の気を引こうとしているようだ(そのため男達には手も握らせていない)。
[編集] 月光の関係者
- 岩崎 徳三(いわさき とくぞう) / オヤジさん
- 「ラーメンいわさき」の店主で、月光の育て親。常に自店のTシャツ(「麺 on the silver mountain」のロゴ付き)を着ている。彼が作るラーメンの味は珍味らしく(雑誌でも褒めているのか貶しているのか微妙な評価されている)、借金があるほどの貧乏生活を送っているにも関わらず、客にツケで食べさせるなど金銭に無頓着。
- 17年前の12月、妻との間に子供ができなかったため、里親(養孫縁組)の相談をしていたところ、神社の御神木のウロに捨てられていた赤ん坊の月光を見つけた。現在の月光の性格を作成した張本人だが、当の月光は不器用ながらも彼の事を慕っている。月光がケンカをしても警察沙汰になっていない事が自慢らしい(実際は署長の手回しにより無い事になっている)。
- 余談だが、容姿は『からくりサーカス』に登場した生方法安とそっくり。
- 高木 天道(たかぎ てんどう)
- 暴走族の間では「走り屋天道」として恐れられている。演劇部にとっては元彼氏だが、天道は演劇部に未練たっぷり。月光とは死ぬほど仲が悪くしょっちゅう殴り合いをするが、途中からぐだぐだになり決着がつかない。幼い頃は自衛隊の曹長だった父から鍛えられていた。その父親の死後は、再婚を理由に実母に捨てられ、自動車などの修理を行っている叔父の所に引き取られて、やがてメーカーとして発展し社長になった叔父の養子になった。チンピラに脅されている老婆を助けたり、演劇部にプレゼントを渡そうとするなど、意外と繊細な一面も持つ。その人柄のためか、不良仲間や実家の会社を勤める社員達に慕われている。また、シンデレラの本音に戸惑う一寸法師に他人を気にしていては幸せになれないと語るように、幸福になることについてはシビアな考え方をしている。
- 月打されたシンデレラに巻き込まれた事で、月光達に協力するようになった。月打時の記憶を持ち合わせるため、月光らの戦闘の援助を行っている。
- 月光をライバル視している同士だからか、一寸法師とは仲がよく、比較的一緒にいるシーンが多い。
- 工藤(くどう) / 図書委員(トショイイン)
- 本作品のヒロインの一人で、月光らが通う現高校の図書委員を勤める少女。祖父母が営む「工藤古書店」の娘。下の名前は現在不明だが、祖父母からは「かっちゃん」と呼ばれている。演劇部とは正反対ともいえる性格で、秀才ながらクールで冷徹な文学系。あらゆる種類の本に愛着があり、おとぎ話への造詣も非常に深い。「暴力的な者」「本を大事にしない者」を毛嫌いしており、そういったイメージが定着した月光や演劇部らとは、当初壁を一つおいた関係となっていた。本人の両親は既に他界しており、祖父母が営む古本屋に住んでいるが、関係は良好で普段の態度とは一転して柔和な姿を見せており(この点でも演劇部とは正反対といえる)、古本屋も大学には行くが継ぐ予定でいる。
- ブレーメンの音楽隊について図書室で調べものをしていた(その実荒らしていた)月光、演劇部らと出会い月光に情報を与えた。TV番組への出演がきっかけでイデヤに見込まれ、ツクヨミ側の正統な執行者としてコンビを組むことに。おむすびを巡る戦いで言葉巧みに丸め込み市民を犠牲にしようとしたイデヤに反発し、理屈を超えた強さで見事人質を救出し、事件を解決した月光たちに惹かれるようになる。
- その後の赤ずきんの一件を機に、ツクヨミの「数での戦略」に嫌気が差し、ツクヨミの執行者辞退を申し出た(決定したのかは不明)。また、月光のタイミングの良さから、彼女も彼に好意を持ち、同時に演劇部や鉢かづき姫達との関係も温和になった。
- 現在はおとぎばなしの知識に欠ける月光らをサポートするポジションに立っているのだが、物事を一つの観点でしか見られないという決定的な欠点があり、そのせいでイデヤの当初のやり方や、赤ずきんや浦島太郎らの真意に気付けない事が多い。
- ストーリーを進行する上で、月光と演劇部があまりにもおとぎ話や童話に疎いため、解説者として図書委員が生まれたという。
- 署長 / ショチョーさん
- 月光たちの住む町の警察署の署長。本名は不明。オヤジさんとは「トクちゃん」と呼ぶほどの友人。オヤジさんのラーメンも気に入っている。月光のケンカに関する警察沙汰は、オヤジさんの耳に入らぬよう、彼が手回しをしている。
- 本庁の方から、月光条例およびツクヨミに関する知らせは聞いていたが、演劇部の話やイデヤの姿を見るまでは信じていなかった。警察官であるため、彼の所属する署も、ツクヨミの協力をすることになっている。
- ちなみに容姿は、『からくりサーカス』に登場した仲町サーカス団長・仲町信夫とそっくりである。
- 平賀 帯刀(ひらが たてわき)
- ツクヨミ側の使者達を統括するツクヨミ本部のチーフ。指揮官として、ツクヨミの使者達に的確な指示を送る。
- その後、桃太郎の襲撃の際、見事彼らに条例執行をしたイデヤ・工藤ペアと月光達を賞賛し、イデヤの申し出もあって鉢かづき姫の無免許問題を取り下げ、彼女に謝罪し、ツクヨミとの協力を依頼した。
- その正体は斉天大聖孫悟空であり、前線に出ることは少ないがツクヨミ側の切り札とも言えるほどの実力を持っている。無敵とも言える力を持つが三蔵法師の唱える呪文には弱い。
- 藤木 裕美(ふじき ゆみ)/ホウソウブ
- 実家は花屋「花の藤木」。近所に住む工藤の中学時代までの同級生で幼馴染。現在はミッション系の高校に通っている。普段は物静かだが、月光との恋愛を妄想するなど不純な一面もある。
- ある日、月打された「きき耳ずきん」の主人公の若者に、「お前は長者どんの娘でオラの嫁だ」と言われ、執拗に狙われていた。動物園でとうとう捕まり絶望に瀕していたが、タイミングよく駆けつけた月光(と鉢かづき姫)に助けられる。若者が元に戻った事で一連の出来事はほとんど忘れてしまったが、月光の事だけはおぼろげに覚えていて、彼のタイミングの良さから好意を持ったようである。
- 一話限りのゲストキャラクターから準レギュラーに昇格した事情は6巻巻末を参照されたし。
[編集] その他の人物
- 谷口書店の老夫妻
- ラーメンいわさきのあるニューえびす商店街にある本屋の老夫妻。毎回、月光条例を巡るドタバタに巻き込まれる。尚、夫はからくりサーカスに登場する加藤鳴海の師匠「梁 剣峰」に、妻は最古のしろがね「ルシール・ベルヌイユ」に似ている。
- ユミカ
- ごく普通に暮らす小学生の女の子。母親が入院した祖母がいる病院に行ったため、一人で留守番していた。代わりに面倒を見てくれるカナエおばさんの来訪を待っていた際、月打したうりこひめに襲われ成り代わられてしまうも、鉢かづき・演劇部・月光に救助された。
- たいぞう
- 小学2年生の男の子。母親に商店街に連れてこられた時に、月打されたおむすびに取り込まれたが、月光達に救助された。
- 神林 佳代(かんばやし かよ)
- 50年前にごく普通に暮らしていた女の子で赤ずきんにとっての「おひさま」。「赤ずきん」の本を非常に愛読していて、同時に赤ずきんも彼女の事が大好きだったが、神林ら3人が起こした火事の際に、その本を取りに行くため燃え行く家の中へ戻り、そのまま家の中で倒れ、亡くなってしまった……と思われていたが、実は神林によって助けられていた事が判明する。現在、神林の妻になっている。赤ずきんを見たとき、自分が昔読んでいた赤ずきんである事は分からなかったが、今でも孫娘の果歩には「赤ずきん」の絵本を読んであげているようである。
- 神林 剛三(かんばやし ごうぞう)
- 元刑事。演劇部曰く30年間定年退職までバリバリと警察業を勤め上げた人物。50年前、当時学生であった彼と仲間2人が日々のストレス解消のため、ボヤを起こそうと火をつけた(神林本人はあまり乗り気ではなかった)が、それがやがて一軒の家を火事にしてしまった。そしてその場で家の中へ戻っていく佳代を見て、意を決して家の中へ飛び込み、中で倒れていた彼女を発見し、救出することに成功した(赤ずきんは本が燃え尽きてしまっていたためこの場面を見ることができなかった)。しかし、その時の罪悪感は未だ燻り続けているらしく、赤ずきんには命を差し出してでも謝罪しようとした。助けた佳代と結婚、今では孫娘・果歩もいる。
- 神林 果歩(かんばやし かほ)
- 神林剛三と佳代の孫娘。容姿は少女時代の佳代とよく似ている。佳代の不注意で起きた火事で、家の中に取り残されていたが、そこへ赤ずきんが現れて、彼女に助けられ、そのまま一緒に空へ飛んだ。その後、赤ずきんから本の世界の住人ゆえの悲しい事情を聞いて、「赤ずきんちゃんを忘れるわけない」と言いながら、彼女の頭を撫でてあげた。そしてその後、赤ずきんのバスケットに乗せられて地上に降ろしてもらい、無事に剛三達の元に戻って行った。
- センセイ
- 月光が、自分を強くする為に魔法のランプの中での修行で出会った人物。過去にも月光と出会ったことがある、過去の鍵となる人物。
- 容姿や学校の先生から農業への転進という経歴、病弱であること、質屋の長男という出自などから、イーハトーヴォで有名な作家であると考えられる。
- 高瀬露(たかせ つゆ)
- センセイの女友達。田舎の学校の教員で、おとぎ話にも詳しい。
- モーリス・メーテルリンク
- 「青い鳥」の作者。チルチルが「青い鳥」が悲劇的である為に書き換えて欲しいと申し出てきたが、他の作品の方がもっと悲劇的だと諭した。
- ハンス・クリスチャン・アンデルセン
- 「マッチ売りの少女」の作者。
- メーテルリンクに「他の作品」の作者として名指しされ、チルチルに脅迫される。が、「言いたいことを変えたらお話は死んだも同じ、作者も死んだも同じ。だから死んでも書き直せない」と拒否する。
[編集] 「おとぎばなし」の世界
[編集] 月光側
- 鉢かづき姫(はちかづきひめ)
- 本作品のヒロインの一人で、おとぎばなし「鉢かづき姫」の主人公。亡き母親から与えられた大きな鉢を頭に被った『お伽草子』のお姫様。通称「鉢かづき(ハチカヅキ)」、「はっちゃん」。また、〈呑舟(ドンシュー)〉の異名(「舟も呑み込める」ことからと思われる)を持つおとぎ話の世界では有名な伝説の使者。鉢の中は真っ暗で下から覗き込んでも彼女の鼻から上の顔は見えない。鉢を被っていたことで数十年繰り返し起こった〈月打〉を免れてきた。ただ、当然ながら日常生活において鉢は邪魔で異様。大抵の事に鷹揚ないわさきのオヤジさんにも信じて貰えなかったほど。働き者で生真面目な一方、ドジっ娘でかなりの天然。使者として何度か〈読み手〉界に来ており、生活習慣や事情にはある程度通じているが、最後に来たのが70年前であるため現在では通用しなくなっている部分が多々ある。着物の袖に黒電話を所有しており、おとぎ話の住人だけでなく演劇部の携帯とも連絡をとりあう。初回登場時は着物に草履履きだったが、途中から靴履きになった。演劇部から借りたジャージを着用したりもする。あんこ以外の菓子は苦手。尚、心に決めた人(おとぎばなし中の恋人、宰相さま)がいるため、月光に恋愛感情はない。
- 来るべき「月打」に備えて、鉢に極印があり、執行者の武器となるための修行を欠かさずに行っていた。ついに訪れた月打によりおとぎ話の世界が混乱する中、長老会の一人である「はだかの王様」の指示で〈読み手〉の世界へ向かう。途中、鬼の太郎丸から一寸法師を託されるが、兄嫁の追撃でピンチに陥っていた。演劇部の手にしていた本から突然現れて月光に衝突し、その顔に極印を打ち込んだ。なりゆきで助太刀した月光、演劇部とともに兄嫁の一人を執行する。物語の中では働くことで自分の居場所を作っていたため、ラーメンいわさきを手伝い、岩崎家の家事を担当する。
- その使者としての覚悟は非常に強く、自分を気遣って執行に手間取る月光に執行者としての真の覚悟を促した。その後は月光の最も信頼するパートナーとしてあらゆる局面で活躍する。それぞれ驚異的な戦闘力を持ちながら、コンビを組んで戦うという点ではうしおととらの主役コンビに通じる。
- 武器を呑み込むことにより、呑み込んだ武器と同じ姿になることが出来る能力を持ち、変化した武器は元の10倍の威力を持つようになる。武器としての基本形態は鬼の金棒型。鉢を巨大化させて盾として使えばミサイルの直撃にも耐えられる。鉢を回転させて飛行する事も出来る。武器だけでなく自動車や飛行機をも呑み込んで変化できる。大きなものを呑み込む特性があるため巨大化したおむすびも平然と食べてしまった。また、格闘の心得を持ち蹴り技を得意とする。その際にはトゲつきの足輪をするが、着物のまま開脚する足技を使うため下帯も見える。以前は下帯がなく見苦しいことになったと話すが、下帯をつけてからは200回転ほど足が回るようになり月打された「七匹の子やぎ」を一瞬で倒したらしい。その万能ぶりは話を追うごとに激しくなっている。
- 一寸法師(いっすんぼうし)
- おとぎばなし「一寸法師」の主人公。鉢かづき姫と同じ『お伽草子』出身。鬼の一人・太郎丸の助けにより鉢かづき姫の鉢に隠れて〈読み手〉の世界へとやってきた。鬼の金棒の件が片付いた後、おとぎばなしの世界に帰ったが、自分を「負け犬」と呼んだ月光を見返すために〈読み手〉の世界に戻ることを決意。三条の姫が打ち出の小槌で本の主人公である一寸法師の代理をつとめる偽物を用意したため、消滅の期限である5日の制約に縛られることなく無期限で〈読み手〉界に出張中。
- 物語の中においての最終的な地位が「中納言」であるために、基本的に他者を見下す自己中な性格をしている(いわゆるオレ様キャラである)が、実際は自分の小さな躯体を気にして強がっている姿でもある。当然「ちっちゃい」と言われる(思われる)と怒る。スケベでだらしがなく、〈読み手〉界にすっかり馴染んでいる。日本ではまだ甘味が乏しかった時代の物語の出身であるため、〈読み手〉界に満ちあふれる甘い菓子が大好物となり、お菓子の家を食べて進んでしまうほど。今のところはほとんどマスコット。天道と一緒にいることが多い。
[編集] ツクヨミ側
現段階までで、イデヤを除くほぼ全員は鉢かづき姫もとい〈呑舟〉の伝説を知っている。
- イデヤ・ペロー / 長靴をはいた猫(ながぐつをはいたねこ)
- おとぎばなし「長靴をはいた猫」の主人公。ツクヨミの一員。〈読み手〉の世界では人間の青年の姿に変化して、芸能界でも有名なイケメンアイドルグループ「スプラッシュ」に所属している。背中に穴のようなものを作り、契約した執行者に手を入れてもらい、執行者の思った通りに体を動かす能力「マペティカ」を持つ。使用武器は剣。
- 飄々としているが性格は悪賢くプライドも非常に高い。月打による物理的被害は条例執行で元通りになるため、執行までの過程での一般人達への被害も月打された住人の事情も、「条例執行の為には仕方ない」と無視し、ドライかつ性急なまでに執行に及ぶ(いわゆる「終わり良ければ全て良し」主義)行動ばかり取っていたために、月光達とは敵対関係にあった。そのため当初、月光と鉢かづき姫の事を「違法執行者」と呼び、見下していた。更に、鉢かづき姫もとい〈呑舟〉の伝説を知らない。反面、友人である金太郎と屈託なく笑いあい、彼が倒されたことに涙を流して悲しむなど、友人おもいな一面もある。
- 工藤を執行者として選んで彼女と組み、ブレーメンの音楽隊を月光達に割り込む形で倒すが、次のおむすびの一件では月光達に先を越され、更には赤ずきんの一件を機に工藤本人がツクヨミに嫌気が差し執行者辞退を申し出てしまう。彼女のツクヨミ脱退を引き止めるため、傍から聞けば性行為を示唆する説得(実際はマペティカの能力のこと)をし、嫌がらせに近い行為に走ってしまってしまい、更には本の世界の住人でありながら、工藤が住む古本屋の本をぞんざいに扱い、完全に彼女の逆鱗に触れてしまった。イデヤ自身は彼女に好意があるようだが、これらの行動により彼女からは距離を置かれる様になってしまう。
- その後、「フランダースの犬」の世界でかなり散々な目に遭い、月光達を違法執行者として本気で罰しようとしたが、その直後に親友の金太郎が月打された桃太郎に切り裂かれた事により小竹から仇討ちには鉢かづき姫が必要と知らされる。保安局から彼女を連れ出し、桃太郎達と一騎打ちするが圧されてしまい、殺される(=存在自体が消滅する)寸前の所を月光に守られ、(月光に譲られつつ)工藤と共に戦い見事桃太郎を倒した。その後、月光達の無免許に関する問題を取り下げた。
- 余談だが、先述の通り悪賢い彼であるが、一方で教養はあるようで、「フランダースの犬」の世界の教会にあったルーベンスの作品を「素晴らしい」と賞賛していた。
- 金太郎(きんたろう)
- おとぎばなし「金太郎」の主人公。ツクヨミの一員。菱形の腹掛けを着た大柄な青年。ポジティブな性格で、イデヤとは酒を交わすほどの友人関係にある。武器は鉞。当初イデヤの事を「町育ちの変人」と称していたらしい。
- 月打された桃太郎を発見、ラプンツェルと共に挑むが、圧倒的な力の差に敗れ、刀で体を真っ二つに切り開かれてしまった。桃太郎の一件後、元に戻る事ができイデヤとより一層仲が深まった。
- ラプンツェル(髪長姫)
- おとぎばなし「ラプンツェル」の主人公。ツクヨミの一員で、金太郎のパートナー。三つ編みにした後ろ髪が体に巻かないと地面に着いてしまうほど長い。戦闘時はこの髪をムチなどの武器にして戦う。髪は切られても、すぐに伸ばすことが可能。また、彼女の髪の毛は〈読み手〉界のツクヨミ特殊部隊の弾丸にも使用されている。
- 月打された桃太郎に金太郎と共に挑むが、後ろ髪は切られ、更に金太郎も斬殺されてしまい、その場に居合わせた小竹と共に、命からがら逃げ去った。金太郎が助かった後は号泣してイデヤ達に感謝の気持ちを伝えた。
- 小僧(こぞう)
- おとぎばなし「三枚のお札」の主人公である子坊主。ツクヨミの一員。どんな願いも叶う3枚の札で様々な物を生み出して攻撃する。
- 月打された桃太郎達と最初に、パートナーであるカーレンと共に挑むが、家来達の戦闘能力に圧倒され、イヌにより首を刎ねられてしまう。更に札を1枚桃太郎に使われ、ツクヨミへの挑戦状として壁に首を貼付けられ、取れなくなってしまった。その後桃太郎が正気に戻ったため、彼も元に戻った。
- カーレン
- おとぎばなし「赤いくつ」の主人公。ツクヨミの一員で、小僧のパートナー。赤い靴に炎を纏わせて攻撃する「火神舞踏(ウルカヌス・フォックストロット)」が必殺技。
- 月打された桃太郎達に最初に挑むが敗れ、小僧は首を刎ねられ、自身も重傷を負った。その後桃太郎を倒したイデヤや、手助けをしてくれた小竹に感謝した。
- 茶釜ダヌキ(ちゃがまだぬき)
- おとぎばなし「分福茶釜」の主人公であるタヌキ。ツクヨミの一員。体を入れた茶釜を鎧として使う。その蓋を大量に増やして攻撃する「スキャッターリッド」が必殺技。
- 月打された桃太郎の家来の一人であるキジと戦うが、スピードの差で攻撃が当たらず、強力な超音波を受けて体もろとも粉々に砕かれてしまった。桃太郎が正気に戻った後復活する事ができた。
- アリババと40人の盗賊
- おとぎばなし「アラビアンナイト」の一つ「アリババと40人の盗賊」の主人公と悪役である40人の盗賊達。ツクヨミの一員。両者共に協力して月打したおとぎばなしの登場人物を相手に戦っている。
- 月打された桃太郎の家来の一人であるサルに挑むが、圧倒的な戦闘能力の前に全員打ちのめされてしまった。桃太郎が正気に戻った後は復活した模様。「アラビアンナイト」の作品で唯一月打されなかった話の為、アラビアンナイトの世界で捕らわれていた工藤たちを救出する。その際に登場した盗賊たちは読み切り漫画『美食王の到着』の美食王に瓜二つ。
- ガリバー
- おとぎばなし「ガリバー旅行記」の主人公であるツクヨミの一員。桃太郎に他のツクヨミのメンバー達と総出で倒しに行くが返り討ちにあう。桃太郎が正気に戻った後は復活する事が出来た。
- おつる
- おとぎばなし「鶴の恩返し」の主人公で主に女性の姿をしている。ツクヨミの一員でガリバーのパートナー。月打された桃太郎を「ヘンタイ」と罵り気は強い様子。桃太郎にツクヨミのメンバー達と総出で倒しに行くが返り討ちにあう。桃太郎が正気に戻った後は復活する事が出来た。
- こぶとりじいさん
- おとぎばなし「こぶとりじいさん」の主人公で片頬にこぶを付け、今風の格好をしている。ツクヨミの一員。桃太郎にツクヨミのメンバー達と総出で倒しに行くが返り討ちにあう。桃太郎が正気に戻った後は復活する事が出来た。桃太郎との戦いでこぶのような物を持っておりおそらく武器ではないかと捉えられる。
- エリサ
- おとぎばなし「白鳥の王子」の主人公。ツクヨミの一員でこぶとりじいさんのパートナー。桃太郎にツクヨミのメンバー達と総出で倒しに行くが返り討ちにあう。桃太郎が正気に戻った後は復活する事が出来た。
- ジャック
- おとぎばなし「ジャックと豆の木」の主人公で豆の木と共に登場する。ツクヨミの一員。桃太郎にツクヨミのメンバー達と総出で倒しに行くが返り討ちにあう。桃太郎が正気に戻った後は復活する事が出来た。
- 天女
- おとぎばなし「羽衣の天女」の主人公。ツクヨミの一員でジャックのパートナーである。桃太郎にツクヨミのメンバー達と総出で倒しに行くが返り討ちにあう。桃太郎が正気に戻った後は復活する事が出来た。
- 海幸彦
- おとぎばなし「山幸彦と海幸彦」の主人公で釣竿を持っている。ツクヨミの一員。本部にておつるが工藤に紹介した一人。
- うさぎ
- おとぎばなし「かちかち山」の主人公でうさぎの耳をつけた今風の青年で小さな泥舟を持っている。ツクヨミの一員。本部にておつるが工藤に紹介した一人。
- 孝行ムスコ
- おとぎばなし「養老の滝」の主人公で瓢箪を持っている。ツクヨミの一員。本部にておつるが工藤に紹介した一人。
[編集] 長老
- はだかの王様(はだかのおうさま)
- おとぎばなし「はだかの王様」の主人公。月打によって不遇な状況になったにも関わらず、鉢かづき姫を〈読み手〉の世界へ行くための手立てをしてくれた。その後はアラディンに長老達が捕らえられている事を報告し連絡が取れなくなる。のちにアラディンからツクヨミ本部への「打出の小槌」の要求の際に居たがボロボロの状態で気力を喪失している。
- 過去に〈最強月打〉を受けたことがあるため長老の中でただひとり作者の存在を知っている。
- 仙女(せんにょ)
- おとぎばなし「シンデレラ」に登場するシンデレラに助力を与える魔法使い。性格はイケイケ気質で明るい。シンデレラの代役に来た演劇部をサポートする為に、彼女に「ガラスのお面」を授けた。
- 容姿は『からくりサーカス』のアルメンドラおよび読み切り漫画『美食王の到着』の占い師と瓜二つである。
- 乙姫(おとひめ)
- おとぎばなし「浦島太郎」に登場する竜宮城のお姫様。他の登場人物達とは違い、乙姫は発作的な月打を受けたため、当初は月打時と通常の人格が入り交じっていた。「アイ ヘイト ア ドッグ(I hate a dog)!」と叫ぶほどの犬嫌い。竜宮城を空飛ぶ戦艦に改造した「竜宮丸」を操り、浦島太郎と彼の持つ玉手箱を追って〈読み手〉の世界にやって来た。
- 月打時は「海!愛!」というスローガンを出すほど海を溺愛しており、〈読み手〉の世界を海水で沈めてしまおうとしている。海水や羽衣を自在に使った攻撃をし、更には口から大量の蟲を出して、人間の足の骨を砕き、魚の尾びれにしてしまおうと企む。しかし当の目的は〈読み手〉界を海水で沈める事ではなく、彼の持つ玉手箱を開けさせ、月打を治す薬を作る事にある。月打時の自分が〈読み手〉の世界に迷惑をかけている事を良しと思っていない為、玉手箱を開けるのに躍起になっているが、逆にそのためなら手段を選ばなくなっている。
- タイ達が倒された直後、月打が完成してしまい、月光や工藤に猛攻を加えたが、月光の言葉で変わったネロが月打状態のパトラッシュを呼び出し、誤って攻撃したため、パトラッシュに追い回される羽目になってしまい、ついには絶望のまま噛み殺されそうになったが、浦島太郎が開けた玉手箱に絶望の気を吸い取られ、お互い気が抜けて事なきを得る。その後その絶望の気で作った薬を飲み、正気に戻った。本の世界へ帰る前に月光達に詫びを入れたが、素手で部下達全員に条例執行をした月光には、「お主、人間ではあるまい」と言い残し、竜宮丸ごと本の世界へ戻って行った。
- 継母
- おどきばなし「白雪姫」に登場する人物。アラディンに捕らえられた一人で鎖に繋がれている。
- 花咲か爺
- おとぎばなし「花咲か爺」の主人公。アラディンに捕らえられた一人で鎖に繋がれていた。脱出の際敵を引きつける役にまわり、灰をまき何も無い所から桜の木を出しそれを操って戦ったが空飛ぶじゅうたんの3兄弟が呼び出した指輪の精霊に倒された。必殺技は「桜の木ドリルストーム」。
- 親ゆび姫
- おとぎばなし「親ゆび姫」の主人公。アラディンに捕らえられた一人で鎖に繋がれていたが脱出。願い事キャノンの構造を理解し、使用方法まで見抜いていた。専門用語を多用する癖があるようで、願い事キャノンの説明の際はフリントロック式といった単語を使用した
- おしょうさん
- おとぎばなし「三枚のお札」の主人公、小僧にお札を与えた人物。アラディンに捕らえられた一人で鎖に繋がれていた。脱出の際敵を引きつける役にまわり、三昧のお札の力で戦ったが空飛ぶじゅうたんの3兄弟が呼び出した指輪の精霊に倒された。
- みにくいアヒルの子
- おとぎばなし「みにくいアヒルの子」の主人公。アラディンに捕らえられた一人で鎖に繋がれていたが、巨大な白鳥に姿を変え皆を乗せ脱出。
- かさじぞうの一人
- おとぎばなし「かさじぞう」の登場人物。アラディンに捕らえられた一人で鎖に繋がれていたが脱出。
- 絵姿女房
- おとぎばなし「絵姿女房」に登場する女房が自分を描いた絵。アラディンに捕らえられた一人で鎖に繋がれていたが脱出。
[編集] 青き月光に照らされた「おとぎばなし」の登場人物
- 兄嫁(あによめ)
- おとぎばなし「鉢かづき姫」に登場する脇役で、鉢かづき姫の恋人、宰相の兄嫁達。青き月光に照らされたことにより凶暴化し、薙刀・三節棍・釵を手にして鉢かづき姫に「少し早い嫁くらべ」と称して襲いかかるが、太郎丸によって阻まれた。薙刀を持った一人が〈読み手〉の世界まで追いかけるが、月光によって正気に戻される。その後、残りの2人は月光一行が太郎丸を救出する際に再び道を阻んだが、鉢かづき姫により倒された。
- 現在は月光の最初の執行で正気を取り戻した一人が鉢かづき姫の代理を務めている。また元のストーリー通りに、「嫁くらべ」で鉢かづき姫に負ける事を心待ちにしている。
- 宰相(さいしょう)
- おとぎばなし「鉢かづき姫」の登場人物で、鉢かづき姫の恋人。冷遇され続けた鉢かづき姫に優しく接し、物語の最後で「鉢かづき姫がいなければ自分も生きていけない」と彼女に告白したのだが、その直後に青き月光に照らされ凶暴化、容貌と口調が変化し、彼女に「まだお前はバケモノのままだ」と言い放った。
- 上記の兄嫁3人の内、「一寸法師」の世界で倒された2人はまだ月打が解けていないことが分かっているが、宰相がどうしているのかは作中では言及されていない。ただし鉢かづき姫と演劇部の会話からして、少なくとも本の中にはいる模様。
- 子供
- おとぎばなし「はだかの王様」に登場する王様は裸だと言った子供。蒼き月光に照らされたことにより凶暴化、月打された国民たちを率いて王様の城に攻め入った。その後は不明。
- 国民
- おとぎばなし「はだかの王様」に登場する国民。青き月光に照らされたことにより凶暴化し、主人公である王様の城に攻めに入った。その後は不明。
- オオカミ
- おとぎばなし「三匹のこぶた」に登場するオオカミ。青き月光に照らされたことにより凶暴化し、三匹のこぶたたちを追いかけ〈読み手〉の世界へとやって来た。途轍もない量の息で建物を破壊することができ、その威力は金閣寺や国会議事堂をも破壊するほど。しかし、月光によって倒され正気に戻り、三匹のこぶたと共に物語の世界へ帰っていった(元々頭が悪い設定を持つためか、オオカミ本人は何も覚えていない様子である)。
- 三条の大臣の姫(さんじょうのだいじんのひめ)
- おとぎばなし「一寸法師」に登場する一人で、一寸法師の恋人。通称「姫」。月打を受けた鬼の金棒に取り憑かれ、血の涙を流す「鬼」となり、醜くなった自らの顔を隠すため蝶番の面で覆い、牛車を牽いている。どんな願いも叶う「打出の小槌」を持っている。金棒に操られて、物語で自身を陥れた一寸法師への憎悪の念で満たされてしまっていたが、演劇部の説得で一寸法師を真に慕っていた事を思い出し、金棒の粉砕によりついに元の姿に戻る事が出来た。一寸法師と共に「おとぎばなし」の世界に戻るが、〈読み手〉の世界に戻る彼の為に、打出の小槌で一寸法師の身代わりを作り出した。一寸法師曰く天然。
- 鬼の金棒(おにのかなぼう)
- 「一寸法師」に登場する鬼の次郎丸が持っていた武器。青き月光に照らされた結果、1つ目の妖怪の様な外見になり、意思を持つようになった。自分が暴れたいが為に、三条の大臣の姫の心の中にあった、僅かな一寸法師への怨恨につけ込んで取り憑いた。鬼となった姫に「打出の小槌」を使わせ、一撃が隕石の衝突なみの威力を持ち都市を一瞬で消し去るほどに強化させ、日本中を穴だらけにし、地球をあと2発で氷河期突入という所まで追い込むが、鉢かづき姫を武器とする決意をした月光に倒され粉々に砕け散った。それによって元に戻り、恐縮しながら太郎丸たちと共に物語の中に帰っていった。今までのところ〈読み手〉の世界に『存亡に関わる最も深刻かつ甚大な被害』を与えており、事件にツクヨミが介入しなかったのは謎。
- シンデレラ
- おとぎばなし「シンデレラ」の主人公。月打された結果、黒いドレスを纏い、遅い者を置き去りにすることでしか快感を得られないスピード狂になってしまった。また同時に、「遅い乗り物に乗る者はエラくない、バカにしてもいい、蹴散らしてもいい」という非常に危険な思想が宿ってしまった。彼女がこのようなスピードへの考え方をしたのは、物語でガラスの靴が足に合って、王子の結婚相手として城に行く際に乗った馬車が、今までにないくらい速い馬車であったためである。そしてスピードを求め「遅すぎる」おとぎばなしの世界から、速いものがたくさん居ると聞いた〈読み手〉の世界へとやって来た。[4]
- 圧倒的なスピードを得たかぼちゃの馬車に乗って各地の走り屋達のレースに乱入し、負かした車を自身のガラスの靴による強力な蹴り技で破壊して回り、ついには新幹線を破壊しようとしたところで、月光らに阻止され、彼らにレースを挑まれる。その後馬車とガラスの靴を壊され、自身も月光の攻撃を受けて半分ほど正気に戻った彼女は、自分で何も決めず、流されてただ幸せを迎えた自分に不満を抱いていた本心を暴露する。その後に代役を終えて「シンデレラ」の世界から戻った演劇部と競走でレースを再開。走りながら彼女と愚痴を語り合い、また彼女の口から、シンデレラが本当に欲しかった同情の言葉を聞き徐々に正気に戻り、勝利してゴールで待っていた王子に迎えられた。そしてその後本の世界に帰って国と民のために力を尽くして国民から結婚を祝ってもらい、天道の口利きで週2日だけ〈読み手〉の世界に行き、アメリカの小さなガレージで働くことになった。この時からは白いドレスを着る様になった。この一件から演劇部や月光のことを親友と慕う。
- その後の桃太郎編で、アメリカでバイクのレースをしていた所を小竹に呼ばれ、月光や演劇部を助けるために再び黒のドレスに身を包み〈読み手〉界へやって来た。そして月光に代わり「舞踏会」と称して猿吉と交戦し、月光を援護した。その後、オヤジさんの知り合いのトラック等の修理を受けてまわっている。何故か赤ずきんとはケンカ腰。
- ドライヴァー
- おとぎばなし「シンデレラ」に登場する、魔法で人間の姿になったネズミ。馬二頭の馬力でも、新幹線を追い抜くほどのスピードを出すシンデレラのかぼちゃの馬車[5]を彼女の意のままに操縦する、サングラスを掛けた老御者。元がネズミなので「~でちゅ」という話し方をする。シンデレラに対し絶対の忠誠心を持ち、レースで馬車を壊された際は元のネズミの姿に戻り、シンデレラの逃亡の為に月光達を妨害したものの、天道の車を飲み込んでその姿になった鉢かづき姫に撃破された。
- 桃太郎編では再登場した。
- 麦つかい(むぎつかい)
- おとぎばなし「天女と麦つかい」[6]の主人公。青き月光に照らされ、〈読み手〉の世界へ逃げ出して5日間帰らなかったため、条例執行直前に本もろとも消滅してしまった。実在しない作中オリジナルのおとぎばなしであり「消滅=〈読み手〉界の記憶から完全に消え去る」という事例を現実的に示した。
- 若者(わかもの)
- おとぎばなし「きき耳ずきん」の主人公。元は誠実な性格だったが、青き月光に照らされ凶暴化し、〈読み手〉の世界である女子高生・裕美を「長者の嫁」だと思い込み追いかけ回した。動物の声が聞ける頭巾を使って彼女を追い詰めたが、月光によって倒され正気に戻される。物語の世界へと帰っていったが、被っていたきき耳ずきんは何故か残されていて、後に月打されたおむすびの件で月光がネズミの言葉を聴くのに役に立った。
- ピノキオ
- おとぎばなし「ピノキオ」の主人公。青き月光に照らされ凶暴化し、執行者・月光を殺す為〈読み手〉の世界へとやって来た。本来とは逆に「正しい事」を言うと鼻が高速で伸び、それを相手に突き刺して攻撃する(鼻は伸ばす度に自分で折り、また自分で伸ばす)。月光と演劇部が説教を受けていた職員室に置いてあった本から出たため、演劇部が口にした「演劇部は月光の事が大キライ」という言葉で月光に止めを刺そうとしたが、鼻が伸びることはなく、その隙に鉢かづきが変化したボウガンの一撃を受け正気に戻される。
- わらしべ長者(わらしべちょうじゃ)
- おとぎばなし「わらしべ長者」の主人公。青き月光の影響で傲慢な性格と化し、〈読み手〉の世界で、自身が所持している藁と人の物品や使用人等を無理矢理に取り換えてきた。[7]月光から演劇部を取り替えてバカンスで過ごしていたが、やってきた月光からスリルに満ちた話を聞くが嘘だと思い込む。鉢かづきが変化した飛行機に突進され正気に戻される。
- ヘンゼル
- グレーテル
- おとぎばなし「ヘンゼルとグレーテル」の主人公である兄妹。青き月光に照らされ、お菓子の家の魔女のように尖った鼻に生やし、子供を食う快感に目覚めてしまった。口が出来て動くようになったお菓子の家と共に〈読み手〉の世界へとやって来た。月光達をお菓子の家で捕食し、夜中の保育園で子供達を待っていたが、閉じ込められていた天道の策略で呼び出された不良仲間(実は天道と同じく甘党の暴走族達)によりお菓子の家を食べられてしまい、脱出した月光によって倒され正気に戻される。
- うりこひめ
- おとぎばなし「うりこひめとあまのじゃく」の主人公。元はおとなしい性格をした田舎の少女だったが、青き月光に照らされ、普段の姿と掛け離れた禍々しい姿になった。話の中で「あまのじゃく」が自分にした事と同じように、他者の姿を真似て成り代わるようになった。〈読み手〉の世界にやって来て、一人の女の子・ユミカと成り代わって、鉢かづき姫を手にかけようとしたが、彼女に自分の正体を言い当てられ、月光によって倒され正気に戻される。ユミカに謝罪をして、物語の世界へと帰っていった。
- ニワトリ
- ネコ
- イヌ
- ロバ
- おとぎばなし「ブレーメンの音楽隊」の主人公である4匹の動物。青き月光に照らされた結果、気に食わないものを持ち前の鳴き声による本人達曰く「イカしたコーラス」で破壊する快感に目覚めた。〈読み手〉の世界へとやって来て自衛隊にも襲い掛かり、一度は月光達を退けるが、二度目の戦いで「おいぼれは用なし」という心理攻撃を受け戦意喪失。月光と鉢かづきに止めをさされる直前、乱入したイデヤに一掃された。
- おむすび
- おとぎばなし「おむすびころりん」の主人公のおじいさんが持っていた食べ物。青き月光に照らされ巨大化し、意思を持つようになった。食物である自身が人間に食べられることに不満を感じ、大量の人間で握ったおむすびを食べようと〈読み手〉の世界へとやって来た。空中を回転飛行し、人間を米の体に取り込んでネズミ達から奪った穴に監禁させた。体とその穴とは繋がっており、攻撃が穴の方へ流れるようになっている。つまり外部からのおむすびへの攻撃は中の人間達に及んでしまう。月光組と工藤組を取り込んだが、月光が振るった鉢かづき姫に内側から食べられてしまった。最後に残ったおむすびの一欠片は正気に戻ったようで、ネズミ達の一匹に食べられた。ちなみに鉢かづき姫によれば、味は良いらしい。
- 赤ずきん
- おとぎばなし「赤ずきん」の主人公。可愛らしく幼い外見の割に言葉遣いが汚く、よく出す決めゼリフは「だぁむ、ですとろぉい(英語:Damn,destroy)」。自身の顔を巨大化させて、目の中に対象物を飲み込んだり吐き出すことができ、耳はコンクリートをも簡単に切り裂ける程の鋭く巨大な刃物に変えられ、同じ物語の住人である「(剛腕で鋭い爪を持つ)おばあさん」と「猟師さん」を作り出して操り、更には空を自由に飛ぶこともできる等、現段階までで、月打によって1番多数の能力を得ている。[8]
- 作中で50年前、彼女の絵本を愛読していた「おひさま」・佳代が神林ら3人が起こした放火で命を落としたと誤解し(この時赤ずきんと佳代は何故か意思疎通が取れていた)、放火した三人組を憎み、復讐すべく自ら月打を望むようになった。遂に悲願の月打を受け、〈読み手〉界へと現れ、3人組の内の田崎と野島の2人をの元を訪れるが、2人は反省や罪悪感どころか行為すら忘れていたために殺害する。最後の標的となった神林剛三を狙い、警察署を襲撃して彼を見つけ出す。途中現れたイデヤ・工藤も軽くあしらって彼に手を下そうとしたが、駆けつけた月光達に阻まれその場を撤退する。しかし、先を読んでいたイデヤによって用意されたツクヨミの特殊部隊から、対本の住人用の特殊銃弾で満身創痍となり、「おばあさん」と「猟師さん」を倒され、町中を逃げ回るも包囲され、イデヤから条例執行寸前まで追い詰められる。
- 剛三から50年前の真相を聞いた月光らに守られ、そして佳代の生存を知って正気を取り戻し始める。しかしその直後、火事の音と佳代の泣き声を聞いて神林家へ向かい、ついに佳代に再会するも、肝心の彼女は赤ずきんの事がわからなかった。しかしそれでも、中に取り残された孫娘・果歩を思う佳代を気遣い、果歩を助けるために燃え盛る家の中へ飛び込み(この直前に剛三の口から謝罪の言葉を聞いた)、瓦礫を粉砕して果歩を空へと連れ出した。そして彼女に「(仕方ない事だが)どんなに自分の物語を愛してくれても皆が忘れていってしまう」と不満をこぼすも、彼女から「赤ずきんちゃんを忘れるわけない」と慰められながら、頭を撫でてもらった。そして果歩の口から、佳代が彼女に「赤ずきん」の絵本を読み聞かせ、今でも「赤ずきん」の物語を愛している事を聞いて、嬉し涙を流した。その後、果歩をバスケットに乗せて(中に月光とイデヤ宛ての手紙を入れて)地上へ降ろし、本の世界へ戻って行った。果歩に頭を撫でてもらった事と佳代が自分の物語を覚えていた事がよほど嬉しかったのか、彼女が本に戻ってから、「赤ずきん」の絵本での彼女の挿絵が、どのページでもニヤケ顔になっていた。
- その後桃太郎編で工藤に呼び出され、月光の為に再び〈読み手〉界へ向かい、シンデレラとコンビを組み、月光に代わって雉太の相手をした。その後、オヤジさんのラーメン屋の手伝いをしている。この時点で月光に好意を持ってる模様。ちなみにこちらも、シンデレラとはケンカ腰。
- 雀(すずめ)
- おとぎばなし「舌切り雀」に登場する雀。一人称は「あたい」。青き月光に照らされて、同作の登場人物のおばあさんの糊を舐めて舌を切られた事に怒り狂い、「女王」として名を挙げ、憂さ晴らしのために数千羽の部下の雀を率いて〈読み手〉界の人間(特に老婆)を高速で襲って自前の鋏で舌を切りまくるようになってしまった。ある地下鉄の駅を根城としている。月光に大きいつづらか小さいつづらかを選択することを迫られ、大きいつづらを選ぶ。大きいつづらからはお化けに扮した鉢かづき姫と共に大量の粉末が出てきただけだったので、月光らの舌を切ろうとした。しかし、それは失敗したふりをして口に火打石(石英)を銜えた月光らの誘導作戦だった。作戦に気づかない雀は月光に攻撃を加え、火打石から散った火花が大量の粉末に引火して起こった粉塵爆発に巻き込まれ気絶。後に条例執行をされ、本の世界に戻って行った。
- パトラッシュ
- おとぎばなし「フランダースの犬」の主人公・ネロの愛犬。主人であるネロを大変慕っていて、物語での彼の不幸(村人からのいじめ、おじいさんの死、絵のコンクールの落選、ネロ自身の不憫な死等)を大変哀れんでいたが、月打によりその思いが歪み、「自分がもっと早くネロを殺し、意地悪で不親切なこの世から楽にさせておけば良かった」という考えを持つようになってしまった。これによりネロの人生に対し、「絶望の念」を持っている。
- 月打されて、老犬ながら筋肉が著しく発達し、〈読み手〉の世界まで逃げたネロとおじいさんを追いつめたが、そこへ現れた月光達に殴られ蹴られ、一時退散した。その後、ネロの呼びかけに答え竜宮丸の上に現れ、偶々乙姫が放った攻撃を受け、彼女を追い回し始めた。しかし、機転を利かした浦島太郎が開けた玉手箱に絶望の気を吸い取られ、それで作った月打を解く薬を月光に無理矢理ながら飲まされ正気に戻り、ネロと共に本の世界へ戻った。
- 乙姫(おとひめ)
- おとぎばなし「浦島太郎」に登場する竜宮城のお姫様で、長老の一人。
- 上記を参照。
- タイ
- ヒラメ
- フグ
- オコゼ
- おとぎばなし「浦島太郎」に登場する、乙姫の部下達。ただし魚の姿ではなく、額にそれぞれと同じ名前の魚を付けた美青年の姿をしている。戦闘能力は月光と並ぶほど高い。シンデレラ編で登場したドライヴァー同様、乙姫への絶対の忠誠心を持っており(ただしヒラメなどは不良口調が目立つ)、月打の発作も乙姫が正気になるまで正気を取り戻せなかった。頭につけた魚を武器として扱うことができ、タイは相手に追い討ちをかける「タイブーメラン」、ヒラメはそれを大きくさせ攻撃できる。ちなみに性格は月打時は攻撃的だが、元々はかなり能天気で温厚である。
- 警察署を竜宮丸で襲撃、集団攻撃で月光に重傷を負わせたが、謎の力を発揮した月光からのより強力な拳を食らい、極印が無いにも関わらず全員条例執行をされて正気に戻り、乙姫より先に本の世界へ戻って行った。このためなのか、月打から正気に戻った後も容易に月打時の性格に戻ってしまう(ただし悪意は消えている)。
- 「人魚姫」ではタイとヒラメの二人が海の魔女の店に向かう月光に同行。用心棒の撃退に協力した。
- 人魚姫の5人の姉
- おとぎばなし「人魚姫」の主人公・人魚姫の5人姉達。愛する王子に理解されず海の泡となる妹の運命に納得がいかず、元凶である王子の命を狙い、〈読み手〉界へと逃げた王子を追ってとある豪華客船で追い詰めたが、月光不在でも驚異的な戦闘力を発揮した鉢かづき姫に全員倒された。最後は戦いの最中に出会った人間の男性に一目惚れして自分達も人間になることを選ぶ。
- 桃太郎(ももたろう)
- おとぎばなし「桃太郎」の主人公。青き月光に照らされて凶暴化し、自身を「おとぎばなし」界・日本一強いキャラクターと自負し、その最強の名にふさわしい伝説の武器〈呑舟〉を手に入れるべく、三匹の家来と共に〈読み手〉界へとやって来て、ツクヨミの使者を対象に襲っている。目にも見えぬ速さで刀を振るって相手を一刀両断し、金太郎の体や偶々そこに鉢合わせた演劇部らの首を切り裂いた。また、小僧から奪った札の力を使い、切った者の首を壁に付けて取れなくし、ツクヨミ及び〈呑舟〉への挑戦状として見せつけていた。唯一苦手なのはフェイント攻撃である。自分や家来達が食べれば一気に体力が全快するが、他者が食べればあまりの美味しさに失神してしまう「きびだんご」を持っている。
- 彼が〈呑舟〉に拘るのは、作中で70年前、「桃太郎」が月打された際に、月打された鬼ヶ島の鬼達に襲われた時、現れた鉢かづき姫(と当時の彼女の執行者の男)の圧倒的能力に救われ、見惚れたためである。ただし、この時の鬼達による惨劇は今も消えずに彼の心の中で根強く残っている。
- 圧倒的な戦闘能力でイデヤと鉢かづき姫を圧倒し、駆けつけた月光を鉢かづき姫が取り込んだ刀で真っ二つにしようとするが、刎ねられた演劇部の首を見て怒り狂い、再び謎の力を発揮した月光には通じず、強力な怪力で体ごと振り回されて重傷を負い、さらにその月光の形相にかつての鬼達の惨劇が蘇り、戦意を落とす。その後マペティカを発動したイデヤと工藤により条例執行をされ、元に戻り、家来共々鉢かづき姫に謝罪し本の世界へ戻っていった。
- 余談だが、「ラプンツェル」や「金太郎」等、かなり多くのおとぎばなしを知っている模様。鉢かづき姫に惚れ込んでおりアラビアンナイトの月打の件について鉢かづき姫の同行者として自ら名乗り出る。月光に散々な倒され方をしたためトラウマが残ってしまった。
- 家来
- おとぎばなし「桃太郎」に登場する、桃太郎の3匹の家来。青き月光に照らされて、桃太郎と共に〈読み手〉界へとやって来た。ただし動物ではなく、「浦島太郎」のタイ達同様、それぞれを擬人化したような青年の姿をしている。
- この3匹の間では、誰が桃太郎に次ぐ強いキャラクターかをしばしば揉めていて仲が悪く、唯一共通点は、桃太郎から貰う「きびだんご」が好物な事。
-
- 雉太(きじた)
- 家来であるキジ。両腕が翼になっていて、スピードが秀でている。原形の頭部を模した帽子をかぶっており、両腕の翼を振って超音波を繰り出す「ドラミングエコー」が必殺技。
- 他の2人と共に、月光にとどめを差そうとしたが、駆けつけた赤ずきんに超音波攻撃を跳ね返され、そのまま一気に赤ずきんに圧倒され、最後には耳の刃で真っ二つにされた所を、月光に条例執行された。
- 猿吉(さるきち)
- 家来であるサル。原形の顔面の下半分を模した仮面を着けている。中国拳法が使える。
- 月光を圧倒したが、駆けつけたシンデレラとの交戦になり、蹴りのスピードで勝っている彼女に圧倒され、雉太共々月光に条例執行された。
- 犬蔵(いぬぞう)
- 家来であるイヌ。原型の毛皮を頭から被っている。得物はくないと手裏剣。
- イデヤや月光に重傷を負わせたが、しぶとく立ち向かうイデヤに翻弄され、桃太郎が投げたきびだんごに気を取られた所をイデヤと工藤に最初に条例執行された。
- アラディン
- おとぎばなし「アラビアンナイト」より「アラディンと魔法のランプ」の主人公。蒼き月光に照らされて凶暴化しているが、今までの月打されたキャラクター達とは違いかなり危険な状態となっている。「アラビアンナイト」のキャラクターの中ではリーダー格である。ツクヨミ会の長老達を人質にし、ツクヨミ本部に「一寸法師」の世界にある「打出の小槌」と引き換えること要求している。打出の小槌を要求する理由はアラビアンナイト以外のおとぎばなしを全て消す事で「読者パワァ」を独り占めしようとする為である。本人自身は戦わずランプの精と指輪の精を扱い月光と対峙するが月光にランプの精の魔法ランプを奪われてしまう。今回の長老達の誘拐事件の主犯ではなくチルチルによって動かされている。
- 空飛ぶじゅうたん3兄妹
- おとぎばなし「アラビアンナイト」より「空飛ぶじゅうたん」の主人公たちであり、青き月光に照らされ凶暴化し容赦なく襲ってくる。フーサインが絨毯を操り、両目に遠眼鏡を貼り付けたアーリーが探索し、アーマッドが暗黒りんご玉を扱って攻撃する。一寸法師と対峙し暗黒りんご玉を投げつけたが天道により打ち返される。しかし、油断を見せた天道を打ち伏して一寸法師たちを捕まえる。
- 魔法の木馬隊
- おとぎばなし「アラビアンナイト」より「魔法の木馬」に登場するならずもの達で空飛ぶ木馬にまたがり数多くの仲間と行動を共にしている。赤ずきん相手にやられる一方だったが赤ずきんの読み手の一人のかほに似た人物を人質として無数の矢で応戦し捕まえる。アラディンの所へ向かう途中にアリババと40人の盗賊の奇襲に遇い倒される。
- シンドバード
- おとぎばなし「アラビアンナイト」より「船乗りシンドバードの冒険」の主人公であり、巨大な鳥のロック鳥を操る。演劇部に一目惚れしシンデレラをロック鳥と戦わせている隙に演劇部をさらう。演劇部の色気に負け今回の件の黒幕であるチルチルの事を話す。
- チルチル
- おとぎばなし「青い鳥」の主人公であり妹のミチルと共に青い鳥を探す人物。
- 100年前から月打された人物であり条例執行者から逃亡している。更には今回の長老達を「アラビアンナイト」のキャラクター達に誘拐させた黒幕でもある。チルチルだけでなくチルチルの帽子も月打を受けている為に様々なおとぎばなしを行き来することが可能。チルチルが受けた月打は普通の月打ではなく最強月打であり、その為におとぎばなしのキャラクターでありながら作者の事を理解できた。
- 月打されてからは青い鳥を探す事をやめ、作者メーテルリンクにハッピーエンドに書き換えてくれるよう要求する。しかし、モーリスリンクには自作より他の作品の方が悲劇的であると言われ、悲劇的な作品を救おうと考える。他の作品に飛ぶ際にはだかの王様に雷を受け「雉も鳴かずば」の世界に入り込む。その時、出会ったお菊と仲が良くなる。弥平が人柱になる事を変えようと作者を探すが、作者が存在しない作品だったため弥平を救えず、結果としてお菊を救う事ができなかった。
- そして、その失望と挫折の無念さから暴走。「マッチ売りの少女」を救おうとして父親と愛人たちを殺害し、作者のアンデルセンを脅迫、そして殺意を向ける。しかし、アンデルセンはあくまで拒否。代わりに魔力の豊富なアラビアンナイトの世界への「篭城」を勧める。
- なお、現在の容姿は月光とほぼ同一(それを利用して鉢かつぎ姫たちを騙し討ちにした)で、また月光の方も「俺はチルチルだった」ことを思い出しつつあり、両者のあいだにはなんらかの関係がある模様。
[編集] その他の「おときばなし」の登場人物
- 三匹のこぶた(さんぴきのこぶた)
- おとぎばなし「三匹のこぶた」に登場する主人公達。青き月光に照らされてしまったオオカミから逃げるために〈読み手〉の世界へとやって来た。兄弟が次々に食べられ、一匹だけとなりなぶり者にされるが強大な狼を相手に必死で抵抗してみせた。月光に助けられオオカミが倒されてからは仲良く物語へ戻る。月光の本質を見抜いた。
- 太郎丸(たろうまる)
- おとぎばなし「一寸法師」に登場する鬼の一人。月打を免れて、鉢かづき姫と一寸法師を〈読み手〉の世界へ逃がすための手助けをしたが、月打された兄嫁2人に捕まり拷問されていた。しかし、後に「一寸法師」の世界にやってきた月光一行により無事救出された。不遇な状況でも、〈読み手〉界へ逃げた一寸法師を案ずる等、物語の役柄とは裏腹に心の優しい人物である。鉢かづき姫を助ける為に投げた金棒が兄嫁を直撃し、捕らわれていた鉢かづき姫が月光に衝突することになったので、月光を執行者にしてしまったのは彼だということになる。太郎丸の金棒は鉢かづき姫に委ねられ、姫と同化している。
- なお、名前は同作者の読み切り作品『からくりの君』に登場するからくりと同名である。
- 次郎丸(じろうまる)
- おとぎばなし「一寸法師」に登場する鬼の一人。兄・太郎丸と同様に月打を免れていたが、取り憑かれた三条の大臣の姫に捕まってしまい、牛車に監禁されていた。月光一行により無事救出される。
- なお、太郎丸と同じく同作者の読み切り作品『からくりの君』に登場するからくりと同名。
- 王子(おうじ)
- おとぎばなし「シンデレラ」に登場する一人で、シンデレラの結婚相手。美形かつ勇敢な騎士だが惚れっぽい性質を持つ。「シンデレラ」の物語を存続させるため180名の精鋭の騎士達を連れ月打されたシンデレラの、〈読み手〉界への逃亡を阻止しようとしたが、圧倒的な速さを持ったシンデレラのスピードカーに敵わず、彼女を〈読み手〉界へ逃がしてしまった。消滅を防ぐために、演劇部に代役を頼んでおとぎばなしの世界につれて行き、自分の格闘術で勝利した暴走状態のシンデレラもとい演劇部を迎えた。シンデレラは彼の事を「優しく勇ましく、あれ以上の男性はいない」と語っているが、〈読み手〉界でシンデレラの真意を聞くまで自分の心得違いに気づくことが出来なかった。演劇部との競争中に彼女の本音を聞き、己の非を悟って勝った彼女をゴールの駅で迎えると同時に、自分の心得違いを詫びた。
- 継母(ままはは)
- 継姉(ままねえ)
- おとぎばなし「シンデレラ」に登場する、シンデレラの義理の母親と2人の姉。裕福なシンデレラの家に嫁いだため、かなりの贅沢をし、シンデレラには雑用をさせ陰湿にいじめていたが、演劇部が代役として来た事により逆転する。「舞踏会」を「武道会」と勘違いした彼女にドレスや髪をメチャクチャにされる等、シンデレラに代わって彼女から、シンデレラの日頃の恨みの仕返しをされる羽目になった。そして本物のシンデレラが戻ってからはストーリーが変わり、彼女の半径10m以内には近付かなくなったという。
- ランズデール
- おとぎばなし「シンデレラ」の近衛隊長。当初、「舞踏会」を「武道会」と勘違いした演劇部に分からせるために尽力した。
- 赤ジュータン
- おとぎばなし「シンデレラ」に登場する魔法使いの仙女が月光達を手助けするために、命を与えられた赤い絨毯。自身を行き先まで伸ばして道案内することができる。
- 『からくりサーカス』のギャンブラー・ジョーンズからデザインを流用している。
- 物乞いの娘
- おとぎばなし「シンデレラ」においての、背景的存在の貧しい女性。シンデレラがガラスの靴に足が合い、城に行く馬車に乗る際に、その様子を見ていた観衆の中にいた一人。実際には彼女は何も言っていないが、その羨望を込めた眼差しはシンデレラにとっては、「貧しい私とあなた(シンデレラ)は何がどう違うの?」と問い掛けているように思え、その疑問こそがシンデレラに、彼女の「幸せ」というものへの疑問を起こすものとなった。
- 天女(てんにょ)
- おとぎばなし「天女と麦つかい」の登場人物。シンデレラの王子と共に麦つかいを追っていたが、麦つかいの消滅直後に自らも消滅した。
- ネズミ
- おとぎばなし「おむすびころりん」に登場するネズミ達。月打されてしまったおむすびに全員が食べられてしまったが、その中の一匹が無事に逃げ出して、おむすびの事を執行者たちに知らせようと〈読み手〉の世界へとやって来た。おむすびが倒されたことで外に出られて、月光達を警察に逮捕させようとしたイデヤを長老格のネズミが諌め、物語の世界へと帰っていった。
- ネロ
- おとぎばなし「フランダースの犬」の主人公。元の物語の内容が内容のためか、とても内向的な性格で、ネガティブ思考かつ自虐的な言動が目立つ。
- 月打されたパトラッシュから月光らに助けられるが、その後、月打された乙姫らの襲撃を受け、月光らとはぐれてしまい、乙姫らに竜宮丸に乗せられる。そこで浦島太郎の犠牲により月打の治療薬が作られる事を聞いて当初は可哀想だと思っていたが、乙姫の口から、元の物語でネロは「貧しくも清く生きたが、全く誰の役にも立たずに、誰にも看取られず死んでいった」と言われ、そんなネロの無駄死によりも、浦島太郎の犠牲はより人のためになると言われ、渋々納得して乙姫の傘下に加わってしまった。
- 月光はネロに会ってから憤っていたが、それは彼が他人に流されず自分の人生を「最高だ」と思わずに死んだ事であり、月光に男としての強さを促される。その言葉に心を動かされ、勇気を出して月光達に重傷を負わせた乙姫に立ち向かい、乙姫の大嫌いなパトラッシュを呼び出し、更に自分を役立たずと言った彼女に真っ向から反抗する事が出来た。そしてその後、薬で元に戻ったパトラッシュと月光達と共に本の世界へ戻った。
- その後の物語では、彼の村の地主のコゼツの落としたお金で飢えをしのぎ、祖父と同じ年齢程まで生きて有名な画家になり、教会で多くの人が見守る中、自分の人生に本当に満足し、月光に感謝しながら息を引き取った、という筋書きに変わった。
- ジェハンおじいさん
- おとぎばなし「フランダースの犬」の主人公・ネロの祖父。孫と同じく気弱な性格の持ち主。
- 月打されたパトラッシュに追われて、ネロと共に〈読み手〉界に逃げてきた。パトラッシュに追いつめられたところで、月光達に助けられ事無きを得るが、その直後の乙姫の襲撃により、鉢かづき姫らと共に、元の本の世界へ避難の形で戻っていった。
- 戦争経験があり、そのためネロを心優しく育て過ぎてしまったと悔いていたが、場の流れで本の世界へ一緒に来たオヤジさんにラーメンの作り方、更に「大人は子に生きる最低限の心得『モノサシ』を教えてやらなければいけない」と教わった。
- その後筋書きが変わった物語において、彼はネロに「どんなに身を悪に落としても人間はその生き方を変えられる」という言葉を遺している。ちなみに村で売っていた物もラーメンになっている。
- 浦島太郎(うらしまたろう)
- おとぎばなし「浦島太郎」の主人公。典型的な田舎っぺ口調で一人称は「オラ」。物語での彼のイメージに似合わないかなり小心的な性格をしている。だが、亀にとっては「優しい恩人」にあたる存在。
- 月打された乙姫が彼の持つ玉手箱を開ける事により、老人になってしまう事を恐れたために、亀と共に〈読み手〉界へ逃げて来た。そしてその後、亀の口から箱の秘密と乙姫の真意を聞き、尚更逃げ腰になってしまう。貧しい生活の中、母のために必死で働き、亀を救うためにわずかな稼ぎを差し出すなど善人ではあるが、自分の手に負えない危険の中では「自分は亀を助けたのだから亀はその礼をするべきだ」や、「月光は自分を守れと亀から頼まれたのだから自分を守るべきだ」等と主張しており、他力本願かつ卑屈な面が丸出しとなっていた。そして月光には自分の、物語での処遇に不満をぶつけた。しかしその後、月光の言葉やネロの行動に心を動かされ、パトラッシュに噛み殺されそうになった乙姫を玉手箱を開けて助け、その絶望の気で作った薬で正気に戻った乙姫と共の本の世界へ戻った。
- その後の物語では、半日=半年ほどで地上に戻り(玉手箱も受け取っていない)、乙姫らしき女性と夫婦になり、その間に生まれた二人の子供に「ゲッコウ」と「トシヨ」という名前をつけて、幸せに暮らしている。また、今回の一件を機に、「男は甘い夢ばっか見てちゃならねえ。守りてえ奴らを守っために強くなんなきゃな。」という、精神的に成長した。
- 亀(かめ)
- おとぎばなし「浦島太郎」に登場する亀。一人称は「あっし」。〈月打〉を治す薬を作る道具である玉手箱を、物語の最後に年老いた浦島太郎から持ち去るという隠れた役目を担っている。物語冒頭でいじめっ子達から自分を助けてくれた浦島太郎には恩義を感じている義理堅い性格の持ち主である。
- 月打された乙姫らに追われ、浦島太郎と共に〈読み手〉界へ逃げてきた。追ってきた乙姫らから逃げるために、月光・工藤・浦島太郎らを背中に乗せて空を飛び、月光達の高校まで三人を乗せてあげた。必然的な役目とはいえ、何の罪も無い善人の浦島太郎を騙して恩を仇で返す結果を悔いており、三人を逃がして一人でフグやオコゼの部隊と戦うも、タイからの不意打ちにやられ、捕まってしまう。その後月光達に助けられ、正気に戻った乙姫と浦島太郎と共に本の世界へ戻った。人魚姫で再登場し、海の魔女の店に向かう月光を助け、魔女の用心棒を退けている。
- アロア
- おとぎばなし「フランダースの犬」に登場する、ネロの村の地主・コゼツの娘で、ネロのガールフレンド。可愛らしい容姿だが、当時存在しないはずのバイクに乗ってはしゃいだり、明らかに身長が高すぎるネロ(代役の天道)を見ても臆せず、普段通りの接し方をする等、心優しいだけでなくかなり肝が据わった性格である。
- 人魚姫(にんぎょひめ)
- おとぎばなし「人魚姫」の主人公。月光が海の魔女との交渉で声を取り戻したため、王子にあの時に助けられた娘と分かり結ばれた。
- 王子(人魚姫版)
- おとぎばなし「人魚姫」に登場する王子。自身を海で助けてくれたのが人魚姫であると気付かなかった事により、月打された彼女の姉人魚達に追われ〈読み手〉界の豪華客船の一室に身を隠していた。その後姫に声が戻ったため、彼女の事を知り、結ばれた。「薄情・鈍感・薄らバカ」と姉人魚達から罵られたかなり散々な人物。
- 海の魔女
- おとぎばなし「人魚姫」に登場する魔女。用心棒を従えている。人魚の「声」もとい「歌声」を聞くのが趣味。月光に家を襲撃され、用心棒達が彼と乙姫の手下達に倒されてしまった。月光の言い分に正論で言い返し、彼に免じて声の代わりに音楽が聴ける物(演劇部の私物)を代償にして人魚姫に声を返した。そのあと、彼女の姉達からスピーカー等を貰い、仲間達と楽しんでいる。以降はヨーロッパのプログレッシブ・ロックからアメリカンハードロックに聴く曲を変えた。
- ミチル
- おとぎばなし「青い鳥」に登場するチルチルの妹。青い鳥を探している最中、チルチルが月打された所を目撃している。
- 海じいさん
- おとぎばなし「アラビアンナイト」より「船乗りシンドバードの大冒険」の登場人物。魔法のランプの中で月光との最初の修行相手。肩に乗って攻撃するが倒される。
- 青い鳥
- おとぎばなし「青い鳥」に登場するチルチルミチルが探す鳥。月打されたチルチルを元の「青い鳥」に戻らせる為に追って来た。
- お菊
- おとぎばなし「雉も鳴かずば」の主人公。川の近くでチルチルと出会った。チルチルいわく、ずけずけ物を言うタイプで正直者。毬つきであずきまんまの事を歌った為に弥平が盗んだ事がばれてしまった。チルチルが再び出会った時には以前の活力は無くなっていた。
- 弥平
- おとぎばなし「雉も鳴かずば」に登場するお菊の父親。お菊が連れて来たチルチルを優しく迎える。お菊が高熱を出した時、うわ言であずきまんまが食べたいと言っていた為、地主の蔵から小豆と米を盗む。その事が上にばれ、罪人として橋の人柱となる。
[編集] 世界観
- 〈読み手〉界(ニンゲンかい)
- 月光たち普通の人間が暮らす世界。
- 〈おとぎばなし〉界
- 世界中に存在する「おとぎばなし」の登場人物達が住む世界で、物語内の時代背景や文化などを明確に再現している。またこの世界では、空を見ると自分たちの物語を読んでいる〈読み手〉の姿が本を開いた形で見る事ができ、それがその物語の人気を表している模様。また、この読者の中でも特に自分達の物語を愛読している者は、「おひさま(太陽)」として崇められている。
- これまでのあらすじを踏まえると、物語の登場人物達はこの「おとぎばなし」という名の舞台の上で与えられた役柄を演じる事によりその世界を永久に保っている。言い換えれば、本の世界は劇のステージ、登場人物達は役者、読者達はそれを見る観客、ストーリーは台本にあたるものとなっている。その為、作中では敵同士であるキャラも裏に回れば仲がよい事が多い(『一寸法師』の一寸法師と太郎丸、『赤ずきん』の赤ずきんと狼など)。
- 同じ出典や作中での時代が近い場合、話の枠を超えて親交があり、例として同じ御伽草子に掲載された鉢かづき姫と一寸法師の2人は親交があった。
[編集] 用語
- 月光条例(げっこうじょうれい)
- 「おとぎばなし」の世界でたった一つの条例。「月打」でおかしくなった世界を正すために、「おとぎばなし」の世界の長老らが作り出した。条文内容はただ一つ、「青き月光でねじれた『おとぎばなし』は猛き月光で正されねばならない」のみ。
- 条例の「執行者」は、使者から執行者の証である三日月形の「極印」を授けられ、使者である「鉢かづき姫」を武器として扱って、「月打」によっておかしくなった登場人物を正気に戻すため戦うこととなる。
- 月打(ムーンストラック、げつだ)
- 何十年かに一度起こる不可解な現象。青い月の光が「おとぎばなし」の世界を照らすと、「おとぎばなし」の世界がおかしくなってしまい、性格や思想も歪み破壊や殺戮の限りを尽くすようになり、元の力が何倍にもなったり元々持っていなかった超常的な能力まで身に付けるようになる(更に、条例執行後もその能力を保持し続ける場合がある)。おかしくなった登場人物らは「おとぎばなし」の世界から逃げた登場人物を追う、本の中では果たせない目的や快楽を求める等の理由から〈読み手〉の世界へやってくる。
- 月打によっておかしくなった「おとぎばなし」の住人が執行者の手によって正気に戻ればその登場人物が行った悪事は全てなかったこととなり、破壊されたものや負傷した人々などは全て元の状態に戻る。しかし、死んだり傷つけられたりした記憶は完全には消せない模様。また、月打された住人が戻ってから、「一寸法師」や「シンデレラ」のように、ストーリーの細部が変わる例もあれば、「浦島太郎」や「フランダースの犬」のように、筋書きが大きく変化する例も見られる。また、月打を受けたおとぎばなしは、条例執行により正された後も、その世界を隔てる壁の様な物が緩む為に、他の世界の登場人物が容易に入り込む事が出来るようになっている。
- 基本的には一つの物語で1人がおかしくなるが、2人以上の多人数が月打されている場合もある。また月打される対象は登場人物に限らず、金棒などの所持品、更には食物なども月打の対象になっている。
- なお、青き月光に照らされなかった者は正気を保ち続け、一部の者は長老を通じて月打対策の援助を行ってくれる。
- 消滅(デスアピア)
- 上記の月打が起こす最悪の事態。物語登場人物の中でも、桁違いの責任が課せられている主人公が5日以上本の世界に戻らなかった場合に起こる。月打され暴走したことによっても、月打された者に追われて逃げ回った場合においても発生する。
- 5日のタイムリミットになると、その物語における全ての登場人物が本ごと消滅し(黒い霧状に霧散する)、同時にそれを読んでいた〈読み手〉からもその物語に関する記憶が完全に消えてしまう。一寸法師曰く「それがし達の住まう本にとっての完全なる『死』」。
- これを防ぐには、本の世界にその主人公に代わる代役を置く必要があり、例として、鉢かづき姫は兄嫁(脇役であるため、本の世界に影響は無い)に、一寸法師は打出の小槌で出した分身に代役をやってもらっている。ただし代役を置いたとしても、その物語でのいわゆる「見せ場」となる場面の演技をせず、元のストーリーの大筋からずれてしまうと、それでも消滅が進んでしまう模様。
- ちなみに、本来の「消滅」の発音は「ディサピア(Disappear)」であるが、作中では「死」を意味する「デス(Death)」とかけている模様(Disappear+Death=Deathappear)
- 長老(ちょうろう)
- 「おとぎばなし」の世界に1人ずつ存在する責任者で<月打>によって物語が歪んだ場合、それを正し、場合によっては他の登場人物に事情を明かして協力させる事が出来る。「はだかの王様」以外では「シンデレラ」の「仙女」、「浦島太郎」の「乙姫」、「白雪姫」の「継母」、「花咲か爺」では主人公が長老である。各「おとぎばなし」の代表の長老達が集まって「長老会」を開く。長老になる基準は不明。長老には位があるようで、はだかの王様は正三位。
- ツクヨミ(漢字表記は月へんに神)
- 10人以上の「おとぎばなし」の世界からの使者が属している秘密の公務員の団体で総数は1277名。執行者および使者同士でのチームをサポートをするために警察や自衛隊が協力している。
- 「おとぎばなし」の世界の住人には、「おとぎばなし」の世界の武器しか効かないという理由上、彼らの使う武器は非常に特別な武器となっている。例として赤ずきんの一件で彼女の動きを封じるのに銃弾を放ったが、この銃弾の先端にはラプンツェルの髪の毛が螺旋状に仕込まれており、これにより本の世界の住人にも傷を負わせる事が出来る。
- おひさま(太陽)
- 本の世界の住人から見て、おとぎばなしを読む〈読み手〉の中でも、特にその物語を非常に愛読している人物を指す言葉。例えば、赤ずきんにとっては神林佳代がこれにあたる。
- 登場人物達(特に主人公)はこの「おひさま」にあたる〈読み手〉のことは、例え数十年の月日が流れても決して忘れない。またその人物を裏切る行為や悲しませる(赤ずきん曰く「おひさまが曇る」)行為は絶対に行わない。また、「おひさま」に頭(鉢かづき姫なら頭の鉢)を撫でてもらう事は、住人達にとってはこの上ない喜びとされている。
- 玉手箱(たまてばこ)
- おとぎばなし「浦島太郎」は、唯一月打から登場人物を条例執行とは別に治す方法が記されている物語とされており、その主人公・浦島太郎が物語の最後にもらう「玉手箱」は、その治療薬を作る道具となっている。亀によれば、この薬を作るのに必要なのは「絶望の気」、つまりは月打により有頂天となった者達には絶望のどん底まで突き落とされた気分を味わわせるのが根本的な治療方法と言える。
- 「浦島太郎」の内容で、浦島太郎は竜宮城で至高の悦楽を堪能し、そのまま300年経った地上に戻り、家族も自分を知る者がいなくなっていた事により強い絶望感を受けている。そこで彼が手渡されたこの箱を開ける事により、箱は彼からその絶望の気を吸い取り、次に老化させる煙を吹き出させる。絶望の気が抜けるとその者はしばらく全身から力が抜けて動けなくなる。その後、亀が箱を回収し、カクテルのように箱を振って気を薬に変えて、月打された者に配られる。つまり裏を返せば、この薬を作るには浦島太郎の犠牲が必然となってしまうのである。
- 「浦島太郎」が月打された際、同時期に月打されたパトラッシュがネロに上記の絶望の念を持ち、更に乙姫を喰い殺そうとしたため2人分の絶望の気が揃い、浦島太郎が機転を利かせて箱を開けて気を吸い取った事により、事態を一気に治める事が出来た。その後浦島太郎達が戻って以降、月光からの影響もあって「浦島太郎」の筋書きが変わり、浦島太郎は半日=半年で地上に戻り、玉手箱も受け取っていない為、上記の過程は筋書きから無くなっている。
- 読者パワァ(どくしゃぱわぁ)
- 読み手(人間)がおとぎばなしを読む事によりその本の世界に得られるエネルギーであり、そのエネルギーによりキャラクターが生き、おとぎばなしが存続する事できる。また読み手が減るとおとぎばなしは汚れ破れたり古くなったりし、逆に読み手が多ければ多いほどおとぎばなしのキャラクター達は強く元気になる。
- 最強月打(ムーンストラクト)
- 普通の月打とは違い、おとぎばなしのキャラクターでありながら作者を理解する事ができる。最強月打を受けたものはチルチルとはだかの王様であるが、裸の王様は使命感から自らの手でこれを打ち消したため大事にはいたってない。
- 月光条例執行弾
- ツクヨミの人間の使用する弾丸。弾頭に正常な満月の気を注入した銃弾である。略すると、MAEB。チルチル戦で使用されたが、すべて無効化されていた。
[編集] 章タイトル一覧
- 本条例の目的
- 一寸法師
- 居場所
- シンデレラ
- きき耳ずきん
- ピノキオ
- わらしべ長者
- ヘンゼルとグレーテル
- あまんじゃくとうりこひめ
- 図書委員
- おむすびころりん
- 赤ずきん
- 入道雲
- 通り雨
- 舌切り雀
- フランダースの犬プラスうらしま太郎
- 人魚姫
- 血のハート
- さぼった日
- プールの日
- 海へ行こう
- 千一夜の月
以上で月光条例に関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] 単行本
- ISBN 9784091214201 2008年6月18日発売
- ISBN 9784091214690 2008年9月18日発売
- ISBN 9784091215192 2008年12月18日発売
- ISBN 9784091216106 2009年3月18日発売
- ISBN 9784091220189 2009年7月17日発売
- ISBN 9784091217479 2009年9月17日発売
- ISBN 9784091218865 2009年11月18日発売
- ISBN 9784091221490 2010年2月18日発売
- ISBN 9784091222978 2010年5月18日発売
- ISBN 9784091225085 2010年8月18日発売
- ISBN 9784091226600 2010年11月18日発売
- ISBN 9784091227713 2011年1月23日発売
- ISBN 9784091228543 2011年4月18日発売
- ISBN 9784091231994 2011年7月15日発売
[編集] 関連項目
- ダーク・ファンタジー
- ロー・ファンタジー
- シュルレアリスム
- 月 - 本作品のキーワード。
- 週刊少年サンデー
- オニデレ - 藤田の許可を取った上で、本作の桃太郎が最終回直前に登場している。
- シュレック - アメリカ映画。設定や導入部が一部共通している。
[編集] 脚注
- ^ 例えば、「シンデレラ」ならば『流されて手に入れた幸せ』、「フランダースの犬」ならば『自分の人生に誇りを持たずに死んだネロ』等。
- ^ イギリスで19世紀に制定された月狂条例 (Lunacy Act)より
- ^ BACKSTAGE vol.26
- ^ スピード狂で負けた相手に容赦なく制裁を与えるというネタは、藤田の友人椎名高志(「絶対可憐チルドレン」の作者)の「GS美神極楽大作戦」に登場する「韋駄天九兵衛」が元ネタとなっている模様。
- ^ スピードカーにも変形する。また、馬車は月打された影響なのか、演劇部が乗った馬車に比べ、外観が少々歪んでいる。
- ^ 本作オリジナルのおとぎ話。作中ではテレビアニメ化もされるなど非常に有名だったが、「消滅」によって人々の記憶から失われてしまった。また、シンデレラと出典や時代が近い。
- ^ 原典では一本の藁を物々交換していったが、本作では月打の影響か、複数の藁を一本づつ欲しいものと取り換えている。
- ^ 余談だが、「ワインボトルが見えるバスケットを持っている事」と、「猟師さんが登場している事」から、彼女は「グリム版の赤ずきん」である。
[編集] 外部リンク
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