ケセン語

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ケセン語 (ケセンご、気仙語、氣仙語、ケセン式ローマ字表記: keseng̃ó)とは医師山浦玄嗣気仙地方(岩手県陸前高田市大船渡市住田町および宮城県気仙沼市など)の方言を一箇の言語と見なして与えた名称である。仮名でなくラテン文字(ケセン式ローマ字)で書かれる正書法を持つ。2002年7月7日NHK教育テレビの「こころの時代」という番組で採り上げられ、その名を社会に知らせた。当時気仙周辺で生活していた蝦夷の言葉の影響を受けた言語であり、発音体系が標準語とは大きく異なっている、と同番組では紹介されていた。現在、山浦がギリシア語の原典から訳した聖書が出版されている。

カタカナ表記について[編集]

ケセンという地名の語源については諸説があり、詳細は気仙郡の項を参照。山浦は、漢字の「気仙」という文字の選択はヤマト王権によって定められたものであるとして、カタカナ表記で「ケセン語」としている。

ケセン語の特徴[編集]

音韻[編集]

アクセント形式による分類では、東京式アクセントの第二種に属し、しかもそれからかなり離れた特殊アクセントとして分類されている。シとス、チとツ、ジとズとヂとヅを区別せず、一音節の中に二つの母音成分を持つ二重母音を有し、また対応する共通語の語中のカ行とタ行の音が濁音化するなどの音韻上の特徴を持つ。したがってガ行の濁音と鼻濁音とは明確に対立する。ケセン語の「語(ゴ)」も現地音では鼻濁音である[1]

文法[編集]

否定疑問文に対する「はい・いいえ」の応答形式が標準語とは反対になる。(この現象は九州・南西諸島・沖縄にも見られる) [1]。また、接続語の「~に」に当たる言葉は「~さ」である。

文例[編集]

  • このしごどやるようなんだすぺが?(この仕事をやらなければならないのですか?)
  • このしごどやんねばわがんねのすか?(意味は上と同じ)
  • おらえさ寄ってがっせん。(私の家に寄って行ってください)
  • なじょにがやったんだが。(どのようにやったんだか)
  • 用足しさいぐんだれば早ぐあべ!(用事を済ませに出かけるのであれば早く行こう!)
  • 飯食いさいぎゃんすぺ!(ご飯食べに行きましょう!)
  • 飯食いさ行ぐべぇ!(かなり砕けた言い方で、目上の人には使わない。意味:ご飯食べに行こうよ!)
  • 飯くんべ!(意味は上と同じ)
  • オラの自慢のしゃでっ子だぁ。(私の自慢の弟です)
  • もぉいいはぁ。(もういいよ)- 諦めた時や呆れた時に使う。語尾の「はぁ」の発音は下がる。「もぉ」の部分は東北弁話者以外の人が聞くとただの「」に聞こえる。
  • 今日はまんついっぺしごどしたがらあぐどいでくてわがんね。(今日はいっぱい仕事したからかかとが痛くてしょうがない)
  • 今日は海さ釣りっこしさ行ぐべし!(今日は海に釣りに行くことにしよう!)
  • まんつあのわらすかばねやみだごど。(なんとあの子供は怠け者なんだろう)→ かばねやみ=怠け者 発音:「かねやみ」
  • そうでがんす。(そうです)
  • んだがす。(意味は上と同じ)
  • んだがすぺぇ?(そうでしょう?)
  • おだづなよ!(調子のんなよ!または、ふざけるな!)
  • おぼっこさおづっこあげろでば(赤ん坊に母乳を与えなさいよ)
  • けえぁっぽかーくてわがんねぇ(ペニス(男性器)が痒くてどうしようもない)
  • ほんでわがんねぇ(それではだめだ)
  • どごだがえんずくてわがんねぇ(体のどこかがいつもと違って調子がよくない)→「えんずい」は標準語に該当語がなく直訳することができない。
  • こえーこえー(疲れて疲れて)→こわい=疲れた(過去形)
  • あんべわるぐなった(体調を崩した)
  • あぞごにあったちかいぼっこしてしまったのっさ(あそこにあった機械、壊してしまったんですよ)

文字[編集]

ラテン文字による正書法(ケセン式ローマ字[1] (PDF) の他、独特の漢字仮名交じり文[2] (PDF) も存在する。

関連文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c ノート:ケセン語の2006年9月4日(月)12:37における61.197.84.141の書き込みより引用。