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2021年1月4日 (月) 05:51時点における版
たなか かね 田中 カ子 | |
|---|---|
 1923年頃 | |
| 生誕 |
太田カ子 1903年1月2日（121歳）  日本・福岡県糟屋郡和白村（現・福岡市東区） |
| 住居 |
日本・福岡県福岡市東区 |
| 国籍 |
日本 |
| 民族 | 日本人 |
| 著名な実績 | |
| 配偶者 | 田中英男（従兄） |
| 子供 | 4人 |
| 親 |
太田熊吉（父）[3] 太田クマ（母）[3] |
田中 カ子（たなか かね、1903年〈明治36年〉1月2日[4] - ）は、日本のスーパーセンテナリアン、ギネス世界記録保持者。現在121歳の福岡県福岡市東区在住の長寿の女性。日本並びにアジアの歴代最高齢者で世界史上3番目の長寿記録保持者。世界最高齢者であった都千代が2018年7月22日に死去して以来、長寿世界一並びに日本一となった。2020年9月19日に117歳261日を迎え、田島ナビの記録を上回り、日本国内の歴代最高齢記録を更新した。
確証のある1903年生まれの世界最後の生き残り。1903年生まれの著名人に金子みすゞ、草野心平、香淳皇后、小津安二郎、小林多喜二、堀越二郎、山本周五郎などがいる。また、1903年に亡くなった著名人にマーガレット・アン・ネーヴ、市崎四郎、尾崎紅葉、西郷頼母、滝廉太郎などがおり、田中が生まれた時点では存命していた。
人物
1903年（明治36年）1月2日、福岡県糟屋郡和白村（現在の福岡市東区和白）の農家に9人兄弟の三女（第7子）として誕生[5][6]。田中の生まれた1903年はライト兄弟が人類初の有人動力飛行に成功した年で、翌1904年（明治37年）に日露戦争が開戦している[7][8]。
1915年（大正4年）に尋常小学校を卒業したのち、12歳で子守り奉公となり[7][9]、1922年（大正11年）1月6日、19歳のときに1歳年上のいとこの田中英男と結婚[3][5]。英男は家族で「田中餅屋」という店を営んでおり、餅やぜんざい、うどんなどの店頭販売を行っていた[3][7]。当時の思い出として、夫の英男・長男と行った別府・耶馬渓旅行を振り返っている[5][10]。
英男との間に4人の子（二男二女）を授かり、さらに自身の姉の次女や早世した英男の妹夫婦の子供も引き取って育てていたが、自身の長女と次女は幼い頃に亡くなり、引き取った養女も1945年（昭和20年）に23歳で先立たれた[3][5][8][11]。
戦時中は、英男が1937年（昭和12年）に日中戦争に召集され、1939年（昭和14年）に帰還[3]。1940年（昭和15年）に博多海軍航空隊内に英男とうどん店を出店した[5][11]。1943年（昭和18年）に長男が朝鮮・満州に出征し、戦後2年以上シベリア抑留されたのち、1947年（昭和22年）に帰還した[3][11]。
戦後、1952年（昭和27年）に駐留米軍や牧師の影響で英男とキリスト教に入信した[5][11]。その後も夫婦で餅屋の切り盛りをしていたが、63歳の時に隠居。その間、いとことハワイ旅行に出かけたり、子供や孫の元へ出かけたりしたという[5][8][12]。また、1970年代に結婚50年を記念してロサンゼルスに行ったり、カリフォルニア州とコロラド州の親戚を訪ねたことがある[10][13]。1970年（昭和45年）には生花店を始め、80歳手前になるまで働き続けた[10][11]。その後も102歳で施設に入所するまで店頭に立つことがあった[6]。
1993年（平成5年）、70年以上連れ添った夫・英男と死別[3]。2005年、102歳で福岡市東区の有料老人ホーム「グッドタイムホーム1・海の中道」に入居した[11][8][14]。田中が107歳を迎えた2010年（平成22年）に田中の歩みを綴った本を次男夫妻が自費出版した[9]。
何度か大病を患ったことがあり、35歳の頃にパラチフスに養女とともに感染。45歳で膵臓癌の手術、76歳で胆石の除去手術、90歳で白内障手術を経験。また、有料老人ホーム入所後も103歳で大腸癌の手術を経験した[15]。
趣味は勉強をすることで、週に1度、算数教室に参加したり、詩を作ったりしている[8][13]。長寿の秘訣はリバーシで[16][17]、老人ホーム内の入居者やスタッフと毎日対決しており、負けず嫌いな性格のため、勝つまで何局も続けることがあるという。食べ物の好き嫌いはなく、1日3食の食事をほぼ完食する。また甘いものが好物で、コーラ、缶コーヒー、栄養ドリンク、炭酸飲料などを毎日3本は飲んでいるという。117歳の誕生日の時点で手押し車を押しながらの歩行が可能である[8][18]。
長寿記録
2018年（平成30年）7月22日、都千代の死去に伴い、115歳と201日で長寿日本一並びに長寿世界一となり、史上初めて日本人が3人連続で長寿世界一となった。
2019年（平成31年）3月9日、ギネス・ワールド・レコーズ社より「存命中の世界最高齢」に公式認定され、認定証が授与された[19][注釈 1]。その際に報道陣からこれまで一番楽しかったことについて尋ねられると『今』と答えた[19]。
2019年（平成31年）4月30日、自身にとって5番目の元号となる令和への改元に際したインタビューで「一日でも長生きしたい」と抱負を述べた[7]。
2020年（令和2年）1月2日、117歳の誕生日を迎えた[5]。117歳となったのは、確実な証拠がある中で10人目、日本人では4人目である。
2020年（令和2年）1月30日、117歳28日で大川ミサヲの記録を上回り、世界歴代9位、日本歴代3位の長寿となった。
2020年（令和2年）3月24日、117歳82日で都千代の記録を上回り、世界歴代8位、日本歴代2位の長寿となった。
2020年（令和2年）5月19日、117歳138日でエンマ・モラーノの記録を上回り、世界歴代7位の長寿となった。
2020年（令和2年）7月10日、117歳190日でヴァイオレット・ブラウンの記録を上回り、世界歴代6位の長寿となった。
2020年（令和2年）8月20日、117歳231日でマリー・メイユールの記録を上回り、世界歴代5位の長寿となった。
2020年（令和2年）9月7日、117歳249日でルーシー・ハンナの記録を上回り、世界歴代4位の長寿となった。
2020年（令和2年）9月19日、117歳261日で田島ナビの記録を上回り、日本歴代1位並びにアジア歴代1位、世界歴代3位の長寿となった[1][2]。
2021年（令和3年）1月2日、118歳の誕生日を迎えた[20]。118歳となったのは、確実な証拠がある中で世界史上3人目、日本並びにアジアの人物としては史上初となる。田中は、入所している施設の職員に「誕生日おめでとうございます」と声をかけられると手を叩いて喜んだという[20]。また人類が118歳以上に達するのは1998年9月に118歳を迎えたサラ・ナウス（アメリカの歴代最高齢者）以来、約22年ぶりのことであった。
出演
- 『アサデス。』元気に長生きする秘けつ（2017年9月19日、KBC九州朝日放送）
- 『西郷どん』スペシャル(3)（2018年10月20日、NHK）※VTR出演
- 『今夜くらべてみました』（2018年11月21日、日本テレビ）
- 『林修の今でしょ!講座』3時間スペシャル（2019年1月29日、テレビ朝日）
- 『ありえへん∞世界』言われてみれば調べてなかった！意表を突く大調査2時間SP（2020年1月28日、テレビ東京[21]）
関連人物
- 中願寺雄吉 - 過去に福岡県在住で世界最高齢となった人物（2003年没）。
- 皆川ヨ子 - 過去に福岡県在住で世界最高齢となった人物（2007年没）。
- アレクサンダー・イミック - 過去に同い年（2月4日生まれ）で男性世界最長寿となった人物（2014年没）。
- 百井盛 - 過去に同い年（2月5日生まれ）で男性世界最長寿となった人物（2015年没）。
- 小出保太郎 - 過去に同い年（3月13日生まれ）で男性世界最長寿となった人物（2016年没）。
- イスラエル・クリスタル - 過去に同い年（9月15日生まれ）で男性世界最長寿となった人物（2017年没）。
参考文献
- 花田衞『花も嵐も107歳 田中カ子（カネ）・長寿日本一への挑戦』梓書院、2010年5月14日。ISBN 978-4-87035-380-0。
脚注
注釈
- ^ この時点で孫が5人、ひ孫が8人いた。
出典
- ^ a b “福岡市の田中カ子さんが国内最長寿記録更新 117歳261日「アメリカに行きたい」”. 毎日新聞. (2020年9月19日) 2020年9月19日閲覧。
- ^ a b “田中カ子さん、国内歴代最高齢の記録更新”. 47NEWS (共同通信). (2020年9月19日) 2020年9月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “福岡在住の田中カ子さんが、116歳66日で世界最高齢としてギネス世界記録に認定”. Guinness World Records (2019年3月9日). 2020年2月5日閲覧。
- ^ Validated Living Supercentenarians(GRG)
- ^ a b c d e f g h “最高齢田中さん117歳に 戦争、病越え5時代生きる”. 日経エンタテインメント. 日本経済新聞社 (2020年1月2日). 2020年2月5日閲覧。
- ^ a b “【動画あり】世界最高齢116歳、福岡市の田中さんを祝福 敬老の日を前に”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2019年9月11日) 2020年2月5日閲覧。
- ^ a b c d “明治から生きる116歳描く夢 令和も「長生きしたい」”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2019年4月30日) 2020年2月5日閲覧。
- ^ a b c d e f “国内最高齢115歳、入所者励ます 「頑張りんしゃい」”. 朝日新聞. (2018年7月27日18時50分) 2018年7月28日閲覧。
- ^ a b “福岡の１１５歳田中さん 国内最高齢”. nikkansports.com (日刊スポーツ新聞社). (2018年7月27日) 2020年2月5日閲覧。
- ^ a b c “「今夜くらべてみました」で紹介されたすべての情報 ( 401 / 515 ページ )”. 価格.com. 2020年2月5日閲覧。
- ^ a b c d e f “5つ目の元号を迎える“歴史の生き証人”世界最高齢１１６歳田中カ子さん、願うのは「みんなが幸せな時代」”. スポーツ報知. 報知新聞社 (2019年3月26日). 2020年2月5日閲覧。
- ^ “【福岡】国内最高齢に福岡市の115歳女性”. Yahoo!ニュース. 九州朝日放送. (2018年7月27日20時42分). オリジナルの2018年7月28日時点におけるアーカイブ。 2018年7月28日閲覧。
- ^ a b “San Marcos couple celebrate aunt’s 113th year”. (2016年5月6日) 2017年12月13日閲覧。
- ^ “【福岡県】一人ひとりが持ち味を発揮して入居者の“思い”に応えるホーム”. (2012年3月31日) 2017年12月13日閲覧。
- ^ 花田衞『花も嵐も１０７歳 田中カ子（カネ）・長寿日本一への挑戦』梓書院、2010年5月14日。ISBN 978-4-87035-380-0。
- ^ 「死ぬ気がせん」116歳田中さん、オセロケーキで対局
- ^ 田中カ子さん長寿世界一記念オセロ大会
- ^ “世界最高齢、田中カ子さん117歳の誕生日 ケーキ「おいしい。もっと」”. 毎日新聞. (2010年1月5日19時34分) 2020年1月5日閲覧。
- ^ a b “福岡市の女性が世界最高齢 116歳、ギネス認定”. 産経新聞. (2019年3月9日) 2019年3月10日閲覧。
- ^ a b “世界最高齢 田中カ子さんが118歳の誕生日 福岡”. NHK NEWS WEB (日本放送協会). (2021年1月2日) 2021年1月2日閲覧。
- ^ “「最高齢のギネス世界記録」を持つ117歳のおばあちゃんに好きなものを聞いたら、とんでもなくいかしてた！ : ありえへん∞世界”. テレ東プラス (2020年1月27日). 2020年6月4日閲覧。
外部リンク
- 田中カ子 (@tanakakane0102) - X（旧Twitter） (曽孫によるアカウント)
| 記録 | ||
|---|---|---|
| 先代 田島ナビ |
歴代の日本最高齢 2020年9月19日 - |
次代 (記録保持者) |
| 先代 都千代 |
存命人物のうち日本最高齢 2018年7月22日 - |
次代 （記録保持者） |
| 先代 都千代 |
存命人物のうち世界最高齢 2018年7月22日 - |
次代 （記録保持者） |
| 全般 | |
|---|---|
| 国立図書館 | |
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