エンマ・モラーノ
Emma Martina Luigia Morano-Martinuzzi エンマ・モラーノ=マルティヌッツィ | |
---|---|
![]() 1930年撮影 | |
生誕 | 1899年11月29日![]() |
死没 | 2017年4月15日(117歳没)![]() |
住居 | ![]() |
国籍 | ![]() |
著名な実績 |
|
配偶者 | ジョヴァンニ・マルティヌッツィ |
子供 | 1人(夭折) |
親 | ジョヴァンニ・モラーノ(父) マティルデ・ブレシアーニ(母) |
エンマ・モラーノ(Emma Morano、1899年11月29日 - 2017年4月15日[1])は、かつてイタリアに在住していた長寿の女性(スーパーセンテナリアン)である。
2016年5月から翌年4月に117歳137日で亡くなるまで長寿世界一であり、1800年代[注釈 1]生まれの世界で最後の生存者であった。また、ヨーロッパにおいては19世紀生まれの最後の生存者であった。ウンベルト1世の代に誕生したイタリア人の最後の生存者でもあった。イタリアにおける歴代最長寿記録を持つ人物であり、ヨーロッパではジャンヌ・カルマンに次ぐ歴代2番目である。日本の報道ではエマ・モラノあるいはエマ・モラーノと表記されることもある。
人物[編集]
1899年11月29日、イタリア・ピエモンテ州のヴェルチェッリ県チヴィアスコにて、ジョヴァンニ・モラーノ(Giovanni Morano)とマティルデ・ブレシアーニ(Matilde Bresciani)の間に生まれる。8人兄弟姉妹(3兄弟5姉妹)の長女であった。1926年にジョヴァンニ・マルティヌッツィ(Giovanni Martinuzzi、1901 - 1978)と結婚した。子供は1人だけいたが、1937年にわずか6か月で亡くなっている。法的に離婚はしなかった(キリスト教の影響が強かった当時のイタリアでは、離婚をすることは容易ではなかったことによるものの[2])、1938年からは暴力的だった夫と別居するようになり、以後75年間にわたって一人暮らしをしていた。このことについて、後のインタビューで彼女は「私は誰からも支配されたくなかった」と語っている[3]。なお父親と夫の名前が両方とも「ジョヴァンニ」("Giovanni")という、同一の名前であったとされているが、出典の誤りなのか偶然だったのかは定かではない[注釈 2]。
彼女には非常に長命な家族がおり、家族の何人かは90歳以上生き、妹のアンジェラ・モラーノ(Angela Morano、1908年 - 2011年)は102歳で亡くなっている。長寿の秘訣として、薬を使用せず、1日当たり3個の卵を食べて、手作りのブランデーを飲み、チョコレートを時々食べることを挙げている[3]。
2011年12月23日に、彼女はイタリアの大統領ジョルジョ・ナポリターノからイタリア共和国功労勲章を授与された。2015年の116歳の誕生日には、ローマ教皇フランシスコからの手紙を受け取っている[4]。
長寿記録[編集]
- 2013年4月2日 - マリーア・レダエッリ=グラノーリの死去に伴い、イタリア及びヨーロッパ最高齢となる。
- 同年8月15日 - マリア・グラヴィジ=デ・カンディア(1900年3月3日生)の死去に伴い、イタリアでは最後の19世紀生まれ、またウンベルト1世の在世中に生まれたイタリア人として最後の生き残りの人物となる。
- 同年11月14日 - イギリスのグレース・ジョーンズが亡くなったため、この時点でヨーロッパで最後の1800年代[注釈 1]生まれとなる。
- 2014年8月9日 - 114歳253日で、ヴェーネレ・ピッツィナート=パポの年齢を追い抜き、死去した人物も含めてイタリア在住の人物としては最も長生きした人物となった(イタリア生まれで海外に移住した人物も含めれば、最長寿はディーナ・マンフレディーニだったが、2015年8月14日にその記録を追い抜いている)。
- 同年11月29日 - これまでのイタリア人で115歳に到達した2人目の人物となる。
- 2015年1月3日 - アメリカのバーニス・マディガンの死去により、世界で5番目の長寿者となった。115歳35日。
- 同年1月15日 - イギリス最高齢者だったエセル・ラングの死去により、ヨーロッパで最後の19世紀生まれとなる(ヨーロッパ生まれで海外に移住した人物も含めれば、アメリカのゴールディ・スタインバーグが死去した2015年8月16日となる)。
- 同年1月24日 - 115歳56日で、モード・ファリス=ルーズの年齢に並び、死去した人物も含めて世界長寿記録保持者の上位30位内に入る。
- 同年4月1日 - 日本の大川ミサヲの死去に伴い、115歳123日で存命人物で世界で4番目に高齢の人物となる。
- 同年4月6日 - アメリカのガートルード・ウィーバーの死去に伴い、115歳128日で存命人物で世界で3番目に高齢の人物となる。
- 同年6月9日 - 115歳192日で、マーガレット・スキートの年齢に並び、死去した人物も含めた世界長寿記録保持者の上位20位内に入る。
- 同年6月17日 - アメリカのジェラレアン・タリーの死去に伴い、115歳200日で存命人物で世界で2番目に高齢の人物となる。
- 同年11月29日 - イタリア人として初めて116歳を迎える。
- 2016年3月26日 - 116歳118日で、エリザベス・ボールデンの年齢に並び、死去した人物も含めた世界長寿記録保持者の上位10位内に入る。
- 同年5月12日 - アメリカのスザンナ・マシャット・ジョーンズの死去に伴い、116歳165日で存命する世界最高齢者、並びに1800年代生まれの最後の生き残りとなった。
- 同年11月29日 - 117歳の誕生日を迎えた。117歳となったのは、世界史上(確実な証拠がある中で)6人目である。
- 同年12月26日 - 117歳27日で、大川ミサヲの年齢に並び、死去した人物も含めて史上5番目に長生きした人物となる。これにより、3世紀にまたがって生きた人物の中で最も長く生きた人物となった(この記録は2017年7月26日にヴァイオレット・ブラウンに更新されるまで維持された)。
- 2017年4月15日 - 老衰のため117歳137日で死去。彼女の死により、1800年代生まれの人物は全員がこの世を去り、19世紀生まれは残り2人となった(この時点で存命中のヴァイオレット・ブラウンと田島ナビ)。
記録 | ||
---|---|---|
先代: スザンナ・マシャット・ジョーンズ |
存命人物のうち世界最高齢 2016年5月12日 - 2017年4月15日 |
次代: ヴァイオレット・ブラウン |
先代: ディーナ・マンフレディーニ |
![]() 2015年8月14日 - |
次代: (記録保持者) |
先代: ヴェーネレ・ピッツィナート=パポ |
![]() 2014年8月9日 - |
次代: (記録保持者) |
先代: マリーア・レダエッリ=グラノーリ |
存命人物のうちヨーロッパ最高齢 2013年4月2日 - 2017年4月15日 |
次代: アナ・ベラ=ルビオ |
先代: マリーア・レダエッリ=グラノーリ |
![]() 2013年4月2日 - 2017年4月15日 |
次代: ジュゼッピーナ・プロジェット=フラウ |
先代: マリーア・レダエッリ=グラノーリ |
![]() 2013年4月2日 - 2017年4月15日 |
次代: マリー=ジョセフィン・ゴーディト |
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ “エマ・モラノさん死去=世界最高齢女性、117歳-伊”. 時事通信 (2017年4月16日). 2017年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月31日閲覧。
- ^ “世界最高齢で19世紀生まれ唯一の存命者、長寿の秘訣は?”. AFP bb news. (2016年5月20日) 2016年11月29日閲覧。
- ^ a b (英語) “Raw Eggs and No Husband Since ’38 Keep Her Young at 115 - The New York Times” (2015年2月14日). 2015年6月19日閲覧。
- ^ (イタリア語) “I 116 anni di Emma Morano”. Eco Risveglio (2015年11月29日). 2016年3月26日閲覧。
- ^ “イタリア 世界最高齢のエマ・モラノさん死去”. 毎日新聞. (2017年4月16日). オリジナルの2017年4月16日時点におけるアーカイブ。 2017年7月25日閲覧。
|