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== 環境 ==
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岐阜県側山域(656.45 [[ヘクタール|ha]])は亜高山性植物及び[[ブナ]]のすぐれた[[天然林]]のため、「能郷白山自然環境保全地域」に指定されている<ref name="pref-gifu">{{Cite web |url=http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s11124/houkishu/35190250007900000000/35190250007900000000/35190250007900000000.html |title=自然環境保全地域及び特別保全地域等の指定(岐阜県の条例) |publisher=岐阜県 |accessdate=2010-12-06}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.pref.gifu.lg.jp/kankyo/koen-hodo/hozenchiiki/hozen-ichiran.html |title=自然環境保全地域一覧 |publisher=岐阜県 |accessdate=2012-12-10}}</ref>。山体は[[花崗閃緑岩]]などで構成される<ref name="新日本山岳誌 (2005)、1207頁" /><ref name="コンサイス日本山名辞典 (1992)、403頁">[[#コンサイス日本山名辞典|コンサイス日本山名辞典 (1992)、403頁]]</ref>。[[ノウゴウイチゴ]]は、日本で最初にこの山で発見されたことによる<ref name="白山と北陸の山 (2000)、209-211頁">[[#白山と北陸の山|白山と北陸の山 (2000)、209-211頁]]</ref>。かつては山全体がブナや[[ミズナラ]]などの[[自然林]]で覆われていたが、[[戦後#第二次世界大戦後|戦後]]能郷谷一帯でほとんどが伐採された<ref name="新日本山岳誌 (2005)、1207頁" />。山頂には[[一等三角点]]があり<ref name="kijyun" /><ref>[[一等三角点百名山]]のひとつに選定されている。</ref>、[[クマザサ|熊笹]]が生い茂っている。山の上部には[[ニッコウキスゲ]]などの花が多い山である。周辺では、[[イワウチワ]]、[[オオバキスミレ]]、[[カタクリ]]、[[キクザキイチゲ]]、[[キジムシロ]]、[[コバイケイソウ]]、[[ザゼンソウ]]、[[サラサドウダン]]、[[サンカヨウ]]、[[シモツケソウ]]、[[ツクバネソウ]]、[[ニッコウキスゲ]]、[[ヒメイチゲ]]、[[ムラサキヤシオツツジ]]などの多くの花々が見られる<ref name="福井県の山 (2010)、60-61頁">[[#福井県の山|福井県の山 (2010)、60-61頁]]</ref>。周辺の山域に生息する{{link-zh|カンムリレンズガイ|Otesiopsis kanumuriyamensis}}(''Otesiopsis kanumuriyamensis'')は、岐阜県の[[レッドリスト]]で[[準絶滅危惧]]の指定を受けている<ref name="gifu-redbook">{{cite book
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== 白山信仰 ==
== 白山信仰 ==

2018年8月21日 (火) 15:34時点における版

能郷白山
根尾谷上空から望む能郷白山
左奥(磯倉)・中央奥(能郷白山)・中央(前山)・手前(能郷谷)
標高 1,617.33[1] m
所在地 日本の旗 日本
岐阜県本巣市揖斐郡揖斐川町
福井県大野市
位置 北緯35度45分45秒 東経136度30分51秒 / 北緯35.76250度 東経136.51417度 / 35.76250; 136.51417座標: 北緯35度45分45秒 東経136度30分51秒 / 北緯35.76250度 東経136.51417度 / 35.76250; 136.51417[2]
山系 両白山地(越美山地)
初登頂 (718年泰澄上人が開山)
能郷白山の位置(日本内)
能郷白山
能郷白山の位置
プロジェクト 山
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能郷白山(のうごうはくさん)は、岐阜県本巣市揖斐郡揖斐川町福井県大野市にまたがり、両白山地に属する標高の1,617 m。越美山地の最高峰

概要

周辺は豪雪地帯であり、奥美濃の最高峰である[3]この山は、濃尾平野から望む一番遅くまで雪を抱いた山である[4][5]深田久弥は日本百名山選定の際に荒島岳と能郷白山との二つから前者を選んだ[6]。後者のこの山は、深田クラブにより日本二百名山に選定されている[7]ぎふ百山のひとつに選定されている[8]。別名が、白山、能郷山、権現山[3]

環境

ノウゴウイチゴ

岐阜県側山域(656.45 ha)は亜高山性植物及びブナのすぐれた天然林のため、「能郷白山自然環境保全地域」に指定されている[9][10]。山体は花崗閃緑岩などで構成される[3][11]ノウゴウイチゴは、日本で最初にこの山で発見されたことによる[12]。かつては山全体がブナやミズナラなどの自然林で覆われていたが、戦後能郷谷一帯でほとんどが伐採された[3]。山頂には一等三角点があり[1][13]熊笹が生い茂っている。山の上部にはニッコウキスゲなどの花が多い山である。周辺では、イワウチワオオバキスミレカタクリキクザキイチゲキジムシロコバイケイソウザゼンソウサラサドウダンサンカヨウシモツケソウツクバネソウニッコウキスゲヒメイチゲムラサキヤシオツツジなどの多くの花々が見られる[14]。周辺の山域に生息するカンムリレンズガイ中国語: Otesiopsis kanumuriyamensisOtesiopsis kanumuriyamensis)は、岐阜県のレッドリスト準絶滅危惧の指定を受けている[15]

白山信仰

山頂部にある能郷白山神社奥宮

加賀白山を開いた泰澄上人が、加賀白山の山頂から見渡した時にこの山が目に留まり白山権現の分祀を思いつき、開山し祠を祀ったと伝えられている。山頂に能郷白山神社奥宮の祠があり、白山信仰の山である[11]。能郷谷の麓(能郷)には、能楽堂のある白山神社(白山権現里宮)がある。毎年4月13日例祭能郷の能・狂言奉納されている[4]

歴史

登山ルート

山頂の一等三角点、山頂部にはクマザサなどが生い茂る

山頂に至る北側と南側からの二つの登山道が開設されている。岐阜県警により、能郷白山方面隊が編成されている[17]。2007年(平成18年)に本巣市で行われていた「能郷白山ファミリー登山」の事業が行政改革に伴い廃止された[18]

  • 温見峠からのルート
国道157号の岐阜県と福井県との県境である温見峠から、稜線伝いに登る最短のルート[12][19]
  • 能郷谷からのルート
岐阜県本巣市根尾川支流の能郷谷から、前山の山腹を経由する健脚向きのルート[5]。麓の白山権現里宮の横には、登山届ボックスが設置されている[19]

地理

両白山地北部の加越山地の加賀白山に対して、南部の越美山地で能郷谷の麓に能郷集落があるため能郷白山と呼ばれている。この越美山地、本巣市、揖斐川町の最高峰である。両白山地の屏風山へつながる鞍部には国道157号の温見峠があり、太平洋と日本海の分水嶺となっている。山頂からは、伊吹山、白山、恵那山北アルプスの山々など360°の展望が広がる。

周辺の主な山

伊吹山から望む能郷白山(左奥)周辺の山並み、中央奥は白山

山頂から南西には、標高1,541mの磯倉と呼ばれる三角錐の山容の山がある。南西には徳山湖がある。

山容 山名 標高
(m)[1][2]
三角点等級
基準点名[1]
能郷白山からの
方角と距離(km)
備考
白山 2,702.17  一等
「白山」
北東 49.4 日本百名山
荒島岳 1,523.49  一等
「荒島岳」
北 20.6 日本百名山
屏風山 1,354.20  二等
「屏風山」
東 10.9
冠山 1,256.60  三等
「冠山」
西 9.7 日本三百名山
姥ヶ岳 1,453.62  二等
「小沢」
北 5.3
能郷白山 1,617.33  一等
「能郷白山」
0 越美山地の最高峰
日本二百名山
磯倉 1,541 南 1.5 踏み跡不明瞭[19]
徳山ダム 約410m 南 10.8 日本の最大規模のダム
小津権現山 1,157.79  二等
「小津」
南 18.4 小津三山の南端

源流の河川

花房山から望む徳山湖

以下が主な源流の河川で、木曽川水系支流は太平洋へ、九頭竜川水系の支流は日本海へ流れる[20]

周辺の峠

交通・アクセス

  • JR西日本越美北線越前大野駅の南24.6 kmに位置する。
  • 養老鉄道養老線揖斐駅の北32.8 kmに位置する。
  • 北陸自動車道今庄インターチェンジが、山頂の西20 kmにある。
  • 東山腹を国道157号が通り、周辺は特別豪雪地帯であり積雪期と残雪期に閉鎖される。2004年平成16年)から2012年秋にかけて集中豪雨により能郷白山の登山口である温見峠への国道157号が岐阜県本巣市内で通行できなくなっていた、遠回りの迂回路が設けられていた。(詳しくは温見峠#現況を参照。)南山腹の白谷と能郷谷には砂防工事用の林道が敷設されていた。能郷谷の林道上部は私有のためゲートが設置され一般車両は通行できない。

能郷白山周辺の風景

脚注

参考文献

  • 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474 
  • 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 島田靖、堀井啓介『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2009年12月。ISBN 978-4-635-02370-2 
  • 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 
  • 『日本三百名山』毎日新聞社、1997年3月。ISBN 4620605247 
  • 『日本の山1000』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1992年8月。ISBN 4635090256 
  • 『白山 荒島岳』昭文社山と高原地図2012年版〉、2012年3月16日。ISBN 978-4398758422 
  • 林正一『白山と北陸の山』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイド21〉、2000年8月。ISBN 4-635-01321-9 
  • 深田久弥『日本百名山』朝日新聞出版、1982年7月。ISBN 4-02-260871-4 
  • 深田クラブ『日本二百名山』昭文社、1987年。ISBN 4398220011 
  • 宮本数男『改訂版 福井県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2010年3月15日。ISBN 978-4-635-02369-6 
  • 与呉日出夫『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社、2010年7月。ISBN 9784635180177 

関連項目

外部リンク