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2015年8月21日 (金) 07:39時点における版

あずさ
スーパーあずさ
E351系「スーパーあずさ」
(2005年5月)
概要
種類 特急列車
運行開始 1966年12月12日
運営者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
路線
起点 千葉駅東京駅新宿駅
終点 松本駅南小谷駅
使用路線 中央本線篠ノ井線大糸線
技術
車両 あずさ
E257系電車松本車両センター
スーパーあずさ
E351系電車(松本車両センター)
軌間 1,067mm
電化 直流1,500V
テンプレートを表示

あずさは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が主に新宿駅 - 松本駅間を中央本線篠ノ井線経由で運行する特急列車である。

なお本項では、同一経路で運転されている「スーパーあずさ」とともに、中央本線東京駅 - 塩尻駅間(中央東線)で運転されていた優等列車の沿革についても記述する。

概要

1966年昭和41年)12月12日に新宿駅 - 松本駅間で1日2往復で運転を開始した特急列車である。

1977年(昭和52年)3月25日に販売開始された、兄弟デュオ狩人が歌ったデビューシングルあずさ2号』が大ヒットしたこともあり、一時的に「あずさ」の利用客が増えるなど、沿線利用者や鉄道ファン以外でも知名度は高い。

1986年(昭和61年)11月1日に「かいじ」などを廃止して、一部の急行「アルプス」を特急「あずさ」に格上げしたが、1988年(昭和63年)3月13日に「あずさ」の甲府駅発着列車を再び「かいじ」に分離している。

1993年平成5年)12月23日には振り子式車両であるE351系電車の使用を開始し、同車を使用した列車は1994年(平成6年)12月3日から「スーパーあずさ」として運転を開始した。

列車名の由来

松本市の近くを流れる「梓川」(犀川の上流域)にちなんでいる。「あずさ」と「スーパーあずさ」の違いは、運用される車両が異なること、また後者では停車駅を少なくし速達性を高めた運行形態となっている。

なお、1957年(昭和32年)10月1日から新宿駅 - 松本駅間で運転を開始した臨時夜行準急に、1960年(昭和35年)1月1日 - 4月25日まで「あずさ」の列車名が使用されていた。

運行概況

2015年(平成27年)3月14日現在、定期列車は以下の18往復が運行されている。

  • あずさ:10往復
    • 新宿駅 - 松本駅間(下り9本/上り6本):下り7・9・13・17・21・25・27・31・35号/上り10・12・16・20・24・34号
    • 東京駅 - 新宿駅 - 松本駅間(上り2本):上り2・8号
    • 新宿駅 - 松本駅 - 南小谷駅間(上り1本):上り26号
    • 千葉駅 - 新宿駅 - 松本駅間(上り1本):上り30号
    • 千葉駅 - 新宿駅 - 松本駅 - 南小谷駅間(下り1本):下り3号
  • スーパーあずさ:8往復
    • 新宿駅 - 松本駅間(下り8本/上り7本):下り1・5・11・15・19・23・29・33号/上り4・14・18・22・28・32・36号
    • 東京駅 - 新宿駅 - 松本駅間(上り1本):上り6号

原則として、新宿駅 - 松本駅間を約1時間あたり1本の割合で運行している。2008年(平成20年)3月15日のダイヤ改正で、「あずさ」・「スーパーあずさ」は、一部の時間帯を除いて交互に運転され、停車駅や一部の時刻が大幅に変更された。一部列車は東京駅や千葉駅発着で運行されている。

また、新宿駅の甲州街道跨線橋の架け替え工事によって中央急行線の中野駅 - 御茶ノ水駅間が使用停止になる際は中野駅発着となったり、三鷹駅 - 立川駅間の連続立体交差化工事によってこの区間の一部が運休となる場合は立川駅八王子駅発着(かつ、京王線京王高尾線との振替輸送のため、高尾駅に臨時停車)となったことがあった。

全列車が中央本線(中央東線)と篠ノ井線を経由し、一部列車は大糸線も経由する。

停車駅

新宿駅は、基本的に中央線特急専用ホームである9・10番線に発着するが、一部列車は快速列車のホームである7番線に到着する。

あずさ
東京・新宿方面
東京駅) - 新宿駅 - (三鷹駅) - 立川駅 - 八王子駅 - (大月駅) - (塩山駅) - (山梨市駅) - (石和温泉駅) - 甲府駅 - (韮崎駅) - (長坂駅) - (小淵沢駅) - (富士見駅) - 茅野駅 - 上諏訪駅 - (下諏訪駅) - 岡谷駅 - 塩尻駅 - 松本駅 - (豊科駅 - 穂高駅 - 信濃大町駅 - 白馬駅 - 南小谷駅
千葉方面
千葉駅 - 船橋駅 - 錦糸町駅 - 新宿駅 - (この区間は上記と同様) - 松本駅 - (この区間は上記と同様) - 南小谷駅
  • ( )は一部の列車のみ停車。
    • 千葉駅・船橋駅・錦糸町駅:下り3号/上り30号のみ運転。
    • 東京駅:上り2・8号のみ運転。
    • 三鷹駅:下り7号/上り34号が停車。
    • 大月駅:下り3・7・27・31・35号/上り2・10・30・34号が停車。
    • 塩山駅:下り3・7・27・35号/上り2・10・34号が停車。
    • 山梨市駅:下り3・7・27・35号/上り2・34号が停車。
    • 石和温泉駅:下り3・7・27・35号/上り2・8・10・34号が停車。
    • 韮崎駅:下り7・27号/上り8・12・34号が通過。
    • 長坂駅:下り27号/上り2号が停車。
    • 小淵沢駅:上り34号が通過。
    • 富士見駅:下り3・9・27・31・35号/上り2・8・16・20・24・30号が停車。
    • 下諏訪駅:下り7・21・25号/上り8・24・34号が通過。
    • 豊科駅・穂高駅・信濃大町駅・白馬駅・南小谷駅:下り3号/上り26号のみ運転。
スーパーあずさ
東京・新宿方面
(東京駅) - 新宿駅 - (立川駅) - 八王子駅 - (大月駅) - (石和温泉駅) - 甲府駅 - (韮崎駅) - (小淵沢駅) - 茅野駅 - 上諏訪駅 - (下諏訪駅) - (岡谷駅) - (塩尻駅) - 松本駅
  • ( )は一部の列車のみ停車。
    • 東京駅:上り6号のみ停車。
    • 立川駅:下り19号/上り14号のみ通過。
    • 大月駅:下り1・33号/上り6・36号が停車。
    • 石和温泉駅:下り1号/上り36号が停車。
    • 韮崎駅:下り1号/上り6・36号が停車。
    • 小淵沢駅:下り1・5・15・33号/上り4・6・28・32・36号が停車。
    • 下諏訪駅:上り6・32号が停車。
    • 岡谷駅:下り11・15・19号/上り14号が通過。
    • 塩尻駅:下り11・19号/上り14号が通過。

使用車両・編成

あずさ

2011年3月12日現在
PJRPJRNC
あずさ
← 千葉・東京
松本・南小谷 →
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
G
付属編成 基本編成
  • 全車禁煙
  • 1・2号車を連結しない列車がある。
凡例
G=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席

1966年(昭和41年)12月12日 - 1975年(昭和50年)12月6日には181系が、1973年(昭和48年)10月1日 - 2002年(平成14年)11月30日には183系・189系が使用されていたが、2001年(平成13年)12月1日よりE257系が投入され、2002年(平成14年)12月1日から定期列車は全列車E257系により運転されている。なお、大糸線に乗り入れる車両は基本編成の9両のみで、松本駅で増解結を行う。

2015年現在でも183系・189系は多客時の臨時列車に使用されており、運転される際には時刻表に「一般型特急車両で運転」と記載される。

なお、2016年度以降に新型車両を導入する計画があり、E257系は置き換えられる予定である[1]

スーパーあずさ

スーパーあずさ
2010年3月13日現在
← 新宿
松本 →
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
G
付属編成 基本編成
  • 全車禁煙
  • 3号車を指定席に変更する日がある。
凡例
G=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席
自=普通車自由席

「スーパーあずさ」は全列車がE351系の基本編成の8両と付属編成4両を併結した12両編成で運転されている。なお、中央本線八王子駅 - 新宿駅・東京駅間では振り子機能を使用していない。定期列車としては、2010年(平成22年)3月12日まで大糸線に乗り入れて信濃大町発の運用があったが、翌13日のダイヤ改正で「スーパーあずさ」全列車が松本駅発着に統一された。現在は大糸線への乗り入れはない。

貫通扉設置車両を先頭に大糸線を走るE351系(現在は消滅)
(2007年1月 海ノ口駅

なお、2014年(平成26年)2月4日に、老朽化が進行したE351系の代替を目的として新型特急電車「E353系」を導入することがJR東日本より公式発表された[2]。E353系は空気ばねによる車体傾斜装置を搭載し、E351系の振り子機能と同等の曲線部走行性能を確保した車両で、内外装の意匠はE351系など「あずさ」使用車両のそれを継承しつつ新鮮味を加味したものとされる[2]。E353系は2015年度夏季に基本編成(9両編成)および付属編成(3両編成)を各1編成、計12両の量産先行車両を新製し、性能評価および技術検証を行う予定である[2][3]

運転速度と所要時間

区間 新宿駅 - 松本駅間上り2時間25分~38分 下り2時間26分~42分(225.1km)

  2013年(平成25年)4月20日現在のダイヤでは、新宿駅 - 松本駅間の約225.1kmを最も速い「スーパーあずさ」14号が2時間25分で走行している。この区間の表定速度は約90km/hと、特急列車としては比較的速い部類に入る。しかし、中央本線の高尾駅 - 塩尻駅間は運行本数が少なくても大部分が山間部を縫って走る路線のためにカーブや勾配が多く、また高尾駅 - 東京駅間は線形は比較的良いが、通勤路線で本数が非常に多い快速列車と同じ線路を走行するため、それらの列車の間を縫って走行しなければならず、速度向上の妨げになっている。

しかし、かつての183系「あずさ」においても、最高速度である120km/hで走行可能な区間は塩嶺トンネルなど全区間の5%程度に過ぎなかった。現行の主力であるE257系も低重心化が図られたとはいえ、振り子装置を搭載していないため曲線通過速度は半径400m以上の曲線で本則+15km/hまでに留まっており、130km/hの営業最高速度の性能もあまり発揮されていない。

特別企画乗車券

中央高速バスとの対抗上千葉・新宿(東京都区内)駅 - 甲府駅以西の主要駅間を対象に、通年で発売されている特別企画乗車券あずさ回数券」が設定されている。また、新宿駅~千葉駅間で利用可能な房総料金回数券も設定されている。さらにえきねっと利用者に対して乗車券と特急券が最大で35%割引される「トクだ値」が一部列車・区間で設定されている[4]

中央東線優等列車沿革

中央東線での有料優等列車の歴史は戦後の1948年(昭和23年)からである。しかし昭和前期に運転された同線の臨時普通列車準急列車には、「高嶺」・「アルプス」など地方鉄道管理局が独自に設けた列車愛称が付けられていたこともあった。

戦後の展開

  • 1948年昭和23年)7月1日:中央東線初の優等列車として、新宿駅 - 松本駅間に臨時夜行準急2403・2404列車を新設。
    2005年(平成17年)時点のダイヤでは快速ムーンライト信州」がこの列車に相当する。
  • 1949年(昭和24年)9月15日:2403・2404列車は定期列車に格上げられ、列車番号も403・402列車となる。
  • 1952年(昭和26年)4月15日:403・402列車から改められた407・408列車に「アルプス」と命名。また、同区間に昼行準急列車も1往復このとき設定される。
  • 1954年(昭和29年)
    • この年、準急「きそ」の一部車両が名古屋駅 - 新宿駅間を直通運転。
    • 10月1日:新宿駅 - 松本駅間に臨時の昼行準急列車を1往復設定。
  • 1955年(昭和30年)
    • 2月1日:定期の昼行準急列車に「穂高」、臨時列車に「白馬」と命名。
    • 8月20日:「白馬」を定期列車に格上げ。
  • 1957年(昭和32年)10月1日:新宿駅 - 松本駅間に臨時夜行準急を1本設定。
  • 1960年(昭和35年)
    • 1月1日:臨時夜行準急に「あずさ」の名称が与えられる。
    • 4月25日:「あずさ」は「白馬」に改称されて定期列車となり、「白馬」は2往復となる。「アルプス」は急行列車に格上げられ、キハ55系気動車を導入し昼行2往復の気動車列車となった。また「白馬」にもキハ55系を導入。「穂高」は客車列車として残った列車の愛称になり、従来「アルプス」として走っていた夜行列車や臨時列車を組み入れて3往復体制となった。「アルプス」の運転開始により、従来の中央線「急行電車」の種別呼称は快速電車に変更する。
  • 1961年(昭和36年)10月1日:サンロクトオのダイヤ改正により次のように変更。
    1. 「白馬」を急行列車に格上げし、使用車両も「アルプス」とともにキハ58系気動車に置き換えられる。同時に、「白馬」のうち1往復を松本駅以北を準急扱いにして大糸線の信濃森上駅まで直通とした。
    2. 同車両を使用した昼行急行列車として「上高地」も新設。
    3. 準急「きそ」の名古屋駅 - 新宿駅間直通運転を終了。
  • 1962年(昭和37年)12月1日:「穂高」のうち昼行列車を気動車急行化して「アルプス」に編入し、「アルプス」は昼行3往復、「穂高」は夜行1往復となる。「白馬」は2往復とも大糸線内に乗り入れ、うち1往復は糸魚川駅へ乗り入れることとなった。
  • 1963年(昭和38年)5月21日:新宿駅 - 飯田駅間を中央本線・飯田線経由で運行する準急「赤石」を新設。新宿駅 - 辰野駅間は「アルプス」に併結。
  • 1964年(昭和39年)10月1日:新宿駅 - 上諏訪駅間に165系による急行列車「たてしな」が運転開始。
  • 1965年(昭和40年)
    • 1月:上り「たてしな」が岡谷駅まで臨時延長。
    • 3月:下り「たてしな」が岡谷駅まで臨時延長。
      これらの列車は、上諏訪駅 - 岡谷駅間を普通列車として運行した。
    • 7月:臨時列車として、名古屋駅 - 茅野駅・小淵沢駅間の東西直通ダイヤが設定される(しかし、1966年1972年には設定されなかった)。その中には小海線・飯田線直通列車もあった。
    • 10月1日:電化区間の延長に伴うこのときのダイヤ改正により、以下のように変更。
      1. 当時9往復存在した急行のうち、非電化区間に直通する2往復を除いた7往復を165系を導入して電車化。
      2. 列車愛称の整理を行う。
        1. 大糸線直通急行のうち、夜行列車を「白馬」から「穂高」に改称。
        2. 従来の「穂高」は「上高地」に改称
        3. それまでの「上高地」は「アルプス」に統合。
      3. 「たてしな」は急行「アルプス」に編入。以後は臨時・季節列車として存続した。
    • 12月:新宿駅 - 松本駅間に電車急行「かいじ」新設。

特急「あずさ」の登場とその後の展開

  • 1966年(昭和41年)
    • 3月15日:準急「赤石」を急行に格上げ。
    • 12月12日:新宿駅 - 松本駅間に特急「あずさ」を2往復新設。
      田町電車区配置の181系電車10両編成が充当され、上越線特急「とき」と共通運用であった。
      途中停車駅は、甲府駅と上諏訪駅のみであった。
      運転初日、下り「第1あずさ」が甲府駅を出発してすぐに、農業用の機械と衝突する踏切事故を起こし、運転不能になった。この事故の影響で、上り急行「アルプス」の編成の一部を切り離して松本駅まで運転、上り「第2あずさ」も165系で代走した。運転開始初日から急行形車両で代走する事態に陥った特急は珍しい。
  • 1967年(昭和42年)10月1日:「赤石」の臨時便として臨時急行「こまがね」が運転される。
  • 1968年(昭和43年)10月1日:ヨンサントオのダイヤ改正により列車愛称の整理が行われ、急行「赤石」「天竜」の名称を「こまがね」に統合。
  • 1969年(昭和44年)
    • 4月25日:臨時列車を含むすべての「あずさ」が八王子駅に停車となる。
    • 7月1日:181系の運用移管が行われ、新潟運転所の配置となる。
  • 1970年(昭和45年):「こまがね」が天竜峡駅まで延長運転される。
  • 1971年(昭和46年)4月:「あずさ」の大糸線信濃大町駅まで季節延長運転開始。
  • 1972年(昭和47年)
    • 3月15日:定期「あずさ」の大糸線への季節延長区間を、白馬駅まで延長。
    • 10月2日身延線身延駅まで運行する季節急行列車「みのぶ」運行開始。また、下りは最終の、上りは始発の「あずさ」として、初めて「かいじ」の源流ともいえる甲府駅発着の列車が1往復設定される。
    • 12月28日:臨時夜行特急「あずさ銀嶺」運転開始。
  • 1973年(昭和48年)10月1日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 「あずさ」の一部に幕張電車区配置の183系電車0番台を使用開始。自由席が設置されてエル特急となる一方で、東京駅 - 上野駅間の東北回送線が廃止になった関係で「とき」と運用が分離され、新潟運転所から長野運転所に移管され、食堂車が廃止となる。
    2. 「たてしな」、季節列車化。「みのぶ」と併結運転になる。
  • 1975年(昭和50年)
    • 3月10日:このときのダイヤ改正により、「アルプス」を電車に統一。これに伴い糸魚川駅発着系統と、小海線直通の「八ヶ岳」は廃止。
      • この年の夏ダイヤ以後、臨時列車として運行された名古屋駅 - 茅野駅小淵沢駅間の東西直通列車の設定がなくなる。
    • 12月6日:「あずさ」に投入されていた181系電車の置換えで189系電車を使用開始。
  • 1976年(昭和51年)11月30日:この日限りで「アルプス」のビュフェ車の営業を休止。
  • 1978年(昭和53年)10月2日:この日実施されたダイヤ改正により、「下りは奇数・上りは偶数」に号数番号を統一。「たてしな」は、急行「アルプス」に名称が吸収される。
  • 1982年(昭和57年)11月15日ダイヤ改正により、以下のように変更された。
    1. 「あずさ」の大糸線乗り入れを定期化し、運転区間を南小谷駅までに変更。
    2. 上越新幹線開業により「とき」が廃止され、183系1000番台の一部が長野運転所に転属となり、「あずさ」に転用された。
  • 1983年(昭和58年)7月5日:中央本線のルートが「大八回り」と呼ばれた辰野駅経由から塩嶺トンネルの開通によりみどり湖駅経由の新線に切り替わったことにより、優等列車を中心に以下のように変更された。
    1. 「あずさ」は全列車新線を経由することになり、スピードアップが図られる。
    2. 「アルプス」は、「こまがね」併結列車など、一部の列車を除いて、新線経由になる。
    3. 「こまがね」は、全列車飯田線唯一の急行として存続(「伊那」が廃止され、「天竜」が松本以南で快速化されたことによる)。「こまがね5号」は、平岡駅行(飯田駅から普通)に運行区間を変更し、天竜峡以南に新宿発列車が初めて乗り入れる。
  • 1985年(昭和60年)3月14日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更された。
    1. 幕張電車区の183系基本番台が運用から撤退し、長野運転所の183系1000番台・189系が全列車を担当するようになった。
    2. 「アルプス」、「こまがね」の分併駅を辰野駅から岡谷駅に変更し、昼行「アルプス」全列車がみどり湖駅経由に運行区間を変更。
    3. 「かいじ」を臨時列車に格下げ。

総特急化とその後の展開

165系による急行「アルプス」3号(1986年、岡谷駅)
165系による急行「アルプス」3号(1986年、岡谷駅)
183系国鉄色「あずさ」
183系国鉄色「あずさ」
183系「あずさ」グレードアップ初期色車
183系「あずさ」グレードアップ初期色車
189系あずさ色「あずさ」
189系あずさ色「あずさ」
  • 1986年(昭和61年)11月1日ダイヤ改正により、以下のように変更された。
    1. 急行列車「アルプス」昼行列車と「こまがね」・「みのぶ」・「かいじ」を廃止し、特急「あずさ」に格上げ[5]。これにより、「あずさ」は改正前の12往復から22.5往復に増発され、東京駅・総武本線千葉駅発着列車の運行開始。なお「アルプス」は夜行列車のみとなり、同時に183系電車に置換え[5]
    2. 運用移管が行われ、長野運転所配置車は松本運転所に転属。また全列車9両編成での運転となる[6]
  • 1987年(昭和62年)12月:「あずさ」に183系電車のグレードアップ仕様の車両を使用開始。車内チャイムは、あずさ・かいじ用のチャイムを数種類用意してあり、季節や駅によって異なるチャイムを流した。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:「あずさ」の甲府駅発着列車を「かいじ」に分離。
    • 夏:「あずさ」6号・23号を海水浴客輸送のため千葉駅 - 千倉駅間を延長運転。内房線に直通した。その他臨時「かいじ」のダイヤを使用した甲府発安房鴨川行き臨時特急「わかしお」87号も運転。
  • 1990年(平成2年):「あずさ」の内房線直通がこの夏を最後に消滅。
  • 1991年(平成3年)3月21日成田空港駅開業により千葉駅発着の「あずさ」1往復を成田空港駅まで多客期の臨時列車として延長運転。列車名を「ウィングあずさ」として運転。1993年秋期まで運転された。
  • 1993年(平成5年)12月23日:「あずさ」2往復に振り子式車両E351系電車を使用開始。
    ただし当初、E351系は2編成のみの配属だったため、閑散期等は183系で代走する。
  • 1994年(平成6年)12月3日:E351系による「スーパーあずさ」運行開始。
    また、このときより「スーパーあずさ」は1号から、「あずさ」は51号から号数が割り当てられた。
  • 1997年(平成9年)10月12日大月駅列車衝突事故によりE351系が破損し、翌年7月まで「スーパーあずさ」用の車両が不足。「スーパーあずさ」の一部列車が183系による代走となる。
  • 2000年(平成12年)12月31日:松本駅 - 新宿駅間の最終列車「スーパーあずさ16号」が列車名を「ミレナリオスーパーあずさ16号」に変更した上で新宿駅 - 東京駅間を延長運転。
  • 2001年(平成13年)
    • 1月1日長野駅 - 新宿駅間の上り「アルプス」は列車名を「アルプス21世紀号」に変更し、長野駅の発車時刻を所定の前日23時25分から21世紀を迎えた直後の0時01分に繰り下げ。甲府駅から先は所定ダイヤで運転。
    • 9月8日9日15日16日:臨時特急列車「あずさ木曽」が東京駅(8時18分発) - 上松駅(12時46分着)間を183系9両編成で運転。
      中央本線の特急列車として、また国鉄分割民営化後初の中央東西線間直通運転を行った。
    • 12月1日:ダイヤ改正。「あずさ」の車両を183系・189系からE257系に置き換え開始。上りの急行「アルプス」を臨時列車化。
  • 2002年(平成14年)
    • 2月2日:新宿駅 - 松本駅間で「あずさ2号」を復活運行。
      辰野駅経由の旧線を経由したが、新宿駅の発車時刻は8時に「スーパーあずさ」3号が発車する関係で8時2分となった。この時のセレモニーでは狩人の二人も来場し『あずさ2号』を歌い、出発合図を送った。
    • 12月1日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更。
      1. JR東日本ではエル特急の呼称を廃止し、「スーパーあずさ」・「あずさ」もエル特急の冠を廃止。
      2. 7月の「かいじ」に続き「あずさ」の車両もすべてE257系に統一。千葉駅始発・終着の「あずさ」は11両編成であり、ホーム有効長が10両編成分の秋葉原駅は通過となった。
      3. 下りの急行「アルプス」を廃止[7]。これの代替として臨時快速「ムーンライト信州」が週末などに運行開始。
  • 2003年(平成15年)10月1日定期乗車券自由席特急券との併用を解禁[注 1]
  • 2004年(平成16年)3月13日:ダイヤ改正。「スーパーあずさ」・「あずさ」の号数の振り方を区別せず、発車の早い順に通し番号とする。また「スーパーあずさ」の東京駅乗り入れ廃止。
  • 2005年(平成17年)12月10日:「スーパーあずさ」11号・28号の松本駅 - 白馬駅間を臨時化し、多客時のみの運転となった[注 2]。同時に「あずさ」の全列車が立川駅に停車となる。
  • 2006年(平成18年)4月28日:「スーパーあずさ」「あずさ」の指定席での車内改札が「かいじ」・「はまかいじ」とともに原則省略となった。
  • 2007年(平成19年)
    • 3月18日:「スーパーあずさ」・「あずさ」・「かいじ」の全列車・全席禁煙を実施。
    • 4月7日:NHK大河ドラマ風林火山』放映に合わせ、新宿駅・甲府駅 - 長野駅間を運行する臨時特急列車「風林火山」運行開始。
    • 5月3日:一部の臨時「あずさ」号で189系あさま色の使用を開始。
  • 2008年(平成20年)3月15日:一部時間帯を除き「スーパーあずさ」・「あずさ」号が交互に運転されるようになる。
  • 2010年(平成22年)3月13日:「スーパーあずさ」の大糸線直通(信濃大町発)を廃止、「スーパーあずさ」は全列車が新宿駅 - 松本駅間のみの運行となる。
  • 2013年(平成25年)3月16日:「スーパーあずさ」の東京駅乗り入れを再開する。
  • 2014年(平成26年)
    • 2月14日 - 18日:山梨県内が記録的な大雪による影響で、「かいじ」とともに5日間運休となる。
    • 11月23日 - 12月7日:長野県北部で起きた地震(長野県神城断層地震)の影響により、大糸線が一部運休になり、23日は松本以北で[8]、25日以降は白馬以北で運休。
  • 2015年(平成27年)
  • 2016年(平成28年):「あずさ」・「スーパーあずさ」・「かいじ」にE353系を投入し、E257系・E351系の置き換えを開始(予定)。

列車名の由来

五十音順
  • 赤石」(あかいし) - 南アルプスといわれる「赤石山脈」にちなむ。
  • アルプス」 - 「日本アルプス」と総称される飛騨山脈(北アルプス)・木曽山脈(中央アルプス)・赤石山脈(南アルプス)にちなむ。
  • かいじ」 - 甲斐路。「甲斐国」へ通じる路を走る列車であることから。
  • 上高地」(かみこうち) - 長野県の景勝地「上高地」にちなむ。
  • こまがね」 - 木曽駒ヶ岳の麓にある「駒ヶ根市」にちなむ。
  • たてしな」 - 茅野市付近の「蓼科高原」・「蓼科山」にちなむ。
  • 白馬」(はくば) - 「白馬三山」と称される白馬岳(しろうまだけ)・杓子岳鑓ヶ岳にちなむ。
  • 風林火山」(ふうりんかざん) - 甲斐の戦国大名武田信玄の軍旗に記された『孫子』の「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山 / 疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し」の通称にちなむ。
  • 穂高」(ほたか) - 飛騨山脈最高峰の奥穂高岳や前穂高岳などの総称名である「穂高岳」にちなむ。
  • みのぶ」 - 目的地の身延線身延駅のある身延町にある「身延山」にちなむ。

脚注

注釈

  1. ^ それまでは、他の特急で認められるようになっていた定期乗車券と自由席特急券の併用が、「あずさ」「スーパーあずさ」の富士見駅以東では長らく認められず、別途普通乗車券を購入しなくてはならなかった。
  2. ^ これは1997年(平成9年)10月1日の北陸新幹線高崎駅 - 長野駅)先行開通後、首都圏 - 白馬間の利用者は北陸新幹線とバスを長野駅で乗り継ぐルートに転移し、中央本線経由での利用者が減少したための措置である。[要出典]

出典

  1. ^ JR東日本 富士山観光見込み、中央線特急に新型車両 - スポニチアネックス、2013年9月16日。
  2. ^ a b c d 中央線新型特急電車(E353系)量産先行車新造について (PDF) - 東日本旅客鉄道 2014年2月4日
  3. ^ JR東日本,E353系量産先行車を新造 - 交友社鉄道ファン」 railf.jp鉄道ニュース 2014年2月5日
  4. ^ えきねっとトクだ値 対象列車・価格:特急列車(在来線)
  5. ^ a b 鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、50頁。 
  6. ^ 鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、13頁。 
  7. ^ 外山勝彦「鉄道記録帳2002年11月」『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年2月1日、20頁。 
  8. ^ 長野北部で震度6弱の地震、鉄道に影響…大糸線では土砂流入
  9. ^ "2015年3月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 東日本旅客鉄道. 19 December 2014. 2014年12月24日閲覧
  10. ^ http://news.mynavi.jp/news/2015/07/25/079/
  11. ^ http://tetsudo-shimbun.com/article/topic/e353.html

関連項目