しおさい (列車)

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しおさい
LTD Exp Shiosai.JPG
255系「しおさい」
(2007年3月)
概要
種類 特急列車
運行開始 1975年3月10日
運営者 JR logo (east).svg 東日本旅客鉄道(JR東日本)
旧運営者 Japanese National Railway logo.svg 日本国有鉄道(国鉄)
路線
起点 東京駅
終点 佐倉駅成東駅銚子駅
使用路線 中央本線総武本線
技術
車両 E257系500番台電車幕張車両センター
255系電車(幕張車両センター)
軌間 1,067mm
電化 直流1,500V
運行速度 最高130 km/h (81 mph)[1]
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しおさいとは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が東京駅 - 佐倉駅成東駅銚子駅間を総武本線経由で運行している特急列車である。

本項では、総武本線で運転されていた優等列車の沿革についても記述する。

概要[編集]

東京千葉県北東部を結ぶ列車として、総武本線の全線電化完成後の1975年3月10日から東京駅 - 銚子駅間で運行を開始し、エル特急に指定された。それまで運行されていた急行「犬吠」の一部を特急列車に格上げしたもので、5往復が設定された。1982年11月には、急行「犬吠」として残っていた列車も特急に格上げされた。

2002年12月には通勤時間帯に「おはようしおさい」「ホームタウンしおさい」を設定するとともに、エル特急の呼称も廃止されたが、2004年10月に「しおさい」に統合されている。

列車名は、が満ちる時のの音を表す「潮騒[2]」が由来となっている。

運行概況[編集]

2015年3月14日現在、東京駅 - 銚子駅間で下り6本と上り5本、東京駅 - 成東駅間で1往復(下りの東京発成東行きは土曜・休日運休)、佐倉発東京行きが上り1本(土曜・休日運休)運行されている。このほか、行楽シーズンに東京駅 - 銚子駅間で1往復(81・82号)が追加運行される。

停車駅[編集]

東京駅 - 錦糸町駅 - 千葉駅 - (四街道駅) - 佐倉駅 - 八街駅 - 成東駅 - 横芝駅 - 八日市場駅 - 旭駅 - 飯岡駅 - 銚子駅

  • ( )内は一部の列車のみ停車

 四街道駅は下り13号、上り2・4号が停車。(ただし4号は平日のみ運転)

  • 2010年3月13日以降、土曜・休日に限り、1・12号は船橋駅臨時停車。なお、臨時列車の81・82号も停車。

使用車両・編成[編集]

現行の車両[編集]

車両編成についてはJR東日本千葉支社ホームページを参照

2005年12月から幕張車両センターに所属している255系およびE257系500番台が使用されている。

過去の車両[編集]

183系時代の「しおさい」
183系・189系
1975年3月から2005年12月まで使用しており、その後も臨時列車や255系・E257系の代走として運行された。
運行開始時点ではグリーン車連結の9両編成であったが、1985年3月に通常期・多客期で編成の増減を行なうようになり、通常期は3往復を9両(グリーン車連結)、4往復を6両(グリーン車非連結)、多客期は全列車9両(うち3往復グリーン車連結)で運行するようになった。JR移行後の1994年12月にはグリーン車連結を中止し、普通車モノクラスの6両編成または8両編成での運行となった[3]2000年代に入ってからは一部編成の電動車ユニットに189系が組成されていたこともあった[4]

担当車掌の所属区所[編集]


総武本線優等列車沿革[編集]

もともと総武本線の輸送は都市間連絡の役割が中心であり、観光輸送は戦前から内房線外房線方面に注力していた。そんな中で、千葉地区初の有料優等列車が総武本線に設定されたのは、同線が千葉地区唯一の「本線」であって同地区の路線を束ねる位置付けにあったこと(こちらも参照)や、千葉地区に優等列車を設定するだけの需要があるかどうか試す目的があったからだとされる。

「しおさい」の登場まで[編集]

  • 1958年(昭和33年)
    • 7月10日:両国駅 - 銚子駅間に初の優等列車として準急列車犬吠」が運転開始。車両は普通列車に運用されているキハ25形を使用。
    • 11月10日:両国駅 - 千葉駅間で房総東線(現在の外房線)経由安房鴨川行きと房総西線(現在の内房線)経由館山行きを併結した3階建て列車となり、列車名を「房総」に改める。ただし、誤乗を防ぐ観点から銚子方面の列車には「房総(犬吠)」のように列車名のあとにカッコ書きが入っていた。
  • 1959年(昭和34年)7月1日:「房総」を「京葉」に改称(カッコ付けは継続)。総武本線・房総東線・房総西線の臨時準急列車を2往復増発し、新たに「房総」とする。新設された「房総」は新宿駅 - 銚子駅・(房総東線・房総西線経由)新宿駅・(房総西線・房総東線経由)新宿駅間準急列車(3層建て列車かつ循環列車)の名称となる。系統別のカッコ書きも踏襲する。
  • 1960年(昭和35年)
    • 4月25日:「房総」が定期列車に格上げ。
    • 11月21日:「京葉」を1往復増発。ただし、増発分に関しては併結運転を実施するにもかかわらずすべての方面へ向かう列車が、下りは「京葉1号」、上りは「京葉2号」と名乗った。
  • 1961年(昭和36年)10月1日:「房総」の新宿駅・両国駅 - 千葉駅間での併結運転を中止。総武本線方面へ向かう列車を分離し、新宿駅・両国駅 - 銚子駅間に準急「総武」が運転開始。あわせて佐倉駅で分割併合する佐原駅発着の臨時準急を運転。成田線初の優等列車でもあった。「京葉」の括弧付け名称を2往復ともに廃止し、発車順にすべての方面へ向かう列車が「京葉1号」「京葉2号」となる(上下それぞれに「京葉1号」が存在)。
急行「犬吠」
(写真は2002年の復活運転時のもの)
  • 1962年(昭和37年)10月1日:準急は房総東・西線系統と総武本線系統の両国駅 - 千葉駅間での併結運転を中止。列車名の整理を行い、佐倉駅以東総武本線経由の準急は「犬吠」とし、「犬吠」は4往復の体制となる。なお、同年4月16日定期列車化した成田線方面の準急は「水郷」と命名。
  • 1963年(昭和38年)10月1日:「犬吠」の2往復にキロ28形を連結。
  • 1966年(昭和41年)3月5日:走行距離が100kmを越える準急列車をすべて急行に格上げしたことで「犬吠」は急行列車に昇格。
  • 1969年(昭和44年):房総夏ダイヤでは臨時「犬吠」を千葉駅 - 銚子駅間に下り1本と上り2本運転。DE10形牽引による客車急行だったが、普通列車並みの速度だったことから不評に終わりこの年限りで終了。
  • 1970年(昭和45年)10月1日:「犬吠」は7往復体制となり、車両もキハ58系に揃えられる。
  • 1972年(昭和47年)7月15日:「水郷」と併結運転していた2往復をそれぞれ単独運転とする。


「しおさい」の登場[編集]

  • 1975年(昭和50年)3月10日:総武本線の全線電化によるダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 急行「犬吠」を特急列車化し、「しおさい」として東京駅 - 銚子駅間で運転開始。5往復設定された。
      • 車両は183系電車であったが、速度は急行「犬吠」より大幅に向上したわけでないのに料金値上げになったため、当初評判はあまり良くなかった。
    2. 「犬吠」2往復が153系165系に置き換えられる。
  • 1982年(昭和57年)11月15日:急行「犬吠」を廃止し、「しおさい」を増発[5]。千葉鉄道管理局管轄各線から急行列車消滅。「しおさい」の新宿行きの列車を設定。
  • 1985年(昭和60年)3月14日:「しおさい」に新宿駅発着を取り止め、両国駅発着を1往復設定[5]。編成の見直しも行なわれ、通常期・多客期で編成の増減を行なうようになる[5]
  • 1994年(平成6年)12月3日:「しおさい」のグリーン車連結を中止[5]
  • 1998年(平成10年)12月8日:成東駅 - 銚子駅間を普通列車として運転する列車を設定。
  • 2002年(平成14年)12月1日:通勤時間帯に「おはようしおさい」「ホームタウンしおさい」の運転を開始。エル特急の呼称を廃止[6]
  • 2004年(平成16年)10月16日:「おはようしおさい」「ホームタウンしおさい」の愛称を「しおさい」に統一[7]
  • 2005年(平成17年)12月10日:「しおさい」全列車を255系とE257系500番台での運転に変更(255系5往復、E257系3往復)。全車禁煙化。255系運転列車ではグリーン車の設定が復活。午前中の東京行2本を統合し、上り1本を廃止。日中は、ほぼ2時間おきになるようにダイヤが組みなおされた。
  • 2008年(平成20年)12月5日 - 2009年(平成21年)1月16日:期間中の金曜日(1月2日をのぞく)に東京駅 - 千葉駅間で「ホームタウンしおさい」89号を運転。
  • 2009年(平成21年)3月14日:従来東京駅 - 成田駅間で運転していた「あやめ」1号の運転区間を東京駅 - 佐倉駅間に短縮し、「しおさい」13号として編入。
  • 2010年(平成22年)3月13日:「しおさい」17号の東京発の時刻を繰り下げ、「あやめ」3号との連結順序を逆転(「しおさい」17号が6 - 10号車となる)。また、1・14号は土曜・休日のみ船橋駅への臨時停車を開始。
  • 2010年(平成22年)12月4日:土曜・休日ダイヤでの「しおさい」17号を運休とし、「あやめ」3号の単独運転となる。
  • 2014年(平成26年)3月15日:車内販売を廃止。
  • 2015年(平成27年)3月14日:ダイヤ改正により、以下のように変更。
    • 下りの「しおさい」5号・13号、上りの10号を廃止し、7往復の運転となる。これにあわせ、一部列車の発車時刻調整実施[8]
    • 一部列車のみ停車していた飯岡駅に全列車停車するようになる[8]
    • 「しおさい」14号(旧:「しおさい」16号)の終着駅を新宿駅から東京駅に変更。これにより、新宿駅発着は全廃し、全列車が東京駅発着となる[8]
    • 「あやめ」の廃止に伴い、「しおさい」13号(旧:「しおさい」17号)は単独運転となる[8]
    • 定期券用月間料金券の発売を終了(2015年2月14日発売終了・2015年3月13日利用終了):東京・新宿 ⇔ 銚子、千葉 ⇔ 八日市場 - 銚子、千葉 ⇔ 横芝・滑河[9]
列車名の由来
五十音順
  • 犬吠」(いぬぼう) 千葉県銚子市の「犬吠埼」に因む。
  • おはようしおさい」 朝の通勤時間帯を走る「しおさい」であることから。
  • 京葉」(けいよう) 東京と千葉県各地を結ぶ列車であるから。
  • 総武」(そうぶ) 武蔵国下総国を結ぶことから。
  • 房総」(ぼうそう) 房総半島各地へ向かうことから。
  • ホームタウンしおさい」 夕方の帰宅時間帯に運転される「しおさい」であることから。

脚注[編集]

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  1. ^ わかしお・さざなみ・しおさい(E257系(500番台)・255系) - JR東日本、2016年4月13日閲覧。
  2. ^ 潮のさしてくる時の波の音(広辞苑第五版)
  3. ^ 「JR東日本 183・189系電車 近年の動き」『鉄道ピクトリアル』2010年4月号(通巻832号)、電気車研究会、p.58
  4. ^ 「表-1 183・189系電車 幕張電車区(現幕張車両センター) 配置両数の変遷」『鉄道ピクトリアル』2010年4月号(通巻832号)、電気車研究会、p.49
  5. ^ a b c d 『特急10年』 p.196
  6. ^ 「鉄道記録帳2002年12月」、『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年3月1日、 24頁。
  7. ^ 「鉄道記録帳」、『RAIL FAN』第52巻第1号、鉄道友の会、2005年1月号、 22頁。
  8. ^ a b c d “2015年3月ダイヤ改正について” (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道千葉支社, (2014年12月19日), http://www.jreast.co.jp/chiba/news/pdf/pre1412_timetable.pdf 2014年12月19日閲覧。 
  9. ^ “北陸新幹線開業に伴うおトクなきっぷの設定および2015年3月ダイヤ改正に伴うおトクなきっぷの見直しについて” (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道, (2014年12月22日), http://www.jreast.co.jp/press/2014/20141224.pdf 2014年12月24日閲覧。 

参考文献[編集]

関連項目[編集]