あずさ (列車)
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あずさ | |
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![]() あずさ(2020年12月) | |
概要 | |
国 |
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種類 | 特別急行列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 千葉県・東京都・神奈川県・山梨県・長野県 |
前身 | 記事内解説 |
運行開始 | 1966年12月12日 |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
旧運営者 | 日本国有鉄道(国鉄) |
路線 | |
起点 | 千葉駅・東京駅・新宿駅 |
終点 | 松本駅・南小谷駅 |
営業距離 | 341.6 km (212.3 mi)(千葉駅 - 南小谷駅間) |
運行間隔 | 16往復 |
使用路線 | 総武本線・中央本線・篠ノ井線・大糸線 |
車内サービス | |
クラス | グリーン車・普通車 |
身障者対応 | 9号車 |
座席 | 記事内解説 |
技術 | |
車両 |
E353系電車 (松本車両センター) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500 V |
最高速度 | 130 km/h[1] |
あずさは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が主に新宿駅 - 松本駅間を中央本線・篠ノ井線経由で運行する特急列車である。
なお本項では、かつて同一経路で運転されていた「スーパーあずさ」とともに、中央本線の東京駅 - 塩尻駅間(中央東線)で運転されていた優等列車の沿革(歴史)についても記述する。
概要
1966年12月12日に新宿駅 - 松本駅間で1日2往復で運転を開始した。
1977年3月25日に発売された狩人の楽曲『あずさ2号』が大ヒットしたことで一時的に「あずさ」の利用客が増えるなど、沿線利用者や鉄道ファン以外でも知名度は高い。1988年には甲府駅・竜王駅といった山梨県内止まりの列車は「かいじ」として「あずさ」から分離した。2019年3月15日までは、振子式車体傾斜装置を搭載していたE351系電車で運行されていたダイヤを踏襲する列車には「スーパーあずさ」の名称が使われていた。E353系電車は2017年12月23日より特急「スーパーあずさ」として運行を開始し、2018年7月1日からは特急「あずさ」「かいじ」としても運行を開始した。2019年3月16日ダイヤ改正より定期列車はE353系に統一され、同時に「スーパーあずさ」は「あずさ」に統合された。
2022年4月の繁忙期以降は波動輸送用のE257系5000番台電車も臨時で運用されている。
列車名の由来
長野県松本市の上高地を流れる「梓川(あずさがわ)」(犀川の上流域)にちなんでいる。
なお、1957年10月1日から新宿駅 - 松本駅間で運転を開始した臨時夜行準急に、1960年1月1日 - 4月25日まで「あずさ」の名称が使用されていた。
運行概況
2022年3月12日現在、定期列車は新宿駅 - 松本駅間の運行を基本に下記の合計16往復が運行されている。
- あずさ:16往復
- 新宿駅 - 松本駅間(下り13本/上り11本):下記以外
- 東京駅 - 新宿駅 - 松本駅間(下り1本/上り3本):下り41号/上り4・8・12号
- 新宿駅 - 松本駅 - 南小谷駅間(上下1往復):下り5号/上り46号
- 千葉駅 - 新宿駅 - 松本駅間(上下1往復):下り3号/上り50号
新宿駅 - 松本駅間ではおおむね毎時1本の割合で運行されている。一部列車は東京駅・千葉駅・南小谷駅発着で運行されている。千葉駅発着の場合は、御茶ノ水駅 - 錦糸町駅間に、中央・総武緩行線を経由する[注釈 1]。 かつては、新宿駅の甲州街道跨線橋の架け替え工事によって中央急行線の中野駅 - 御茶ノ水駅間が使用停止になる際は中野駅発着となったり、三鷹駅 - 立川駅間の連続立体交差事業によってこの区間の一部が運休となる場合は立川駅や八王子駅発着(かつ、京王線・京王高尾線との振替輸送のため、高尾駅に臨時停車)となることがあった。
2020年3月13日までは、下り1本のみだが千葉発南小谷行きの列車も設定されていた。この列車は、千葉 - 南小谷間341.6kmを5時間4分もかけて運転されており、在来線定期昼行電車特急およびJR東日本管内を走る特急列車としては1位、本州内を走る特急列車では2位、全国を走る特急列車としては4位だった。
停車駅
新宿駅では、基本的に中央線特急専用ホームである9・10番線に発着するが、一部列車は快速列車のホームである7・11番線に到着する。甲府駅は原則下りは1番線、上りは2番線から発車するが、ごく稀に上り臨時列車で3番線から発車する場合がある。松本駅は発車番線が1 - 4番線と様々で、駅の案内等で確認する必要がある。
- ●:全列車が停車
- 数字:一部停車(数字は停車本数)
- -:通過
- =:経由なし
運行本数\駅名 | 千葉駅 | 船橋駅 | 錦糸町駅 | 東京駅 | 新宿駅 | 立川駅 | 八王子駅 | 大月駅 | 塩山駅 | 山梨市駅 | 石和温泉駅 | 甲府駅 | 韮崎駅 | 小淵沢駅 | 富士見駅 | 茅野駅 | 上諏訪駅 | 下諏訪駅 | 岡谷駅 | 塩尻駅 | 松本駅 | 豊科駅 | 穂高駅 | 信濃大町駅 | 白馬駅 | 南小谷駅 | 備考 |
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下り1本 | ● | ● | ● | = | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
上り1本 | ● | ● | ● | = | ● | ● | ● | ● | - | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
下り1本 | ● | ● | ● | ● | - | - | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||
上り3本 | ● | ● | ● | ● | - | - | - | - | ● | 2 | 2 | 2 | ● | ● | 2 | ● | ● | ● | |||||||||
下り11本 | ● | ● | ● | 2 | 1 | 1 | 1 | ● | 6 | ● | 2 | ● | ● | 2 | ● | ● | ● | ||||||||||
上り9本 | ● | ● | ● | 2 | 2 | 2 | 2 | ● | 5 | ● | 2 | ● | ● | 2 | ● | ● | ● | ||||||||||
下り2本 | ● | ● | ● | - | - | - | - | ● | - | - | - | ● | ● | - | - | - | ● | ||||||||||
上り2本 | ● | ● | ● | - | - | - | - | ● | - | - | - | ● | ● | - | 1 | 1 | ● | ||||||||||
下り1本/上り1本 | ● | ● | ● | - | - | - | - | ● | - | ● | - | ● | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
使用車両・編成
あずさ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2022年3月12日現在 ← 千葉・東京・新宿 甲府・松本・南小谷 →
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- 「あずさ」は松本車両センター配置のE353系電車で運行される[2]。
- 16往復中4往復が基本編成9両に付属編成3両を併結した12両編成で運転され、残りの12往復は基本編成のみの9両編成で運転されている。12両編成で運転される列車のうち下り列車一本のみ(5号)は大糸線南小谷駅まで乗り入れるが、大糸線に乗り入れる車両は基本編成9両のみで、松本駅で付属編成3両の分割を行う。南小谷発の列車(46号)は全区間基本編成9両で運転される。2022年3月12日改正以前は、南小谷発の列車(46号)は松本駅で3両の増結を行っていた。なお2022年8月には、多客が見込まれる日に46号(と新宿折返し後の53号)が12両編成で運転された(2022年3月12日改正以前と同じ運用)。
- 16往復中1往復(3・44号)は千葉・新宿 - 大月間で付属編成3両の富士急行線に直通する特急「富士回遊」と連結して12両編成で運転している。
- 2019年春のダイヤ改正以降、中央東線の特急(「あずさ」「かいじ」)の定期列車は全てE353系に統一された[3]。また、全車指定席になり座席未指定券を購入の場合は普通車指定席のみ空席を利用することができるようになった。
- 2021年12月30日から、一部の臨時列車にて大宮総合車両センター東大宮センターのE257系5000番台9両編成が使用されている[4]。
過去の使用車両
- 181系:1966年12月12日から1975年12月6日まで使用されていた。
- 183系・189系:1973年10月1日から2002年6月30日まで使用されていた(臨時列車としては2018年11月まで使用)。
- 松本運転所配置の9両編成と長野総合車両所配置の11両編成で運行されていた。
- 臨時列車には、長野総合車両センター配置の189系N102編成6両編成が使用され、時刻表には「一般型特急車両で運転」と表記された。過去には、田町車両センター・大宮総合車両センター・幕張車両センター・豊田車両センター所属車も使用されていた。
- E351系:1993年12月23日から2018年3月16日まで使用されていた。
- E257系0番台:2002年12月1日から2019年3月15日まで使用されていた(臨時列車としては2021年まで使用)。
- E257系500番台:2018年から2019年まで臨時列車で使用されていた。
運転速度と所要時間
区間 | 最短所要時間 | 最長所要時間 |
---|---|---|
新宿 - 松本 | 2時間23分 | 2時間54分 |
新宿 - 甲府 | 1時間22分 | 1時間38分 |
新宿 - 八王子 | 28分 | 38分 |
千葉 - 松本 | 3時間32分 | 3時間45分 |
甲府 - 松本 | 1時間 | 1時間20分 |
2022年3月現在のダイヤでは、新宿駅 - 松本駅間の約225.1kmを最も速い「あずさ」37号が2時間29分で走行している。この区間の表定速度は約90km/hと、在来線特急列車としては比較的速い部類に入る。しかし、中央本線の高尾駅 - 塩尻駅間は全体の運行本数は少ないものの、大部分が山間部を縫って走る路線のためにカーブや勾配が多く、さらに茅野駅と上諏訪駅の間にある普門寺信号所から岡谷駅までの間は単線であることから対向列車の待ち合わせが発生する。また、高尾駅 - 東京駅間は線形は比較的良いが、通勤路線で本数が非常に多い快速電車と同じ線路を走行するため、それらの電車の間を縫って走行しなければならず、速度向上の妨げになっている。
181系で運行されていた時代は、旧線を走行したことから最高速度が95km/hに留まり、新宿 ‐ 松本間の所要時間は4時間近くに上った。183系に置き換わり最高速度が120km/hまで向上したことや、塩嶺トンネルの開通による新線への切り替えにより、同区間の所要時間は最短で2時間40分にまで短縮したが、最高速度で走行可能な区間は塩嶺トンネルなど全区間の5%程度に過ぎなかった。一部がE351系に置き換わり、半径400m以上の曲線で本則+25km/hでの走行が可能となったものの、全列車を置き換えるには至らなかった。残った183系を置き換える目的で投入されたE257系は低重心化が図られたものの、半径400m以上の曲線の通過速度は本則+15km/hまでに留まっていた。
臨時列車
甲信エクスプレス
「甲信エクスプレス」は山梨・諏訪エリアから長野駅経由で北陸新幹線へ接続し、北陸方面へのアクセスを便利にする目的で塩山駅 - 長野駅間で運転された臨時特急列車である[報道 1] 。
設定当初は下り甲府駅発が7時台と始発「あずさ」より約1時間早く、上りも甲府駅着が最終「あずさ」より遅く設定されていた。また、甲府駅から長野駅へ向かう定期直通特急列車は1997年9月30日を最後に途絶えており[注釈 3]、現在は松本駅で「あずさ」と「しなの」で乗り換える必要があるが、臨時ながらもこの列車の設定により乗り換えなしで行くことができた。また長野駅では、北陸新幹線「かがやき」「はくたか」と接続していた。
なお、2016年秋以降は設定されていない。
停車駅
塩山駅 - 山梨市駅 - 石和温泉駅 - 甲府駅 - (竜王駅) - 韮崎駅 - 小淵沢駅 - 茅野駅 - 上諏訪駅 - 下諏訪駅 - 岡谷駅 - 塩尻駅 - 松本駅 - 篠ノ井駅 - 長野駅
※2015年秋まで、竜王駅にも停車していた。
使用車両
189系6両編成(全車普通車指定席)
木曽あずさ
「木曽あずさ」は2017年(平成29年)に実施された信州デスティネーションキャンペーンの一環として、新宿駅 - 南木曽駅間を辰野駅経由で運転された臨時特急[報道 2]。沿線での滞在を考慮し、新宿発南木曽行きが運行された翌日に南木曽発新宿行きの列車が運転される形態で、3回運行された。辰野駅では飯田線駒ケ根駅行きの臨時快速「飯田線リレー号」と接続を取っていた[5]。
当列車は旅客営業取扱基準規程の列車特定区間の規定[注釈 4]により、岡谷駅 - 塩尻駅間の特急料金がみどり湖駅経由で計算された[注釈 5]。
2018年にも信州アフターディスティネーションキャンペーンの一環で2往復運行された[報道 3]。
停車駅
新宿駅 - 立川駅 - 八王子駅 - 甲府駅 - 茅野駅 - 上諏訪駅 - 岡谷駅 - 辰野駅 -塩尻駅 -奈良井駅 - 木曽福島駅 - 南木曽駅
使用車両
189系6両編成(全車普通車指定席)
この他にも2003年12月31日に松本駅から東京臨海高速鉄道りんかい線新木場駅へ向かうE257系を使用した臨時特急「カウントダウンあずさ94号」が運行されている。(りんかい線内は快速として運行)[7]
特別企画乗車券
中央高速バスとの対抗上、千葉・新宿(東京都区内)駅 - 甲府駅以西の主要駅間を対象に、2019年3月改正までは、通年発売の特別企画乗車券「あずさ回数券」が設定されていた。えきねっと利用者に対して乗車券と特急券が最大で35%割引される「トクだ値」が一部列車・区間で設定されている[8]。
中央東線優等列車沿革
中央東線での有料優等列車の歴史は太平洋戦争後の1948年(昭和23年)からである。しかし昭和前期に運転された同線の臨時普通列車・準急列車には、「高嶺」「アルプス」など地方鉄道管理局が独自に設けた列車愛称が付けられていたこともあった。
戦後の展開
- 1948年(昭和23年)7月1日:中央東線初の優等列車として、新宿駅 - 松本駅間に臨時夜行準急2403・2404列車を新設。
- 1949年(昭和24年)9月15日:2403・2404列車は定期列車に格上げされ、列車番号も403・402列車となる。
- 1952年(昭和26年)4月15日:403・402列車から改められた407・408列車に「アルプス」と命名。またこの時、同区間に昼行準急列車も1往復設定される。
- 1954年(昭和29年)
- 1955年(昭和30年)
- 1957年(昭和32年)10月1日:新宿駅 - 松本駅間に臨時夜行準急を1本設定。
- 1960年(昭和35年)
- 1961年(昭和36年)10月1日:サンロクトオのダイヤ改正により次のように変更。
- 1962年(昭和37年)12月1日:「穂高」のうち昼行列車を気動車急行化して「アルプス」に編入し、「アルプス」は昼行3往復、「穂高」は夜行1往復となる。「白馬」は2往復とも大糸線直通となり、うち1往復は糸魚川駅へ乗り入れることとなった。
- 1963年(昭和38年)5月21日:新宿駅 - 飯田駅間を中央本線・飯田線経由で運行する準急「赤石」を新設。新宿駅 - 辰野駅間は「アルプス」に併結。
- 1964年(昭和39年)10月1日:新宿駅 - 上諏訪駅間に165系電車による急行列車「たてしな」が運転開始。
- 1965年(昭和40年)
特急「あずさ」の登場とその後の展開
- 1966年(昭和41年)
- 3月15日:準急「赤石」を急行に格上げ。
- 12月12日:新宿駅 - 松本駅間に特急「あずさ」を2往復新設。
- 本来は信越本線特急「あさま」とともに10月1日改正から運行を開始する予定であったが、複線化工事が遅れた関係で12月12日にずれ込んだ[9]。
- 田町電車区(→田町車両センター→現在の東京総合車両センター田町センター)配置の181系電車10両編成が充当され、上越線特急「とき」と共通運用であった。
- 途中停車駅は、甲府駅と上諏訪駅のみであった。
- 運転初日、下り「第1あずさ」が甲府駅を出発してすぐに、耕耘機と衝突する踏切事故を起こし、運転不能になった。この事故の影響で、上り急行「第2アルプス」の編成の一部を切り離して松本駅まで運転、上り「第2あずさ」も165系電車で代走した[9]。運転開始初日から急行形車両で代走する事態に陥った特急は珍しい。
- 運転開始当初、新宿 - 松本間の所要時間は最速で3時間57分、表定速度は61 km/hであった[10]。
- 1967年(昭和42年)10月1日:「赤石」の臨時便として臨時急行「こまがね」が運転される。
- 1968年(昭和43年)10月1日:ヨンサントオのダイヤ改正により列車愛称の整理が行われ、急行「赤石」「天竜」の名称を「こまがね」に統合。
- 1969年(昭和44年)
- 4月25日:臨時列車を含むすべての「あずさ」が八王子駅に停車となる。
- 7月1日:181系の運用移管が行われ、新潟運転所(現在の新潟車両センター)の配置となる。
- 1970年(昭和45年):「こまがね」が天竜峡駅まで延長運転される。
- 1971年(昭和46年)4月:「あずさ」の大糸線信濃大町駅まで季節延長運転開始。
- 1972年(昭和47年)
- 1973年(昭和48年)10月1日:この時のダイヤ改正により、以下のように変更。
- 1975年(昭和50年)
- 1976年(昭和51年)11月30日:この日限りで「アルプス」のビュフェ車の営業を休止。
- 1978年(昭和53年)10月2日:この日実施されたダイヤ改正により、「下りは奇数・上りは偶数」に号数番号を統一。「たてしな」は、急行「アルプス」に名称が吸収される。
- 1982年(昭和57年)11月15日:ダイヤ改正により、以下のように変更された。
- 「あずさ」の大糸線乗り入れを定期化し、運転区間を南小谷駅までに変更。
- 上越新幹線開業により「とき」が廃止され、183系1000番台の一部が長野運転所に転属となり、「あずさ」に転用された。
- 1983年(昭和58年)7月5日:中央本線のルートが「大八回り」と呼ばれた辰野駅経由から塩嶺トンネルの開通によりみどり湖駅経由の新線に切り替わったことにより、優等列車を中心に以下のように変更された。
- 1985年(昭和60年)3月14日:この時のダイヤ改正により、以下のように変更された。
総特急化および「スーパーあずさ」運行開始
- 1986年(昭和61年)11月1日:ダイヤ改正により、以下のように変更された。
- 1987年(昭和62年)12月:「あずさ」に183系電車のグレードアップ仕様の車両を使用開始。車内放送用チャイムは、あずさ・後のかいじ用に数種類のメロディを用意してあり、季節や駅によって異なるものを流した。
- 1988年(昭和63年)3月13日:「あずさ」の甲府駅発着列車を「かいじ」に分離[新聞 2]。
- 1990年(平成2年):「あずさ」の内房線直通がこの夏を最後に消滅。
- 1991年(平成3年)3月21日:成田空港駅開業により千葉駅発着の「あずさ」1往復を成田空港駅まで多客期の臨時列車として延長運転。列車名を「ウィングあずさ」として運転。1993年(平成5年)秋期まで運転された。
- 1993年(平成5年)12月23日:「あずさ」2往復に振り子式車両のE351系電車を使用開始[新聞 3]。
- ただし当初、E351系は2編成のみの配属だったため、閑散期等は183系で代走する。
- 1994年(平成6年)12月3日:E351系による「スーパーあずさ」運行開始[新聞 4]。
- また、このときより「スーパーあずさ」は1号から、「あずさ」は51号から号数が割り当てられた。
- 1997年(平成9年)10月12日:大月駅列車衝突事故によりE351系が破損し、翌年7月まで「スーパーあずさ」用の車両が不足。「スーパーあずさ」の一部列車が183系による代走となる。
- 2000年(平成12年)12月31日:松本駅 - 新宿駅間の最終列車「スーパーあずさ16号」が列車名を「ミレナリオスーパーあずさ16号」に変更した上で新宿駅 - 東京駅間を延長運転。
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)
- 2004年(平成16年)3月13日:ダイヤ改正。「スーパーあずさ」「あずさ」の号数の振り方を区別せず、発車の早い順に通し番号とする。また「スーパーあずさ」の東京駅乗り入れ廃止。
- 2005年(平成17年)12月10日:「スーパーあずさ」11号・28号の松本駅 - 白馬駅間を臨時化し、多客時のみの運転となった。同時に「あずさ」の全列車が立川駅に停車となる。
- 2006年(平成18年)4月28日:「スーパーあずさ」「あずさ」の指定席での車内改札が「かいじ」「はまかいじ」とともに原則省略となった。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)3月15日:一部時間帯を除き「スーパーあずさ」「あずさ」号が交互に運転されるようになる。
- 2010年(平成22年)3月13日:「スーパーあずさ」の大糸線直通(信濃大町発)を廃止、「スーパーあずさ」は全列車が新宿駅 - 松本駅間のみの運行となる。
- 2013年(平成25年)3月16日:「スーパーあずさ」の東京駅乗り入れを再開する。
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)3月26日:新宿駅17時発の特急「あずさ25号」の始発駅を東京駅に変更。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
全車指定席化とその後の展開
- 2019年(平成31年/令和元年)
- 3月16日:ダイヤ改正により、以下のように変更される[報道 12]。
- 定期列車をE353系に統一し、全列車車体傾斜装置を使用することで時分短縮(一部の臨時便は車体傾斜装置未搭載のE257系を使用)。「スーパーあずさ」の愛称廃止。
- 新たな着席サービス(全車指定席)が導入され、座席未指定券を発売開始。
- 「あずさ」の全列車が三鷹駅、塩山駅、山梨市駅、石和温泉駅を通過し[注釈 7]、これまで全停車していた上諏訪駅を通過する定期列車が設定される[注釈 8]。新宿駅-松本駅間の平均所要時間は上りで4分、下りで6分短縮されたものの、下諏訪駅などを含めて5駅で停車が2 - 12本減少[注釈 9]。
- これまで定期列車の「あずさ」の号数は1 - 2桁、「かいじ」の号数は3桁としていたがこれをやめ、それぞれ下り1号、上り2号からの愛称毎の通し番号とする。
- 車内販売を飲料・菓子類・つまみ類のみ販売に縮小する[報道 13]。
- 10月12日 - 10月27日:令和元年東日本台風(台風19号)による大雨の影響で、梁川駅 - 四方津駅間で土砂流入する被害を受け一部区間で運休となった影響で、「かいじ」・「富士回遊」と共に運休となる[報道 14]。
- 3月16日:ダイヤ改正により、以下のように変更される[報道 12]。
- 2020年(令和2年)
- 2022年(令和4年)
列車名の由来
- (五十音順)
- 「赤石」(あかいし) - 南アルプスといわれる「赤石山脈」にちなむ。
- 「あずさ木曽」「木曽あずさ」 - あずさ+木曽(木曽地域)。木曽地域まで運転を行っていた事から。
- 「アルプス」 - 「日本アルプス」と総称される飛騨山脈(北アルプス)・木曽山脈(中央アルプス)・赤石山脈(南アルプス)にちなむ。
- 「ウィングあずさ」 - ウィング(翼)+あずさ。成田空港に乗り入れを行っていた事から。
- 「かいじ」 - 甲斐路。「甲斐国」(山梨県)へ通じる路を走る列車であることから。
- 「上高地」(かみこうち) - 長野県の景勝地「上高地」にちなむ。
- 「こまがね」 - 木曽駒ヶ岳の麓にある「駒ヶ根市」にちなむ。
- 「たてしな」 - 茅野市付近の「蓼科高原」「蓼科山」にちなむ。
- 「白馬」(はくば) - 「白馬三山」と称される白馬岳(しろうまだけ)・杓子岳・鑓ヶ岳にちなむ。
- 「風林火山」(ふうりんかざん) - 甲斐の戦国大名武田信玄の軍旗に記された『孫子』の「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山 / 疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し」の通称にちなむ。
- 「穂高」(ほたか) - 飛騨山脈最高峰の奥穂高岳や前穂高岳などの総称名である「穂高岳」にちなむ。
- 「みのぶ」 - 目的地の身延線身延駅のある山梨県身延町にある「身延山」にちなむ。
脚注
注釈
- ^ 御茶ノ水駅に中央快速線と接続する分岐が、錦糸町駅に総武快速線と接続する分岐が存在する。
- ^ 下り9・13・17・21・25・29・37・41・45・53・55号、上り4・8・12・16・18・22・30・34・38・42・46号。
- ^ ただし、2007年(平成19年)に期間限定で甲府駅 - 長野駅間を結ぶ臨時特急列車「風林火山号」が運行されている。
- ^ 2021年5月27日改正の旅客営業規則から第70条の2として当規定が明記されており、当列車運行時には旅客営業規則には記載されておらず旅客営業取扱基準規定でのみ定義されていた[6]。
- ^ 「岡谷駅以遠(下諏訪方面)から辰野支線を経由し、塩尻駅以遠(広丘方面または洗馬方面)に直通する急行列車の料金および特別車両料金は辰野支線内で途中下車しない場合、みどり湖駅経由で料金計算され、運賃および乗車券の券面の経由表示もみどり湖駅経由となる場合がある。」というもの
- ^ それまでは、他の特急で認められるようになっていた定期乗車券と自由席特急券の併用が、「あずさ」「スーパーあずさ」の富士見駅以東では長らく認められず、別途普通乗車券を購入しなくてはならなかった。
- ^ 塩山、山梨市、石和温泉の各駅は「かいじ」全列車停車が継続されるが、三鷹駅は同日新設の「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ」を含め中央線特急系統全列車通過となり、停車する特急列車は「成田エクスプレス」のみとなった。
- ^ これにより特急化以降、新宿駅‐松本駅間で通過実績のない途中停車駅は甲府駅のみとなる(八王子駅、茅野駅は過去に通過実績あり)。
- ^ 沿線との事前協議無く途中駅での停車数が減便されることになったため、諏訪地域の各自治体や長野県庁は強く反発。2019年2月1日にJR東日本本社にダイヤ改正見直しを要望した[新聞 5]。
出典
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- ^ 中央線特急列車「あずさ」「かいじ」E353系置き換えについて~2018年7月1日(日)開始~ - JR東日本長野支社 > JR東日本ニュース(2018年5月16日発表)2018年7月1日閲覧
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- ^ 『鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、13頁。
- ^ a b 「鉄道記録帳2002年12月」『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年3月1日、24頁。
- ^ 外山勝彦「鉄道記録帳2002年11月」『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年2月1日、20頁。
- ^ 長野北部で震度6弱の地震、鉄道に影響…大糸線では土砂流入
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新聞記事
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- ^ “JR旅客6社と貨物 新列車ダイヤが確定”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1987年12月22日)
- ^ “新型「あずさ」スタート”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1993年12月25日)
- ^ “JR東日本「スーパーあずさ」 松本駅で出発式”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1994年12月7日)
- ^ 【列島追跡】JR特急あずさ、途中駅で停車減/事前協議なく沿線反発『日本経済新聞』朝刊2019年2月25日(地域総合面)2019年4月12日閲覧。
- ^ 「岡谷、下諏訪、富士見駅 あずさ停車増を歓迎」『長野日報』長野日報社、長野県諏訪市、2020年3月15日。2023年3月15日閲覧。オリジナルの2020年3月14日時点におけるアーカイブ。