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だが、限られた街区を更地にして巨大ビル群を建設するルネサンス・センターの手法は、周囲の荒廃した地域に及ぼす波及効果が低く、[[都市再生]]の手法としてはあまり成功していない。依然としてダウンタウン周辺の[[空洞化]]は続いており、ダウンタウンには駐車場や空き地、全くテナントのいない高層ビルも多く、具体的な解決を見ていない。また、富裕層は郊外に移住、貧賤な層が取り残され、治安の改善もあまり進んでいないのが現状である。荒廃した地域では一戸建ての家が1ドルで販売されているところもある。この時代を描いていると思われるのが、[[クリント・イーストウッド]]が監督・プロデューサー・主演をつとめた2008年のアメリカ映画『[[グラン・トリノ]]』(Gran Torino)である。
だが、限られた街区を更地にして巨大ビル群を建設するルネサンス・センターの手法は、周囲の荒廃した地域に及ぼす波及効果が低く、[[都市再生]]の手法としてはあまり成功していない。依然としてダウンタウン周辺の[[空洞化]]は続いており、ダウンタウンには駐車場や空き地、全くテナントのいない高層ビルも多く、具体的な解決を見ていない。また、富裕層は郊外に移住、貧賤な層が取り残され、治安の改善もあまり進んでいないのが現状である。荒廃した地域では一戸建ての家が1ドルで販売されているところもある。


[[2009年]]のゼネラルモーターズ破綻、そしてクライスラー破綻により再開発は悲観的となった<ref name="nikkeibp20090615"/>。だが、2010年は三社とも前年より業績回復はしており、特に[[フォードモーター]]は販売台数において全米で2位に返り咲き、GMは[[中国]]向けなどが好調で、販売台数世界一位の[[トヨタ自動車]]に肉薄、[[フィアット]]の支援を受け再建途上のクライスラーも2011年度決算で黒字を見込むなど好転の兆しを見せている。その他、世界5大モーターショーの一つである[[北米国際オートショー]]の伝統的な開催地であることや、自動車の殿堂、[[ヘンリーフォード博物館|ヘンリー・フォード・ミュージアム]]を始めとする自動車関連の博物館など[[自動車産業]]は観光にも少なからず貢献しており、依然として全米随一の'''モーターシティ'''として重要な機能を果たしている。
[[2009年]]のゼネラルモーターズ破綻、そしてクライスラー破綻により再開発は悲観的となった<ref name="nikkeibp20090615"/>。だが、2010年は三社とも前年より業績回復はしており、特に[[フォードモーター]]は販売台数において全米で2位に返り咲き、GMは[[中国]]向けなどが好調で、販売台数世界一位の[[トヨタ自動車]]に肉薄、[[フィアット]]の支援を受け再建途上のクライスラーも2011年度決算で黒字を見込むなど好転の兆しを見せている。その他、世界5大モーターショーの一つである[[北米国際オートショー]]の伝統的な開催地であることや、自動車の殿堂、[[ヘンリーフォード博物館|ヘンリー・フォード・ミュージアム]]を始めとする自動車関連の博物館など[[自動車産業]]は観光にも少なからず貢献しており、依然として全米随一の'''モーターシティ'''として重要な機能を果たしている。
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== 人口動勢 ==
== 人口動勢 ==
=== 概略 ===
=== 概略 ===
デトロイトは大きな{{仮リンク|カルデア人|en|Chaldeans}}住民及びこの国で最大の{{仮リンク|アラブ系アメリカ人|en|Arab American}}コミュニティーの本拠地でもある。最近、この地域は{{仮リンク|アジア系アメリカ人|en|Asian American}}([[ミャオ族]]の支族である{{仮リンク|モン人 (Hmong)|en|Hmong people}}が帰化した{{仮リンク|モン系アメリカ人|en|Hmong American}})及び[[ヒスパニック]]・コミュニティーが成長していると確認された。この都市の南西部側は大きな[[チカーノ|メキシコ系アメリカ人]]コミュニティーが含まれる。デトロイト市内の人口の8割を[[黒人]]が占める。その多くが、自動車産業関連の職を求めて南部から移住してきた人とその子孫である([[アフリカ系アメリカ人の大移動]])。一方、白人の多くは[[郊外]]の[[衛星都市]]に住んでいる。郊外の[[衛星都市]]の住民は9割以上を白人が占めている。アメリカで最も治安が悪いと言われているデトロイト市内に比べて、郊外の[[衛星都市]]には裕福な人々が多く住んでおりは治安は非常に良く対照的である。[[衛星都市]]に住む住民は治安の悪いデトロイト市内に入ること無しに生活が成り立っており、デトロイト市内の空洞化に拍車をかけ、空き地や巨大廃墟ビルが多く見受けられる。長期の傾向としては減少を続けており、ピークから半減している。
デトロイトは大きな{{仮リンク|カルデア人|en|Chaldeans}}住民及びこの国で最大の{{仮リンク|アラブ系アメリカ人|en|Arab American}}コミュニティーの本拠地でもある。最近、この地域は{{仮リンク|アジア系アメリカ人|en|Asian American}}([[ミャオ族]]の支族である{{仮リンク|モン人 (Hmong)|en|Hmong people}}が帰化した{{仮リンク|モン人 (Hmong)系アメリカ人|en|Hmong American}})及び[[ヒスパニック]]・コミュニティーが成長していると確認された。この都市の南西部側は大きな[[チカーノ|メキシコ系アメリカ人]]コミュニティーが含まれる。[[クリント・イーストウッド]]が監督・プロデューサー・主演をつとめた2008年のアメリカ映画『[[グラン・トリノ]]』(Gran Torino)は、このモン人 (Hmong)系アメリカ人・コミュニティーを描いている。デトロイト市内の人口の8割を[[黒人]]が占める。その多くが、自動車産業関連の職を求めて南部から移住してきた人とその子孫である([[アフリカ系アメリカ人の大移動]])。一方、白人の多くは[[郊外]]の[[衛星都市]]に住んでいる。郊外の[[衛星都市]]の住民は9割以上を白人が占めている。アメリカで最も治安が悪いと言われているデトロイト市内に比べて、郊外の[[衛星都市]]には裕福な人々が多く住んでおりは治安は非常に良く対照的である。[[衛星都市]]に住む住民は治安の悪いデトロイト市内に入ること無しに生活が成り立っており、デトロイト市内の空洞化に拍車をかけ、空き地や巨大廃墟ビルが多く見受けられる。長期の傾向としては減少を続けており、ピークから半減している。


高い犯罪発生率、[[失業率]]、そして貧困率といった状況が労働力を流出させ、人口減少に繋がっている<ref name="nikkeibp20090615"/>。
高い犯罪発生率、[[失業率]]、そして貧困率といった状況が労働力を流出させ、人口減少に繋がっている<ref name="nikkeibp20090615"/>。

2013年1月9日 (水) 14:34時点における版

デトロイト
City of Detroit
デトロイトの市旗
市旗
愛称 : Motor City, Motown, Rock City, The D, Murder City, Hockey Town, Hitsville U.S.A., Devil City
標語 : "Speramus Meliora; Resurget Cineribus(英: We Hope For Better Things; It Shall Rise From the Ashes よりよきものへの希望、灰塵からの復興)"
位置
の位置図
座標 : 北緯42度19分53.76秒 西経83度2分51秒 / 北緯42.3316000度 西経83.04750度 / 42.3316000; -83.04750
歴史
市制 1806年
行政
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
  ミシガン州
  ウェイン郡
 市 デトロイト
市長 Kenneth Cockrel Jr.
地理
面積  
  市域 370.2 km2 (143.0 mi2)
    陸上   359.4 km2 (138.8 mi2)
    水面   10.8 km2 (4.2 mi2)
  都市圏 9,453 km2 (3,650 mi2)
標高 190 m (623 ft)
人口
人口 (2005年現在)
  市域 886,675人
    人口密度   2,647人/km2(6,856人/mi2
  市街地 3,903,377人
  都市圏 4,488,335人
その他
等時帯 東部標準時 (UTC-5)
夏時間 東部夏時間 (UTC-4)
公式ウェブサイト : http://www.detroitmi.gov/

デトロイト: Detroit)は、アメリカ合衆国ミシガン州南東部にある都市。南北をエリー湖ヒューロン湖に挟まれており、東はカナダウィンザー市に接する。アメリカ中西部有数の世界都市

人口は、2000年国勢調査では951,270人、2007年の推計では916,952人。デトロイトの都市圏(大都市統計地域: MSA)の人口は4,452,559人であり、全米第9位の規模。フリントなどを含めた広域都市圏(合同統計地域: CSA)の人口は5,357,538人(いずれも2000年国勢調査)で、やはり全米9位の規模である。また、失業率貧困率が高い。主要産業は自動車産業であり、「自動車の街」とも呼ばれる(後述)。

歴史

1942年のデトロイトのウッドワード・アヴェニュー

デトロイトは1805年の大火の後、計画都市として裁判官のオーガスタス・ウッドワード英語版によって都市設計され、その後ピーター・シャルル・ランファンへと引き継がれる。元々、馬車自転車製造が盛んだったが、1899年に自動車工業が興る。そして1903年ヘンリー・フォードが量産型の自動車工場を建設、「T型フォード」のヒットとともに全米一の自動車工業都市として発展した。後にゼネラルモーターズクライスラーが誕生、フォード・モーターと共にビッグ3と呼ばれた。市はモーターシティと呼ばれるようになり、全盛期には180万の人口を数えた。その半数が自動車産業に関わっていた。

だが1967年7月にはアフリカ系アメリカ人による大規模なデトロイト暴動が市内で発生し多数の死傷者を出し、ホワイト・フライト(白人の郊外への脱出)が盛んになった。1970年代頃から安価で安全、コストパフォーマンスに優れた日本車の台頭により自動車産業が深刻な打撃を受けると、企業は社員を大量解雇、下請などの関連企業は倒産が相次ぎ、市街地の人口流出が深刻となった。同時に、ダウンタウンには浮浪者が溢れ、治安悪化が進んだ(インナーシティ問題と呼ばれる)。日本バブルを謳歌していた頃、特に市況はどん底に陥っていた。荒れ果てた市街地を逆手に取り映画ロボコップ」などのモデルとなったのもこの頃である(実際にロケを行ったのはさながら未来都市の景観を呈していたダラスであった)。

事態を重く見た市は、1990年頃から大規模な摩天楼が林立するルネサンス・センター(GM本社がテナントに入った)をシンボルに都市再生を目指し、ダウンタウンには新交通システム: People mover - ピープルムーバー)が設けられている。日本総領事館も、邦人から治安のいい郊外に設置するよう強い希望があったが、デトロイト市行政当局の運動に協力する意味合いを含めて市街地に設置した経緯がある。また、自動車以外の産業を育てるべく、映画産業の振興も行った[1]

アメリカ最大の自動車メーカーゼネラルモーターズ本社

だが、限られた街区を更地にして巨大ビル群を建設するルネサンス・センターの手法は、周囲の荒廃した地域に及ぼす波及効果が低く、都市再生の手法としてはあまり成功していない。依然としてダウンタウン周辺の空洞化は続いており、ダウンタウンには駐車場や空き地、全くテナントのいない高層ビルも多く、具体的な解決を見ていない。また、富裕層は郊外に移住、貧賤な層が取り残され、治安の改善もあまり進んでいないのが現状である。荒廃した地域では一戸建ての家が1ドルで販売されているところもある。

2009年のゼネラルモーターズ破綻、そしてクライスラー破綻により再開発は悲観的となった[1]。だが、2010年は三社とも前年より業績回復はしており、特にフォードモーターは販売台数において全米で2位に返り咲き、GMは中国向けなどが好調で、販売台数世界一位のトヨタ自動車に肉薄、フィアットの支援を受け再建途上のクライスラーも2011年度決算で黒字を見込むなど好転の兆しを見せている。その他、世界5大モーターショーの一つである北米国際オートショーの伝統的な開催地であることや、自動車の殿堂、ヘンリー・フォード・ミュージアムを始めとする自動車関連の博物館など自動車産業は観光にも少なからず貢献しており、依然として全米随一のモーターシティとして重要な機能を果たしている。

また、2011年あたりから他業種の研究機関などもミシガン州を中心に進出が相次ぐなど、全米の他都市と比較しても急速に経済状況は回復しており、2011年の1月から2月の間に、失業率が約1%減少するなどしている。それだけに、市は治安、特にインナーシティの環境改善が急務であり、1920年代に建てられ荒廃したままになっているビル群の再開発・再利用や、郊外企業のダウンタウンへの移転などに取り組んでいる。

地理

アメリカ航空宇宙局(NASA)のランドサット7号(LANDSAT-7)が観測したデトロイトの衛星イメージ

アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積370.2 km² (142.9 mi²) である。このうち359.4 km² (138.8 mi²) が陸地で10.8 km² (4.2 mi²) が水地域である。総面積の2.92%が水地域となっている。

デトロイトはメトロ・デトロイトと東南ミシガン地方の主要都市である。デトロイトで最も高い標高は670フィート(204 m)で、大学地区の北西部デトロイトである。逆に、最も低い標高は河岸地域で、579フィート(176 m)である。東にはデトロイト川を隔ててカナダのオンタリオ州ウィンザーがあり、デトロイトは主要都市のなかでカナダとの国境に接する唯一の都市である。

同市はハムトラミックとハイランド・パークを内包しており、北東の都市堺にはグロス・ポイントがある。ワイアンドット国立野生動物保護区はアメリカ合衆国で唯一の国際野生動物保護区である。保護区には、デトロイト川と西エリー湖の海岸線48マイル(77 km)に沿って島、沿岸の湿地、沼地、浅瀬帯、ウォーターフロントの地域が含まれている。

3つのフランス式大通りがデトロイトの道路網を交差している。ワシントンD.C.から影響された放射大通りとオハイオ川北西部の道路網をなす東西を結ぶ大通りである。カナダのウィンザーへの交通網は4つあり、そのうち2つの自動車道でアンバサダー・ブリッジとデトロイト・ウィンザー・トンネルがある。鉄道網ではミシガン・セントラル鉄道英語版のトンネルがデトロイト川の下を通っており、残りはデトロイト・ウィンザー・トラック・フェリーによる海路である。フェリーの乗り場は、ウィンザー・ソルト・マインとツーク島である。[2]

都市景観

デトロイト・ダウンタウンの夜景

デトロイトの全景において、ウォーターフロントは様々な建築構造をスタイルを垣間見ることができる。現代的なネオゴシックスタイルで設計されたワン・デトロイト・センターのコメリカ・タワーは、同市に所在するアール・デコスタイルの超高層ビルに調和するように設計された。コメリカ・タワーは、ゼネラルモーターズ本社であるルネサンス・センターと共に特徴的な景観を形成している。

デトロイトでアール・デコスタイルを採用した超高層ビルは、有名なフィッシャー・ ビルディングルを始め、ガーディアン・ビルディング(ユニオン・トラスト)、ペノウスコット・ビルディング、キャデラック・プレイスがある。

市内の中で、突出した構造をもつ建造物は、デトロイト美術館、デトロイト・オペラ・ハウス、国内最大のフォックス・シアターがある。

超高層ビルはダウンタウンのニューセンター地域に集中しており、都市近郊の大部分は低階層建造物と一戸建の住宅からなっている。都市中心から外側に高層住宅がウッドワードの西からパーマー・パークとグロス・ポイントの方向に向かって建設されている。

行政区

出身者

人口動勢

概略

デトロイトは大きなカルデア人住民及びこの国で最大のアラブ系アメリカ人英語版コミュニティーの本拠地でもある。最近、この地域はアジア系アメリカ人ミャオ族の支族であるモン人 (Hmong)英語版が帰化したモン人 (Hmong)系アメリカ人英語版)及びヒスパニック・コミュニティーが成長していると確認された。この都市の南西部側は大きなメキシコ系アメリカ人コミュニティーが含まれる。クリント・イーストウッドが監督・プロデューサー・主演をつとめた2008年のアメリカ映画『グラン・トリノ』(Gran Torino)は、このモン人 (Hmong)系アメリカ人・コミュニティーを描いている。デトロイト市内の人口の8割を黒人が占める。その多くが、自動車産業関連の職を求めて南部から移住してきた人とその子孫である(アフリカ系アメリカ人の大移動)。一方、白人の多くは郊外衛星都市に住んでいる。郊外の衛星都市の住民は9割以上を白人が占めている。アメリカで最も治安が悪いと言われているデトロイト市内に比べて、郊外の衛星都市には裕福な人々が多く住んでおりは治安は非常に良く対照的である。衛星都市に住む住民は治安の悪いデトロイト市内に入ること無しに生活が成り立っており、デトロイト市内の空洞化に拍車をかけ、空き地や巨大廃墟ビルが多く見受けられる。長期の傾向としては減少を続けており、ピークから半減している。

高い犯罪発生率、失業率、そして貧困率といった状況が労働力を流出させ、人口減少に繋がっている[1]

人口

以下は2000年現在の国勢調査における人口統計データである。

デトロイト市
年代ごとの人口推移
[1]
統計年 人口 順位
1840年 9,102人 40位
1850年 21,019人 30位
1860年 45,619人 19位
1870年 79,577人 18位
1880年 116,340人 18位
1890年 205,876人 15位
1900年 285,704人 13位
1910年 465,766人 9位
1920年 993,078人 4位
1930年 1,568,662人 4位
1940年 1,623,452人 4位
1950年 1,849,568人 5位
1960年 1,670,144人 5位
1970年 1,511,482人 5位
1980年 1,203,339人 6位
1990年 1,027,974人 7位
2000年 951,270人 10位
2004年(推計) 900,198人 11位

基礎データ

  • 人口: 951,270人
  • 世帯数: 336,428世帯
  • 家族数: 218,341家族
  • 人口密度: 6,855.1人/mi²(2,646.7人/km²)
  • 住居数: 375,096軒
  • 住居密度: 2,703.0軒/mi²(1,043.6軒/km²)

人種別人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 31.1%
  • 18-24歳: 9.7%
  • 25-44歳: 29.5%
  • 45-64歳: 19.3%
  • 65歳以上: 10.4%
  • 年齢の中央値: 31歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 89.1
    • 18歳以上: 83.5

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 33.9%
  • 結婚・同居している夫婦: 26.7%
  • 未婚・離別・死別女性が世帯主: 31.6%
  • 非家族世帯: 35.1%
  • 単身世帯: 29.7%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 9.2%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.77人
    • 家族: 3.45人

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 29,526米ドル
    • 家族: 33,853米ドル
    • 性別
      • 男性: 33,381米ドル
      • 女性: 26,749米ドル
  • 人口1人当たりの収入: 14,717米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 26.1%
    • 対家族数: 21.7%
    • 18歳未満: 34.5%
    • 65歳以上: 18.6%

その他

  • 現在のデトロイト市民の47%は職務上無学である。[3]
  • 72%の子供は、シングルマザー(未婚の母)の家庭に生まれる。

治安

デトロイト市
危険度ランキング推移
(モーガン・クイットノー社発表[4])
1996年 5位
1997年 5位
1998年 3位
1999年 1位
2000年 1位
2001年 1位
2002年 2位
2003年 1位
2004年 2位
2005年 2位
2006年 2位

上述したとおり、治安は悪く、米国100大都市で最悪の犯罪率を記録。貧困が犯罪を呼び、犯罪が人・企業を遠ざけ、人口の減少と失業を招き、それが貧困を招く、といった悪循環に陥っている。2008年には、人口10万人あたり1,220件の暴力事件が発生。このため、2009年にはフォーブスによりアメリカで最も危険な街と名指しされたほか、2010年にはCNNにより「世界の治安ワースト10都市」の1つに選出されている[5]

ゼネラル・モーターズが破綻した際には、総額6900万ドルの失業対策及び、警察官の雇用費用が打ち出された[1]

文化

メディア

デトロイト市をサービスしている主要日刊Detroit Free Press及びDetroit Newsである。他のデトロイトの新聞は週刊The Metro Timesである。デトロイト市はこの州で最大なアフリカン・アメリカン所有新聞、週刊Michigan Chronicle、及びアフリカン・アメリカン読者向けの他の新聞、Michigan Citizenの本拠地でもある。

デトロイト市のテレビジョン市場はアメリカ合衆国内で11番目に最大である [2]。デトロイトから放送している多くのテレビジョン放送局はほぼすべてのデトロイトを本拠地としている放送局の送信施設がある、サウスフィールドにスタジオを所有している。デトロイトから放送している放送局はWJBK (Fox)、WDIV-TV (NBC)、WXYZ (ABC)(広島ホームテレビ(テレビ朝日系)と姉妹局提携)、及び WWJ-TV (CBS) が含まれる。他のデトロイト大都市圏のテレビジョン放送局はWMYD (My)、WKBD (CW)、WPXD-TV (Pax TV) 及び WADL-TV (主要なインフォマーシャル放送) が含まれる。WTVS はこの都市のPBS会員局である。デトロイトの人々は Windsor 内を本拠地としているCBCテレビジョン 系列、CBET Ch. 9 からの放送波も受信できる。視聴者の場所によってはTVOntarioCTV及びSRCネットワークも受信できる。コムキャストはこの都市向けにケーブルTVを提供している。

デトロイトはまた多様なラジオ放送局によってサービスされている。主要なAM放送局は WJR 760 (ニュース/トーク)、WWJ 950 (ニュース)、CKLW (カナダの一般的なトーク) 及び WDFN 1130 (スポーツ) である。いくつかのFM放送局はWNIC 100.3 (複合ジャンル)、WJLB 97.9 (アーバンコンテンポラリー)、WMXD (アーバンアダルトコンテンポラリー)、及び WOMC 104.3 (オールディーズ) が含まれる。WDET 101.9 はこの都市のNPR 放送局である。WUOM 91.7 及び WEMU 89.1 は地域 NPR 系列でもあるWDET。Windsor ラジオ放送局 CIMX 88.7 及び CBC 89.9 はデトロイト地域でも聞く事ができる。

スポーツ

デトロイト・タイガースの本拠地コメリカパークの三塁側後方に隣接するフォード・フィールドは、NFLデトロイト・ライオンズのホームスタジアムである。

デトロイトは北米で4つの主要なスポーツを代表するプロフェッショナルチームの本拠地である。(バスケットボールのデトロイト・ピストンズは郊外のオーバーンヒルズにあるザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズで試合をする)

クラブ スポーツ リーグ 競技場
デトロイト・タイガース 野球 MLB コメリカ・パーク
デトロイト・ライオンズ フットボール NFL フォード・フィールド
デトロイト・ピストンズ バスケットボール NBA ザ・パレス・オブ・オーバーンヒルズ
デトロイト・レッドウィングス アイスホッケー NHL ジョー・ルイス・アリーナ
デトロイト・ショック バスケットボール WNBA ザ・パレス・オブ・オーバンヒルズ
デトロイト・デモリション アメリカンフットボール NWFA
デトロイト・イグニッション サッカー MISLXSL コンピュウェア・アリーナ    

この都市は3つの活動的な主要スポーツの開催地である:野球向けのコメリカ・パークアメリカンフットボール向けのフォード・フィールド及びアイスホッケー向けのジョー・ルイス・アリーナ

1982年から1988年まで、先述のルネッサンス・センターを中心とした市街地を利用して、F1が開催された。F1は一つの国で一開催という原則があるが、アメリカは国土が広いことから一時期複数回のF1が開催されており、「アメリカ東GP」(「アメリカ西GP」はカリフォルニア州のロングビーチ市街地)または「デトロイトGP」という名称が用いられた。 また1989年から1992年まで、インディカー・シリーズ(当時はCARTとして)が、同じコースで開催されている。CART(チャンプカー)はその後、ベルアイル島Belle Isleに開催の舞台を移し、2001年までCARTのレースとして開催。2007年からはインディカー(IRL)のレースとして開催されている(なお、インディカーとチャンプカーは1996年から2007年までの12年間分裂状態にあった)。 なお、シルベスター・スタローン監督のカーレースをテーマにした映画「ドリヴン」では、このベルアイル島のCARTレースの模様が映画のシーンに用いられている。メインスポンサーであるゼネラル・モーターズの経営不振により、2008年から2011年までは開催が見送られていたが、2012年にインディカー・シリーズのカレンダーに復活した。

無制限の水上滑走艇ボートレース APBA ゴールドカップは1990年以来毎年デトロイトで開催される。このレースはBelle Isle 近くのデトロイト川で開催される。

コメリカ・パークは2005年7月12日の2005年のMLBオールスターゲームの開催地となり、フォード・フィールドは2006年2月5日の第40回スーパーボウルの開催地となる。

また、デトロイトは1944年大会1952年大会1956年大会1960年大会1964年大会1968年大会、及び1972年大会と、過去7回オリンピックの開催都市に立候補した(いずれも落選)。

交通

空港

高速道路

デトロイト市は I-75、I-94、I-96、I-696、I-275、及びI-375を含む、6つの主要な州間高速道路が交わっている。

輸送機関

デトロイト市の輸送機関サービスはデトロイト市交通局 (Detroit Department of Transportation 略 DDOT) によって提供されている。デトロイト交通局は路線バスと障害者向けのパラトランジットサービスを直営で行っている。なお、デトロイト市を含むデトロイト大都市圏の4つの郡が共同で地域交通局(Suburban Mobility Authority for Regional Transportation 略 SMART)を運営しており、そのバスもデトロイト市内に乗り入れている。

デトロイト市はダウンタウン地域で2.9マイルのループ路線をサービスしている、ピープル・ムーバーと知られるライトレール・システムを運行するデトロイト交通公社の運営も行っている。

姉妹都市

デトロイト市はいくつかの都市と姉妹都市の提携をしている。このうち、豊田、トリノはそれぞれトヨタ自動車フィアットの本拠地であり、自動車工業の街として知られている。

脚注

  1. ^ a b c d 「デトロイト、米最悪都市の末路 GM破綻、犯罪増、人口減…」『日経ビジネス』2009年6月15日号 『株式会社日経BP
  2. ^ Patricia Zacharias "The ghostly salt city beneath Detroit" Michigan History, The Detroit News. January 23, 2000.
  3. ^ detnews.com [リンク切れ]
  4. ^ Morgan Quitno Press 2008年 (英語)
  5. ^ http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0426&f=national_0426_011.shtml 米CNNが選んだ「世界の治安ワースト10都市」(CNN.NEWS.2010年4月26日)]

関連項目

外部リンク


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